建築化照明とは?間接照明との違いや導入のメリット・デメリットを解説

更新日:2026年01月26日
ホテルロビーの落ち着いた照明
コラム

建築化照明とは、光源を建物の構造の一部に組み込み、空間に心地よい明るさや特別な雰囲気を与える照明手法です。 オフィスや店舗、ホテルなどの商業空間に高級感や落ち着きのある印象をもたらす効果が期待できます。本記事では、建築化照明の基本的な特徴、間接照明との違い、代表的な種類、導入によるメリット・デメリットについて解説します。

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建築化照明とは?

居心地の良い室内照明

 

建築化照明とは、照明器具を天井や壁、床などの建築構造物と一体化させ、基本的には光源を隠して設置する照明手法のことです。器具の存在感を抑え、光のラインや陰影を際立たせることで、空間の広がりや奥行きを演出します。

建物完成後に設置するシーリングライトやペンダントライトなどの一般的な照明とは異なり、建築化照明は空間デザインに溶け込み、オリジナリティを持った光環境を実現できるのが特徴です。

 

建築化照明と間接照明の違い

ベッドサイドの間接照明

 

間接照明とは、照明器具の光を壁や天井に反射させて間接的に空間を照らす手法です。直接的な光を放つ照明器具とは異なり、光を間接的に広げることで、柔らかく落ち着いた雰囲気を演出できます。一方、建築化照明は建築空間と一体となった照明で、基本的には光源を隠す設置方法をとります。デザインによって光源が一部見える場合もあります。

 

間接照明が基本的に光源を見せないのに対し、建築化照明は光源が見える場合もあります。また間接照明は器具の種類や設置方法に制約が少なく、スタンドライトやブラケットなど後付けでも実現可能であるのに対し、建築化照明は建築物に組み込む形で設置されています。

 

建築化照明の種類

天井のライン照明

建築化照明は、光を当てる場所や方法によってさまざまな種類に分類されます。ここでは、代表的な建築化照明の種類と特徴について紹介します。

コーブ照明

コーブ照明とは、天井の端や天井近くの壁に照明器具を仕込み、光を天井に当てて反射光によって室内を照らす方法です。部屋全体に柔らかな間接光を広げることで、部屋を広く見せたり、落ち着いた雰囲気を生み出したりする効果があります。主に住宅のリビングや寝室、店舗やホテルのロビー、ラウンジなどで採用されています。

コーニス照明

コーニス照明とは、壁面に近い天井に照明器具を配置し、壁面に沿って光を反射させる方法です。コーブ照明よりも広範囲に明るさが広がるのが特徴です。

光が壁に延びていくため、壁の質感や仕上げ材の美しさをより引き立たせる効果があり、テレビの背面、ベッドのヘッド裏、階段の収納下などに用いられます。天井が低くても光源が見えにくい場合に適しています。

バランス照明

バランス照明とは、壁面に設置した照明器具から上下に光を放ち、天井と壁の両方に反射させる間接照明の方法です。コーブ照明(天井を照らす)とコーニス照明(壁を照らす)を組み合わせた形で、空間をより立体的に演出できます。

 

ただし、光源の位置が人の目線の高さにある場合はまぶしさを感じやすいので、設置位置や光源を隠す遮光板(幕板)の高さなど、調整が必要です。

コファー照明

コファー照明とは、コファー天井に照明器具を埋め込む方法です。コファー天井とは、天井の一部を格子状に掘り下げたり、凹凸をつけて段差を設ける仕上げ方法で、日本では「折り上げ天井」や「掘り下げ天井」とも呼ばれます。
コファー照明には、ガラス板(またはプラスチック板)の上から照明する方法と掘り上げ天井の内表面を照明し、その反射光で間接照明する方法があります。ホテルのホールや宴会場、レストランなど豪華な雰囲気を出したいところで採用されます。

光天井

光天井とは、天井全面を拡散板で覆い、均一で柔らかな光を広げる照明方法です。拡散板には、透光性乳白プラスチックのモールドパネルや波型パネルなどが使われます。照明器具を目立たせず、部屋全体を明るく、開放的な雰囲気にできるのが魅力です。1階吹き抜けホールやショールームなどによく使われています。

 

建築化照明を取り入れるメリット

建築化照明を取り入れたベッドルーム

 

建築化照明は空間を美しく演出するだけではなく、ブランド価値の向上などビジネス面にもメリットをもたらします。オフィスや店舗、ホテルといった商業施設に導入する際に注目すべきポイントを紹介します。

内装と調和できる

建築空間に溶け込み、内装と一体化した演出ができる点が大きなメリットです。器具を隠して光そのものを活かすことで、天井や壁、床のデザインを邪魔せず、空間の統一感を高められます。照明の明るさや色温度、配光方向を空間のテーマや用途に合わせて調整することで空間の一体感を高め、洗練された雰囲気を演出できます。

