LED化で省エネ推進|省エネ効果をアップさせる機能やシステムを紹介

2023.12.28
省エネ

LED化とは、既存の照明器具をLED照明に変えることです。省エネ対策の一環として多くの企業で進められています。

本記事では、LED化による省エネ効果や効果をアップさせる機能、導入の際の注意点を紹介します。社内のLED化を検討している企業担当者の方はぜひ参考にしてください。

LED化が省エネに効果的な理由

LED化が省エネに効果的な理由は、大きく分けて2つです。

発光効率が高い

LED化の省エネ効果が高い理由の一つは、その高い発光効率にあります。

発光効率とは、照明が消費する電力に対して発する明るさ(光束)を表す指標で、数値が高いほど効率が良いとされます。

LEDはこの発光効率が高く、蛍光灯が40〜110lm/Wであるのに対し、LEDは200lm/Wを超えるものが展開されています。

さらに、各照明メーカーではLEDの開発研究が日々進んでおり、現在も省エネ効果が高い新製品が定期的に発売されています。

■電力消費が少ない

LEDは他の照明器具と比較して、電力消費が少ない点も省エネに活用される理由の一つです。

たとえば、蛍光灯12w、白熱電球54wに対し、LEDは9wと一般的な照明器具と比べても最も電力消費が少ないことがわかります。

さらに、LEDはCO2排出量を減らすことにも貢献しています。LED化は自社の利益だけでなく、環境にも非常に優しいと言えます。近年、企業にもSDGsなど環境に配慮する取り組みが求められており、LED照明はこれらのニーズに適した照明器具です。

LED化による省エネ効果

LED化による省エネ効果をベースライト・ダウンライト・誘導灯で比較解説します。

■ベースライトの効果を比較

ベースライトは、オフィスでは会議室やフロアなどで使用されることが多い照明です。

アイリスオーヤマの「LED一体型ベースライトLX-200」を、一般的な「Hf蛍光灯(※1)」と「FLR蛍光灯(※2)」と比較すると、「Hf蛍光灯」からは最大で約63%、「FLR蛍光灯」からは最大約70%の省エネになることがわかりました。

※1)Hf蛍光灯のインバーター式の電機の効率が良いタイプで比較
※2)FLR蛍光灯のスイッチ点灯式で比較

■ダウンライトの効果を比較

次に店舗や商業施設、廊下・トイレなどで使用されることが多いダウンライトを比較してみましょう。

当社の「LEDダウンライトCOBベースダウンライト(60形相当)」と「白熱灯60形(54w)」を比較すると約94%の省エネを実現できます。ダウンライトのLED化はベースライトよりさらに省エネ効果が高いと言えるでしょう。

■誘導灯の効果を比較

最後に誘導灯を比較してみましょう。誘導灯とは非常時や消灯時でも点灯する照明で、一般的にオフィスには非常時の対策として設置義務があります。

ここではアイリスオーヤマの「LED誘導灯(C級10形片面灯)」と、従来の「小型誘導灯」や「冷陰極蛍光ランプ誘導灯(※1)」を見ていきます。

当社の「LED誘導灯(C級10形片面灯)」に変えた場合、従来の「小型誘導灯」からは最大約92%、冷陰極蛍光ランプ誘導灯からは最大約75%の電力削減が叶います。誘導灯も高い省エネ効果が期待できると言えるでしょう。

※1)冷陰極蛍光ランプ誘導灯(電極を加熱せずに電子を放出させるタイプ)で比較。

LED化による企業のメリット

LED化によって企業が得られるメリットを紹介します

■電気代を削減できる

資源エネルギー庁によると、業務他部門のエネルギー消費は主に動力・照明、冷房、給湯、暖房、調理の5つの用途に使用されています。

近年では動力・照明用のエネルギー消費原単位が上昇しており、業務他部門のエネルギー消費のうち全体の43%を占めています。

つまり照明をLED化して大幅な節電を行えば、電気代の削減が期待できることがわかります。

※出典元:経済産業省 資源エネルギー庁「第2節 部門別エネルギー消費の動向」

■環境へ配慮できる

LED化は自社への利益だけではなく、環境への配慮にもつながります。

前述のとおり省エネ化によって、CO2排出量を抑えられるためです。たとえば白熱電球からのLED化なら約60%は排出量を軽減できると言われています。企業として社会に貢献するために、LED化は環境保護に非常に有効な手段です。

