効果的なオフィスの節電対策とは?照明・空調・OA機器の見直しで経費削減を実現!

2023.09.25
省エネ

国は省エネルギー政策の一環として、各家庭や企業に節電への協力を求めています。企業が節電に取り組むと経費削減だけでなく、社会的評価の高まりが期待できます。節電によってさまざまな効果が期待できるため、企業として積極的に取り組むことが大切です。

しかし、企業の経営者や総務担当者のなかには、具体的にどのような方法で節電に取り組むべきか迷っている人も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、オフィスでの節電対策や節電につながるアイデアなどを紹介します。

効率的にオフィスの節電をする方法は?

資源エネルギー庁の資料によると、平均的な規模のオフィスビルにおける電力消費の内訳は照明が24%、空調が48%、OA機器が16%であることがわかっています。

電力消費の内訳割合
照明24%
空調48%
OA機器16%
エレベーター5%
その他7%

オフィスビルの消費電力は、照明・空調・OA機器の3つだけで約9割を占めているのが現状です。オフィスでこの3点を工夫するだけで、効率的な節電が期待できます。資源エネルギー庁の資料では、電力消費のピーク時間帯は昼間の10~17時で、夜間の消費電力はその30%程度です。

※出典元:資源エネルギー庁「節電アクション」

オフィスで節電対策を施す際には、時間帯を意識することが大切です。また、経済産業省の資料では、オフィスの基本的な取り組みにより、照明が3.3~12.7%。空調が2.4~4.1%、OA機器が2.8%の節電効果があるとしています。

節電対象具体的な節電対策建物全体に対する節電効果
照明執務室の照明を半分程度間引きした場合12.7%
使用していないエリアの消灯を実施した場合3.3%
空調執務室の冷やし過ぎに注意し、無理のない範囲で室内温度を上げた場合4.1%
使用していないエリアの空調を停止した場合2.4%
OA機器長時間席を離れるときはOA機器の電源を切る、またはスタンバイモードにした場合2.8%

※出典元:経済産業省「夏季の省エネ・節電メニュー」

オフィスの稼働率が高い時間帯に照明や空調、OA機器の使い方を工夫することで、大きな節電につながります。

【照明】オフィスの節電アイデア

オフィスでは明るい日中の時間帯でも照明を使用するケースが多いため、消費電力が大きくなりがちです。消費電力を抑えるには照明の数自体を減らす、使用していない部屋の照明を消すといった方法があります。

■照明を適度に間引きする

節電効果を高めるには、照明自体の数を減らすのも手段の一つです。照明一つ当たりの消費電力は、それほど多くありません。しかし、照明の数が多いとその分消費電力が大きくなり、電気代もかさみます。

ただし、照明を減らし過ぎないように注意が必要です。たとえば利用頻度が高い執務室の照明が少ないと、部屋の明るさが不十分になり、従業員の作業効率が低下するおそれがあります。照明の数を減らす際には、部屋の使用状況を考慮して検討することが大切です。照明を適度に間引きすることで、業務に支障なく効率的な節電が実現できます。

■不要な照明はこまめに消す

そもそも不要な照明をきちんと消すようにするだけでも、実は大きな節電効果があります。オフィスの節電対策の第一歩として、不要な照明が使用されていないか確認してみましょう。たとえば会議室や休憩室は、誰かが消灯することを見越し、使用後でも照明が点きっぱなしになっていることが多い場所です。

節電対策を施す際にはすべての従業員がそれを意識し、オフィス全体で取り組むことが重要です。資源エネルギー庁の資料では、オフィスの節電対策として「使用していないエリアは消灯を徹底する」「昼休みなどは完全消灯を心がける」も提示されています。

※出典元:資源エネルギー庁「節電アクション」

すべての従業員が意識的に不要な照明を消すということを徹底できれば、オフィスの節電効果が期待できるでしょう。

参考:https://www.tainavi-biz.com/energy-iot/3518/

■照明器具の清掃をおこなう

照明器具を定期的に清掃すると照度を維持できるため、節電効果が期待できます。オフィスで照明の節電対策を実施する前に、照明器具がどれくらいの頻度で清掃されているかを確認してみましょう。照明器具が汚れると照度が低下します。

また、清掃は定期的に行いましょう。照明がついた状態だと高温になることがあり、そのまま清掃するとやけどする恐れがあります。清掃する際には消した状態でおこなうようにしてください。

■新しいLED照明へ交換する

節電効果をより高めるには、新しいLED照明に切り替えるのも手段の一つです。

LED照明は蛍光灯に比べて消費電力が少ないため、LED照明に交換するだけでも節電効果を発揮することがあります。また、LED照明の電球は寿命が長く、長期的な交換コストの削減も見込めるでしょう。

