【2023年最新版】オフィスの空室率とは?上昇のおもな要因や入居率向上の対策を紹介

2023.10.23
業務効率化

オフィスのレンタル事業を行ううえで、需要の推移は重要な指標です。需要が下がれば貸しオフィスの空室率が上昇し、利益が下がってしまいます。オフィスの空室率にあわせて、新たな施策を打ち出す必要があるかもしれません。

本記事ではオフィスのレンタル事業をしている人に向け、オフィスの空室率について解説します。また、空室率が上昇する原因や入居率を高める対策もご紹介するので、空室率の上昇に悩んでいる方は必見です。

オフィスの空室率とは

オフィスの空室率とは、建物やビルの賃貸オフィス部分の総床面積に対し、入居していない部屋の面積部分を指しています。

なお、オフィスの空室率が5%以上の場合、その地域ではオフィススペースの供給が需要を上回っており、供給過剰と見なされます。一方、5%以下の場合、まだオフィススペースの需要があると考えられます。

【2023年最新版】オフィスビルの空室率

2023年最新の各都心部を中心としたオフィスの空室率は、次のとおりです。関東や関西の都心部は特に空室率が上昇しており、供給過剰な傾向であることがわかります。

空室率
札幌2.2%
仙台4.7%
東京都心6.4%
横浜5.1%
大阪5.1%
名古屋5.5%
福岡4.5%

※出典元:国土交通省「令和4年度土地に関する動向/令和5年度土地に関する基本的施策

オフィス空室率からわかる現状

前述のオフィス空室率データから推察すると、オフィスのレンタル業界はどのような現状なのでしょうか。データを踏まえて2023年時点の現状を解説します。

■空室率は地域差が大きい

データを紐解いていくと、オフィスの空室率は地域差がかなり大きいことがわかります。ただ全国的にオフィスの需要が減少しているわけではなく、エリアによって需要の差がある状況です。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、人口が多い都心部の企業はオフィスを分散するケースが増加しました。需要が高い地域にオフィステナントが乱立したことで、現在は極端な地域差が生まれています。

■東京・大阪・名古屋・横浜のオフィスは供給過剰

東京・大阪・名古屋・横浜の空室率は5%以上となっており、オフィスが多い「供給過剰」の状態です。新型コロナウイルス感染症拡大前の需要動向にあわせて急増した背景もあり、多くのテナントでオフィステナントが展開されています。

また、近年の再開発に伴い、建設される大型ビルでもオフィステナントが数多く展開されています。データや傾向から見ても、都心部は特に供給過多な状況が続くとみられるでしょう。

空室率が上昇する主な要因

空室率が上昇する要因を詳しく見ていきましょう。

■開発事業による供給増加

空室率が上昇し続けているのは、多くの開発プロジェクトが同時に進行していることが主な原因です。

都心部のさまざまな再開発地域では、オフィス、住宅、商業施設などを組み合わせた複合施設が増加しています。

さらに、大規模なオフィスビルが次々とオープンし、今後も多くの開業が予定されています。これらの開発プロジェクトが重なって、供給が急激に増加し、空室率の上昇を促進していると考えられます。

不動産業界でも、供給の増加が深刻な問題とみなされており、「2023年問題」とも呼ばれています。この課題に対処するための対策が検討されています。

■オフィス移転や縮小の動きの活発化

オフィス移転や縮小の動きが活発化したことも、空室率が上昇した一因です。

新型コロナウイルス感染症の拡大以降、多くの企業がテレワークを導入しました。当時は一時的な対応と考えている企業もありましたが、実際には、感染状況に関係なくテレワークを継続する企業が増えています。

つまり、かつて必要とされていた従来のオフィススペースを保持する必要はないと判断する企業が増えているとも言えます。

特にIT関連業界では、リモートワークでも業務への支障がなく、社員が働きやすくなった例がよく見られます。

新しい運営形態を採用した企業では、オフィスを縮小したり、より経費がかからない場所に移転したりする取り組みが進行中です。

オフィスの空室率が高い場合のデメリット

オフィスの空室率が高まると、次のようなデメリットにつながります。

  • 目標の家賃収入に到達できない
  • オフィスのイメージダウンの懸念

空室率が上昇すれば、予想していた賃貸収入に到達するのは難しくなります。さらに収益が減ると、将来の計画に懸念が生まれるでしょう。

また、オフィスの空室率が高いと、何らかの問題があるのではないかと疑念を抱かせてしまうケースがあります。この疑念から潜在的なテナントが逃れてしまえば、さらにオフィスの運用が難しくなるかもしれません。

