介護施設において、明るい照明環境は高齢者の生活に欠かせません。十分な明るさは生活の便利さだけでなく、入居者の健康にも深く関わっています。
本記事では、介護施設で照明の明るさの重要性を解説します。また、実際に明るさ管理をする基準についてもポイントや導入事例もご紹介します。ポイントを押さえて、施設内の十分な明るさを確保しましょう。
介護施設で照明の明るさ管理が重要な理由
介護施設で照明の明るさ管理が重要な理由は、大きく分けて3つです。
■健康的な生活を送るため
介護施設における照明の明るさは、まず第一に入居者の健康に深く関与します。
施設内の光は、太陽光に似た役割を果たしています。人は太陽光を浴びることで、体内のリズムが整い、新陳代謝や体内の物質分泌が調整されます。
また、適度な太陽光を浴びることで良質な睡眠につながることも知られています。健康の維持にとって太陽光は極めて重要な要素です。
しかし、介護が必要な入居者は外出を制限されるケースがあり、室内での時間が長くなりがちです。これにより太陽光を浴びる機会が減少し、体内のリズムが乱れがちになります。
そのため、介護施設では照明の明るさを管理することが重要です。太陽光に近いサイクルを持つ照明を採用すれば、太陽光と同じような効果を期待できます。さらに、眠りにくい入居者も良質な睡眠に導かれ、認知症予防にも役立つことが示唆されています。
太陽光と同じような効果を求めるなら、調光や調色が可能な照明器具がおすすめです。アイリスオーヤマの無線照明制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」は、明るさや色を時間や場所に合わせて調整できます。
時間設定をすることで、夜に近づくにつれて暖色系に自動調光する機能もあります。また、タブレットを使って全体の照明を一括で管理できるので、介護施設にもおすすめの製品です。
〈無線照明制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」を詳しく知りたい方はこちら〉
■加齢による視覚変化に対応するため
人は年齢を重ねると、瞳孔が小さくなり、光を捉えられる量が減ってしまうため、視界が暗く感じられるケースがあります。
たとえば20代半ばの方には眩しいと感じる光量でも、高齢者の方にはちょうど良い場合もあります。つまり、照明の明るさは入居者に合わせた調整が重要です。
ただし、明るければ良いというわけではありません。
年齢とともに発症しやすい白内障などの病気では、水晶体に問題が生じて光を眩しく感じやすくなるケースもあるからです。
しかし、一方で暗いと物が見えにくいという問題も起こることから、場所によって適切な光量を設定することが必要です。
■入居者の安全を確保するため
入居者が安全を確保するためにも、施設内の適切な明るさは重要です。
高齢者は明るい場所から暗い場所へ移動する際、視覚が適応するのに時間がかかります。そのため、足元が見えずつまずいたり転倒したりすることがあります。
こうした事故を予防するためには、施設内で極端な明るさの差をなくすことが大切です。明暗の差が少ない環境を作ることで、入居者が安全に歩き回ることができる環境を整えられます。
また、食事をする場所はリラックスできる雰囲気が必要ですが、適切な明るさも重要です。適度な照明は食事を美味しそうに見せるため、入居者の食欲を刺激し、健康的な食事をとるきっかけになることもあります。
照明の明るさは転倒防止だけではなく、入居者の方の生活を守ることにも関わっています。
介護施設の照明の明るさを決めるポイント
介護施設での照明の明るさの重要性がわかっても、適切な設定は難しいのが現状です。見え方には個人差があり、自分にとって快適だと感じる明るさが必ずしも適切な光量とは限りません。
ここからは介護施設の照明の明るさを決めるポイントを解説します。
■明暗の差が出ないようにする
高齢者は明るさの変化に敏感でないため、部屋やスペース間での明るさの差を少なくすることが重要です。
たとえば、各居間から廊下や階段の明るさを同程度にすることが望ましいでしょう。居間から廊下や階段へ移動した際に急に暗さを感じることなく、足元が見えにくくなるリスクが軽減されます。
■適切な照度を設定する
