アルコールチェッカーの選び方|種類別・測定方法別・センサー別・機能別に紹介

2024.01.16
業務効率化

2023年12月から、対象事業者に対してアルコールチェッカーによるアルコールチェックが義務づけられました。

しかし、アルコールチェッカーにはさまざまな種類があるため、どのように選べば良いか悩んでいる企業や安全運転管理者もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、アルコールチェッカーの選び方を解説します。選び方は種類別・測定方法別・センサー別・機能別に紹介するので、自社に合うアルコールチェッカーを購入しましょう。

アルコールチェッカーをご検討の方へ
◆この資料でわかること
・アルコールチェック義務化について
・義務化対策状況のアンケート調査結果
・アルコールチェッカー導入のポイント4選
・アルコールチェックのクラウド管理について

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【種類別】アルコールチェッカーの選び方

アルコールチェッカーには、据置型と携帯型の2種類があります。事務所や営業所で使用する場合は、据置型だけでも十分かもしれません。しかし、それ以外の場所で使用する可能性がある場合は、携帯型を準備しておく必要があります。

■据置型

据置型のアルコールチェッカーは、事務所や営業所などに設置して使用するタイプです。
(当社では顔認証型を取り扱っています)

メリット

据置型のアルコールチェッカーは、会社の事務所や営業所に設置できるため、ドライバーが出入りする際に確実にアルコールチェックを行えます。

また、アルコールチェックは、原則として対面での実施が必要です。据置型は、安全運転管理者とドライバーが対面でアルコールチェックを実施できるため、不正を防止できます。

ドライバーを多く抱える企業では、対面での実施に対応できる据置型がおすすめです。

デメリット

ドライバーの業務状況によっては、事務所や営業所でアルコールチェックを実施できない場合があります。据置型は特定の場所に設置して利用するタイプなので、いつでもどこでも実施できるわけではないのがデメリットです。

また、据置型の価格は、携帯型に比べて高額で、設置する事務所や営業所の数が増えると導入コストが上昇します。導入時は予算とのバランスを考慮して検討する必要があります。

■携帯型

携帯型のアルコールチェッカーは、コンパクトで持ち運びできるタイプです。

メリット

ドライバーの業務状況により、事務所や営業所でのアルコールチェックが困難な場合は、携帯型を準備しましょう。携帯型は、どこにでも持ち運びできるのがメリットです。

事務所や営業所に戻る機会が少ないドライバーに携行させ、遠隔地でアルコールチェックを実施することも可能です。また、携帯型の価格は据置型よりも抑えられる傾向があります。

デメリット

携帯型のアルコールチェッカーは、事務所や営業所以外にも持ち運べるため、不正のリスクを完全には排除できません。たとえば、他人にアルコールチェックを代行させたり、ポンプを使用してアルコールチェッカーに空気を送り込むといった不正行為が行われる可能性も否めません。

不正を防止するには、検査中に顔写真を撮影したり、ビデオ通話で確認したりする対策が必要です。

また、携帯型は機能性が限られている製品も多く、なかには測定結果を自動記録できない機器もあります。測定結果は記録と保存が義務づけられているため、記録のし忘れに注意が必要です。

【測定方法別】アルコールチェッカーの選び方

アルコールチェッカーの測定方法には吹きかけ式のほか、ストロー式・マウスピース式があります。それぞれ精度やランニングコストが異なるため、何を重視するかで選ぶと良いでしょう。

■吹きかけ式

吹きかけ式は、アルコールチェッカー本体の吹き込み口に直接息を吹きかけて使用するタイプです。

メリット

ストロー式やマウスピース式の場合、専用のアタッチメントの準備が必要です。一方の吹きかけ式は専用のアタッチメントが不要なので、本体さえあればすぐにアルコールチェックを実施できます。

また、ストロー式やマウスピース式の携帯型をドライバーに携行させる場合、専用のアタッチメントを忘れてアルコールチェックが実施できないという事態も考えられます。吹きかけ式はドライバーに本体を携行させれば、場所や時間を問わずアルコールチェックの実施が可能です。

