近年、倉庫でも節電対策が注目されており、その背景には倉庫ならではの事情が深く関係しています。
本記事では、倉庫における節電対策が注目されている背景や節電方法を解説します。
企業が倉庫の節電対策に取り組むと、さまざまな効果が期待できます。節電対策に取り組むメリットや企業の成功事例も併せて解説します。
倉庫における節電対策が注目されている背景
倉庫への節電対策が注目されている理由は、物流業界に対するニーズが加速しているためです。
ロジスティックスの重要拠点である倉庫は、安定した物流の供給を実現するために、24時間365日体制で稼働しているケースも多く、常に電力や燃料などのエネルギーを消費しています。
限りあるエネルギー資源を効率的に使用するために、資源エネルギー庁は各家庭や企業に節電を呼びかけています。
このような状況のなか、エネルギー消費量が多い倉庫に対し、節電の必要性が高まっているというわけです。
企業が倉庫の節電対策に取り組むメリット
企業が倉庫の節電対策に取り組む大きなメリットは、電気代を削減できることです。節電対策への取り組みは社会貢献の一環にもなるため、企業イメージの向上も期待できます。
■電気代を削減できる
倉庫には、多くの電力を消費する大型機械や設備が設置されており、稼働時間が長ければ、その分多大なエネルギーを消費します。
倉庫の節電対策に取り組むと消費電力が減少するため、電気代削減につながることがあります。従業員一人ひとりが節電に協力することで、消費電力を大幅に減らせる可能性があります。節電によって削減できた電気代は企業の利益となり、安定した事業運営に貢献するでしょう。
■社会貢献につながる
企業が倉庫の節電に取り組むことは、社会貢献の一環にもなりえます。
近年は、SDGsをはじめとする社会貢献に積極的に取り組む企業が増えています。倉庫が節電対策をすると二酸化炭素の排出量を減少させられるため、地球環境保全に貢献できるでしょう。
地球温暖化や大気汚染などの環境問題は年々深刻化しており、世界的な課題として捉えられています。このような状況のなか、社会貢献につながる取り組みは社外にアピールできる要素でもあり、企業イメージの向上も期待できます。
【照明】倉庫で実践できる節電対策2選
倉庫では、さまざまな設備への節電対策を実施できます。照明に関する節電対策としては、LED照明への切り替えやこまめな消灯などがあげられます。
■LED照明に切り替える
現在、倉庫の照明に蛍光水銀ランプやメタルハライドランプ、蛍光灯を使用している場合は、LED照明に切り替えると高い節電効果が期待できます。
LED照明とは発光ダイオードを使用した照明器具です。省エネ性能に優れており、寿命も長いため、ニーズが高まっています。
LED照明の価格は白熱電球や蛍光灯に比べると高い傾向がありますが、電球自体の寿命が長いため、長期的にはランニングコストの削減になることも多いです。
当社では、さまざまなタイプのLED照明を取り扱っています。倉庫や工場でも数多く使用されているので、ぜひこちらから確認してみてください。
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■こまめな消灯を心がける
近年は物流業界のニーズが高まっており、安定した供給を実現するために、24時間365日体制で稼働している倉庫が増えています。
倉庫の稼働時間中は常に照明が必要ですが、一部の場所では常時の照明が不要な場合があります。たとえばトイレや休憩室などの一時的に利用する場所の照明は、必要なときだけ点灯し、不要なときは消灯するという行動を意識することで、一定の節電効果が期待できます。
このように、照明を常に使用しない場所には、消し忘れを防止するために人感センサー機能付きの照明を導入するのも手段の一つです。
当社では、人感センサー機能付きのLED照明を取り扱っています。LED一体型ベースライト「LXラインルクス」は、1台に人感センサー・常時点灯・明るさセンサーの3つの機能を搭載しています。用途に合わせてモードを切り替えできるため、倉庫のトイレや休憩室に導入してみてはいかがでしょうか。
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【その他】倉庫で実践できる節電対策3選
