従業員の体と心の健康を守るためには、「労働安全衛生法」に基づいて職場の衛生管理を徹底する必要があります。その指針となる「労働衛生基準」が令和3年に改正されたため、最新の内容を理解することが大切です。本記事では、職場の衛生管理に関する概要や、最新労働衛生基準、衛生管理する際のポイントを解説します。

職場の衛生管理とは
職場の衛生管理は、昭和47年に制定された「労働安全衛生法」によって定められています。これによると、事業者は労働者に対して、安全かつ快適な職場環境を作り、労働者の安全と健康を確保しなければなりません。
職場の衛生管理においては、安全管理者や衛生管理者を始めとする、各種責任者や管理者の選任が必要です。
その上で、快適な職場環境作りや労働災害を防止するための措置、安全委員会の設置、安全衛生教育の実施など、事業者にさまざまな義務を定めています。
この「労働安全衛生法」に基づいて定められているのが、「労働衛生基準」です。
2つの規則からなる労働衛生基準
職場の安全と快適さを確保するための「労働衛生基準」には、2つの規則があります。以下では、事務所衛生基準規則と労働安全衛生規則のそれぞれについて解説します。
事務所衛生基準規則
職場の労働環境を快適に整えるために、衛生面において定められた規則のことです。作業場所の空気の総量や換気、換気設備、照明、温度、騒音や振動などの防止といった、快適に労働するためのいくつかの条件が定められています。
またトイレや洗面などの衛生状態や、給水・排水、害虫駆除などの管理も必要です。
労働安全衛生規則
職場の労働環境を快適に整えるために、意識するべきポイントを定めた規則です。生産性や安全性を確保し、労働者の負担を軽減するために、以下のような内容が定められています。
- 温度、照明、空気の質といった作業環境の管理
- 作業方法の見直しや効率化の実施
- 労働者の休息のための施設整備 など
令和3年に改正された労働衛生基準のポイント

