お酒を飲んだ後は、睡眠をとっていてもアルコールが抜けていないことがあります。意図せず飲酒運転してしまわないよう、アルコールが抜ける時間を知っておきましょう。この記事では、お酒の種類別で見るアルコールが抜ける時間の目安やその算出方法、各種アルコールに含まれる純アルコール量や、分解に関するよくある疑問について詳しく紹介します。
アルコールが抜けるまでの時間はどのくらい?
飲酒運転を防ぐには、アルコールがどれくらいの時間をかけて体から抜けるのかを理解しておく必要があります。以下では、アルコール摂取量の基準とされている目安と、分解にかかる時間の目安を解説します。
アルコール摂取量の基準「1単位」とは
アルコール摂取量の基準単位となる「1単位」とは、純アルコール換算で約20g。厚生労働省は、1日の適度な飲酒量を「純アルコールで20g」程度としています。
お酒の種類ごとの1単位の目安量を表したものが以下です。
種類 | 量 |
ビール | 500ml |
日本酒 | 1合(180ml) |
ウイスキー | 60ml |
ワイン | 180ml |
チューハイ | 500ml(5%) |
焼酎 | 110ml(25%) |
1単位のアルコールが分解される時間の目安
1単位のアルコールが分解され体から抜ける目安は、お酒が強い男性で4時間、お酒の弱い人や女性、高齢者で5時間です。ただしこの時間は、体重や体質、年齢、性別などにより個人差があります。
例えば3単位以上のお酒を飲んだ場合、半日以上はアルコールが消えません。夜飲酒すると、翌朝もアルコールが体に残っている可能性があります。
その状態で車を運転すると飲酒運転となる可能性が高いため注意が必要です。
ビールや日本酒など種類別のアルコールが分解される時間
体がアルコールを分解するのにかかる時間は、お酒の種類によって異なります。ビールや日本酒をはじめとするお酒の種類別に、アルコールが分解される時間について見ていきましょう。
なお以下では、1時間あたり5gの純アルコールを分解できる処理能力のある人を想定して算出しています。
ビール
350mlの缶1本 | 500mlの缶1本 | |
アルコール度数 | 約5% | 約5% |
純アルコール量 | 14g | 20g |
分解にかかる時間 | 約3時間 | 約4時間 |
日本酒
1合(180ml) | |
アルコール度数 | 15% |
純アルコール量 | 21.6g |
分解にかかる時間 | 約5時間 |
チューハイ
チューハイのアルコール度数は製品により異なります。以下では、5%と9%の2パターンを算出しています。
350mlの缶1本 | 350mlの缶1本 | |
アルコール度数 | 5% | 9% |
純アルコール量 | 14g | 25.2g |
分解にかかる時間 | 約3時間 | 約5時間 |
ハイボール
350mlを1杯(1本) | |
アルコール度数 | 約7% |
純アルコール量 | 19.6g |
分解にかかる時間 | 約4時間 |
ワイン
グラス1杯(150ml) | |
アルコール度数 | 約12% |
純アルコール量 | 14.4g |
分解にかかる時間 | 約3時間 |
焼酎
1合(180ml) | 1合(180ml) | |
アルコール度数 | 20度 | 25度 |
純アルコール量 | 28.8g | 36g |
分解にかかる時間 | 約6時間 | 約8時間 |
アルコールが抜ける時間の計算方法
前項で解説した、アルコールが抜ける時間の目安は、あくまで体重60kgの人の場合です。自分の体型の場合、どれくらいの時間でアルコールが抜けるかを、以下の計算式で算出して把握しておきましょう。
アルコールが体から抜ける時間の算出方法
体内で分解されるアルコール量は、体重1kgにつき1時間で0.1g。例えば、体重60kgの人がビール350ml(純アルコール量14g)を飲んだ場合の計算式は以下の通りです。
14g÷(60kg×0.1g)≒2.3 |
アルコールが抜けるまでに2~3時間かかる計算になります。
ただしこの時間はあくまでも目安です。個人のアルコール分解能力や体調、性別、年齢などによって左右されます。
【種類別】お酒に含まれる純アルコール量
体から、アルコールがどれくらい抜けるかを算出する際に重要なのが、「純アルコール量」です。「純アルコール量」とは、お酒に含まれるアルコールの量のことで、お酒の種類によって違います。
純アルコール量を求める計算式は、「アルコール度数×飲んだ量×アルコール比重0.8」です。以下では、複数種類のお酒の純アルコール量を一覧にしました。
アルコール度数 | 純アルコール量 | |
ビール350ml/500ml | 5% | 14g/20g |
日本酒1合(180ml) | 15% | 21.6g |
チューハイ350ml | 5%/9% | 14g/25.2g |
ハイボール350ml | 7% | 19.6g |
