蛍光灯とLEDの電気代はどのくらい違う?寿命や初期費用、環境への影響を徹底比較

2024.04.09
省エネ

資源エネルギー庁の「節電アクション」によると、一般的なオフィスビルの消費電力は空調の48%に次いで、照明が24%を占めていることがわかっています。

電力使用のピークは、平日の9時~20時です。この時間帯に照明の電力消費を抑えられれば、大きな節電につながる可能性があります。

照明の節電対策としては、蛍光灯からLEDに切り替えるのも手段の一つです。また、オフィスの照明をLED化すると電気代の節約のほか、さまざまな効果が期待できます。

本記事では、蛍光灯とLEDの電気代・寿命・購入費用・機能・環境への影響の違いを解説します。オフィスで電気代を節約する具体的な方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

※出典元:資源エネルギー庁「節電アクション」

オフィスにおける蛍光灯とLEDの電気代の違い

蛍光灯とLEDの大きな違いは、電気代です。電気代は、蛍光灯よりもLEDのほうが抑えられます。

まずは、蛍光灯とLEDの電気代がどのくらい違うのかを把握しておきましょう。ここからは、当社の「消費電力・コスト削減かんたんシミュレーション!」をもとに、蛍光灯とLEDの電気代の違いを紹介します。

蛍光灯と直管LEDランプの比較

まずは、蛍光灯と直管LEDランプの電気代の違いを紹介します。シミュレーションの条件は、次のとおりです。

  • 1日当たりの点灯時間:8時間
  • 年間点灯日数:250日(※年間休日115日)
  • 蛍光灯:Hf蛍光灯シリーズ(2,200lm・8lm/W・目安電力量単価28円/kWh)
照明の数蛍光灯直管LEDランプ( LDG32T・N/14/25/LI)差額
100台179,200円64,064円115,136円
200台358,400円128,128円230,272円
300台537,600円192,192円345,408円

照明数100個で電気代を比較すると、蛍光灯は17万9,200円、直管LEDランプは64,064円です。電気代の差は、照明の数が多くなるほど大きくなります。照明数300個の場合、蛍光灯と直管LEDランプの電気代は34万5,408円まで差が開きます。

蛍光灯と一体型ベースライトの比較

次に、蛍光灯と一体型ベースライトの電気代の違いを紹介します。シミュレーションの条件は、次のとおりです。

  • 1日当たりの点灯時間:8時間
  • 年間点灯日数:250日(※年間休日115日)
  • 蛍光灯:Hf蛍光灯シリーズ(4,400lm・8lm/W)
照明の数蛍光灯一体型ベースライト(LX190F-51N-CL40-LI)
100台358,400円121,856円
200台716,800円243,712円
300台1075,200円365,568円

照明数100個で電気代を比較すると、蛍光灯は35万8,400円、一体型ベースライトは12万1,856円です。照明数300個の場合、蛍光灯と一体型ベースライトの電気代は70万9,632円まで差が開きます。

上記のように、蛍光灯とLEDは電気代に大きく差が出るのが現状です。さらに照明の数が大きいほど電気代の削減効果が高いと言えます。

自社の環境に近いシミュレーションは、こちらのページで計算することが可能です。消費電力削減率や年間削減コストを比較できるので、ぜひシミュレーションを試してみてください。

〈消費電力・コスト削減かんたんシミュレーション!〉
LEDコスト削減シミュレーション|法人向けLED照明|ECOHiLUX(エコハイルクス)|アイリスオーヤマ
最新のLED照明に交換した場合の消費電力・電気代削減効果をWeb上で算出できるシミュレーションです。現在ご利用中の照明の種類と数量などを入力するだけで、いまご利用中の照明と最新のLED...

【電気代以外】蛍光灯とLEDの違い

蛍光灯とLEDは電気代のほか、寿命・購入費用・機能・環境への影響に違いがあります。各項目の違いを把握し、自社にとってどちらを使用し続けるほうがメリットが大きいかを比較してみましょう。

寿命

蛍光灯とLEDでは、寿命の長さが異なります。

照明は、電球が切れると交換が必要です。交換の頻度が多いほど手間がかかるため、照明の寿命を把握しておくことも大切です。

照明の種類寿命1日8時間使用する場合の寿命
蛍光灯6,000~12,000時間程度2~4年程度
LED40,000時間程度8~10年程度

蛍光灯の寿命は、6,000~12,000時間程度とされています。1日8時間使用する場合、2~4年程度で寿命を迎える計算になります。一方、LEDの寿命は40,000時間程度です。1日8時間使用する場合、8~10年程度使用できる計算になります。

