清掃管理業務とは?業者に依頼するメリットや話題の清掃ロボットも紹介

2024.03.12
職場環境改善

オフィスビルをはじめとするビルの清掃管理業務は、業者に依頼することも可能です。清掃管理業務を業者に依頼するとコストがかかる一方で、さまざまな効果が期待できます。

本記事では、ビルの清掃管理業務を業者に依頼するメリットやデメリットを解説します。また、業者の選び方も解説するので、自社で依頼する際に役立ててください。

清掃管理業務とは?

清掃管理業務とは、施設の利用者が快適に過ごせるよう清掃計画を立て、清掃を行う業務です。

「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」の第4条では、事務所や店舗などの建物に対し、良好な衛生環境を維持することを義務づけています。

※出典元:e-GOV法令検索「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」

清掃管理業務を怠った場合、都道府県知事や保健所長から改善命令が下されたり、施設の利用停止処分を受けたりする可能性があります。

一口に清掃管理業務と言っても、掃き掃除や拭き掃除などの「掃除」のみが該当するわけではありません。清掃管理業務には美観維持だけでなく、建物の劣化を防ぎ、保全性や安全性を維持する業務も含まれています。

清掃管理業務の種類

清掃業者の行う清掃サービスは4つにわけられます。各清掃管理業務の種類を詳しく見ていきましょう。

■日常清掃

日常清掃とは、日常生活で汚れる場所を清掃するサービスを指します。清掃管理業務のなかでは、最もスタンダードなサービスです。

日常清掃の主な作業内容は、次のとおりです。

  • 床の掃除機がけ
  • 床のモップがけ
  • 家具の拭き掃除
  • 人の手が触れる場所の除菌
  • ごみの回収
  • トイレ掃除 など

日常清掃は床の掃除機がけやごみの回収など、比較的容易に実施できる作業がほとんどです。ビルで働く従業員が日常清掃を担当することも珍しくありません。

日常清掃は、毎日または週1回程度実施するケースが多い傾向にあります。

■定期清掃

定期清掃とは、日常清掃ではカバーしきれない汚れや場所を清掃するサービスを指します。定期清掃の主な作業内容は、次のとおりです。

  • 床のワックスがけ
  • エアコンの分解洗浄
  • 照明器具の拭き掃除
  • 外壁の高圧洗浄
  • ブラインドの洗浄 など

清掃の頻度は作業内容によって異なりますが、月1回や数カ月に1回の頻度で実施するケースが多い傾向にあります。

■巡回清掃

巡回清掃は業者がビルや集合住宅などを巡回し、共有部分を清掃するサービスです。巡回清掃の主な作業内容は、次のとおりです。

  • 床の掃除機がけ
  • 共用部分の床のワックスがけ
  • ガラス戸の拭き掃除
  • 照明器具の拭き掃除
  • 電球切れのチェック及び交換
  • エントランス周辺の掃き掃除
  • 植込みの剪定
  • カーペットのシミ取り など

清掃の頻度は、週に1~2回程度で実施するケースが多い傾向にあります。

■スポット清掃

スポット清掃とは、特定の部分に限定した一度限りの清掃サービスです。スポット清掃の主な作業内容は、次のとおりです。

  • カーペットのクリーニング
  • エアコンの分解洗浄
  • トイレの尿石除去
  • ベランダに付着した鳥のフンの除去
  • シンクの水垢除去 など

スポット清掃は、日常清掃や定期清掃で汚れが落ちない場所や集中的にきれいにして欲しい場所の清掃に対応しています。

ただし、なかにはスポット清掃に対応していない業者があるため、事前に確認が必要です。

ビルの清掃管理業務を業者に依頼するメリット

清掃管理業務を業者に依頼すると、ビルを計画的に清掃できるだけでなく、従業員の負担軽減につながります。

■従業員の負担を軽減できる

ビルの清掃管理業務は、床の掃き掃除や拭き掃除など多岐にわたります。

従業員に清掃を任せると、業者に依頼するコストは削減できますが、従業員への負担がかかります。

清掃によって勤務時間が削られると、従業員の生産性が低下する可能性があります。一部の従業員は本来の業務に十分な時間を割けず、その結果残業が増加するかもしれません。

ビルの清掃管理業務を業者に依頼すると、従業員は本来の業務に集中でき、清潔な環境で仕事に取り組めるため、生産性の向上を期待できます。

■衛生的な建物環境を維持できる

従業員が清掃管理業務を担当すると、清掃のプロではないため、落としきれない汚れが発生する可能性があります。

また、勤務時間内では清掃に十分な時間が確保できないため、細かい部分まで行き届かないこともあります。

一方で、業者は清掃のプロなので、頑固な汚れを落とせるだけでなく、従業員では難しい場所まで清掃可能です。

さらに、不衛生なビルは美観や快適性が損なわれるため、建物自体の資産価値が低下しやすい傾向があります。ビルをプロに清掃してもらうことで、美観や快適性を向上させ、建物の価値を維持できるでしょう。

