近年、ホテルや旅館などの宿泊施設では、さまざまな業務に対する人手不足が深刻化しています。フロントオフィス業務で手一杯となり、バックオフィス業務に十分に時間を充てられない宿泊施設も多くあるのが現状です。
自社でも人手不足に陥っており「清掃業務を効率化したい」と考えているホテルや担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、ホテル・宿泊施設の清掃業務が人手不足に陥っている背景や清掃業務を効率化する方法を解説します。
ホテル・宿泊施設の清掃業務が人手不足に陥っている背景
宿泊業の人手不足が深刻化している背景には、労働人口の減少だけでなく、従業員の負担が大きいといった業界ならではの事情が関係しています。人手不足を解消させるには課題を把握することが大切です。
■労働人口が減少しているため
新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、ホテル・宿泊施設の需要が高まる一方、労働人口の減少が人手不足を深刻化させているのが現状です。
日本は少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少により、多くの業界が人手不足に悩まされています。
また、厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」でも、宿泊業・飲食サービス業の離職率の高さが浮き彫りとなっています。
業種 | 新規大卒就職者の3年以内の離職率 |
---|---|
宿泊業・飲食サービス業 | 51.4% |
生活関連サービス業 | 48.0% |
教育・学習支援業 | 46.0% |
医療・福祉 | 38.8% |
小売業 | 38.5% |
全業種の離職率(32.3%)と比べても、宿泊業・飲食サービス業の離職率は20%近く高いことがわかります。
※出典元:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」
このように宿泊業・飲食サービス業は、新たな人材を獲得しても早期離職者が多い状況が続いています。
■従業員の業務負担が大きいため
従業員一人当たりの業務負担が大きいことも、宿泊業の清掃業務が人手不足に陥っている原因の一つです。
新型コロナウイルス感染症の影響で宿泊業は一時的に需要が減少しましたが、5次感染症に移行してからは国内だけでなく、海外からの顧客も増加しています。
しかし、コロナ禍の影響で大きな打撃を受けた際、従業員のなかにはほかの業界に転職した人もいます。
宿泊業を一度離れた人材はすぐに戻るわけでもなく、限られた従業員で業務をこなしているところも多いのが現状です。その結果、従業員一人当たりの業務負担が増加傾向にあり、清掃業務まで十分に手が回らない状況が続いています。
ホテル・宿泊施設における清掃業務の効率化は急務
コロナ禍を経て国内外の観光客が増加しているなか、ホテルの清掃業務の人手不足が深刻化しています。しかし、顧客ありきの宿泊業では、人手不足を理由に清掃業務を怠るわけにはいきません。
客室の清掃が行き届かなければ、清掃品質の悪化により、ホテルや宿泊施設の評判が低下するおそれもあります。清掃に関して利用客に不快な思いをさせると、リピート率の低下にもつながりかねません。
近年はSNSの利用者が増えており、清掃の不備が拡散されれば、新規顧客の獲得にも悪影響が及ぶ可能性があります。
ホテルは、人手不足のなかでも清掃業務を効率化させ、高いサービス品質を提供する必要があるでしょう。
ホテル・宿泊施設の清掃業務を効率化する方法
人手不足でも、ホテルや宿泊施設の清掃業務を効率化する方法があります。ここからはホテルや宿泊施設の清掃業務を効率化する方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
■清掃業務をマニュアル化する
一口に清掃業務と言っても、ホテルや宿泊施設の場合はバスルームの清掃やごみ捨て、リネンの交換など多岐にわたります。たとえ1室の清掃でも、多くの業務をこなす必要があります。
清掃の質が担当する従業員によって異なると、クレームにつながりかねません。そのため、ホテルや宿泊施設では、誰が担当しても一定の清掃品質を維持するために、教育や研修を実施するのが一般的です。
まずは、各清掃業務の手順をまとめたマニュアルを作成しましょう。従業員がマニュアルに沿って清掃を実施できるようになれば、どの従業員が担当しても一貫して質の高い清掃が実現でき、効率良く業務を遂行できます。
■研修制度を整備する
ホテルや宿泊施設の清掃業務を効率化するには、従業員に対する研修制度の整備も重要です。
マニュアルを作成するだけでは、清掃業務の効率化を図れない可能性があります。特に実務経験がない従業員の場合、マニュアルに記載されたテキスト情報だけでは、実際の作業手順やタイミングを理解するのが難しいかもしれません。