■交換やメンテナンスの頻度が少なくなる

LEDは寿命が長いため、蛍光灯や白熱電球よりも交換やメンテナンスの頻度が少ないというメリットもあります。実際に各照明の点灯時間の目安を比較してみましょう。

  • 蛍光灯:6,000時間~12,000時間/1日8時間点灯で約2~4年
  • 白熱電球:1,000時間~2,000時間/1日8時間点灯で約125日~250日
  • LED:40,000時間~50,000時間/1日8時間点灯で約13~17年

LEDとほかの照明とでは寿命に大きな違いがあります。

蛍光灯や白熱電球の交換コストが年間約300〜1,000円かかるのに対し、LEDは初期投資が高めでも、長寿命であり交換やメンテナンスの手間とコストが大幅に削減できます。

LEDは単価は高めですが、その長寿命を考慮すると、交換やメンテナンスにおける手間やコスト面で大きなメリットがあると考えられます。

■器具交換リスクに対応できる

政府の省エネルギー計画に基づき、ほとんどの大手照明メーカーが蛍光灯器具の生産を終了しました(※1)。さらに、蛍光灯の製造も2027年末までに禁止になります。

現在、蛍光灯や白熱電球を使用している場合は、将来的に器具が故障した際の交換が困難になる可能性があります。

しかし、LED化を進めれば、自社のタイミングで徐々に交換していくことができます。LED化には照明器具の取り付けに工事が必要なこともありますが、今の段階で進めておくことで急な工事を避けることができるでしょう。

※1)交換用蛍光ランプや蛍光管は現在も生産中

省エネ効果アップ!無線制御システムLiCONEX(ライコネックス)がおすすめ

LED化は実施するだけで省エネに大きく貢献しますが、より省エネ効果をアップさせたいなら無線制御システムの導入がおすすめです。

当社の無線制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」は、アイリスオーヤマ独⾃の通信⽅式『メッシュリンク』を採⽤し、⾼速&安定した通信を実現する無線制御システムです。

〈「LiCONEX」の詳細はこちら〉
無線制御システムLiCONEX(ライコネックス)|法人向けLED照明|ライティング事業|法人のお客様|アイリスオーヤマ
LiCONEX(ライコネックス)はお手持ちのタブレットやスマートフォン、パソコンから照明の入切や調光ができる、アイリスオーヤマの無線制御システムです。空間の状況や用途に合わせて照明の明...

■エリアごとの明るさ調節

無線制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」を導入すると、エリアごとの点灯や、照明の明るさや光の色を調整することが可能です。

執務スペースや会議室、リフレッシュスペースなどのエリアごとに最適な明るさになるように調節すると、省エネ効果が高くなります。エリアごとの明るさの目安を見てみましょう。