倉庫では、照明や空調以外でも実践できる節電対策があります。太陽光発電の導入や屋根の塗装には初期コストがかかりますが、長期的に見るとランニングコストの削減につながることもあります。
■太陽光発電を導入する
倉庫の節電対策の一つとしては、太陽光発電を導入する方法があります。
屋根に太陽光パネルを設置し、倉庫で消費する電力を自家発電できれば、電気代の削減につながるでしょう。特に倉庫は一般的なオフィスよりも面積が広いため、太陽光パネルの設置には適しています。
ただし、太陽光発電を導入する際には、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの設備に多額のコストが必要です。
導入コストを十分に用意できない場合は、自治体の助成金の利用を検討してみましょう。自治体のなかには、太陽光発電の導入に関する補助金を設けているところもあります。詳しくは、各自治体の公式ホームページをご確認ください。
■契約プランや電力会社を見直す
同じ電力会社でも、料金プランを変更することで電気代を節約できるケースがあります。電気料金のプランには、一般的なプランと市場連動型のプランがあります。
一般的なプランの場合、いつ電気を使用しても料金は変動しません。しかし、一般的なプランの電力量料金には、燃料費調整額が含まれています。燃料費調整額は、過去3カ月間の化石燃料の費用をもとに毎月変動します。
一方の市場連動型プランは、市場価格に合わせて30分ごとに電力量料金の価格が変動する仕組みです。市場価格は燃料費や気象条件、電力の供給状況によって決まります。たとえば、天候が良く太陽光発電の導入量が増える時間帯や電力需要が少ない時期は、市場価格が下がります。
一般的なプランから市場連動型プランに切り替えれば、時間帯や時期によっては電気代を削減できるかもしれません。
また、近年は電力の自由化にともない、新たな電力会社が参入しています。料金がリーズナブルな電力会社に切り替えることも節約の手段となります。
■屋根を塗装する
倉庫の屋根にエコ塗装を施すことで、節電対策を行う方法もあります。
塗料のなかには、遮熱、断熱、保温機能など特殊な加工が施されたものがあります。このように機能性の高い塗料を屋根に塗装することで、倉庫内を季節に応じて快適な温度に保つ効果が期待できます。
倉庫内の温度が快適になれば、冷暖房の設定温度を最適化できるため、節電対策につながります。
【空調】倉庫で実践できる節電対策4選
24時間365日体制で稼働している倉庫は、空調も常時作動しています。空調の使い方やメンテナンス次第では、節電効果を高めることが可能です。
■空調制御システムを導入する
倉庫に空調制御システムを導入すると、効率的かつ安定的に空調を稼働できるため、電気代の節約につながります。空調制御システムとは、コンピュータが常にモニタリングし、事前に設定した湿度や温度に自動で調整してくれるシステムです。
空調制御システムを利用することで、過剰な使用や急な温度変化によるエネルギー消費を防ぐことができます。
倉庫に空調制御システムを導入する際には、当社のエナジーセーバーをご検討ください。エナジーセーバーは、既存の空調に取り付けるだけで最大50%の省エネが実現できる空調制御システムです。AIが空調の運転を最適化してくれるため、高い省エネ効果が期待できます。
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■室外機の設置環境を見直す
室外機の設置場所を変えると空調効率が上がり、消費電力を抑えられ、節電効果が高まる可能性があります。
室内機と室外機には、室内外の温度を感知するサーモセンサーと呼ばれる部品が設置されています。サーモセンサーの役割は、室内外の温度を管理して適切な温度を維持することです。室外機の設置場所によっては、サーモセンサーによる適切な温度管理や空調管理を妨げます。
ただし室外機の吹き出し口付近に障害物があると、サーモセンサーが誤作動を起こす原因になるため、障害物を置かないようにしましょう。
■フィルターをこまめに掃除する
空調のフィルターは、こまめな掃除を心がけましょう。
