日本は世界的に治安が良いとされていますが、現実には全国各地で犯罪が発生しています。そのため、防犯対策が欠かせません。
工場や倉庫にも、防犯対策が必要です。不法侵入や盗難などさまざまなリスクが考えられます。
自社の工場や倉庫で防犯対策を行う際には、どのような特徴が狙われやすいかを把握することが大切です。
本記事では、狙われやすい工場や倉庫の特徴を解説します。工場や倉庫で想定される防犯リスクや具体的な防犯対策も紹介するので、自社工場を犯罪から守りましょう。
工場・倉庫で想定される防犯リスク

工場や倉庫では、外部の侵入者による犯罪や出入り業者による犯罪などが発生するリスクが考えられます。また、社外からの侵入者だけでなく、自社の従業員も犯行に及ぶ可能性があります。さまざまな事案を想定し、防犯対策を強化しましょう。
工場への不法侵入
近年は防犯意識が高まっていることもあり、建屋内にはオートロック機能や生体認証システムなどで防犯対策を強化する工場や倉庫も増えています。しかし、敷地内の防犯対策が甘い場合、敷地内に不法侵入されるおそれがあります。
工場や倉庫の敷地内に不法侵入されると、次のような被害に遭うリスクがあるので注意が必要です。
- 設備へのいたずら
- 車両のタイヤパンク
- 放火
- 窃盗 など
また、子どもが敷地内に興味本位で侵入してしまう可能性もあります。その場合危険なエリアに侵入し怪我を負ってしまう可能性があります。
放火に遭うと、工場や倉庫内の原材料や製品が燃えてしまうだけでなく、有害物質の発生により、近隣住民にまで被害が及ぶケースも珍しくありません。
工場内設備の窃盗
金属類を扱う工場や倉庫は、換金目的の窃盗被害に遭いやすいので注意しましょう。
ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の拡大やロシアのウクライナ侵攻などの影響により、金属価格が高騰しています。資材置き場が人目につきにくい場所にある場合は、金属資材の窃盗リスクが高いことを覚えておきましょう。
また、工場では、機材や工具などの設備を窃盗されるケースも少なくありません。
転売目的の場合は事前に不法侵入し、窃盗に必要な用具を調査してから実行されるケースもあります。設備が大きいからと言って、窃盗被害に遭わないとは限りません。計画的な犯行では、大きな設備も短時間で解体して持ち出されます。
工場内の事務所の金庫やパソコンなどの窃盗
工場や倉庫では、事務所を狙った被害に遭う可能性もあります。
警察庁の「住まいる防犯100番」によると、令和4年の侵入窃盗の発生場所別認知件数のうち、一般事務所が11.1%だったことがわかっています。
侵入窃盗の発生場所 | 割合 |
---|---|
一戸建住宅 | 33.0% |
一般事務所 | 11.1% |
生活環境営業 | 8.1% |
共同住宅(3階以下) | 7.8% |
商店 | 6.5% |
共同住宅(4階以上) | 4.3% |
金融機関等 | 0.3% |
その他 | 28.8% |
一般事務所の窃盗被害は、一戸建住宅に次いで多い割合です。工場や倉庫の事務所では、特にパソコンや書類の窃盗に注意が必要です。重要データが保存されているパソコンや書類の窃盗被害に遭うと、機密情報の漏洩につながるリスクがあります。
生産品への異物混入
不法侵入や窃盗のほか、工場や倉庫では製造した製品に異物が混入される可能性もあります。
東京都保健福祉局の「令和3年度食品衛生関係苦情処理集計表」によると、要因別苦情総件数のうち、異物混入が561件あったことがわかっています。
要因分類 | 件数 |
---|---|
有症 | 960件 |
異物混入 | 561件 |
食品・器具の取扱い | 436件 |
表示 | 250件 |
従事者 | 191件 |
※出典元:東京都保健福祉局「令和3年度食品衛生関係苦情処理集計表」
工場が稼働し、従業員が常駐している状況でも、防犯や監視対策が不十分な場合は異物混入のリスクがあるので注意しましょう。
異物を混入するのは、自社とは関係のない第三者とは限りません。過去には、従業員が自社の製品に異物を混入させた事例もありました。
異物混入は事件化し、大々的に報道されることもあります。企業にとっては大きなダメージになる可能性があり、慎重に対処する必要があります。
狙われやすい工場・倉庫の特徴