ワイン150ml | 12% | 14.4g |
焼酎180ml | 20度/25度 | 28.8g/36g |
アルコール分解に関するよくある疑問
飲酒しても「寝ればお酒が抜ける」などと思っている人も多いようです。以下では、アルコールにまつわるいくつかの疑問を取り上げ、その真実を明らかにしていきます。
寝るとアルコールは抜けやすいのか
お酒を飲んだ後でも、仮眠をとればアルコールが抜ける、と思っている人は多いはず。しかし、アルコールが抜けるまでの時間には個人差があります。仮眠をとったからといって、車を運転できるとは限りません。
仮眠をとっている間は内臓が休んでいて、体はアルコールを分解しにくい状態です。起きている時と比べて、分解に2倍の時間がかかるとも言われています。
普段からお酒をよく飲む人の場合、アルコールが回っている状態に慣れていることがあるため、特に注意が必要です。仮眠をとったことで、アルコールが抜けたと思い込まないように注意しましょう。
もしアルコールが残った状態で運転してしまうと、注意力や判断力が低下しているため大変危険です。何より飲酒運転に該当する可能性があります。
汗をかくとアルコールは抜けやすいのか
アルコールを分解するのはあくまで肝臓です。肝臓で約9割のアルコールが分解され、残りの1割が汗や尿から排出されます。
いくらスポーツをして汗をかいてもこの割合は変わらず、もちろんアルコールが抜けるわけでもありません。汗をかくことで体内の水分量が減り、脱水症状を起こす危険性があります。
また汗をかくと、アルコールを分解するための水分が体からなくなってしまうため、逆効果になってしまいます。
飲酒運転した際の処分・罰則
飲酒運転を取り締まるために、法律で厳しい処分と罰則が設けられています。酒気帯び運転と酒酔い運転の処分と罰則について詳しく紹介します。
違反にならないからといっても、少量でも飲んだ状態での運転は危険です。飲酒運転は本人だけではなく、周りの人にも大きな影響を与えるので絶対にやめましょう。
①酒気帯び運転
呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上の状態で運転している場合、酒気帯び運転に該当します。
処分 | 罰則 |
●0.15mg/L以上0.25mg/L未満の場合:違反点数が13点、免許停止期間が90日
●0.25mg/L以上の場合:違反点数25点、免許取り消し処分、2年間の欠格期間 |
●運転者と車両などの提供者:3年以下の懲役または50万以下の罰金
●酒類の提供者や車両の同乗者:2年以下の懲役または30万以下の罰金 |
※参照元:警察庁「みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」」
②酒酔い運転
呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上の状態で運転している場合、酒酔い違反点数35点、免許取り消しと3年間の欠格期間運転に該当します。
処分 | 罰則 |
●違反点数35点、免許取り消しと3年間の欠格期間 | ●違反点数35点、免許取り消しと3年間の欠格期間 |
※参照元:警察庁「みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」」
飲酒運転撲滅を目指すアルコールチェック義務化と対策法
法改正によりアルコール検知器を使ったチェックが義務化
2022年4月の法改正により、緑ナンバーに加えて白ナンバー事業者もアルコールチェックが義務化されました。
次いで2023年12月より、アルコール検知器によるチェックの義務化が開始。一定台数の車を所有する事業者は安全運転管理者を選任し、運転の前後にアルコール検知器を使ったアルコールチェックとその記録を行う必要があります。
ALPiT
アイリスオーヤマのALPiT は、簡単なステップでアルコールチェックから記録保管までできるクラウド管理サービスです。
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加えてパソコンの管理画面でチェック結果をリアルタイムで確認できる他、アルコールを検知するとメールで知らせてくれる機能も搭載されています。
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アルコールが抜ける時間の把握とチェックで飲酒運転の撲滅を
お酒を飲んだ後は、「一晩寝れば大丈夫」といった安易な考えで車を運転するのは禁物です。万が一事故を起こしてしまうと、厳しい罰則を受けなければいけません。アルコールが分解される時間は、年齢や体質、遺伝などによってまちまちです。アルコールチェッカーを活用し、従業員の飲酒運転撲滅に取り組みましょう。
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