執務スペース

働く内容によって、執務スペースの照明を調整するのがベストです。

ただ明るさを調整するだけではなく、従業員の疲労を軽減することも重要です。作業に適した適切な光量を保つようにしましょう。

一般的な業務における適切な明るさは、JIS(日本工業規格)が基準を定めているため、参考にできます。

執務の種類適した明るさ
設計・製図・一般事務 など750lx
キーボード操作・計算 など500lx
受付300lx

※出典元:JIS(日本産業規格)照明基準総則

会議室

会議室の明るさは、500ルクスが一般的です。会議室では従業員同士が対面でコミュニケーションを取るため、顔の表情が見える明るさが望まれます。

また、資料を参照する場合は、読みやすい明るさも重要です。

会議内容をスクリーンなどに投影する場合は、それに合わせて明るさを調整する必要があるため、調整できる照明が便利です。

※出典元:JIS(日本産業規格)照明基準総則

リフレッシュスペース

リフレッシュスペースや休憩室は従業員が休むための空間であり、落ち着いてリラックスできる明るさが良いでしょう。

なお、明るさの指標はJISの指標を参考にできます。

リフレッシュスペースの種類適した明るさ
化粧室・食堂300lx
ラウンジ・喫茶室・湯沸室・更衣室200lx
休憩室100lx

※出典元:JIS(日本産業規格)照明基準総則

■無駄な明かりや点灯時間をカットするセンサー機能

「無線制御調光システムLiCONEX(ライコネックス)」は、細かな照明設定ができるだけではなく、無駄な明かりや点灯時間をカットするセンサー機能もあります。

たとえば窓から入る日光を感知し明るさを自動調整する、人を感知して点灯するといったことも可能です。特に人を感知する人感センサーは人がいないときには消灯するので、高い省エネ効果を得られます。

■消灯や減光を自動化するタイマー機能

システム導入により、自動的に消灯や光量の調整が可能なタイマー機能もあります。たとえば、昼間は明るさを抑え、夕方になると暖色に自動的に調整することもできます。

さらに、昼休憩や業務終了後など、自動的に消灯や光量を減らすことも可能です。手動での操作が不要で、簡単に省エネ効果を高められます。

■省施工・短工期の無線制御機能

多くの照明設備の改良では、工事が必要になり、オフィスや他のエリアが使用できなくなることがあります。

しかし、有線調光と比較して、LiCONEXは、省施工で短い工期で照明システムを導入できます。各照明をコントロールするためのベースモジュールを区画ごとに設置するだけで、配線工事などは必要ありません。

LED化する際の注意点

LED化においては注意点があります。事前に把握しておきましょう。

■初期費用がかかる

LED化では、LED照明の交換工事や器具の購入に初期費用がかかることを見越しておく必要があります。

照明器具のLED照明の交換工事費用は、オフィスの広さや規模によって高額になる場合もあるでしょう。

LED照明は白熱電球や蛍光灯よりも高価ですが、長寿命のため、ランプ交換を考えると追加のコスト負担は少なくなります。そのため、初期の投資を見越しても、長期的に見れば維持コストが抑えられると言えます。

一定基準を満たすと補助金が申請できる

オフィスのLED化は省エネ促進事業の一貫として、補助金や税の控除を利用できるケースがあります。LED化を検討する際は、利用できる補助金や控除がないか探してみましょう。

また、当社では補助金・助成金の案内も行っています。ぜひご活用ください。

〈「補助金・助成金のご案内」はこちら〉
補助金・助成金のご案内|法人のお客様|アイリスオーヤマ
設備の導入や更新をご検討されているお客さまへ。 導入コスト削減のチャンスとなる 補助金、助成金制度をご紹介させていただきます。

■照射範囲に注目する

LED化する際は、照射範囲にも留意しましょう。

LEDは一般的に蛍光灯や白熱電球よりも狭い範囲に光を照射します。従来の蛍光灯は約260〜300°の範囲を照らすのに対し、LEDは120〜260°が一般的です。

蛍光灯からLEDに変えた場合、以前と同じ配置では光が到達する範囲が狭く感じられるケースがあります。

LEDは製品によって照射範囲が異なるため、設置する場所に合わせてしっかりと選定することが重要です。

LED化でオフィスの省エネ化を実現しよう

オフィスのLED化は高い省エネ効率を得られます。LED化によって、環境に良い影響を与えるだけでなく、電気代・経費の削減が叶います。

より効率性を重視するなら、オフィス内の照明を細かく調整できるLiCONEXがおすすめです。1台ごとに明るさを調節でき、省エネ効果をさらに高めることができます。

ご紹介した内容も参考に、自社に適した省エネ化の計画を立ててみることをおすすめします。