教育DXとは?教育現場に取り入れるメリットや課題を解説

2024.04.09
業務効率化

近年は、業界を問わずDX(digital transformation)が推進されています。DXの推進対象は、一般企業だけではありません。学校をはじめとする教育現場でも、DXの推進が求められています。

これからの教育にはDXが不可欠になるため、教育現場の関係者は理解を深めておくことが重要です。そこでこの記事では教育DXとは何か、教育現場で推進するメリットは何かなどを解説します。

教育DXはデジタルアイテムを活用すると、より推進しやすくなります。後半では教育DXに役立つアイテムも紹介するので、教育現場でDXの推進に取り組みたい学校や担当者はぜひ最後までお読みください。

教育DXとは?

そもそも、DX(ディーエックス)は「digital transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、デジタル技術によって、社会や生活スタイルを変化させることを指します。

教育DXは、教育現場で最新のデジタル技術を活用し、教育手法や手段、教職員の業務などの教育モデルを変革することです。

教育DXの推進が求められている背景

近年は、教育現場でもDXの推進が求められています。その背景には文部科学省による推進のほか、教育ニーズの変化やデジタルネイティブ世代への対応などが関係しています。

文部科学省が推進しているため

文部科学省は、2020年に「文部科学省におけるデジタル化推進プラン」を打ち出しました。

デジタル化推進プランは3つの柱で構成されており、このうちの一つ「教育におけるデジタル化推進」では、学校教育を充実させるためのさまざまな取り組みが提示されています。具体的には、GIGAスクール構想による一人一台の端末の活用や教育データの利活用による個人の学びなどです。

社会全体のデジタル化が進むなか、教育現場にも新たな変革が求められています。デジタル化により、より充実した教育の提供が期待されます。

デジタル化推進プランには、教育を受ける側の生徒だけでなく、教師の指導や支援も含まれています。

※参考:文部科学省「文部科学省におけるデジタル化推進プラン」

リモート教育に対するニーズが高まっているため

2020年頃からは新型コロナウイルス感染症拡大により、人と人との接触を最小限にとどめるように求められました。これを受け、学校をはじめとする教育期間が休校となり、リモート授業へのニーズが高まりました。

2023年5月からは新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行し、通常通りの生活に戻りつつあります。しかし、今後も同様の状況に陥るリスクはゼロではないため、教育現場も突発的な事態に備えることが重要です。

また、リモート教育は、都市部と地方の教育格差を解消する際にも役立ちます。都市部と地方では、教育発展の度合いに差があるのが現状です。

リモート教育の導入により、地方に居住していても都市部の発展した教育を受けられるようになります。

世代に合わせた教育に対応するため

教育DXの推進は、現在教育を受ける世代に必要です。

現在教育を受けているのは、1990年代から2000年代に生まれた「デジタルネイティブ世代」と呼ばれる世代です。この世代は幼少期からデジタルツールを扱い、パソコンやスマートフォンなどの使用に慣れています

しかし、プライベートでデジタルツールを使いこなせるだけでは、ビジネスに活かせるとは限りません。企業がDX化を推進するなか、教育現場がアナログでは将来的に社会に適応できないおそれもあるでしょう。

デジタルネイティブ世代は、学生時代からデジタルツールを使いこなせるスキルを身につけておく必要があります。

教育DXを推進するメリット

教育DXの推進は、教育を受ける生徒側と教育を提供する側の教職員の双方にメリットがある取り組みです。これから教育DXを推進する場合は、どのようなメリットがあるかも把握しておくことが大切です。

生徒一人ひとりの学習状況を把握できる

教育現場で教育DXを推進すると、すべての生徒の学習データを素早く分析できます。デジタル技術で分析できる内容は、学習の進捗状況をはじめ、得意な分野や苦手な分野などさまざまです。

学習データを容易に収集し、分析できる環境を構築できれば、生徒一人ひとりの学習状況を素早く把握できます。その結果、個々に適した教育の提供につながり、学習の理解度や習熟度を高められるでしょう。

従来の方法でも手作業で分析すれば、生徒一人ひとりの学習状況を把握することは可能です。しかし、手作業では教職員の業務負担が増え、結果が出るまでに時間がかかりやすい側面があります。

教職員の業務負担を軽減できる

教育DXを推進することは、教職員の業務負担軽減につながります。

教職員の業務は授業だけではなく、テストの採点や成績評価など多岐にわたります。近年は、教職員の長時間労働や過重労働が問題視されているのが現状です。

文部科学省の「教員勤務実態調査(令和4年度)」によると、教職員の1日当たりの在校時間は10時間を超えていることがわかっています。

学校種別1日当たりの在校時間
小学校10時間45分
中学校11時間1分
高等学校10時間6分
※出典元:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)」

教育DXを推進して一部の業務を自動化すると、教職員の業務負担を軽減できるため、働き方改革の一環にもなるでしょう。

生徒に平等な学習機会を提供できる

教育基本法第四条では「すべての国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならない」と定められています。

しかし、感染症の拡大や大規模災害などの突発的な事態により、学校への登校が難しくなる可能性があります。また、体調不良による欠席で、授業内容についていけない生徒が出てくるかもしれません。

そこで、教育DXを推進すると、リモート学習に対応できるため、生徒は場所を問わず授業を受けられます。教育DXの推進は、生徒に平等な学習機会を提供できる環境を構築できます。