すでにLED照明を導入している場合でも、以前導入したLED照明から新しいLED照明に変えるのもおすすめです。最新のLED照明は性能が上がっており、電気代をより削減できる可能性があります。

■人感センサー式照明の導入

常に人がいるわけではない場所には、人感センサー式の照明の導入で節電を図る方法もあります。人感センサー式の照明とは人の動きをセンサーで感知した際に、自動で点灯や消灯をする機能が組み込まれた照明です。
人感センサー式の照明の導入に適した場所は、次のとおりです。

  • トイレ
  • 休憩室
  • 会議室
  • 自動販売機コーナー
  • 廊下
  • 非常階段 など

上記にあげた場所は、常に人がいる訳ではありませんが、比較的人の出入りが頻繁な場所です。そのため、次に使用する人のために点けておいた方が良いと思っていたり、誰かが消灯することを見越して、照明が点けっぱなしにされるケースも少なくありません。人感センサー式の照明を導入すると消し忘れを防止できるため、節電につながります。

■調光・調色タイプのLED照明の導入

蛍光灯からLED照明の切り替えによって節電を実施する際には、調光・調色タイプの導入を検討してみましょう。調光・調色タイプのLED照明は、人が快適に感じる光の色や明るさに調節できるタイプです。

同志社大学と国立研究開発法人情報通信研究機構、木村工機株式会社が実施した研究によると、人の体感温度は光の色によって2~3度の差が生じることがわかっています。研究では、色温度が低いオレンジ寄りの色の場合は暖かく感じ、色温度が高い青み寄りの色の場合は涼しく感じることがわかりました。

※出典元:木村工機株式会社「HUE-HEAT空調・照明連動制御の実証研究成果が国際科学誌“PLOS ONE”に掲載」

このように、光の色温度と体感温度には密接な関係があります。LED照明の調光・調色機能によって体感温度を調整することで、冷房や暖房を控えめな温度に設定しても、快適な環境を維持しつつ、省エネ効果も期待できるということです。

ソース元:同志社大学、情報通信研究機構(NICT)、木村工機(株)

■無線制御システムの導入

オフィスで節電効果を図る際には、無線制御システムを導入するのも手段の一つです。無線制御システムとは状況や用途に応じ、次の内容の遠隔操作ができるシステムのことです。

  • 点灯
  • 消灯
  • 明るさ
  • 光の色

ただし、無線制御システムを利用するためには、システムに対応したLED照明器具への交換が必要です。また、蛍光灯からLED照明に切り替える場合に比べて、高い節電効果が期待できるものの、導入コストが高額になりやすい傾向があります。

予算に余裕がない場合は、補助金や助成金の活用を検討してみましょう。一部の自治体では無線制御システムを導入する企業に対し、補助金や助成金の制度を設けています。無線制御システムの導入を検討する場合は、まずメーカーに相談してみましょう。

アイリスオーヤマでは、無線制御システム「LiCONEX」を取り扱っています。電気代は従来光源に比べて62%削減※でき、高い省エネ効果が期待できます。(※ 1日あたり14時間、年間稼働日数365日で7年間使用した場合を当社にて想定・試算したシミュレーションです。)システムはシンプルな構造なので、信号線や制御盤などの工事も不要です。

無線制御システムの詳細はこちらのページで詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

〈アイリスオーヤマの無線制御システム「LiCONEX」の詳細はこちら〉
無線制御システムLiCONEX(ライコネックス)|法人向けLED照明|ライティング事業|法人のお客様|アイリスオーヤマ
LiCONEX(ライコネックス)はお手持ちのタブレットやスマートフォン、パソコンから照明の入切や調光ができる、アイリスオーヤマの無線制御システムです。空間の状況や用途に合わせて照明の明...

【空調】オフィスの節電アイデア

空調の使い方次第では、オフィス全体の節電効果が期待できます。特に夏季や冬季の、空調を使用する機会が多い時期は、積極的に節電に取り組みましょう。

■エアコンを適切な温度に設定する

近年は地球温暖化により、記録的な猛暑や寒波に見舞われることが珍しくなくなりました。特に夏季や冬季は、エアコンをフル稼働しているオフィスも多いのではないでしょうか。節電に取り組むなら、エアコンを適切な温度に設定することも大切です。環境省はエアコンの推奨温度として、夏季は28度、冬は20度を提示しています。

※出典元:環境省「オフィスでできる節電アクション」

エアコンの設定温度は、1度下げるだけでも消費電力に違いが現れます。たとえば、設定温度を夏季に1度高くすると約13%、冬季に1度低くすると約10%の消費電力の削減になります。しかし、夏季は28度の温度設定だと暑さを感じるケースが多いため、26~27度を目安にしてみましょう。