工場や倉庫には、犯罪に狙われやすい特徴があります。自社の工場や倉庫を犯罪から守るためには、狙われやすい特徴を把握し、しっかりと対策することが大切です。
人目につきにくく死角が多い
人通りが多い場所では、犯罪現場を誰かに見られてしまいかねません。そのため、住宅地や繁華街から離れた、人目につきにくい工場・倉庫が狙われやすい傾向にあります。
なかには防犯カメラを設置しているところもあります。しかし、防犯カメラには映像に映らない死角があるため、設置の際には死角が無いように設置をする必要があります。
特に敷地が広く死角が多い工場や倉庫の場合、外部から侵入者が入り、被害に遭いやすいので注意しましょう。
出入り業者が多い
工場や倉庫には、自社の関係者以外の業者が出入りすることがあります。特に出入りする業者が多い場合は、注意が必要です。
出入り業者による犯罪は、直近でも確認されています。従業員以外に出入りする人が多くなるほど、セキュリティレベルが低くなり、何らかの犯罪に遭うリスクが高まります。
関係者以外はなるべく入らせない、車両および人の入退出記録をおこなうといった対策を講じておきましょう。
金銭的価値の高いものを扱っている
転売目的で工場や倉庫が狙われるケースもあります。高価な機器や機材、材料などを保管している工場や倉庫は、特に狙われやすいので注意が必要です。
工場や倉庫から盗まれるリスクがあるのは、金銭的価値が高いものだけではありません。企業の機密情報や顧客データが保存されたパソコンも、情報を抜き取るために狙われる可能性があります。
工場・倉庫でできる防犯対策とおすすめの製品

近年は、工場や倉庫を狙った犯罪も数多く発生しており、防犯対策の強化が必要です。防犯対策を強化する際には、入退出管理システムや監視カメラなどのアイテムを活用するのも手段の一つです。
ここからは工場や倉庫の防犯対策におすすめの製品を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
入退出管理システム
出入り業者をはじめとする外部からの侵入者を防ぐためには、工場や倉庫に出入りする人を管理することが大切です。
入退社管理システムを導入すれば、入退する人を記録に残せます。
工場や倉庫では、従業員による犯罪が発生するリスクもあります。入退出管理システムで、従業員がいつ何の目的で入退しているかを管理できれば、セキュリティ対策を強化することが可能です。
当社では入退出を管理できるアイテムとして、AIセキュリティカメラと顔認証AIセキュリティ管理ソリューションを取り扱っています。
AIセキュリティカメラ
当社のAIセキュリティカメラは顔認識機能を利用し、登録外の人を認識しアラート発砲などができるカメラです。暗闇で色を確認できる高精細な映像技術で監視できるため、夜間帯の出入りを鮮明に確認できます。
また、マスクをしている人物でも人を認識、特定でき、モデルによっては、自動車のナンバーも認識し、アプリケーションと組み合わせて機能させることが可能です。さまざまな施設で導入されているので、ぜひご検討ください。
<AIカメラの詳細はこちら>

顔認証AIセキュリティ管理ソリューション
当社の顔認証AIセキュリティ管理ソリューションは、顔認証で入退室を管理することで、なりすましを防止できるシステムです。顔認証のスピードは最短0.2秒と早く、個人特定率も99%です。
入退室管理や来客の受付、QRコード来往者管理などの機能があります。顔認証と同時に体温測定もできることから、感染症対策にも役立ちます。
<顔認証AIセキュリティ管理ソリューションの詳細はこちら>