■計画的に清掃できる

ビルの清掃は、計画的に進めることが大切です。計画的に進めると表面の見えやすい部分だけでなく、見えにくい部分まで清掃が行き届き、建物全体の衛生状態を維持しやすくなります。

従業員が清掃管理業務を担当する場合、表面の見えやすい部分はきれいにできるかもしれません。しかし、見えにくい部分は汚れが蓄積し、気づかないうちに不衛生な状態になることがあります。

業者には、汚れの蓄積などを考慮して清掃を依頼することも可能です。たとえば週1回の日常清掃に加え、定期清掃やスポット清掃を月1回の頻度で依頼するなど計画的に利用できます。

ビルの清掃管理業務を業者に依頼するデメリット

ビルの清掃管理業務を業者に依頼すると、さまざまなメリットがある一方でデメリットもあります。

■コストがかかる

清掃管理業務を業者に依頼する場合、当然ながらコストが発生します。料金は、清掃頻度や作業内容によってさまざまです。希望するすべての清掃を業者に依頼すると、予算をオーバーする可能性もあります。

そのため、業者に依頼する際には、予算とのバランスを十分に検討する必要があります。予算をオーバーする場合は、清掃頻度や作業内容を見直してコストダウンを図ってみましょう。

また、同じ清掃頻度や作業内容でも、業者によって料金が異なります。料金が安くてもサポート内容が十分でないケースもあるため、複数社に見積りを依頼して自社に適した業者を選びましょう。

■セキュリティリスクがある

ビルに清掃業者を入れるため、セキュリティリスクを考慮する必要があります。

もちろん多くの業者はスタッフに対して適切な教育や研修を実施していますが、情報漏洩や窃盗のリスクがないとは言いきれません。

従業員には、私物や貴重品の適切な管理や、機密情報の漏洩を防ぐためにデスク上に物を置かないように呼びかけましょう。

また、セキュリティリスク対策としては、清掃ロボットの導入も一つの手段です。

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■業者によって清掃品質に差が生じる場合がある

清掃管理業務を業者に依頼する際は、業者選びが重要です。

すべての業者が同じ清掃品質を提供するわけではないため、品質が低い業者を選んでしまうとトラブルの原因となります。

業者の清掃品質を確認する方法としては、利用者の口コミを参考にするのも一つです。

また、業者には得意分野と不得意分野があります。希望する作業内容が不得意な業者に依頼しても、期待する清掃品質が得られないかもしれません。業者に依頼する際には、自社が希望する作業内容が得意かどうかを確認しておくことも大切です。

ビルの清掃管理業務を依頼する業者の選び方

清掃管理業務の料金や作業内容は、業者によって異なります。また、長期契約が必要な場合もあるので、予算や希望する作業内容に合う業者かどうかを十分に検討しましょう。

■見積書は細かく記載されているか

業者を選ぶ際には、見積書の記載方法を確認することが大切です。

見積書の記載方法は、業者によって異なります。たとえば「○○一式」のような記載では作業内容が曖昧なため、後からトラブルに発展する恐れもあります。

業者から提示された見積書は、作業内容ごとに細かく記載されているかを確認しましょう。気になる点があれば、業者にその都度確認し、疑問や不安を解消しておきます。

■清掃に関する資格取得者が在籍しているか

依頼する業者に資格取得者がいるかどうかも確認してきましょう。資格取得者は清掃に関する知識が豊富なので、安心してビルの清掃を任せられます。

清掃に関する資格は、国家資格や民間資格など多岐にわたります。

国家資格
  • ビルクリーニング技能士
  • 建築物環境衛生管理技術者
  • 清掃作業監督者 など
民間資格
  • 建築物清掃管理評価資格者
  • 清掃マイスター
  • エアコンクリーニング士
  • クリーニングインストラクター など