マニュアルと研修制度が両方整備されていれば、理論だけでなく実際の動きや感覚も身に付くため、清掃業務の効率化につながります。
また、研修制度を充実させることで個人の能力を引き出し、新人の従業員でも即戦力としての活躍が期待できます。
■標準作業時間を設定する
清掃業務にかかる時間は、従業員によって異なります。従業員によって作業時間にバラつきが生じると、清掃業務の効率化は実現できません。
そのため、清掃業務では標準作業時間を設定することが必要です。たとえばバスルームの清掃には10分、リネンの交換には10分、床の掃除機がけに5分など、具体的な時間を設定しましょう。
標準作業時間の目安は、客室の広さや工程ごとに設定するのがポイントです。従業員は作業時間を意識しながら業務を進められるため、清掃業務の効率化が実現しやすくなります。
■清掃用具を見直す
ホテルや宿泊施設の清掃業務にかかる時間は、使用する清掃用具によって変動します。清掃用具の見直しにより、作業時間を短縮し、清掃業務の効率化が可能です。
近年は、作業の効率性を重視した清掃用具が数多く登場しています。たとえばリネンの運搬を手作業で行っている場合、ワゴンを導入すると一度で大量に運べます。
また、清掃用具として清掃ロボットを導入するのも手段の一つです。清掃ロボットが作業中に別の仕事に取り組めば、清掃時間を短縮できます。
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■清掃用具や備品の置き場を見直す
清掃業務を見直す際には、清掃用具や備品の収納場所を確認しましょう。
客室の清掃には清掃用具や備品が必要ですが、収納場所が遠いと、無駄な移動時間が発生します。従業員が移動する時間を短縮することは、清掃業務の効率向上につながります。
清掃用具や備品は、客室から近い場所にまとめて収納するようにしましょう。清掃カートに必要なものをまとめて保管しておくと、移動時間だけでなく、用具や備品を取り出す時間も短縮できます。
■外部の業者に委託する
近年は少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少により、人手不足を課題に抱えるホテルや宿泊施設も多いのが現状です。求人を募集しても応募が少なく、新たな人材の獲得が難しいケースもあります。
人材の確保が難しい場合は、外部の業者に清掃業務を委託するのも手段の一つです。従業員一人当たりの業務負担を軽減するために、清掃業務を外部の業者に委託するホテルや宿泊施設も少なくありません。
外部の業者に清掃業務を委託すると、プロの手により清掃が行われ、高いサービス品質を維持することが可能です。また、清掃用具は業者が用意するため、ホテルや宿泊施設側で購入する手間も省けます。
■管理システムを導入する
清掃業務の効率化を図るために、客室清掃管理システムの導入を検討しましょう。
ホテルや宿泊施設の清掃業務は、基本的に宿泊客がチェックアウトした客室から順に清掃を開始するのが一般的です。しかし、フロントと清掃業務の担当者がチェックアウトをその都度確認する場合、無駄な時間がかかってしまいます。
客室清掃管理システムを導入すれば、各客室のチェックアウト状況を把握できるため、効率良く清掃を実施することが可能です。
客室清掃管理システムでは、各客室のステイ・アウトのほかに、清掃の状況もリアルタイムで管理できます。システムによって清掃状況を管理できれば、客室の回転率向上にも貢献できるでしょう。
■ロボット掃除機を導入する
従来、清掃には人手が必要でした。しかし、技術の発展により、一部の清掃業務をロボットに任せられるようになりました。
近年は、業務用のロボット掃除機も数多く登場し、障害物回避機能や床洗浄機能などさまざまな機能を持つタイプがあります。
人手不足を解消するために、すでにロボット掃除機を導入しているホテルや宿泊施設もあります。
ホテル・宿泊施設に清掃ロボットを導入するメリット
近年は、清掃ロボットを導入する企業が増えています。その背景には、清掃ロボットの導入によって従業員や企業にさまざまなメリットをもたらすことが関係しています。
■従業員の業務負担を軽減できる
ホテルや宿泊施設の清掃は、客室だけでなく、ロビーや宴会場などさまざまな場所で行います。しかし人手不足の場合は、従業員一人当たりの業務負担が大きく、清掃が十分に行き届かない可能性があります。
従業員の業務負担を軽減するには、清掃ロボットの導入が効果的です。近年は、多様な機能を搭載した清掃ロボットが数多く登場しています。
たとえば、障害物回避機能があると、人や障害物を自動で回避できるため、安全に使用することが可能です。また、水拭きに対応しているタイプなら、拭き掃除まで清掃ロボットに任せられます。
清掃ロボットが作業している間、従業員は別の業務に集中できます。
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■人件費の削減につながる
