自分にぴったりのマットレスを
使っていますか。
マットレスを選ぶ際は、スプリングの種類やサイズ・硬さなど様々な選ぶポイントがあります。
毎日の快適な睡眠のために、どうしたら自分の身体に合った理想のマットレスを見つけることができるのかをご紹介します。
目次
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01 マットレスの役割
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02 マットレスを選ぶときのポイント
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03 マットレスの種類
マットレスの役割
自分に合ったマットレスは、
「正しい寝姿勢」を保ちながら身体にかかる負担を軽減させます。
正しい寝姿勢とは、立っている時と同じ自然な姿勢のことを指します。立った時と同じ姿勢で寝ることで、体の圧力が均等に分散され(=体圧分散)、寝ている間に身体へ十分な休息を与えることができると言われています。
そのため快眠はこの正しい寝姿勢にかかっているとも言え、「体圧分散性」に優れたマットレス選びが重要になります。
正しい寝姿勢
背骨の仕組みを理解して、
正しい「寝姿勢」を確保する。
人の頭部から腰部までを結ぶ背骨は、ゆるやかなS字カーブを描く曲線になっています。これを「生理的湾曲」といいます。寝ている間も「生理的湾曲」を維持できる姿が「理想的な寝姿勢」といえます。
体圧分散
理想的な寝姿勢を実現するために、
「体圧分散性」が大切。
たとえば、フローリングの床の上に寝てみると、後頭部、背中の肩胛骨、そしておしりの部分に強く体重を感じませんか?この3点に圧力が集中しているのです。このまま長時間寝ていると、痛みを感じて寝返りをしてしまうはずです。
「体圧分散」とは、こうならないように、自分の体重を、身体の背面全体で均等に受け止め「理想の寝姿勢」を実現すること。首や腰などの部分も含めて、同じ圧力で身体を支えることです。この「体圧分散」の役割を担うのがマットレスです。
ふかふかで柔らか過ぎたり、へたったマットレスのように腰が落ち込んで「く」の字型になってしまうようなマットレスは良くないのです。
理想的な体圧分散
人間は全体重を「腰で44%」「胸部で33%」で支えています。硬いだけでは身体を凸部分だけで支えてしまう為に、身体に無理がかかり、寝返りが必要以上に増えて、眠りが浅くなってしまいます。いかに「満偏なく、広い範囲で加重が分散されるか」が大きなポイントになるのです。
自分に合ったマットレスは、
質の高い睡眠に必要な適度な寝返りを促します。
一般的に約8時間の睡眠の中で寝返りをうつ数は20回以上と言われています。寝返りは主に身体をほぐす目的で行われていますが、寝返りをうつことで血液の循環を促したり、温まりすぎた場所を冷やしています。
体圧分散性と反発弾性のバランスが良いマットレスは寝返りを適度に促進し起きた際にすっきりとした爽快感を得られるため、質の良い睡眠には不可欠なものとなます。
寝返りが促進されていないと
肩こりなどの原因に
寝返りがうまくできていないと
血液循環が滞ることが多くなります。
自分に合ったマットレスは、
寝具内を快適な湿度に保つ役目も担います。
疲労回復や身体のメンテナンスをつかさどる成長ホルモンは、第一睡眠周期の徐波睡眠時に多く分泌されます。その際に深部体温が下がることが多く、発汗しやすいため、一晩にコップ1杯もの汗をかくと言われています。
良いマットレスは吸放湿性に優れており、吸湿・放湿機能を繰り返し保持するので、睡眠中も蒸れにくく、さらりとした触り心地を保つため、寝具ないを常に快適な湿度に保ちます。
自分に合ったマットレスは、
腰痛などの対策にもなります。
腰痛は、筋肉のねじれが原因となるものや、急性のものなど原因は様々です。背骨や骨盤のゆがみ、ストレスなどで腰の筋肉のねじれを引き起こすことで、身体のバランスが崩れたり、疲労が蓄積しているときに腰痛が起こりやすくなります。また、マットレスから起き上がるときに腰の痛みを感じる場合は、睡眠中の腰への負担が大きくなっている場合もあります。
