従業員の健康を守るため、オフィス内は適切に換気する必要があります。しかし、オフィス内のすべての部屋が窓を開けられるとは限りません。窓を開けられない部屋でも、工夫次第で換気をすることが可能です。
本記事では、オフィスで換気が必要な理由や基本的な方法などを解説します。
オフィスで換気が必要な理由
近年は新型コロナウイルス感染症の影響により、オフィスの換気をこれまで以上に意識する人が増えています。従業員がオフィスで快適に過ごすためには、換気による空気の入れ換えが必要です。まずは、換気について理解を深めておきましょう。
■室内の空気をきれいな状態で維持するため
室内の空気をきれいに保つには、換気が重要です。換気とは室内の古い空気を排出し、新鮮な外気を取り入れることを指します。
オフィス内の空気は、時間の経過とともに汚れていきます。従業員が汚れた空気を吸い込むと、健康に悪影響を与える可能性があります。
厚生労働省では、オフィス内の空気環境の基準を次のように定めています。
- 浮遊粉じんの量=0.15mg/m3以下
- 一酸化炭素の含有率=100万分の6以下
- 二酸化炭素の含有率=100万分の1,000以下
- 湿度=18℃以上28℃以下
- 相対湿度=40%以上70%以下
- 気流=0.5m/秒以下
- ホルムアルデヒドの量=0.1mg/m3以下
オフィスビル内では、厚生労働省の基準を満たすために、適切な換気設備が整備されています。
ただし、上記基準は通常のオフィス利用を想定しており、オフィスの人数やレイアウトによっては、換気設備が設置されていても換気量が不足する可能性もあります。
そのため、換気設備だけに頼らず、適切な換気対策が必要です。
■エアコンで換気はできないため
オフィスには、基本的にエアコンが設置されていますが、エアコンを運転させるだけではオフィス内の換気は行われません。
エアコンは室内の空気を取り込んで、その温度を調整した後、再び室内に戻します。外部から新鮮な空気を取り込むわけではないので、エアコンを使っても換気が完全に行われるわけではないのです。
したがって、夏や冬にエアコンを動かしていても、定期的な換気が必要になります。
オフィスで適切に換気しなかった場合の弊害
オフィスでの定期的な換気は、室内の空気を清潔な状態に保つために不可欠です。十分な換気を行わないと、従業員の健康リスクが高まる可能性があります。ここでは、適切に換気しなかった場合の弊害をご紹介します。
■感染症リスクの増加
適切に換気をしなかった場合、室内に汚れた空気が充満し、菌やウイルスへの感染症リスクが高まります。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、三密(密閉・密集・密接)を避ける必要性が強調されました。特に「密閉」した状態は感染リスクが高まりますが、換気は外気を取り入れることでこのリスクを軽減できます。
特に冬季は感染症が流行しやすい時期のため、企業は十分な換気を行い従業員の健康を守る必要があります。
■二酸化炭素上昇に伴う健康リスクの増加
オフィス内で十分な換気が行われないと、二酸化炭素の濃度が上昇し、従業員の健康リスクが高まる可能性があります。
通常、時間が経過するにつれて二酸化炭素の濃度は増加します。
二酸化炭素の濃度が高いと、血中の酸素濃度を低下させ、集中力や思考力の低下をもたらし、業務に支障をきたすおそれがあります。また、頭痛やめまい、眠気などの症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
従業員の健康リスクを軽減するためにも、オフィス内での適切な換気が重要になります。
■一酸化炭素上昇による健康リスクの増加
オフィスでストーブや石油機器を使う際は、一酸化炭素濃度が上昇し、健康に害を及ぼすリスクがあります。
灯油や石油を使用する暖房機器は、室内の酸素を使用して燃焼し、暖かい空気を発生させます。換気を怠ると、室内の酸素が減少し、暖房機器が正しく燃焼できなくなり、一酸化炭素が発生します。
一酸化炭素濃度が上昇すると、中毒症状が現れ、頭痛や疲労感、吐き気などの症状が現れるケースがあり、深刻な場合は死に至る危険性があります。
一酸化炭素は目に見えないため、無自覚に吸い込んでしまうケースもあります。ストーブや石油機器を使用する際は必ず換気を行いましょう。
オフィスでの基本的な換気方法
オフィスにおける基本的な換気方法には、大きく分けると自然換気・機械換気の2種類があります。これらを組み合わせて活用すれば、オフィス内をきれいな空気環境に保つことが可能です。
■自然換気
自然換気は、部屋の窓や扉を開けることで室内と外の空気を入れ替える方法です。
自然換気には空気の流れを利用した風力換気と、室内外の温度差による空気の流れを利用した温度差換気の2種類があります。効率良く換気するために、窓や扉の開口部を大きく開けましょう。
また、自然換気はシンプルな換気方法ではあるものの、季節や天候、風向きの影響を受けやすい側面があります。
■機械換気
機械換気は、扇風機や換気扇などの機械を利用して室内の空気を入れ替える方法です。
機械換気には、第一種・第二種・第三種の3種類があります。
第一種換気は、機械を使って給気と排気の両方を行う方法です。使用する機械によって換気風量が異なりますが、適した機械を使用すれば、効率的な換気が可能です。多くのオフィスではこの方式が採用されています。
第二種換気は、機械で給気を行いながら排気を自然換気する方法です。給気により室内の気圧が上がり、汚れた空気の侵入を防ぎます。よりきれいな空気環境が求められる手術室や工場のクリーンルームで使用されています。