視覚への配慮から、介護施設内は単純に明るくするだけではなく、適切な「照度」設定が肝心です。照度とは物体に当たる光の明るさを示す尺度で、Lx(ルクス)という単位で表されます。
JIS(日本産業規格)で定められている、照度基準は次のとおりです。
場所(住宅) | 照度基準 |
---|---|
玄関・エントランス | 100Lx |
廊下・階段 | 200Lx |
寝室 | 20Lx |
居間・デイルーム | 50Lx |
食堂 | 50Lx |
トイレ | 75Lx |
浴室・洗面所・脱衣所 | 100Lx |
各場所の照度を考えるときは、その場所で行う活動や目的も考慮しましょう。たとえば、寝室で読書をする場合は約500Lx、深夜は約2Lxが一般的な基準です。適切な照度を各場所に調整することで、快適な環境を整えることができます。
なお、一点注意すべきなのは、この基準は、高齢者や視覚障害者に配慮したものではないということです。高齢者の方には基準の2〜3倍の照度が推奨されることが一般的です。
■安全な明るさを確保する
入居者の安全性を確保する観点から、明るさの差をなくすことが重要です。照明による影や薄暗い部分があると、転倒のリスクが高まるため、明るさの差が大きい箇所をできるだけ作らないようにしましょう。
たとえば、広い空間でも照明を等間隔に配置することで、部屋全体を均等に明るくすることができます。陰影ができないようにすることで、障害物が見えにくくなることを防ぎ、事故や転倒の予防になります。
また、足元には間接照明を設置するのが良いでしょう。高齢者の方が歩き回る際に足元が見えやすくなり、やはり転倒を防止できます。間接照明はほど良い照明効果を与えることができ、おすすめです。
介護施設におすすめのLED照明と導入事例
ここからは介護施設におすすめのLED照明と、実際の導入事例をご紹介します。
■直管LEDランプ
当社の直管LEDランプ「ECOHiLUX」は、既存の蛍光灯設備を再利用し、簡単な電気工事のみでLEDランプを導入できます。
省エネ効果も高く、消費電力は最大約76%を削減できるのが特徴です。
また、各種給電方法・電源を展開しているため、さまざまな介護施設の設備状況にも対応できます。
〈「直管LEDランプ」の詳細はこちら〉
医療法人秀峰会 介護老人保健施設南面 様(埼玉県)
施設名称 | 医療法人秀峰会 介護老人保健施設南面 様 |
所在地 | 〒343-0851 埼玉県越谷市七左町4-161 |
採用商品 | 直管LEDランプ/ダウンライト |
<事例の詳細はこちら>
■ダウンライト
「ダウンライト」は、用途によって選べる多彩な展開が強みです。
寝室にぴったりな眩しさをおさえたリラックス感があるものや、食べ物を美味しそうに見せるものなど様々な照明を取り揃えており、多様なシーンがある介護施設にもおすすめです。
また、無線照明制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」と連携すれば、場所・時間によって自動や手動で制御をすることも可能です。
〈「ダウンライト」の詳細はこちら〉
介護老人保健施設 大宮フロイデハイム 様(茨城県)
施設名称 | 介護老人保健施設 大宮フロイデハイム 様 |
所在地 | 〒319-2261 茨城県常陸大宮市 |
採用商品 | 直管LEDランプ/ダウンライト |
<事例の詳細はこちら>
社会福祉法人若竹大寿会介護老人福祉施設わかたけ青葉 様(神奈川県)
施設名称 | 社会福祉法人若竹大寿会 介護老人福祉施設わかたけ青葉 様 |
所在地 | 〒227-0038 神奈川県横浜市青葉区奈良4丁目6-1 |
採用商品 | ダウンライト |
<事例の詳細はこちら>
適切な明るさを設置して過ごしやすい介護施設を叶えよう
介護施設における適切な明るさ管理は、入居者の日常生活に欠かせません。時間に応じた調光が可能な照明なら、入居者の健康的な生活リズムを維持できます。
また、明るさの差が少ない環境にすることで、予期せぬ事故を防ぐ効果も期待できます。介護施設の現状に満足していない場合は、照明設備の見直しを検討してみましょう。
不安や疑問があれば、当社相談窓口にご相談ください。さまざまな介護施設の事例を元に、施設の照明効果を最大限に活かした快適な空間づくりをサポートします。