デメリット

吹きかけ式は、息を本体に直接吹き込んでアルコールチェックする仕組みです。ただし、息を吹きかける際に周囲の空気を取り込んでしまうと、正しい測定結果を得られない可能性があります。

また、前の検査者の口内の唾液や細菌が飛沫しているおそれもあるため、常に衛生管理が必要です。検査するたびに消毒や清掃を実施し、不衛生にならないよう注意しなければなりません。

■ストロー式・マウスピース式

アルコールチェッカーのなかには、本体に専用のアタッチメントを差し込み、息を吹き込んで使用するタイプもあります。

メリット

ストロー式やマウスピース式は、本体に専用のアタッチメントを通じて息を吹き込んで呼気中のアルコール濃度を測定します。吹きかけ式に比べて外的環境の影響を受けにくく、息を逃がしにくいため、精度の高いアルコールチェックが実施できます。

また、ストロー式の場合、ストローが使い捨てなので衛生的です。ストロー式やマウスピース式は、前の検査者の口内の唾液や細菌が飛沫するのを防げるため、衛生的なアルコールチェックの環境を整備できるでしょう。

デメリット

アルコールチェッカーを使用する際には、専用のアタッチメントが必要です。ストロー式は使い捨てなので、常にストローを切らさないように用意しておかなければならず、ランニングコストも発生します。

ストロー式のストローはアルコールチェッカー専用なので、基本的に量販店やコンビニでの購入は難しいでしょう。ただし、ストローのサイズが合えば、代用できる機器もあります。

【センサー別】アルコールチェッカーの選び方

アルコールチェッカーのセンサーには、半導体式ガスセンサーと電気化学式(燃料電池式)センサーの2種類があります。

■半導体式ガスセンサー

半導体式ガスセンサーはセンサーの表面に付着する酸素量により、電気の抵抗値が変化する仕組みを利用したタイプです。

人がアルコールを摂取すると、体内の酸素量が減少し、それに伴って半導体式ガスセンサーの抵抗値も低下します。抵抗値の低下は、アルコール濃度が高いことを示す指標となります。

メリット

アルコールチェッカーの価格は、センサーによって異なります。半導体式ガスセンサーを採用したアルコールチェッカーは、電気化学式センサーよりも一般的には安価です。

また、半導体式ガスセンサーのアルコールチェッカーは、コンパクトな製品が多く、持ち運びに便利です。ドライバーに携行させる場合は、コンパクトで持ち運びしやすい半導体式ガスセンサーの製品を選ぶと良いでしょう。

デメリット

半導体式ガスセンサーは、アルコール以外のガスにも反応することがあります。たとえば喫煙や歯磨きの直後にアルコールチェックを実施すると、アルコールを摂取していないにも関わらず、誤った数値が表示される可能性があるので注意が必要です。

また、半導体式ガスセンサーはセンサーの寿命が短いため、定期的な交換が求められます。使用したいタイミングでセンサーが寿命をむかえると、アルコールチェック自体が実施できなくなります。突然使用できなくなる事態を回避するためには、センサーの寿命が近づくと通知される製品を選ぶと良いでしょう。

■電気化学式(燃料電池式)センサー

電気化学式センサーは、呼気中に含まれるアルコール成分によって、電気が発生する性質を利用したタイプです。

人がアルコールを摂取した場合、成分の増加に応じて電流が強くなり、電気の発生量が多くなります。電気の発生量が多いことは、アルコール濃度が高いことを意味します。

メリット

半導体式センサーは、アルコール以外の成分に反応しやすい側面があります。一方の電気化学式センサーはアルコール以外の成分にはほぼ反応しないため、測定精度が高い点がメリットの一つです。

また、電気化学式センサーを採用したアルコールチェッカーは、多機能な製品が数多く販売されています。センサーは半導体式センサーに比べて経年劣化しにくく、耐久性も高い傾向があります。