オフィスの空室率の上昇を放置するのは高いリスクを伴います。健全な不動産運用には迅速な対策が必要です。

オフィスの入居率を高める対策

オフィスの空室率を減少させ、入居率を向上させるためには、単にテナント料を引き下げるだけでなく、魅力的なオフィススペースに変革し、コスト削減や新たな用途の展開など、幅広い対策が必要です

オフィスの入居率を高める対策を詳しく解説していきます。

■募集内容の見直し

オフィスの空室率が高い場合、オフィスの魅力的な特徴がうまく伝えられていない可能性があります。

オフィスを探している潜在的なテナントは、場所の便益、内部の設備や清潔さなどに注目します。

たとえば「駅近」「美しいフロア」「高いセキュリティ」といったキーワードを使って、広告を工夫すれば、Web検索で目立ちやすくなるでしょう。

ただし、実際のオフィスの状態と合致しないキーワードを使うと、信頼性に欠ける印象を与えてしまうため、得策ではありません。実際に提供できる魅力的な要素をアピールすることが重要です。

また、入居率が改善しない場合、賃料が周辺の相場より高すぎる可能性も考えられます。周辺の賃料相場を調査し、必要に応じて賃料を見直しましょう。

ただし、賃料を過度に引き下げると利益が減少する可能性があるため、再設定は慎重に行う必要があります。

■メンテナンスやリノベーションを実施

ビルやオフィスが築年数が長い場合、メンテナンスやリノベーションによって、入居率を向上できる可能性があります。

たとえば外観やエントランスに大規模なクリーニングをする、共用部の改修工事などです。改修によって利便性が向上すれば、オフィスの価値が高まり、企業やテナントの注目を集めることができるでしょう。

■オフィス用途の拡大

オフィスの用途を拡大するのも、一つの手です。

大規模な企業向けの貸しオフィスだけに頼ると、一定の規模の企業や事業者しか集めにくい場合があります。また、オフィスの縮小の傾向があるなか、大規模テナントを獲得するのは難しくなっています。

しかし、オフィスの利用方法を拡大し、サテライトオフィスやシェアオフィスを提供することで、集客の幅を広げられます。複数の企業に部分的にオフィススペースを提供できるため、さまざまな規模の企業が利用しやすくなるでしょう。

さらに、オフィスにこだわらず貸し会議室として貸し出す手もあります。イベントや研修会などで室内施設を探している企業・事業者の利用を狙うことが可能です。

■省エネ化による費用削減

健全なオフィス運用のためには外部向けの施策だけではなく、内部のコストも見直すことが重要です。オフィス・建物の省エネ化で費用削減を図りましょう。

省エネ化はオフィス・建物の管理コストだけではなく、入居中のテナントにかかる経費削減にもつながります。たとえば照明を蛍光灯からLEDにするなど、省エネ効果の高い設備を導入するだけで、大幅なコスト削減が可能です。

当社では企業向けオフィスに利用できるベースライトや、廊下や共用部に最適なベースライト、間接照明など多彩な商品を展開しています。

省エネ化を意識した提案も可能なため、照明部分での改善を検討する際はお問い合わせください。

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■セキュリティ対策の強化

セキュリティ対策の強化は入居率アップに効果的です。企業は安心して業務ができ、社内情報を保全できる環境であることをオフィス選びで重視します。

たとえば、建物警備やオフィス・部屋ごとのセキュリティの強化、監視カメラの充実などがあげられます。入居する企業・事業者が安心できる環境を整えていきましょう。

当社は、オフィス向けのAIカメラも展開しています。単に監視カメラとしての役割だけではなく、顔認識でオフィスの関係者を識別し、登録のない人物を監視・記録する機能を兼ね備えているのが特徴です。

また、AIの識別機能を使ってオフィス内の勤怠や入退室管理の自動化も可能です。来客の受付もAIカメラを活用できるため、スムーズな管理が叶います。セキュリティ周辺の一新の際には選択肢として検討してみてください。

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オフィスの見直しをして入居率アップを促進しよう

オフィスの空室率は全国的に異なりますが、東京・大阪・名古屋・横浜の都心部に関しては5%以上の供給過剰が続いています。今後も新たなオフィスビルや複合施設が次々と開業する見通しであり、供給過多の状況が続く予想です。

空室率を減少させるには、企業に選んでもらえるような工夫が必要です。募集内容の見直しやオフィスのメンテナンス・リノベーション、セキュリティ対策の強化などを通じて、魅力的なオフィスを提供しましょう。