防犯ライト・センサー
工場や倉庫への不法侵入者は、通常の出入り口ではなく、塀やフェンスなどから侵入するケースも少なくありません。防犯ライト・センサーのなかには、塀やフェンス、窓などに衝撃があった場合に、強い光と大きな音で威嚇できるものもあります。
ソーラー式LED防犯センサーライト
当社のソーラー式LED防犯センサーライトは、防犯と明かりを両立できるセンサーライトです。センサーが人の動きを感知すると、ライトが点灯する仕組みです。防犯モード・帰宅モード・常灯モードの3種類があり、用途に応じてモードを変更できます。
<ソーラー式LED防犯センサーライトの詳細はこちら>

防犯・監視カメラ
防犯対策を強化するためには、工場や倉庫内を遠隔で監視できる環境を作ることも大切です。特に夜間は暗く、見えにくいため、鮮明な映像が残せるタイプの監視カメラを導入しましょう。
近年は、多様な機能を持つ防犯・監視カメラが数多く登場しています。防犯・監視カメラのなかには、雨風にさらされても耐久性の高い屋外対応カメラもあります。
太陽光発電型セキュリティカメラ
当社の太陽光発電型セキュリティ設定カメラは、太陽光パネルと充電式リチウムイオン電池で駆動するタイプのセキュリティカメラです。フル充電した場合、最大7日間連続使用できます。
電力配線や通信配線が不要なので、一般的なセキュリティカメラに比べて導入までの期間を短縮できます。本体にはヒーターを搭載しているので、気温が氷点下になる寒冷地でも使用可能です。
また、本体に通信SIMを搭載すれば、遠隔地からパソコンやスマホなどからリアルタイムで映像を監視できるため、防犯対策の強化につながります。当社のセキュリティカメラは、不法投棄が多い場所や屋外駐車場などの防犯リスクが高い場所でも使用されています。
<太陽光発電型セキュリティカメラの詳細はこちら>

工場における防犯カメラ設置のポイント

防犯カメラの効果は、設置場所が影響することもあります。ここからは防犯カメラの設置ポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目立ちやすい場所に設置する
工場や倉庫の敷地内に防犯カメラを導入する際には、目立ちやすい場所に設置するようにしましょう。
たとえば、施設の入り口付近や人通りが多い場所など目につきやすい場所に防犯カメラを設置すると、犯罪の抑止効果が期待できます。
また、企業や施設のなかには、犯罪を抑止するために目立つ場所にダミーカメラを設置しているところもあります。ダミーカメラは一般的な防犯カメラよりも安価で、導入しやすいことが魅力です。
ただし、ダミーカメラには録画機能がありません。万が一犯罪に遭った場合、証拠として残せないため、本格的に防犯対策するなら防犯カメラがおすすめです。
死角をつくらないようにする
防犯カメラを設置する際には、死角をつくらないようにしましょう。カメラに映る映像を確認し、撮影できない場所が出ないように設置することが大切です。
また、死角を減らすには、複数のカメラを設置して撮影範囲を広げる、人の動きを検知して自動で角度を調整できるカメラを利用するといった方法もあります。
工場の防犯対策を強化して安心・安全な環境をつくろう
工場や倉庫では、不法侵入や窃盗などのさまざまな被害に遭う可能性があります。
年々手口が巧妙化しており、既存の防犯対策では不十分かもしれません。まずは現状のセキュリティレベルを把握し、課題を洗い出しましょう。
防犯対策が不十分な場合は、リスクが高い場所に防犯カメラを設置し、セキュリティレベルを高める必要があります。
防犯カメラを選ぶ際には、より広い範囲を録画・保存できるものを選びましょう。録画や保存ができるタイプなら、万が一被害に遭ったときに証拠として残せます。設置の際は、複数のカメラを使うなど死角をつくらないようにするのがポイントです。