LEDの寿命は、蛍光灯の3~6倍程度長いのが現状です。オフィスの照明を蛍光灯からLEDに切り替えると、電球を交換する頻度が大幅に減り、手間が減るでしょう。

購入費用

蛍光灯とLEDは、本体価格にも違いがあります。蛍光灯はLEDよりも安価なため、同じ本数を購入する場合、初期費用はLEDのほうが高くなるでしょう。

しかし、照明にかかるコストは初期費用だけではありません。電球が切れると交換が必要になり、その都度費用が発生します。

LEDは消費電力が少なく、寿命が長いため、交換頻度が少なくなります。そのため、長期的に見るとLEDの方がトータルコストが安くなります。

機能

蛍光灯とLEDは、機能性も異なります。LEDには調光や調色機能を持つものもあり、明るさや色味を自由に調整できます。

たとえばオフィスの場合、ワークスペースは明るく、リフレッシュスペースは落ち着いた雰囲気にすることが可能です。

一方で、蛍光灯にはこれらの機能が搭載されていないケースがほとんどです。近年はインバータ技術により、調光可能な蛍光灯も登場しています。ただし、多くはスイッチで調整するタイプで、LEDのような自動制御には対応していません。

環境への影響

蛍光灯とLEDでは、環境への影響にも違いがあります。蛍光灯には、有毒性のある水銀が使用されており、国が定めたガイドラインに沿った処分が必要です。

オフィスで使用した蛍光灯は産業廃棄物に分類され、都道府県から同廃棄物の収集運搬・処分に関する許可を取得している業者に委託しなければ廃棄できません。正しく処分しないと、環境汚染につながるおそれがあります。

一方、LEDには水銀が使用されていないため、蛍光灯に比べて廃棄処理が容易です。LEDの寿命は長く廃棄回数も減ることから、オフィスで使用すると廃棄物削減と地球環境保護の貢献につながるでしょう。

蛍光灯は2027年末で製造及び輸出入が終了

オフィスで蛍光灯を使用している場合、近い将来LEDへの切り替えを迫られる可能性が高まっています。

2023年11月にスイスのジュネーブで開催された、水銀に関する水俣条約第5回締約国会議で、水銀が含まれている蛍光灯の製造及び輸出入を2027年末で禁止することが決定されたためです。

今回の決定を受け、一般用のすべての蛍光灯の製造と輸出入が禁止されることになりました。まだ蛍光灯を生産しているメーカーもありますが、生産量は少ないのが現状です。大手メーカーでも、蛍光灯の生産量を徐々に縮小しています。

これを機にオフィスの照明はLEDに切り替えたほうがよいでしょう。

オフィスで電気代を節約する方法

オフィスでは照明の種類に関わらず、電気代を節約する方法がいくつかあります。照明はオフィスにおける消費電力の多くを占めるため、従業員一人ひとりが心がけることで大きな節電につながる可能性があります。

使っていない照明はこまめに消す

オフィスのなかには、常時使用しない部屋もあります。たとえば、食堂やリフレッシュスペース、会議室などです。

従業員には、使用していない部屋の照明をこまめに消すよう呼びかけることが大切です。部屋の使用後に照明を消すだけで、無駄な電力消費を抑えられます。

また、昼の休憩時間に、ワークスペースを完全に消灯する方法もあります。ただし、照明によっては、頻繁にオンとオフを切り替えることで寿命が短くなるケースもあるため、注意が必要です。

インバータータイプの蛍光灯であれば、オンとオフを切り替えても寿命への影響はほとんどありません。一方でグロースタータータイプの蛍光灯は、頻繁にオンとオフを繰り返すことで寿命が短くなります。

定期的に照明器具を清掃する

照明の電気代を節約するためには、照明器具の清掃が効果的です。照明器具が汚れると電気効率に悪影響を及ぼし、明るさが低下しやすくなります。照明器具のカバーや電球の表面は汚れやすいため、定期的に清掃するようにしましょう。

照明器具を1年間清掃しなかった場合、明るさが20%程度低下するとも言われています。汚れが付着しやすい場所の照明は、明るさが40%程度低下するケースもあるでしょう。

