蛍光灯をLEDに替えると電気代がこんなに安い!寿命や購入価格も徹底比較

省エネ

オフィス照明には、蛍光灯やLEDなどが使用されていますが、今後、LEDへの切り替えを検討している企業や担当者もいるのではないでしょうか。本記事では、蛍光灯とLEDの特徴からそれぞれの消費電力や電気代の比較・製品そのものの違いを紹介します。さらに、LEDに切り替えるメリット・デメリットも併せて解説します。

 

2027年問題について詳しく知りたい方へ
◆この資料でわかること
・3年後に蛍光灯が生産中止…?2027年問題について
・LED照明導入の流れと、メリット・注意点
・アイリスオーヤマの「LiCONEX LiTE」でできる省エネ

蛍光灯とLEDの特徴と歴史

 

 

蛍光灯とLED(Light Emitting Diode)照明は、一般住宅や店舗、オフィスなどさまざまなところで使用されていますが、意外とそれぞれの特徴について詳しく理解している人は少ないかもしれません。ここでは、蛍光灯とLEDの基本的な特徴を紹介します。 

蛍光灯
光る仕組み 放電によって発生する紫外線を利用して発光する。
歴史 1938年、アメリカの大手電機メーカーが開発に成功。当初は軍事用などで使用されたが、1950年代から一般家庭や商業施設での使用が広がる。ガス灯・白熱灯に次ぐ第3の照明として蛍光灯が普及した。
※諸説あり

 

LED
光る仕組み 発行ダイオードと呼ばれる半導体素子に電気を流すことで発光する。
歴史 1962年にアメリカの科学者が赤色LEDを発明。その後、さまざまな色のLEDが開発され、黄色、緑、青などが登場。1995年以降は白色LEDが開発され、特に照明用途で注目を集める。現在はガス灯・白熱灯・蛍光灯に次ぐ第4世代の照明として普及。

 

 蛍光灯とLEDどちらがお得?消費電力と電気代を徹底比較

 

蛍光灯とLEDそれぞれの消費電力と電気代に、どのくらいの違いがあるか見ていきましょう。オフィス内での照明は多く利用するところもあるので、買い替えを検討している企業や、担当者はぜひ参考にしてください。

当社の「消費電力・コスト削減かんたんシミュレーション!」をもとに、蛍光灯とLEDの消費電力と電気代の違いを紹介します。

消費電力・コスト削減かんたんシミュレーション! 

【消費電力】蛍光灯よりもLEDが大幅に低い

まずは、以下の2つの蛍光灯とLEDの消費電力の違いを確認します。

<消費電力の比較表>

比較対象 ランプ光束(lm) 消費効率(lm/W) 消費電力(W)
Hf蛍光灯シリーズ 2,200 lm 68.8 lm/W 31.98 W
直管形LEDランプ
【LDG32T・N/11/20/19SP/C】
2,000 lm 190.4 lm/W 10.5 W

※消費電力(W) = 光束(lm) / 効率(lm/W)

この2タイプの比較では、LEDの消費電力は蛍光灯の1/3の値となります。消効率(m/W)が高いほど省エネ効果が高いため、LEDのほうが環境にも優しいと言えるでしょう。

さらに、シミュレーションを使って以下の条件で消費電力を比較してみます。

  • 個数:100個
  • 1日の点灯時間:10時間
  • 比較日数:250日(休日を115日として)

結果として、直管形LEDランプ【LDG32T・N/11/20/19SP/C】を使用することで、64%の消費電力を削減できます。

 

【電気代】蛍光灯よりもLEDがかなり安い

同じ条件で、蛍光灯と直管形LEDランプの電気代を比較すると以下の通りとなります。

<電気代の比較表>

個数 Hf蛍光灯 LED 差額
100個 224,000円 80,080円 -143,920円
200個 448,000円 160,160円 -287,840円
300個 672,000円 240,240円 -421,760円

※平均電力単価28.0円(税抜)で試算(2022年7月時点)

使用する照明の数で異なりますが、圧倒的に蛍光灯よりLEDのほうが電気代を大幅に削減可能です。

電気代以外で蛍光灯とLEDの違いは何?