体圧分散ができる
マットレスで腰痛を防止
以下のようなマットレスは腰痛の原因に
① 腰が沈みすぎるマットレス
寝た姿勢ではお尻や腰に一番圧力がかかります。
② 硬すぎるマットレス
体圧を点で支えることになるため、
体の一部分に負担がかかりすぎます。
③ 柔らかすぎるマットレス
寝返りを打つときに腰をねじることになるため
腰の筋肉に負担がかかります。
マットレスを選ぶときのポイント
① 硬さ/やわらかさ
マットレスにはふつう、かため、やわらかめなど、様々な種類があります。ふつうは首や腰など沈み込みやすい箇所のサポートをします。かためは沈み込みにくいため腰の反り返りを軽減しやすくなります。やわらかめは横向き寝が多い方などに適しており、肩や腰など深く沈み込む部分をサポートします。
② 弾力/サポート性
沈み込みすぎるマットレスは良いマットレスとはいえません。体格や体重によってもかわりますが、沈み込みすぎて背骨のラインが曲がることがないか、身体を圧迫する箇所がないか、寝返りを打ちにくくないかなどのチェックを行いましょう。
③ 品質/耐久性
スプリング系のマットレスは耐久性が高く寿命が長いという特徴がありますが、その他のマットレスは厚みや品質にもよりますが、寿命がやや短くなる傾向があります。
④ 厚み
厚みにも様々ありますが、11cm前後の厚みであればベッドフレームはもちろん、床への直置きも可能になります。5cm以下のものは底付き感を感じるものが多くなりますが、体が沈み込みすぎるのを防ぐため、理想の寝姿勢を保ちやすい、収納するのが簡単、布団との併用もできるなどのメリットもあります。
⑤ サイズ
1人で使用する場合、マットレスの横幅にある程度の余裕をとりたいのであればおすすめはセミダブル(左右の幅が120cm)です。2人で使用する場合はダブルサイズがおすすめです。体格や使用する環境に応じて選ぶのが良いです。
マットレスの種類
コイル系マットレス
① ボンネルコイルマットレス
- ・連結したバネにより、面で身体を支えるマットレス
- ・耐久性や通気性に優れており、硬めの使用感が特徴
- ・ポケットコイルより安価なものが多い
- ・重量があるので移動させにくく、振動が伝わりやすいので2人寝には不向き
② ポケットコイルマットレス
- ・バネが独立しており、点で身体を支えるタイプのマットレス
- ・振動が伝わりにくく、体圧分散性に優れているため、2人寝に向いている
- ・製造方法が複雑なので、ボンネルコイルより高価なものが多い
ノンコイル系マットレス
③ ウレタンマットレス
- ・ベッドマットレスのなかで、最もベーシックなものがスタンダードウレタン
- ・軽量だが、ウレタンの性質上へたりやすく耐久性は低め
- ・マットレスのローテーション(裏返したり、上下の位置を入れ替えて寿命を延ばすこと)もしやすい
- ・プロファイル加工によって、空気の通り道を確保し通気性がよくなる
④ 低反発ウレタンフォームマットレス
- ・体圧分散性に優れており、押すとゆっくりと戻る反発力が低いマットレス
- ・身体にフィットしやすい、反面密着しやすいのでムレやすく、寝返りが打ちづらい
- ・高密度タイプはダニが入る隙がほとんどないので、繁殖の心配がほとんどない(側生地は除く)
⑤ 高反発ウレタンフォームマットレス
- ・弾力性があるためサポート性に優れている
- ・プロファイル加工によって空気の通り道を確保し、通気性がよくなる
⑥ ファイバー系マットレス
- ・ポリエチレンやポリエステルなどの細い樹脂を、網目状に固めた素材
- ・軽量で通気性が良く、ムレにくいのが特徴
- ・洗うこともできるため衛生面が気になる場合でも安心して使える
- ・硬い寝心地(高反発)であるため寝返りを打ちやすい
- ・冬場は逆に風通しが良すぎるため、寝室環境によっては寒く感じることがある
- ・デメリットは熱に弱いので、電気毛布や湯たんぽの使用は避けた方が無難