デメリット

電気化学式センサーを採用したアルコールチェッカーは、半導体式センサーに比べて高価になりやすいのが特徴です。

また、電気化学式センサーはセンサーを交換する際のメンテナンスコストも高くなりやすい傾向があります。

【機能別】アルコールチェッカーの選び方

アルコールチェッカーに搭載されている機能は、製品によって異なります。測定結果の表示に限定した機能の製品もあるため、自社の目的に応じたアルコールチェッカーを選ぶ必要があります。

■本体に測定結果を記録できる機能

アルコールチェッカーのなかには、内蔵メモリSDカードに測定結果を保存できるものがあります。本体に測定結果を記録できれば、過去のデータを知りたいときに役立ちます。

ただし、記録できる回数は製品によって異なるため、購入する際には上限の確認が必要です。

■スマホアプリとの連携機能

近年は、本体とスマホアプリを連携できる機能が搭載されているアルコールチェッカーも登場しています。アプリと連携すると測定結果を自動で送信できるため、時間や場所を問わずアルコールチェックの実施が可能です。

測定結果はクラウド上に保存され、記録簿の作成や保管が不要なので、安全運転管理者の業務軽減も期待できます。

また、安全運転管理者はリアルタイムでデータを確認できるため、アルコールチェックのチェック状況を管理しやすくなるでしょう。

■センサーの寿命を通知する機能

アルコールチェッカーのセンサーは消耗品であり、定期的な交換が必要です。使用回数の上限が設定されており、それを超えるとアルコールチェックが実施できなくなることがあります。

アルコールチェッカーのなかには、センサーの寿命が近づくとディスプレイへの表示や点灯などで通知してくれるものがあります。センサーの寿命を知らせてくれる機能があると、アルコールチェックができなくなるリスクを予防でき、安心です。

おすすめのアルコールチェッカー

当社では、携帯型と据置型の両方のアルコールチェッカーを取り揃えています。国家公安員会が定める基準を満たしているため、安心してアルコールチェックを実施していただけます。

■携帯型アルコールチェッカー

携帯型アルコールチェッカー(IR-AC002)は、コンパクトで持ち運びに便利なアルコールチェッカーです。端末本体に日時やアルコール測定値を50件まで保存できます。

クラウド管理サービス「ALPiT(アルピット)」と連携することが可能です。ALPiTは、アルコールチェックを自動化・一元管理化できるサービスです。

スマホに専用アプリをダウンロードしておけば、離れた場所からでも検査結果を送信できます。全拠点の結果をクラウドに自動保存できるため、安全運転管理者の業務負担の軽減にもつながります。

■顔認証据置型アルコールチェッカー

顔認証据置型アルコールチェッカー(IRC-AL-F8AN1)は、事業所や営業所に設置して使用するタイプのアルコールチェッカーです。測定結果は本体メモリ、またはクラウドに自動保存できます。

測定から記録までの時間は約20秒で、携帯型アルコールチェッカーよりも早くアルコールチェックを完了することが可能です。本体には顔認証機能を搭載しているため、アルコールチェックと同時にドライバーの本人確認も実施できます。

〈顔認証据置型アルコールチェッカーの詳細はこちら〉
アルコールチェッカー(アルコール検知器)| アイリスオーヤマ
クラウドでの記録や一元管理にも対応した、アイリスオーヤマ アルコールチェッカー(アルコール検知器)のご紹介。2022年10月よりアルコールチェッカーを用いた酒気帯び確認が義務化されます...

アルコールチェッカーは自社の目的に合うものを選ぼう

2023年12月からは、白ナンバーの車両を一定以上保有する事業者も、アルコールチェッカーによるアルコールチェックが義務化されたため、アルコールチェッカーの準備が必要です。

測定結果の記録や保存も義務づけられており、クラウドに自動保存できるタイプを選ぶと、記入漏れや記録簿の紛失を防げます。ドライバーが事務所や営業所以外でアルコールチェックを実施する場合は、携帯型を準備しておく必要もあります。

アルコールチェッカーにはさまざまな種類があるため、自社が求める条件に近いものを選ぶことが大切です。