蛍光灯とLEDは、消費電力や電気代以外にも違いがあります。ここでは「寿命・購入価格・点灯方式」の3つを比較します。

蛍光灯とLEDの比較【寿命】

蛍光灯とLEDには、寿命に大きな違いがあります。寿命の違いは次の通りです。

照明の種類 寿命 オフィスでの使用
蛍光灯 6,000~10,000時間程度 1日8時間点灯させる場合、約2〜4年で寿命が尽きる
LED 40,000~60,000時間程度 1日8時間点灯させる場合、約13〜17年持つと予想

蛍光灯はオンとオフを頻繁に繰り返すと寿命が短くなる傾向があり、1回の点灯で約1時間寿命が減少するとも言われています。LEDは点灯時にほとんど負荷がかからないため、オンとオフを繰り返しても寿命にほぼ影響がないのが特徴です。

蛍光灯とLEDの比較【購入価格】

蛍光灯とLEDは購入価格にも違いがあります。

従来LEDの購入価格は、蛍光灯よりも高額でした。しかし、現在では一般的なLEDと蛍光灯の購入価格に大きな差はなくなってきています。蛍光灯とLEDの購入価格がほとんど変わらない一方で、トータルコストには差があります。LEDの寿命は蛍光灯よりも長いため、あまり交換せずに済むのが特徴です。長期的な視点で見ると、トータルコストは蛍光灯よりもLEDのほうが低くなります。

蛍光灯とLEDの比較【点灯方式】

蛍光灯とLEDは、点灯方式に違いがあります。蛍光灯の点灯方式は、グロースタータ方式・ラピッドスタート方式・インバーター方式です。

蛍光灯の点灯方式 特長
グロースタータ方式 グロースタータと呼ばれる点灯管を利用して点灯させる方式 〇点灯管が必要になるため、定期的に交換しなければならない
〇点灯までに時間がかかりやすい
ラピッドスタート方式 早く点灯するように設計されている方式 〇グロースタータ方式のように点灯管を利用しないため、定期的な交換が不要
〇重量はグロースタータ方式よりも重い
インバーター方式 点灯管が不要で早く点灯するように設計されている方式 〇グロースタータ方式とラピッドスタート方式のメリットを併せ持つ
〇省エネかつ明るい
〇光の加減を調節できる商品もある
〇照明器具の価格が高い傾向にある

グロースタータ式は、グロースタータと呼ばれる点灯管を利用して点灯させる方式です。点灯までに時間がかかる傾向がありますが、比較的安価であり、広く普及しています。

ラピッドスタート方式は、早く点灯するように設計された方式です。点灯までの時間は1~2秒で、グロースタータ方式よりも点灯速度が速い特徴があります。一方でグロースタータ方式よりもサイズが大きく、重い側面があります。

インバーター方式は、グロースタータ方式とラピッドスタート方式のメリットを併せ持つタイプです。軽量で明るく、省エネ性能が高いため、現在主流となっています。

LEDの点灯方式は、スタティック方式とダイナミック方式の2種類があります。

LEDの点灯方式 特徴
スタティック方式 常に電流を流し続け、点灯したままにする方式 〇多くの電力が必要になる
〇ちらつきが起こりにくい
ダイナミック方式 一定周波数で高速に点灯させる方式 〇調光システムは、ダイナミック方式を活用した機能
〇スタティック方式のように多くの電力を必要としない
〇現在は多くのLEDでダイナミック方式が採用されている

スタティック方式は常に電流を流し続け、点灯したままにする方式です。多くの電力を必要とするため、ダイナミック方式に比べて寿命が短い傾向にあります。

ダイナミック方式は、一定周波数で高速に点灯させる方式です。スタティック方式のように多くの電力を必要としないため、寿命は長いと言われています。現在は、ダイナミック方式のLEDが主流です。

蛍光灯は2027年末で製造および輸出入が禁止

オフィスの照明に蛍光灯を検討している場合は、将来的な視点を持っておきましょう。2023年11月3日、スイスのジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議で、2027年末までに蛍光灯の製造および輸出入が禁止されることが決定されました。

この背景には、水俣病が深く関係しています。水俣病は、メチル水銀化合物を吸収した魚を人が食べることで引き起こされる神経疾患です。同会議では水銀を含む製品の製造および輸出入が制限されることが決まりました。蛍光灯だけではなく、水銀を使用したボタン型電池や化粧品の製造および輸出入も禁止されます。

将来的には蛍光灯の入手が難しくなる可能性があるため、オフィスの照明はLEDに切り替えましょう。

照明をLEDに切り替えるメリット・デメリット

照明を蛍光灯からLEDに切り替えることで起こる、メリットとデメリットをそれぞれ紹介します。メリットはもちろんですが、デメリットも理解することで導入しやすくなるでしょう。

メリット①電気代の節約につながる

LEDは蛍光灯に比べてエネルギー変換効率が高いため、消費電力を抑えられます。資源エネルギー庁の「夏季の省エネ・節電メニュー」によると、オフィスビルの電力消費のうち、照明は23.1%を占めていることがわかっています。

用途 電力消費率
空調 48.6%
照明 23.1%
パソコン 6.6%
複合機 7.3%
エレベーター 7.3%
その他 7.0%

※出典:資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー」

オフィスビルにおける照明の電力消費率は、空調に次ぐ割合です。オフィスの照明を従来型蛍光灯から直管形LED照明に交換したケースでは、約50%の消費電力を削減できるとされています。

