自動車を使用する事業において、「運転日報」の具体的な役割や重要性が明確でないことも多いかもしれません。
本記事では、安全運転管理者に新たに任命された方や運転日報について理解を深めたい方々に向けて、運転日報の概要や必要な記載項目、作成手順を解説します。
さらに、運転日報の作成・記入・管理の負担を軽減するための方法もご紹介しますので、ぜひご一読ください。
運転日報とは?
運転日報とは、自動車を運転する従業員が行った作業を記録するものです。具体的には、ドライバー自身が運転を終えた後に記録を残します。
運転日報の作成を義務付けている2つの法律
運転日報の作成は次の二つの法律によって義務付けられています。
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則
- 道路交通法施行規則
■貨物自動車運送事業輸送安全規則
貨物自動車運送事業輸送安全規則は、国土交通大臣または地方運輸局長の認可を受けた「一般貨物自動車運送事業者(トラックなどを使用して貨物を有償で運送する緑ナンバー事業者)」が安全な輸送を行うために遵守する義務がある法律です。
一般貨物自動車運送事業者は、貨物自動車運送事業輸送安全規則の第八条において、運転者の業務記録ならびに記録の保管が義務付けられています。
※出典元:e-Gov法令検索 貨物自動車運送事業輸送安全規則
■道路交通法施行規則
道路交通法施行規則は、主に白ナンバー自動車を使用する事業者が安全な道路交通を守るために定められています。なお、運転日報の記録は次の要件が一致する白ナンバー事業者が対象です。
- 乗車定員が11人以上の自動車1台以上ある事業者
- 5台以上の自動車を所有する事業者
該当する事業者は安全運転管理者を選任し、公安委員会にも届け出が必要です。任命された安全運転管理者は、規則に則って運転日報の記録と保存を行います。
※出典元:e-Gov法令検索 道路交通法施行規則(安全運転管理者等の選任を必要とする自動車の台数)
安全運転管理者の未選任・未届けには罰則あり
貨物自動車運送事業輸送安全規則や道路交通法施行規則の要件に該当する事業者が、安全運転管理者の未選任・未届けした場合には次の罰則が科せられます。
- 未選任のケース・・・50万円以下の罰金
- 未届けのケース・・・5万円以下の罰金
運転日報の保存期間
安全運転管理者の役割は、運転日報の日々の記録だけでなく、その保存と管理も含まれます。貨物自動車運送事業輸送安全規則や道路交通法施行規則では、運転日報は最低1年間保存することが義務付けられています。
ここで注意したいのは労働基準法との関係です。労働基準法・第百九条では労働に関する重要書類について次のように定めています。
- 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。
※出典元:e-Gov法令検索 労働基準法 第百九条(記録の保存)
ただし、経過措置として、当分の間は3年が適用されることから、最低でも3年間は保存するようにしましょう。
運転日報の記載項目
運転日報の記載項目には厳密なルールがあります。ただし緑ナンバー事業者・白ナンバー事業者で細かい項目が異なるので、記録方法を間違えないよう注意が必要です。
■一般貨物自動車運送事業者(緑ナンバー)の場合
一般貨物自動車運送事業者の運転日報の場合は、必要な記載項目は次の8つです。
- 運転者の氏名
- 運転した自動車の自動車登録番号、または自動車が識別可能な表示
- 運転前・運転後と場所、主な途中経過の地点や乗務した距離
- 途中で運転を交代した場合は場所と日時
- 休憩や睡眠をとった場合は場所と日時
- 貨物の積載状況・集荷状況(車両総重量が8トン以上/最大積載量が5トン以上の事業用普通自動車の場合)
- 交通事故、著しい運行の遅延やそのほかの異常な状態が発生した場合の概要と原因
- 経路などの運行指示があった場合の指示内容
※参考:e-Gov法令検索 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第八条(業務の記録)