※出典元:e-GOV法令検索「教育基本法」

教育DXを推進する際の課題

教育現場で教育DXを推進する際には、いくつかの課題があります。状況によっては課題がネックとなり、上手く推進できない可能性があるため、事前に何らかの対処法を検討しておきましょう。

インフラ整備に時間やコストがかかる

教育DXを推進する際は、次のようなインフラ整備が必要になり、時間やコストがかかります。

  • すべての生徒や教職員にデジタル機器を配布する
  • インターネット環境を構築する
  • セキュリティ対策を強化する など

また、リモート学習を実施する場合は、各家庭におけるインフラ整備も必要になります。

セキュリティの強化が必要になる

インターネットを利用するには、セキュリティ対策が必要です。セキュリティが脆弱だと、不正アクセスやマルウェアなどのサイバー攻撃を受けるリスクがあります。サイバー攻撃を受けると、生徒や保護者、教職員などの個人情報が外部に流出する可能性があるため、注意が必要です。

また、サイバー攻撃以外にも、生徒や教職員がデジタル機器を紛失することで情報漏洩につながるケースもあります。

万が一情報漏洩が発生した場合、教育機関としての信頼を失うことになるでしょう。そのため、教育DXを推進する際はセキュリティの強化が必要になります。

教職員にITリテラシーの向上が求められる

教育DXを推進する際は、教職員のITリテラシーを高める必要があります。ITリテラシーとは、膨大な情報のなかから正しいものを読み解き、活用できるスキルのことです。

教職員のITリテラシーが低い場合、質の高いデジタル教育を提供できない、上手く業務効率化を進められないなどの事態に陥るリスクがあります。特に年齢が高い教職員は、デジタルネイティブ世代ほどデジタル機器に慣れていないかもしれません。

教職員には研修やセミナーを実施し、ITリテラシーを高める取り組みが必要です。外部から講師を招いたり、自治体が実施する教職員向けのオンライン勉強会を利用したりするのもよいでしょう。

教育DXを推進する際に役立つアイテム

教育DXを推進する際は、電子黒板やプロジェクターなどがあると便利です。

ここからは、教育DXを推進する際に役立つアイテムを紹介します。紹介するアイテムは、購入またはレンタルのいずれかをお選びいただけます。

教育施設向け電子黒板

まずDX化を始めたい方におすすめなのが電子黒板です。シンプルで分かりやすい機能で、誰でも直感的に操作ができます。

当社の教育施設向け電子黒板は、教職員のデジタル機器から資料を投影できるタイプです。資料の投影によって板書の時間を削減できるため、生徒のグループワークやディスカッションの時間を増やせます。

また、電子黒板の画面には、手書きで直接書き込むことが可能です。教職員は、生徒に話しながらポイントの強調や追加説明、マーキングができます。リモート授業にも対応しているので、体調不良や休校などで対面での授業が難しいときにも便利です。

このほか、画面の拡大・縮小やスクリーンショット機能、タイマー機能、クリーンアップ機能など、多彩な機能を搭載しています。画面には特殊コーティングガラスを採用しており、耐久性にも優れています。

<教育施設向け電子黒板の詳細はこちら>
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AIインタラクティブホワイトボード

AIインタラクティブホワイトボードは、カメラ・マイク・スピーカーが内蔵されたオールインワンホワイトボードです。パソコンやタブレットとワイヤレスでミラーリング共有できるため、画面共有・相互操作が簡単に行えます。

ペン反応速度は35ミリ秒と速く、従来型のデジタルホワイトボードに比べて遅延が少ないため、手書きのような滑らかな書き心地を実現できます。

AIインタラクティブホワイトボードのタイプは、SとPROの2種類です。PROには、声の位置を特定し、自動で発信者の顔にクローズアップするAIオートクローズアップ機能を搭載しています。

2024年3月31日までなら、最大40%オフのキャンペーンを実施しているので、ぜひ試してみてください。

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プロジェクター

当社のプロジェクターは一般的なプロジェクター機能に加え、電子黒板機能を搭載しています。電子ペンを使用してスクリーンに直接書き込めるため、まるで電子黒板のような使い方を実現できるでしょう。

さらに一度書き込んだ内容は画面ごと保存できるため、前回の授業内容を振り返る際にも便利です。スクリーンには、書画カメラの映像やUSBに入れたデータを表示できます。

パソコンの持ち込みや接続などの作業が不要になるため、教職員が授業の準備をする手間が省けます。わずか30cmの距離から100インチの大画面投写できるため、部屋の状況や用途にあわせて設置方法を選ぶことが可能です。

<プロジェクターの詳細はこちら>
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万全な体制を整備して教育DXを推進しよう

教育DXは、教育現場で最新のデジタル技術を活用し、教育手法や教職員の業務などの教育モデルを変革することです。推進されている背景には、文部科学省の取り組みやリモート教育に対するニーズの高まりなどが深く関係しています。

教育現場で教育DXを推進すると、生徒一人ひとりにあわせた教育を提供できるだけでなく、教職員の業務負担の軽減にもつながります。

しかし、教育DXを推進する際には、インフラ整備やセキュリティの強化などが必要です。

今後、教育DXの推進は加速することが想定されます。学校や教職員が万全な体制を整備し、生徒にとって有益なデジタル教育を提供しましょう。