※参考:https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/setsuden/office/saving01.html

また、エアコンとサーキュレーターを組み合わせることで、設定温度を下げつつ、消費電力を節約する方法もあります。

アイリスオーヤマの「エナジーセーバー」は、既設の空調を設定温度に合わせてAIが最適な冷暖房運転に導くのが特徴です。

エナジーセーバーには2つの高性能温度センサーが搭載されており、既設の空調室内機の吸気と給気の温度をリアルタイムでモニタリングし、室温の変化をいち早く検知します。

必要以上に室外機を稼働させることを避け、室外機の電力使用量を大幅に削減する効果があります。

■エアコンの買い替え、清掃をおこなう

オフィスで使用しているエアコンが古いモデルの場合、新しいモデルへの交換を検討しましょう。家電製品の性能は年々向上しており、新しいモデルのエアコンのほうが省エネ性能が高い傾向があります。

また、節電効果を高めるには、フィルターや熱交換器の清掃も重要です。フィルターや熱交換機を定期的に清掃することでエアコンの効きがよくなり、節電につながります。フィルターは業者に依頼しなくても清掃できるため、2週間に1回を目途に清掃するようにしましょう。

■扇風機、サーキュレーターを活用する

エアコンの効きをよくして節電効果を高めるには、扇風機やサーキュレーターを活用するのも手段の一つです。扇風機やサーキュレーターを使用して室内の空気を循環させると、控えめな設定温度でも快適に過ごせます。

室内の空気を効率的に循環させるには、シーリングファンの活用も検討してみましょう。シーリングファンとは、天井に設置するタイプのサーキュレーターです。また、小規模のオフィスの場合、個人用の小型扇風機を活用するのもおすすめです。

■涼しい時間からエアコンを稼働させる

夏季にエアコンの節電をする際には、涼しい時間帯からエアコンを稼働するようにしましょう。エアコンの消費電力は、必ずしも起動時に多くの消費電力を必要とするわけではありません。多くの消費電力を必要とするのは、設定温度と気温の差が大きくなったときです。

気温が低い時間帯からエアコンを稼働すると、設定温度と気温の差が小さくなるため、起動時の消費電力を削減できます。また、エアコンは運転を続けて快適な温度を維持しているほうが節電効果が高いため、必要以上にオンとオフを繰り返さないようにしましょう。

■デスクの配置を見直す

エアコンの位置に合わせてデスクの配置を見直すことも、効果的な節電対策です。エアコンの風の当たり方は、デスクの位置によって異なります。そのため、同じ設定温度でも、デスクの位置によって寒いと感じる従業員もいれば、暑いと感じる従業員がいるでしょう。

風の当たり方による不快さを解消するには、デスク配置の見直しが効果的です。デスクは、エアコンの吹き出し口を基準に配置するようにします。吹き出し口を基準にデスクを配置することで、風が直接当たるのを防ぎ、快適に過ごせるようになるはずです。

■クールビズ、ウォームビズを実施する

たとえば夏季の暑い時期にはノーネクタイや上着を脱いで半袖で過ごすことにより、エアコンの設定温度を控えめにしても快適に過ごすことが可能です。環境省は地球温暖化対策の一環として、2005年度からクールビズとウォームビズを推奨しています。

夏場に快適で働きやすい軽装を心がけることは、熱中症予防にもなります。一方冬季であれば、機能性素材の衣類やひざ掛けなどを活用するというのもおすすめです。服装で気温対策をすることで、エアコンの設定温度と気温差が小さくなり、少ない消費電力で稼働させられるため、節電効果が期待できます。

■遮熱カーテン、ブラインドを活用する

遮熱効果の高いカーテンやブラインドは外からの熱・冷気を遮断するため、冷暖房効率がよくなります。カーテンやブラインドで室内の温度自体が低くなれば、控えめな設定温度でも不快感を感じにくくなるだけでなく、室内の空気が窓ガラスを伝って逃げることが少なくなり、快適な室温をさらに長時間保ちやすくすることができます。

【OA機器】オフィスの節電アイデア

PCやコピー機などのOA機器は、従業員が業務を進めるために不可欠です。多くの企業で常時使用されるものだからこそ、工夫次第によってOA機器の消費電力をおさえれば、節電につながります。

参考:https://www.office-com.jp/gimon/office-tips/office_powersaving_ideas.html#content3