第三種換気は排気を機械で行い、給気を自然換気する方法です。機械的な排気により、室内の気圧が低下し、室外への空気流出を防ぎます。主に水回りなどの湿気や臭いが発生しやすい場所で活用されます。
窓が開けられるオフィスでの具体的な換気方法
オフィスでの換気方法は、窓が開けられる場合と開けられない場合で異なります。窓が開けられるオフィスでは、窓の数に応じた換気方法を取り入れましょう。
■【窓が複数個所ある場合】定期的に自然換気する
窓が開く場所では、定期的に窓を開けて自然換気すると良いでしょう。窓が複数個所ある場合は、部屋の対角線上にある窓も同時に開けると、換気効率を高めることが可能です。
また、窓や扉の開口部は、できるだけ大きく開けることを心がけましょう。換気の頻度は、1時間に10分程度が目安です。
ただし、1時間に5分の換気を2回実施したほうが効果が高いとされています。
■【窓が一つしかない場合】扇風機や換気扇を活用する
窓が一つしかない場合は、窓を開けるだけでは十分に換気できないことがあります。窓と同時に部屋のドアを開けると、空気の流れを作れるため、効率良く換気することが可能です。
また、窓が一つしかない部屋では、扇風機やサーキュレーターなどを使用しましょう。扇風機やサーキュレーターの風をドアの内側から外に向けて送ると、室内の空気を外に排出できます。
窓が開けられないオフィスでの具体的な換気方法
オフィスの部屋によっては、さまざまな理由で窓が開けられないこともあります。特に高層のオフィスビルでは、窓が開かない部屋もあるでしょう。
窓が開けられない場合は、入口のドアや機械を利用して換気を行いましょう。
■入口のドアを開ける
建築物における衛生的環境の確保に関する法律によって、必要換気量が義務づけられているため、窓が開けられない部屋でも換気は行われています。
しかし、法律で義務づけられた必要換気量を満たすだけでは、三密の密閉を完全に防げるとは限りません。
窓が開けられない部屋でも、適切な換気が必要です。窓が開けられない部屋の換気を促したい場合は、入口のドアを開けて対応しましょう。
■サーキュレーターや空気清浄機を活用する
窓が開けられない部屋でも、サーキュレーターや空気清浄機を使って直接風を送ることで換気することができます。
サーキュレーターは広範囲に風を送るのではなく、特定の場所に直線的に風を送る機器です。部屋の空気を循環させることで、新鮮な空気を広く行き渡らせることができます。
空気清浄機は室内の空気をフィルターを通して取り込み、きれいにした上で室内に戻す機器です。空気清浄機を設置すれば、空気中に漂う花粉やハウスダストなどの微粒子を取り除いてくれるだけでなく、換気の効果も期待できます。
オフィスで換気をする際のポイント
オフィスで効率良く換気をするためには、押さえておきたいポイントを紹介します。
■各種設備のフィルターをこまめに掃除する
換気システムやエアコンなどのフィルターは、こまめに掃除することを心がけましょう。
各種設備が空気中のほこりや花粉などを吸い込むと、フィルターが目詰まりし、換気効率が低下します。
フィルターが目詰まりするとカビや雑菌が繁殖しやすくなり、室内の空気を汚染してしまうおそれがあります。
カビや雑菌は従業員の健康に悪影響を及ぼすリスクがあるため、月に2回を目安にフィルターを掃除するようにしましょう。
■24時間換気システムの電源はオフにしない
2003年に建築基準法が改正されたことにより、オフィスビルをはじめとする建物には、24時間換気システムの導入が義務づけられました。
24時間換気システムとは、室内の空気を自動的に循環させて空気を入れ換える換気システムです。システムは人為的にオフにすることもできますが、室内の空気をきれいに保つためには常に稼働させておく必要があります。
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■取り付けタイプ
取り付けタイプは、大規模空間の空気とさまざまな場所の表面をまとめて除菌できるタイプです。99.9%のウイルスを抑制するため、ウィルス感染が流行するシーズンでも従業員が安心して業務に取り組める環境を整備できます。
90%以上の脱臭効果があるため、施設特有の嫌な臭いの除去を期待できます。既設ダクトに設置できるため、空調設備の入れ替えも不要です。
PlasmaGuard PRO™ アイリスエディションを設置すると、窓が開けられない部屋や高層階のオフィスビルでも快適に過ごせる環境を実現できます。
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■置き型タイプ
置き型タイプはコンパクトなサイズで、コンセントに差すだけですぐに利用できます。一般的な空気清浄機のようなフィルターがないため、面倒なお手入れも不要です。
取り付けタイプと同様に、空気やさまざまな表面を除菌できます。
機種によっては40坪程度に対応できるため、大規模オフィスの会議室や小規模オフィスにおすすめです。
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空気は目に見えないからこそこまめな換気が重要
オフィスビルをはじめとした建物は、必要最低限の換気が行われています。しかし、オフィスの人数やレイアウトによっては、換気設備が設置されていても換気が十分でない可能性もあります。
空気に含まれている物質は目に見えないため、換気が必要な状況を判断しづらいのが現状です。
従業員が気づかないうちに危険物質を吸い込んでしまうおそれもあるため、窓を開けたりサーキュレーターを使用したりして、こまめな換気を意識してみましょう。