■一定以上の自動車を所有する事業者(白ナンバー)の場合
一定以上の自動車を所有する事業者の運転日報の場合は、必要な記載項目は次の3つです。
- 運転者の氏名
- 乗務開始・終了日時と場所、主な途中経過の地点や乗務した距離
- そのほか、自動車の運転の状況を把握するために必要な事項
※出典元:道路交通法施行規則 第九条の十(安全運転管理者の業務)
運転日報の運用手順
運転日報の運用方法には、紙などのアナログ方法とデジタルを活用したクラウド上での記録・管理方法の2つがあります。
まず基本的な流れとして、紙媒体での運転日報の運用手順をご紹介します。後述のクラウド管理も合わせて検討してください。
1.必要項目をテンプレート化して事前準備
運転日報に決まったテンプレートはなく、各企業が独自に作成する必要があります。したがって、記載すべき項目を整理することが重要です。
なお、全国の関連機関でテンプレートを無料公開しているケースもあるので、自社用に組み換えて活用するのもおすすめです。
2.運転前・運転後にドライバーが必要項目を記入
運転日報の記載事項に則り、運転前・運転後にドライバーに必要項目を記入してもらいます。
ただし、アナログな紙管理では書き間違えや、記入要項が読めないといった事態が起きやすくなります。事前に丁寧な記入と表記の統一を事前に周知させ、再度確認の手間がなるべく必要ないようにしましょう。
3.ドライバーから安全運転管理者に提出
次にドライバーに運転前・運転後に記入した運転日報を提出してもらいましょう。提出先は事業者によって異なります。
- 一般貨物自動車運送事業者:事務担当者(※担当者を通し安全運転管理者へ渡す)
- 一定以上の自動車を所有する事業者:安全運転管理者
4.事務担当者や安全運転管理者が内容を確認
運転日報を受け取った事務担当者・安全運転管理者は、記載内容に間違いがないかチェックしましょう。よくある間違いの例としては次のようなケースがあります。
- メーターの距離の記録ミス
- 出庫と帰庫の記録が逆
- 移動先の場所が間違っている
内容に間違いがある場合はドライバーに修正を依頼し、正しい内容で再提出をしてもらいましょう。
5.確認しやすいように整理し保管する
運転業務ごとに提出してもらう運転日報は、いつでも確認できるように整理して保管しておきましょう。記録を整理し、保管するのも安全運転管理者の役務です。
紙媒体で保管する際は、目次やインデックスをつける・ファイリングするなど、徹底した整理が望ましいでしょう。のちに提出を求められた場合にすぐにデータを探せるように管理しておくことが大切です。
運転日報作成の負担軽減にはシステムの導入がおすすめ
運転日報を紙で記録する事業者も少なくありませんが、多くの場合、紙による運用は手間や時間がかかります。
手間をかけずに運用したい場合はクラウド管理がおすすめです。
システムを使用することで、ドライバーの記録だけでなく、管理者が行う分類や検索も楽になります。
特に、GPSを搭載したアプリや車載デバイスと連動させ、運転日報を自動作成できるシステムを導入すると、ドライバーの負担を軽減できます。また、運転日報をデータ化することで移動距離の分析が容易になり、エコドライブの推進や車両の異常にも気づきやすくなります。
当社では、アルコールチェック クラウド管理サービス「ALPiT(アルピット)」を提供しています。アルコールチェックを自動化・一元管理化し、安全運転管理者の業務負担を大幅に削減可能です。近日中に運転日誌機能が追加予定です。
運転日報はシステム導入をして業務を効率化させよう
運転日報の記録や管理は、クラウド管理システムの導入がおすすめです。システムを導入することで、ドライバーによる記録を行う手間と、安全運転管理者による情報管理の手間の両方を軽減できます。紙の日報よりも正確な情報を迅速に集められ、円滑な運用を実現できるでしょう。
アルコールチェック クラウド管理サービス「ALPiT(アルピット)」なら、2023年12月に施行されるアルコールチェック義務化にも対応しており、管理業務を大幅に軽減できます。導入をご検討の際は、ぜひ詳細をご確認ください。