■スイッチ付き電源タップを活用する

OA機器のコンセントを抜くと待機電力を削減できるため、節電につながります。待機電力とは、使用していなくても消費してしまう電力のことです。環境省の資料によると、一般家庭における年間の待機電力は約6%を占めるとされています。

※出典元:環境省「家庭でできる節電アクション」

オフィスは一般家庭よりも電気機器が多いため、年間の待機電力が6%以上になる可能性があります。節電のためには、OA機器の使用後にコンセントを抜くことを心がけることが重要です。

しかし、規模が大きいオフィスではOA機器の数も多く、配線が複雑なケースもあり、都度コンセントを抜くのは手間もかかるでしょう。コンセントを抜く手間を省くには、スイッチ付き電源タップの活用が効果的です。スイッチ付き電源タップを活用すると、スイッチの切り替えで待機電力を遮断できるため、手間なく節電対策ができます。

■スリープモードを設定する

PCやプリンターなどを使用しないときは、スリープモードを活用してみましょう。OA機器は、使用していないときでも少しずつ電力を消費しています。スリープモードを設定すると消費電力をおさえられるため、節電対策として有効です。

東京都の資料によると、PCやOA機器のスリープモードを活用することで、約90%も電力をおさえられることがわかっています。

※出 典元:東京都「東京都における「今夏の節電対策」の実施結果」

多くのOA機器にはスリープモード機能が搭載されているため、積極的に活用して節電を目指しましょう。

■PCモニターの明るさを下げる

消費電力をおさえるには、PCモニターの明るさを下げるのも手段の一つです。モニターの消費電力のうち、明るさが占める部分も少なくありません。標準状態に設定されている場合、明るさを約40%下げるだけでも、10~20%の消費電力をおさえられると言われています。

ただし、暗くし過ぎると、従業員の作業効率が低下するおそれがあるので注意しましょう。節電しつつ適切な明るさを維持するためには、センサー機能が搭載されたPCがおすすめです。センサー機能とは周囲の明るさを自動で感知し、最適な状態に自動調整する機能です。

■ノートPCへの買い替え、導入を検討する

デスクトップPCを多く使用している場合は、ノートPCへの買い替えを検討しましょう。ノートPCはデスクトップPCに比べて消費電力が少なく、機種によっては3分の1以下になるケースもあります。

従業員の業務内容によっては、デスクトップPCのほうが使い勝手が良いというケースもあるでしょう。そのため、節電を目的にデスクトップPCからノートPCに切り替える際には、業務に支障を来さないかを確認しておく必要があります。

■ノートPCは昼間だけバッテリーで利用する

オフィスでノートPCの使用頻度が多い場合は、電源の使い方を工夫することで、節電効果が期待できます。多くのノートPCは、コンセントとバッテリーの両方に対応しています。オフィスの稼働が活発になる昼間は、バッテリーを積極的に利用しましょう。

バッテリーはコンセントに比べて消費電力が低いため、節電につながります。同時に目に負担がない範囲でモニターの明るさをおさえると、バッテリーの持ちをよくすることが可能です。

【その他】オフィスの節電アイデア

オフィス内には照明や空調、OA機器以外にも節電対策ができるものがあります。一つひとつの節電効果は、決して高いわけではありません。しかし、より多くの場所で対策を心がけることで、大きな節電につながる可能性があります。

■トイレの便器のフタを閉める

オフィスのトイレがウォシュレットタイプの場合は、使い方次第で節電効果が期待できます。便座の温度は、フタが開いているかどうかでも変動します。

特に便座の温度を上げることが多い冬季に、未使用時にはフタを閉めるよう心がけると、消費電力をおさえられるため、節電につながります。フタが開いているときと開いていないときでは、消費電力に約10~20%も差が出るといわれています。

また、便座の温度を高く設定すると消費電力を多く必要とするため、低めに設定するのもよいでしょう。製品によっては消費電力をおさえられる節電モードがあるため、積極的に活用してください。

■残業を削減する

近年は働き方改革により、多くの企業で長時間労働を是正する動きが活発化しています。従業員の残業時間を削減すると、オフィスの照明や空調の稼働時間も減り、節電につなげることが可能です。

残業時間を削減するには、アウトソーシングの活用やITツールの導入などにより、業務効率化を図る方法があります。しかし、業務効率化を図るには中長期的な対策が必要になるため、計画的に進めることが大切です。

■電力プランの見直し、電力会社の乗り換えをおこなう

オフィスの電気料金をおさえたい場合は、電力プランの見直しや電力会社の乗り換えを検討しましょう。電力会社の料金プランには一般的なプランのほかに、市場連動型プランと呼ばれるプランがあります。

