セントラル空調とは?仕組み・メリット・導入時の注意点を徹底解説

更新日:2025年12月22日
セントラル空調の通気口
コラム

セントラル空調とは、建物全体の冷暖房や換気を一括で管理できる空調システムです。オフィスビルやショッピングモールなどの大型施設で広く採用されています。この記事では、セントラル空調の仕組みやメリット、導入時の注意点、さらに省エネを意識した運用のポイントを紹介します。

 

セントラル空調とは

セントラル空調を取り入れた施設

 

 

建物全体の冷暖房や換気をまとめて管理するセントラル空調ですが、どのような仕組みで建物の温度を均一に保つのか、また一般的なルームエアコンに代表される個別空調との違いについて紹介します。

建物全体の冷暖房を管理する空調システム

セントラル空調は、建物全体の冷暖房や換気を一括で管理できる空調システムです。大型の空調装置で作った冷気や温風を、ダクトや配管を通して各部屋に届けています。オフィスビルや商業施設、学校など、複数の部屋やフロアで効率的に空調を行える方式で、個別のエアコンに比べて管理が簡単で省スペース・省エネにも適しているのが特徴です。

個別空調との違い

空調システムには、部屋ごとに空調機器を設置する個別空調もあります。こちらは主に一般家庭や、延べ床面積が1万平方メートル以下の小規模なビルなどで採用されている方式です。一方、セントラル空調を導入しているビルでは、建物全体をカバーする使い方もあれば、一部のエリアで個別空調と併用するケースも見られます。

セントラル空調の仕組み

セントラル空調は外部から取り入れた空気を冷暖房し、ダクトや配管を通して各部屋に供給する仕組みです。システムには水冷式や空冷式などの種類があり、ゾーン制御や自動温度制御で部屋ごとの温度を調整することもできます。建物全体の温度ムラを最小限に抑え、効率的に空調を行える点も特徴です。

 

セントラル空調方式のメリット

建物外部に設置された排気口

 

 

建物の温度を一元管理するセントラル空調には、快適性の向上や管理の効率化といったメリットが挙げられます。正しく管理すれば、省エネにもつなげられるでしょう。

建物全体の温度を一定に保てる

セントラル空調を導入すれば、建物全体の温度を一定に保つことができます。どの部屋にいても快適な環境を維持できるため、大型施設では特に温度ムラが少なく、働く人や利用者の満足度も向上します。また冷暖房の効率が高いため、夏は涼しく、冬は暖かく保つことが可能です。

騒音を最小限に抑えられる

セントラル空調では、熱源機器を建物の外部や屋内の隔離エリアに設置するため、室内の騒音を最小限に抑えられます。そのため会議室やホテルの客室、映画館など静音環境が求められる場所でも快適に利用できます。個別エアコンのような室内機の騒音がほとんどなく、集中力を損なうこともありません。

ランニングコストを削減できる

個別空調に比べ、空調費やメンテナンス費用を抑えられるのも特徴です。共益費に空調使用料が含まれるケースも多く、使用時間内の追加費用は発生しません。メンテナンスも集中管理できるため、長期的にはコスト削減につながるでしょう。エネルギー効率が高く、電気代や燃料費の節約効果も期待できます。

スペースを有効活用できる

部屋ごとに空調機器を設置する必要がなく、設置スペースを削減できます。内装やレイアウトにも柔軟性を持たせやすく、配管やダクトも天井裏や壁内に収められるため、室内の空間を広く有効活用できます。

セントラル空調を導入する際の注意点

ダクトを点検する専門業者

 

セントラル空調方式には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。これから導入を考えている場合は、設備投資の予算、工事の規模や期間、将来的なレイアウト変更の可能性を踏まえて検討することが重要です。

初期費用が高い

大型の熱源設備や大規模な配管・ダクト工事が必要なため、初期の設備投資が高額になる傾向があります。場合によっては数百万円単位になることもあり、予算計画が重要です。ただし、導入規模によっては補助金制度を活用できる場合もあります。

 

大がかりな工事が必要になる

建物全体に冷暖房を行き渡らせるために、熱源設備の設置、ダクトや配管を張り巡らせる工事が必要です。さらに各部屋に温度調整や風量調整機器を追加する場合は、工期も長くなります。既存の建物に導入する際は、耐震・耐火・配管経路など建物構造との調整も考慮する必要があります。

個別の温度設定が難しい

建物全体の温度を一括管理するため、一部の部屋だけ温度を変えることが難しい場合があります。部屋単位での温度調整が可能なシステムもありますが、追加費用がかかることがあります。

故障時の費用が高額になりやすい

熱源機にトラブルが発生すると、建物全体の空調が停止するリスクがあります。故障した場合は、修繕費用が高額になることもあるため、注意が必要です。そのため、ダクトの定期清掃など定期的なメンテナンスが欠かせません。使用機器によっては、法律で有資格者による定期点検やメンテナンスが義務付けられ、外注が必要になる場合もあります。適切なメンテナンスを行うことで耐用年数が延び、長期的なコスト削減につながる可能性もあります。

レイアウト変更への対応が難しいことがある

建物の増築やレイアウト変更を行った場合、個別空調なら必要に応じて空調機器を追加できます。しかし、セントラル空調は建物全体を対象とするため、対応が難しい場合があります。状況によってはシステムの再設計や改修が必要となり、工事費や工期が追加で発生する可能性も否めません。

 

プラズマガードで空調環境をさらに安心・快適に

 

セントラル空調をより効率的かつ衛生的に運用するためには、室内の空気を清浄化する大規模空調清浄ソリューションのプラズマガードの導入がおすすめです。

プラズマガードは、取り付けた空調からイオンを放出し、その空間のウイルス・菌、臭いを抑制する大規模空気清浄ソリューションです。

大規模な改修工事が不要で、オフィスや商業施設、学校などさまざまな建物に導入しやすいのが特長です。

 

セントラル空調と組み合わせることで、快適さだけでなく衛生面の向上も図れるため、利用者が安心して過ごせる空間づくりに役立ちます。

セントラル空調の導入は、省エネ効果も意識して検討を

空調ダクトと通気口

 

セントラル空調は、建物全体の温度を効率的に管理でき、快適性や省エネに大きく役立ちます。また、プラズマガードのような空気の質を高めるツールも活用すれば、快適さや衛生面のさらなる向上も図れます。一方で、初期費用や工事規模、個別の温度調整の難しさなど注意点もありますので、導入時にはこれらを踏まえつつ、快適な空間づくりを目指してみてください。

 

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