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- 応用研究部 藤木 智和

ユーザーの不満を解決する新しいカイロを開発
私は素材の研究を行う応用研究部に所属し、使い捨てカイロをメインに様々な素材の開発と分析を担当しています。一般的にカイロは発熱が速ければ速いほど、持続性に欠けるという特徴があります。カイロは鉄と酸素の酸化反応で温かくなるので、発熱が速いということはカイロの酸化反応速度が速く、短時間で発熱を終えてしまうことを意味します。当社はカイロの常識を打ち破る、発熱が速く持続性もある高性能なカイロの開発に挑みました。
商品化に向けて取り組んだことは主に2点あります。1点目は配合の工夫です。カイロは主原料である鉄粉とその他の副原料を配合して作ります。わずかな配合量の違いで温まり方に変化が生まれますので、何度も実験を行って最適な配合バランスを研究しました。2点目はカイロの内袋(鉄粉が入っている袋)の仕様です。高機能カイロに適した通気性を持つ素材を探しあて、発熱量を調整しながら持続時間を長くキープできるようにしました。最適な配合と内袋の組み合わせを探るため、実験と評価を何通りも試し、発熱性・持続性の双方を兼ね備えた高機能カイロの試作に完成しました。
実験室での成功は本当の成功とは呼べない
実験室では試作品を完成させることができましたが、量産体制を整えるまでにはまだ課題があります。原料を混ぜ合わせる条件が実験室と現場の生産ラインとでは大きく異なりますので、狙い通りの品質のカイロが必ずしも現場でつくれるわけではありません。実験室でカイロの評価・分析を行う場合は約1kgの原料を混ぜ合わせます。しかし、生産ラインにのせる場合は一度に大量の商品をつくるために数百kgもの原料を使い、混ぜ合わせるための機械も巨大です。1kgと数百kgでは原料の混ざり方が異なるので、製造現場では実験結果通りの発熱性・持続性が引き出せない場合があります。量産体制を構築するために忍耐強く実験を重ね、配合や撹拌方法を検討しました。チャレンジの末、品質のムラを限りなくゼロに近づけることに成功しました。素材を研究するだけでなく、実際に商品を量産してこそ本当の成功といえるのです。
無事に高機能カイロを商品化させ、いまでは多くの生活者にご利用いただいています。自分の手がけた商品を生活者に喜んで手にとってもらえることが一番の幸せで、買い物に行った際には自分の携わった商品の売れ行きがついつい気になってしまいます。当社のキャッチフレーズは「もっと快適に、もっと便利に」で、一人でも多くの生活者に快適さ・便利さを届けることを目的としています。今後も新しい技術を生み出し、喜んで使ってもらえるようなものづくりをしていきます。