ホテルや宿泊施設では夜間に清掃を行うケースがありますが、深夜の清掃を人に任せる場合は深夜手当を支払う必要があり、人件費が高額になりがちです。
一方で清掃ロボットは、24時間いつでも稼働できます。事前に清掃範囲や時間帯を設定しておけば、スケジュール通りに清掃を実施することが可能です。清掃ロボットは人件費がかからないため、コストカットにつながります。
夜間の使用を想定している場合は、静音性に優れた清掃ロボットを選ぶと良いでしょう。当社では、複数タイプの清掃ロボットを取り扱っています。現在、Whiz i アイリスエディションは無料お試しキャンペーンを実施中です。最大1週間お試しで利用できるため、ぜひこの機会にお申込みください。
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■安定した清掃品質を維持できる
清掃ロボットを導入すると、安定した清掃品質を維持することが可能です。人による清掃では、清掃品質にムラが生じることがあります。清掃品質が低い場合、顧客満足度やリピート率の低下につながりかねません。
一方の清掃ロボットは毎回同じレベルで清掃するため、安定した清掃品質を維持できます。稼働中はほこりの舞い上がりを極力避けながら、人の手では取り除ききれない小さなごみも集められるため、衛生的な環境を維持できるでしょう。
当社のWhiz i アイリスエディションは、均一な清掃で90%のほこりを除去できます。オフィスビルや小売店舗などのさまざまな施設で導入されているため、ぜひご検討ください。
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ホテル・宿泊施設におすすめの清掃ロボット3選
最後に、当社の清掃ロボットを3つ紹介します。
■Whiz i アイリスエディション
Whiz i アイリスエディションは事前に清掃ルートを作成しておけば、スタートボタンを押すだけでスケジュール通りの清掃を実施する清掃ロボットです。本体には高性能のセンサーを搭載しており、人や観葉植物などの障害物を回避できます。
Whiz i アイリスエディションの稼働時間の目安は、ノーマルモードで約3.6時間、パワーモードで約1.8時間です。テニスコート2面分の範囲なら、約1時間で清掃することが可能です。
パソコンやスマホに専用ツール「Whiz Connect」をインストールしておけば、リアルタイムで清掃状況を確認できます。
〈Whiz i アイリスエディションについてはこちら〉
■Scrubber 50 Pro アイリスエディション
Scrubber 50 Pro アイリスエディションは、業務用全自動床洗浄ロボットです。清掃は、事前に設定したスケジュール通りに実施します。清掃の時間帯を設定しておけば、清掃開始時の操作も不要です。
Scrubber 50 Pro アイリスエディションはゾーン別クリーニング機能を搭載しており、選択したエリアのみを清掃することも可能です。清掃終了後は自動で定位置に戻り、充電するため、メンテナンスにほとんど手間がかかりません。
また、清掃後の汚水は本体後部のスクイジーで吸引し、内部に搭載された汚水フィルターでろ過しています。ろ過した汚水は清掃に再利用するため、省資源化を実現可能です。
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■BROIT
BROITは、床の水拭きに対応した清掃ロボットです。洗浄力が高く、床に付着した汚れやごみをきれいに取り除けます。清掃可能な汚れの種類は、毛髪や砂、糸くず、クリップなどさまざまです。
シンプルな機能と操作性を合わせ持つため、初めて使用する人でも使いやすい点が魅力の一つです。
給排水タンクは、タンクごと取り外せる仕様となっており、本体ごと移動する必要がありません。
本体には着脱交換ができるリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、充電中に清掃が中断するデッドタイムを大幅に低減でき、フレキシブルな清掃計画を実現できます。
〈BROITについてはこちら〉
人手を確保できないときには清掃ロボットを活用しよう
近年は、多くの業界が人手不足を課題に抱えています。特に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業界は人手不足が深刻で、一度離れた人材がすぐには戻りにくい状況が続いています。
ホテルや宿泊施設にとっては、良好な衛生環境の維持は不可欠です。清掃業務に十分な人手を配置できない場合、清掃品質の悪化によって顧客満足度やリピート率の低下につながる可能性もあります。
そのため、ホテルや宿泊施設では、清掃業務の効率化が急務です。マニュアルの作成や外部業者への委託などの方法で改善できない場合は、今後を見据えて清掃ロボットの導入を検討しましょう。