一般的なプランの基本的な構成は、基本料金と電力量料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金です。電力量料金には、燃料費調整額が含まれています。燃料費調整額は、過去3カ月間の化石燃料の費用をもとに毎月変動する仕組みです。

一方の市場連動型プランには燃料費調整額が含まれておらず、電力量料金は市場価格に応じて30分ごとに変動します。市場価格は燃料費と気象条件、電力の需要状況によって決まります。つまり、太陽光発電による電力量が多い時間帯やニーズが少ない時期などは、市場価格が下がるというわけです。

オフィスの電力使用量が増える時間帯はおもに昼間で、市場価格が下がる時間帯と一致します。そのため、市場連動型プランを提供している電力会社に乗り換えれば、オフィスの電気代の節約につながります。

■太陽光発電システムを導入する

資金に余裕がある場合は、自家消費型太陽光発電システムを導入するというのも良い方法です。自家消費型太陽光発電とは、建物の屋根や敷地内などに太陽光パネルを設置し、自社の使用電力の一部または全部を自家発電するシステムです。

このシステムを導入すると自社の太陽光パネルで発電した電力を使用できるようになり、年々上昇している電気代をおさえられます。また、蓄電池をプラスすれば、災害時の停電対策にもなります。

ただし、太陽光発電システムを導入するには、高額な初期費用が発生するのが現状です。資金に余裕がない場合は、国や自治体が設けている補助金制度を活用する方法もあります。中小企業の場合は税制優遇も定められているため、導入の際には併せて検討してみましょう。

オフィスの節電を成功させるコツ

企業が節電に取り組んでも、必ず成功するとは限りません。実際に取り組む前にいくつかのポイントを押さえておくと、着実な節電対策ができます。

■節電の目的を理解してもらう

経営者や管理職などの一部の従業員で節電に取り組んでも、十分な成果を得られない可能性があります。節電を成功させるためには、すべての従業員が意識して取り組むことが大切です。

オフィス全体での節電を実施する際には、従業員に目的や必要性を理解してもらうようにしましょう。従業員への周知方法には、経営者から発信したり管理職から通達したりする方法があります。よく目につく場所にポスターを掲示すると、多くの従業員の節電意識を高められるでしょう。

■従業員に我慢を強要しすぎない

節電を成功させるためには、エアコンの設定温度や使用しない部屋の照明の消灯など、さまざまなルールを決める必要がありそう。しかし、厳しい節電ノルマを設けるのは避けるようにしましょう。

節電ノルマが厳しすぎると従業員の負担となり、不満につながるおそれがあります。たとえば照明が暗過ぎて業務効率が低下する、エアコンが効かないことが原因で体調不良に陥るなどがその一例です。

節電の実施後は定期的に従業員へのヒアリングやアンケートを実施し、必要に応じて改善するようにしましょう。細かな節電対策が難しい場合は、LED照明への切り替えや省エネ機器への乗り換えなどの設備面からスタートするのも一つの方法です。

■消費電力を「見える化」する

従業員の節電意識を高めるには、消費電力を見える化するのも手段の一つです。消費電力を可視化するには、モニタリングシステムを導入する方法があります。モニタリングシステムでは、グラフや図で消費電力をリアルタイムで表示できるため、従業員の節電意識の醸成につながります。

また、蓄積されたデータを使用し、無駄の洗い出しや分析、改善余地の検討も可能です。改善対策後の効果も把握しやすいため、オフィス全体で節電に取り組む際にはモニタリングシステムを導入してみましょう。

※当社の無線制御システム「LiCONEX(ライコネックス)」では照明の電力量を見える化できます

応用機能 -IoTデバイスとして効率化を実現-|無線制御システムLiCONEX(ライコネックス)|LED照明|法人のお客様|アイリスオーヤマ
ライコネックスのシステムは、LED照明やそのほかのデバイスと連動させることでIoTのプラットフォームとして利用できます。快適性の向上や省エネ、作業の効率化などさまざまなソリューションを...

まずは設備面から節電対策に取り組んでみよう

エネルギーの安定供給の確保や地球温暖化防止を目的に、多くの国や企業が節電に取り組んでいます。特に日本はエネルギー資源の多くを輸入に頼っているため、省エネ対策は重要課題です。

オフィスの消費電力は、照明・空調・OA機器が多くを占めています。大きな節電効果を得るには、すべての従業員の意識的な取り組みが必要ですが、我慢を強いると不満につながる可能性もあります。

そのため、まずは従業員への負担が少ない方法として、設備面の節電から始めるのも手段の一つです。その後徐々に節電範囲を拡大したり、継続的な従業員への呼びかけをおこなうなど、オフィス全体で節電に対する意識を定着化させていきましょう。