倉庫の規模によっては空調の数が多く、天井埋め込み型で簡単に届く距離に設置されていないケースもあります。人手不足の影響もあり、フィルターのメンテナンスまで掃除が行き届いていないケースもあるかもしれません。
しかし、節電対策に取り組むなら、フィルターの掃除は重要です。空調のフィルターにごみやほこりが付着すると、空調効率が悪くなり、より多くの電力を必要とします。空調のフィルターをこまめに掃除すると、空調効率が高まり、消費電力を抑えられます。
■熱交換器を掃除する
空調の節電対策としてはフィルターのほかに、熱交換器の掃除も有効です。熱交換器とは、エアコンのフィルターを外した際に見える金属部分を指します。
熱交換器はフィルターと同様に、ごみやほこりが付着しやすい部分です。空調が手に届く位置にある場合は、定期的に掃除機でごみやほこりを取り除きましょう。
また、室外機にも熱交換器が設置されているため、室内機と同様に清掃することが重要です。両方の熱交換器を定期的に掃除して、効率的な空調システムを維持しましょう。
ただし、熱交換器の金属部分は曲がりやすいため、掃除機を強く当てすぎないように注意が必要です。室内機が手に届かない場所にある場合は、エアコンクリーニング業者への依頼も検討しましょう。
倉庫の節電対策におすすめの商品と事例を紹介
最後に、倉庫の節電対策になる当社の商品と事例を紹介します。
■高天井用LED照明
高天井用LED照明は、屋内から屋外まであらゆる場所に対応できるLED照明です。用途に応じて、次のようなさまざまなタイプをご用意しています。
- 通常タイプ
- 人感センサータイプ
- 調光・調色タイプ
- クレーン対応・耐震型
ホイストクレーンを使用する倉庫には、耐震誠也耐衝撃性に優れたクレーン対応・耐震型がおすすめです。人感センサータイプなら、人が作業しないしていないエリアは明るさを絞って調光した状態で待機し、作業者を感知したときに100%点灯させることが出来ます。
【納入事例】協和運輸倉庫株式会社 岩沼物流倉庫 様
協和運輸倉庫株式会社 岩沼物流倉庫様では、倉庫に当社の高天井用LED照明を導入しました。照明はLEDなので、高い節電効果が期待できます。
協和運輸倉庫株式会社 岩沼物流倉庫 様|納入事例レポート|LED照明事業|法人のお客様|アイリスオーヤマ
■無線制御システム
無線制御システムLiCONEX(ライコネックス)は、タブレットやスイッチなどから状況や用途に合わせて、照明の明るさや光色を調節できる無線制御システムです。
LiCONEXを導入すれば時間帯や用途によって照明環境を調整できるため、快適さを損なわずに省エネを実現できます。
一般的な信号線や制御盤などの工事が不要な無線方式の制御システムなので、有線方式に比べてコストを抑えられるだけでなく、工期も短縮可能です。LiCONEXは2018年度の資源エネルギー庁長官賞、2020年度の省エネ対象を受賞しました。
【納入事例】三井不動産ロジスティックスパーク船橋Ⅲ 様
三井不動産ロジスティックスパーク船橋Ⅲ様は、街づくり型大型物流施設の3棟目として建設された大型施設です。延べ床面積27万平米の物流業界最大級のスペースには、当社の無線制御システムLiCONEXを採用しています。
LiCONEX対応の人感センサー一体型LED器具によって大幅な節電効果が期待できます。独自の通信プロトコル「メッシュリンク」を採用しているため、大規模な物流倉庫においても安定した無線制御が運用可能です。
倉庫のLED照明への無線照明制御の導入|事例レポート|LED事業|アイリスオーヤマ
企業の社会的責任として倉庫の節電対策に取り組もう
近年は物流業界へのニーズが高まっているため、24時間365日体制で稼働する倉庫も増えています。電気代は、倉庫の稼働時間が長いほど高くなるのが現状です。企業が倉庫の節電対策に取り組むと、電気代の削減につながります。
また、節電対策への取り組みは、社会貢献の一環にもなります。社会貢献活動に積極的な企業は、ステークホルダーからの印象が良くなり、企業イメージの向上も期待できるでしょう。
限りある資源を効率的に使用し、地球環境保全に貢献することは、企業の社会的責任でもあります。従業員一人ひとりが意識して行動することで、大幅な省エネ効果も期待できるため、節電対策は企業全体で取り組むことが大切です。