ビルクリーニング技能士は、ビルの清掃に関する技術を証明する国家資格です。難易度に応じて4つの等級が設けられており、1級を取得すれば清掃作業監督者の受験資格を満たします。

資格取得者の情報は、業者の公式サイトに掲載されているケースがあります。清掃に関する資格取得者に清掃を任せれば、高い清掃品質が期待できるでしょう。

■損害賠償責任保険に加入しているか

ビルの清掃管理業務を業者に依頼する際には、損害賠償責任保険に加入しているかを確認しましょう。

業者は清掃のプロではあるものの、作業中に建物内の備品や家財に傷をつけてしまう可能性もあります。保険に加入している業者なら、万が一のときでも補償を受けられるので安心です。

ただし、補償内容は業者によって異なります。そのため、補償内容もしっかりと確認しておきましょう。

■教育体制が整備されているか

業者選びでは、スタッフに対する教育体制の確認も重要になります。ビルの清掃管理業務を担当するスタッフは、正社員だとは限りません。

スタッフへの教育が十分に行き届いていないと、清掃品質の低下やトラブルの発生などが懸念されます。たとえばマナーが悪いスタッフが担当する場合、ビルを訪れる人に悪い印象を与えてしまうかもしれません。

一方で教育体制が整備された業者なら、スタッフの清掃品質やマナーのレベルを統一できるため、安心して任せられます。スタッフの教育体制に関する内容は、公式サイトに掲載している業者も多いため、事前に確認しておきましょう。

ビルの清掃管理業務を業者に依頼する際の基本的な手順

ビルの清掃管理業務を業者に依頼する際の手順を確認しておきましょう。

■STEP1:業者への問い合わせ・現地調査の打ち合わせ

まずは、ビルの清掃管理業務を依頼する業者に電話やWebで問い合わせます。Webで問い合わせる場合は、業者からの連絡を待ちましょう。

業者は、契約前に現地調査を行うのが一般的です。そのため、問い合わせの際には現地調査の日程も調整します。業者の都合が悪い日時があるケースを想定し、候補日は複数日を考えておくとよいでしょう。

■STEP2:現地調査の実施

業者と事前に打ち合わせした日時を迎えたら、現地調査が実施されます。現地調査では、業者の担当者が間取りや面積などを確認します。その後は、清掃に関する課題や要望などのヒアリングが行われるのが一般的です。

現地調査は、見積り額を算出する際の目安になります。現地調査の所要時間は、清掃の規模によって異なりますが、1時間程度が目安です。

■STEP3:見積書の確認・契約

現地調査後は、業者から見積書を提示されます。見積書には作業内容や料金が記載されているため、細かいところまで確認しましょう。

業者のなかには、見積書や作業内容を詳しく説明してくれるところがあります。内容に不明な点があれば、すぐに担当者に質問し、疑問や不安を解消させることが大切です。

この段階では契約に至っていないため、見積書の内容に納得できなければ断ることも可能です。内容に問題がなければ、正式契約に進みます。

業者に依頼する前に清掃ロボットのご検討を

ビルの清掃管理業務を業者に依頼する場合、社外の人が立ち入るため、セキュリティ対策が必要です。また、業者に依頼するとコストが発生するため、予算に余裕がない場合は清掃範囲や頻度が限られます。

業者への依頼が難しいときには、清掃ロボットの導入を検討してみましょう。

近年、ビルの清掃管理業務に清掃ロボットを活用するホテルや施設が増えています。当社の清掃ロボットを導入していただくと、専任スタッフがコンサルティングを行い、導入の効果を最大限にサポートします。

また、アフターフォローや機体の保守メンテナンスにも対応しているので、安心してお使いいただけます。ぜひご検討ください。

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ビルの清掃管理業務を徹底して衛生的な建物環境を維持しよう

ビルの清掃管理業務は、床の掃除機掛けや家具の拭き掃除など多岐にわたります。従業員が勤務時間内に清掃する場合、時間に限りがあるため、行き届かない部分が出てくる可能性があります。

従業員の負担を軽減し、衛生的な建物環境を維持するためには、清掃の専門業者への依頼も検討しましょう。業者は清掃のプロなので、従業員だけではカバーしきれない部分まできれいにすることが可能です。

また、床の掃除機がけや拭き掃除などは、清掃ロボットでも対応できます。予算や作業内容などを比較し、自社に適した方法で清掃管理業務を実施し、衛生的な建物環境を維持しましょう。