オフィスでは、従業員の手が届かない場所に照明が設置されていることもあります。このような場所の清掃は、清掃業者に依頼するのも選択肢の一つです。

照明を間引きする

蛍光灯やLEDの電気代を節約するには、照明を間引く方法があります。

オフィスのなかには、廊下や各階のエレベーターホールなど余分な明るさを必要としない場所もあります。このような場所の照明は、間引きすると節電効果が期待できます。

一方でワークスペースをはじめとする一定の明るさが求められる場所は、業務に支障が出る可能性もあるため、間引きし過ぎないように注意が必要です。

照明の間引きは、資源エネルギー庁の節電アクションのうち、基本アクションとして明示されています。同資料では、ワークスペースの照明を半分程度間引きすることで、13%程度の節電効果が期待できるとしています。

※出典元:資源エネルギー庁「節電アクション」

人感センサー付き照明を設置する

従業員に使用していない部屋の電気をこまめに消すよう呼びかける場合、消し忘れが発生することもあります。

消し忘れによる余分な電力消費を防ぐためには、人感センサー付き照明の設置が効果的です。人感センサー付き照明の設置に適している場所は、次のとおりです。

  • 会議室
  • 廊下
  • 階段
  • トイレ
  • 自販機コーナー など

人感センサーは人の動きを感知し、点灯や消灯を自動で行うため、従業員による消し忘れを防ぐことが可能です。

当社では、人感センサー付きのLEDダウンライトを取り扱っています。目的や用途に応じて選べるので、ぜひご検討ください。

〈人感センサー付きLEDダウンライトの詳細はこちら〉
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オフィスの照明をLEDに切り替える際におすすめの製品とサービス

オフィスの照明を蛍光灯からLEDに切り替える際には、ぜひ当社の製品をご検討ください。自社では多彩なタイプのLEDのほか、お得なパックプランやレンタルなどのサービスも取り揃えております。

LiCONEX Lite(ライコネックスライト)

LiCONEXは、照明を無線で自在にコントロールでき、情報通信も可能な次世代の無線照明制御システムです。2017年の提供開始以降、約5,100箇所の施設で導入されています。調光や調色などの各種設定は、施設ごとにカスタマイズできることが魅力です。

2024年4月10日からは、LiCONEX Liteの提供を開始します。LiCONEX Liteは、小規模施設向けに次のような設定をパッケージ化しているのが特徴です。

  • 時間帯ごとに自動調光する「スケジュール制御」
  • 周囲の明るさや人の在室を感知して自動調光する「センサー制御」
  • エリアごとに自動調光する「グループ制御」
  • 各シーンで最適な照明設定を登録できる「シーン設定」 など

各種設定をパッケージ化することで、設計費用の削減を実現しています。結果、従来のLiCONEXに比べ、導入費用が約15%、運用までの工期が約48%短縮可能になりました。

〈LiCONEX Liteの詳細はこちら〉
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LED節電パック

オフィスの照明をできるだけ早くLED化したい場合は、当社のLED節電パックがおすすめです。LED節電パックは、LEDと工事をセットで依頼できるサービスです。

通常はLEDを購入後、別途工事の依頼が必要でした。しかし、購入と工事はそれぞれ打ち合わせが必要になるため、時間がかかりやすい側面があります。

LED節電パックには、「ネット完結!スタンダードプラン」と「LED交換スタンダードプラン」の2種類があります。

「ネット完結!スタンダードプラン」の場合、LEDの切り替え工事が完了するまでの目安は3週間程度です。特殊な照明器具もLEDに交換できる方法をご提案させていただきますので、オフィスの照明をLED化する際には、当社のLED節電パックをご検討ください。

〈LED節電パックの詳細はこちら〉
【法人様向け】LED節電パック|LED照明|法人のお客様|アイリスオーヤマ
蛍光灯・水銀灯からLED照明へ交換工事がまだの方必見!蛍光灯のLED化・直管蛍光灯のLED化・LED電灯の交換などのLED工事実績多数、LED補助金やLED助成金の活用も支援しています...

オフィスの照明は蛍光灯からLEDに切り替えよう

蛍光灯は、オフィスや家庭で使用されてきました。しかし、蛍光灯には水銀が含まれているため、正しく廃棄しなければ、土壌汚染をはじめとする環境汚染につながるリスクがあります。

また、蛍光灯の製造及び輸出入は2027年末で終了することから、今後は電球が切れたタイミングで新しいものを調達できなくなる可能性が高まります。

オフィスの照明の切り替えを検討している場合は、これを機にLEDを検討しましょう。LEDは蛍光灯よりも省エネ性が高い、寿命が長いなどのメリットがあります。

導入コストに不安がある場合は、レンタルするのも選択肢の一つです。当社ではレンタルにも対応しておりますので、LED化でお悩みの企業様はぜひご相談ください。