Laptop Computer, notebook, and eyeglasses sitting on a desk in a large open plan office space after working hours
令和3年12月1日に、労働衛生基準が改正されました。社会状況の変化に伴い、働きやすい環境整備への関心が高まったことが、改正された背景と言われています。
以下では、改正された主なポイントを解説します。
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照度
作業において適切な照明を確保するために、照明基準が2区分に変更されました。
これまでは、精密な作業・普通の作業・粗な作業の3区分に分けられていて、作業が精密であればあるほど明るくするよう定められていました。しかし、照度不足によって眼精疲労を起こしたり、適切ではない姿勢を続けることによって健康に影響を及ぼしたりすることから変更されています。
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トイレ
「独立個室型」のトイレを設置するよう規定されました。「独立個室型」は、個室の全方向を壁と扉で囲まれたトイレ。個室の上部や下部に隙間が空いているものは不適切です。
このようなトイレを設置することで、個室単独でプライバシーを確保できます。
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休養室・休養所、更衣室
常時50人以上または常時女性30人以上の職場では、性別ごとに休養室と休養所を設置することが必要です。これにより、体調が悪い人や生理中の女性が一時的に休める場所を確保できるでしょう。
部屋の中が入口や通路から中が見えないよう目隠しを設置し、出入りする関係者を制限します。
休憩室は、職場のニーズや人数などに応じて、スペースの広さや自販機の数、机・椅子の数などの設備を確保します。
従業員の衣類や体が汚れた場合に利用できる、更衣室やシャワー室の設置も必要です。男女ともに安全に使えるよう、プライバシーを確保しなければなりません。
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温度や空気の質、救急用具など
上記の他、以下のような細かい部分も変更されています。
- 職場で維持すべき温度が18〜28度に変更
- 一酸化炭素・二酸化炭素の測定方法が変更
- 必要な救急用具は、各事業所で定めるよう変更
詳しくは、厚生労働省のページを参考にしてください。
職場における衛生管理の必要性
次に、職場において衛生管理が必要な理由について解説します。主な理由としては、従業員の心身を守り、生産性向上につなげるためです。
従業員の健康面や精神面を守れる
衛生管理が徹底されていない職場の場合、健康や精神に影響を及ぼすことがある他、ストレスになってしまうことも。それにより、ケガや病気につながることも否めません。
万が一ケガや病気が発生すると、会社として業務停止を余儀なくされたり、企業の信用問題につながり損害賠償請求されたりする可能性も考えられます。
職場の衛生管理を徹底することで、上記のリスクを避けられるでしょう。
従業員の安全意識を高められる
労働安全衛生法では、労働者への安全衛生教育を実施するよう義務付けられています。これにより、従業員側の安全意識が高まることで、事故や健康被害をさらに回避できるようになるでしょう。
従業員の生産性アップにつながる
職場の衛生管理の徹底によって従業員のストレスが軽減されれば、生産性や業務効率の向上につながります。
また、職場内でのコミュニケーションが取りやすくなるといったメリットも期待できるでしょう。従業員同士での意見交換が行われれば、職場環境の改善にもつながりやすいと言えます。
職場を衛生管理する際の主なポイント5つ
職場の衛生管理においては、特に重要なポイントがあります。従業員の健康や職場環境、従業員の教育など5つに分けて見ていきましょう。
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従業員の日常的な健康管理
定期的な健康診断などで、従業員の健康状態をチェックすることが必要です。これは、労働安全衛生法で定められています。
職場によっては、粉じんを始めとする有害な物質に触れることも。この場合は、健康被害を受ける可能性を考慮して、特殊健康診断を実施しなければなりません。
その他、身体的な面だけではなくメンタル面におけるケアも必要です。
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空気の質や適度な温度・湿度の管理
職場には人が集まるため、定期的に換気することが大切です。決められた測定方法で一酸化炭素や二酸化炭素を測定する他、空気清浄機の導入も検討しましょう。
また、「暑すぎる」「寒すぎる」といった環境は業務に支障をきたすため、温度管理も必要です。特に暑い場合は、熱中症など健康面への影響も出かねません。
温度に加えて湿度管理も大切。湿度が高いと不快なだけではなく、カビやダニの繁殖にもつながり不衛生です。
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十分な作業スペースの確保
1人あたりの適切な作業スペースを確保することも重要です。望ましいとされているのは、1人あたり10立方メートルのスペース。これだけ確保できていれば、他の従業員との距離感を保て、感染症や事故のリスクを軽減できます。
人との距離だけではなく、物の配置の仕方にも配慮する必要があります。物に囲まれていて作業スペースが狭いと、圧迫感からのストレスだけではなく、作業効率も悪くなってしまうでしょう。
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騒音や振動の対策
騒音や振動を感じると、作業効率が落ちる原因になってしまいます。気になる騒音や振動がある場合は、発生源を特定して対処や管理が必要です。
あらかじめ、以下のような騒音や振動の予防対策をしておくのもよいでしょう。
- 防音素材を使う
- 騒音や振動の影響を軽減できる専用の作業室を確保する
- 騒音や振動が発生する場所から距離を置く
- 二重窓や遮音壁を設置する など
- 従業員への教育
職場の衛生管理や安全対策においては、セミナーや研修を実施するなど、従業員の意識向上を目的とした教育も必要です。
正しい知識を伝えられるよう、保健師などの専門の人に教育を依頼するのが望ましいでしょう。もし直接教育してもらうのが難しい場合は、従業員に見せる資料を監修してもらうのもひとつです。
職場の衛生管理には「プラズマガードProアイリスエディション」がおすすめ
食品工場のカビ対策として、空間除菌システムを導入するのも有効な手段。アイリスオーヤマでおすすめしているのが、「プラズマガードProアイリスエディション」です。
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アイリスオーヤマの独自技術により、99.9%のウイルス除去を実現しているのも特徴です。低温プラズマを放電し、活性酸素や活性窒素を発生させ、それらがウイルスや菌に触れて分解することで除菌します。
また、除菌技術による長寿命イオンが空間を巡回することで、高温多湿な場所のカビの増殖を抑えられる点も魅力です。
設置した空間の空気の状態をPMセンサーで可視化できる他、クラウド上で共有されるので、スマホやパソコンなどからアクセスすればいつでも確認できます。

職場の衛生管理を徹底して業務効率化を
職場の衛生管理は「労働衛生管理法」で事業者に定められています。衛生管理を徹底することで、従業員が仕事をしやすい環境が整備される上に心身の健康を守れるでしょう。衛生管理のために、アイリスオーヤマの「プラズマガードProアイリスエディション」の導入も検討し、職場の業務効率化と生産性向上を目指しましょう。
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