柔らかな光で目が疲れにくい

まぶしさによるストレスや目の疲労軽減になるのも大きなメリットです。建築化照明は光源を直接見せず、天井や壁に光を当てて反射光で空間を照らすため、まぶしさ(グレア)を抑えつつ必要な明るさを確保できます。

近年、普及しているLEDは直進性が強く、光源を直接見るとまぶしく感じることがあります。そこで反射した光を利用する建築化照明を用いることで、柔らかく優しい光へと変わります。

特別感・高級感を演出できる

建築化照明の最大の魅力は、光の演出によって高級感や非日常的な特別感を演出できる点です。特定の場所だけを際立たせたり、壁や天井に陰影をつけることで、印象に残る空間を創造可能です。

ニッチを設けた壁や、ダイナミックな勾配天井、無垢材の床といった素材と組み合わせると、素材の質感や重厚感が際立ち、陰影による奥行き効果で空間全体の完成度を高められます。洗練された光環境は顧客に快適さや心地よさを与え、滞在時間を延ばし、満足度やリピート利用の向上につながります。

建築化照明のデメリット

模型を見ながら設計する人々

 

さまざまなメリットのある建築化照明ですが、一方でコストや施工、メリットの面で注意すべき点もあります。導入を検討する際にはデメリットも把握しておくことが大切です。

初期コストがかかる

建築化照明を導入する際の大きなデメリットは、工事費や設計費用が増えることです。天井や壁といった建築構造の一部を加工する造作工事が必要となる分、一般的なダウンライトやシーリング照明などと比べて時間と費用がかさみます。

空間を明るくするだけであれば、より安価で施工も簡単な全般照明の方が適します。建築化照明を検討する際は、理想的な空間の仕上がりと予算のバランスを意識しましょう。設計段階から予算枠を明確に設定し、造作を簡易化する、規格化されたパーツや照明器具を活用するなど、現場での手間を抑える工夫が効果的です。

設計・施工に高い技術が必要

建築化照明は、一般的なダウンライトやシーリング照明と比較して設計や施工が難しいのもデメリットです。

器具を天井や壁に組み込むため、光源の位置や角度、反射面の素材や仕上げによって明るさや雰囲気が大きく左右されます。設計を誤ると光源が見えてしまったり、光がムラに なるなど、意図した空間演出が損なわれることがあります。

設計の段階で遮光板や器具の位置を微調整できるスケジュールを組むことで、施工時の調整がしやすく、仕上がりの精度を高められます。経験豊富な設計者や施工業者を選び、シミュレーションやモックアップ(実物大模型)で光の見え方を事前に検証することが大切です。

メンテナンスの手間がかかる

建築化照明は、器具の交換や日常清掃といったメンテナンスが難しいこともデメリットです。

 

光源を隠すために天井や壁に埋め込んだり、照明ボックスなど専用の造作の中に設置するため、後付けの照明のように簡単に器具の交換ができません。吹き抜けのような高所や奥まった場所に設置すると、ホコリが溜まりやすく、脚立を使っても手が届きにくいため、大がかりな清掃や点検が必要です。

導入にあたっては、デザイン性だけではなく、将来的なメンテナンスの面も考慮しましょう。長寿命のLEDを採用して交換頻度を減らしたり、点検口やアクセスパネルを設けることが効果的です。

 

【建築化照明に最適】アイリスオーヤマのライン照明

アイリスオーヤマノンライン照明

 

アイリスオーヤマでは、建築化照明に対応できる多彩なライン照明を展開しています。

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曲面・直線・直角など、建築物の形状に沿ったフレキシブルな演出が可能です。マグネット固定により、施工が難しい場所でも設置できます。1ユニットごとにカット対応でき、設置場所に合わせた最適な長さで施工可能。屋外対応モデルもあり、ファサードや屋外演出にも活用できます。

●スタンダードタイプ(屋内用)
空間に合わせて選べる3種類の色温度を用意しています。付属の取付金具は2種類。建築物の形状に応じて取付角度を調整可能です。継ぎ目の少ない連続設置で建物全体を美しく縁取ります。器具の存在感を抑えて光そのものをデザインでき、建築化照明の理想を体現する照明です。

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ライン照明 | 施設用照明|アイリスオーヤマ
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建築化照明で理想の空間作りを

照明を組み込んだ棚

建築化照明は、器具を建築に組み込み、光そのものをデザインに活かす照明手法です。空間と一体化した設計や、高級感や特別感のある空間を演出することが可能です。商業施設では顧客体験の向上や競合との差別化につなげられます。

建築化照明のメリットとデメリットを理解し、設計段階から専門家と理想の空間作りを目指してみませんか。

 

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