メリット②メンテナンスに手間がかからない

オフィスの照明をLEDに切り替えると、メンテナンスの手間が省けます。オフィスで1日8時間使用すると、蛍光灯は2〜4年で寿命を迎えるため、定期的な交換が必要です。一方でLEDは13〜17年程度持つため、交換の頻度が蛍光灯よりも格段に低くなります。

また、LEDは蛍光灯のように頻繁にオンやオフを繰り返しても寿命に影響しません。

LEDへの切り替えにより、交換頻度の減少によるランニングコストの削減が期待できます。長寿命であるため、経費を抑えつつも照明の品質や効率を維持することが可能です。

メリット③環境に優しい

企業がオフィスの照明をLEDに切り替えることは、環境保全への取り組みの一環となります。近年、地球温暖化問題が深刻化していることから、世界中で環境保全に対する意識が高まっています。

環境保全への取り組みは、個人だけではなく企業にも求められており、多くの企業が環境に配慮した取り組みを実践しています。蛍光灯は水銀を利用している照明のため、環境汚染へつながる可能性がありますが、LED照明は水銀・鉛・カドミウムを使用していないため、環境に対して優しい照明の一つです。

メリット④紫外線・赤外線の放出が少ない

蛍光灯を使用すると、わずかながら紫外線や赤外線が放出されます。紫外線には虫を集めやすい性質があるため、蛍光灯を使用する場所によっては虫が集まり、死骸が床に散らばるケースがあります。

また、紫外線は被照射物への負荷が大きく、オフィス内の展示物が劣化するおそれがあるのが現状です。特に生鮮食品や衣類など熱に弱い商品を扱っているオフィスでは、紫外線や赤外線の影響により劣化が進むことも懸念されます。

一方のLEDは、使用しても紫外線や赤外線が放出されません。LEDの照明を使用することで、商品や展示物の劣化を防ぐことが可能です。エントランスの照明をLEDに切り替えれば、虫が集まりにくくなるため、衛生面も向上するでしょう。

デメリット①導入費用がかかる

蛍光灯からLED照明への切り替えには、初期導入コストがかかる点がデメリットの一つ。LED照明の価格は、安価なものであれば1,000円程度から購入可能ですが、オフィス全体の照明を一斉に切り替える場合、コストがかさむのも事実です。

しかし、LEDは長寿命であり、電気代も節約できるため、総合的なコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。さらに、2027年末には蛍光灯の製造および輸入が禁止されるため、早めにLEDへの切り替えを検討したほうが良いでしょう。

デメリット②熱がこもりやすく故障の原因になる

LEDは発光時に少量の熱しか発生しませんが、適切に放熱できない場合、熱が内部にこもり故障の原因となることがあります。LED照明器具は通常、熱を効率的に外部へ逃がすよう設計されていますが、設置場所の温度が高い場合、十分な放熱ができず熱がこもりやすくなります。そのため、LEDを設置する場所の温度管理には十分注意が必要です。

照明の電気代節約のポイント

毎日消費される電気代は、次のようなちょっとしたポイントで節約につながります。

  • 必要な時だけつける
  • 掃除を定期的に行う
  • 必要に応じて明るさを調節する

特にオフィス、店舗、工場、倉庫など照明が多い場所では、状況に応じた照明環境を整えることで大幅な省エネとコスト削減が可能です。しかし、手動で調整するのは手間がかかるため、LEDへの切り替えと併せて無線制御システムの導入をおすすめします。

LiCONEXで省エネ・照明を快適にコントロール

アイリスオーヤマの無線制御システム「LiCONEX」は、無線で照明の明るさや光色を簡単にコントロールできます。タブレットやスマホから、時間帯や用途に応じて明るさを調整できるため、快適さを保ちながら省エネとコスト削減が可能です。
 
また、大掛かりな工事が不要で、導入工期はLED照明の切り替えとほぼ変わりません。新築はもちろん、既存の建物にも対応可能です。
 
〈LED・LiCONEXに関するお問い合わせはこちら〉
https://www.irisohyama.co.jp/led/houjin/liconex/

蛍光灯より電気代がお得なLEDに切り替えよう!

蛍光灯は2027年末までに製造および輸出入が禁止されるため、今後は交換が困難になることが予想されます。そのため、オフィス照明の寿命が来た際には、蛍光灯ではなくLED照明に切り替えましょう。
 
アイリスオーヤマでは、オフィスだけではなく、公共施設、学校、工場、倉庫など、さまざまな環境に最適なLED照明器具を豊富に取り揃えています。20万件以上の納入実績があり、省エネや作業効率を向上させる視環境の実現など、お客様のニーズに応じた照明ソリューションをご提案しています。
 
〈施設用照明に関するお問い合わせはこちら〉
https://www.irisohyama.co.jp/led/houjin/products/facilities/
 
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