掃除が行き届いた飲食店は、料理や接客以上に、来店した人に安心感と好印象を与えます。しかし、厨房や客席、エントランスなど掃除の範囲は広く、それぞれ手順も異なるため大変な作業です。本記事では、場所ごとの清掃方法や効率化のポイント、さらに役立つロボット掃除機までをわかりやすく紹介します。

【厨房まわり】飲食店の掃除のポイント
厨房が汚れていると、提供する料理にホコリが入り込んだり、食中毒を引き起こすリスクが高まったりします。目に見える汚れはもちろん、目に見えない汚れまでもしっかり落とす意識を持つことが大切です。
排水溝
排水溝の清掃を怠ると、においの原因になることがあります。理想は、ヌメリやにおいがない状態です。大まかにゴミを取り除いてから、デッキブラシなどで擦ります。油汚れに対応した洗剤を使うと汚れを落としやすいでしょう。最後に水で流せば、排水溝の清掃は完了です。
グリストラップ
バスケット部分は毎日、底に溜まったゴミは週に1回清掃するのが理想です。汚れを放置すると、悪臭や害虫の発生原因になりかねません。浮いている油をすくい上げる掃除用具や、バスケットにかぶせるネットなどの掃除グッズを活用すると効率良く清掃できるでしょう。トラップ内の清掃は、2~3ヵ月に1度行うのが理想です。
シンク
シンクの内部に発生するヌメリや汚れは、毎日の清掃で取り除きます。手が触れる取っ手や蛇口まわりも菌が付着しやすいため、忘れずに清掃しましょう。食中毒のリスクを減らすためにも、シンクの清掃は特に念入りに。洗剤やスポンジを使って丁寧に洗い、洗剤の残りがないように水でしっかりすすいで仕上げます。
換気扇
調理中に発生した油分は、換気扇の内部に付着し、やがて固まって蓄積していきます。こうした汚れを放っておくと、油が料理に混ざってしまう恐れがあるほか、火が引火するリスクも高まります。換気効率が低下すると厨房内の気温が上がり、余計な電気代がかかる原因になります。
掃除の際は、レンジフードを油汚れ用の洗剤を染み込ませた布で拭き取りましょう。ファン部分は取り外し、アルカリ性洗剤でしっかり擦ったあと、お湯で洗い流すと効率的です。
床
ゴミを取り除いてから水をまき、デッキブラシなどで床を擦って汚れを落とします。油汚れに効く洗剤を使うと良いでしょう。床に水が残ったままだと転倒の危険があるので、最後にしっかり水気を拭き取ります。
冷蔵庫
冷蔵庫の汚れを放置してしまうと、カビが発生しやすくなります。またフィルターがホコリで目詰まりすると冷蔵性能が落ちる原因に。扉のパッキンや棚板と庫内を定期的に清掃し、フィルターは水洗いしましょう。
【店内】飲食店の掃除のポイント
店の印象を左右するエントランスやホール。ついつい目が届きにくい調味料置きやイス、照明なども忘れずに掃除しましょう。
屋外・エントランス
店の第一印象を決める場所のため、毎日掃き掃除と拭き掃除を行います。屋外の看板や玄関マット、メニュー表、照明のホコリ・汚れもこまめにチェックしましょう。雨の日は、足元の泥汚れがつきやすく、床が濡れて滑りやすくなるため特に注意が必要です。落ち葉やゴミが溜まりやすいエントランスは、開店前と閉店後に掃除するのが理想的です。
ホール・客席
テーブルやイスはお客様ごとに拭き上げ、アルコール除菌を徹底しましょう。床の食べこぼしやホコリは、営業中も気づいたらすぐ掃除します。メニュー表や調味料容器も定期的に拭いて清潔に保つ必要があります。見落としがちな窓やパーテーションは週1回以上、エアコンや照明の上のホコリも月1回は清掃しましょう。
トイレ
どれだけ料理がおいしくても、トイレが汚いとお店の印象が悪くなりかねません。便器・床・ドアノブ・洗面台など、手が触れる場所を、毎日清掃・除菌しましょう。におい対策として換気や芳香剤の管理を徹底し、トイレットペーパーやハンドソープの補充も合わせて確認します。見逃しやすい鏡や蛇口の水垢やくもり、手垢は営業前にチェック。さらに、週に1度は排水口のヌメリやカビの掃除も実施します。
飲食店の掃除を効率良く習慣化するコツ
飲食店における掃除は、衛生管理やお客様の印象に直結する重要な業務。だからこそ手間を最小限にしつつ、清潔感を最大化する工夫が効率化、時短化の鍵となります。
掃除のマニュアルを作成して、作業を見える化する
掃除を習慣化する1つめのコツは、何をやるのか明確にすること。掃除のマニュアルを作成して、担当者が分かりやすいような見せ方をすると効果的です。写真付きの手順書を作る、どこを・いつ・どう掃除するかを一覧にしたマニュアルを壁に掲示するなどして工夫しましょう。マニュアルがあれば作業の属人化を防げ、新人への引き継ぎもスムーズです。
掃除のタイミングをルーティン化する
掃除の頻度をルール化することも大切です。「閉店後にテーブル下」「水曜は冷蔵庫チェック」など、ルーティンに組み込むことで習慣化しやすくなるでしょう。清掃箇所を「毎日・週1・月1」など頻度ごとに分類します。
持ち回り制にする
掃除の担当を固定せずに交代制にすれば、店内のどこにどんな汚れが発生しやすいか、全員が把握できるでしょう。誰が休んでも対応できる仕組みにすることは、継続の土台にもなります。また担当者を見える化することで、スタッフ間の負担の偏りを防ぎやすくなるというメリットもあります。
チェックリストを運用する
掃除のチェックリストを活用するのもおすすめです。「やったつもり」のまま抜けてしまう作業を防げるうえ、1つずつ完了を確認することで達成感も得られます。こうした目に見える成果は、掃除の習慣化にもつながりやすいポイントです。さらに、名前を記入する欄を設けておくと、自分の担当作業に対する責任意識が生まれやすくなります。
飲食店の掃除の負担を減らしさらに効率化する方法
日々の掃除がうまく回る仕組みを作れたら、さらなる効率化を考えてみましょう。手間がかかって自力で掃除するのが大変な場所は外注する、またロボット掃除機を活用して作業の負担を減らすといった方法があります。
手間がかかる場所は清掃業者に外注する
グリストラップ、天井、エアコンなど、手間とリスクの高い場所はプロに清掃を任せたほうが、結果的にコスパが良いといえます。月1回など定期契約をしておくことで、スタッフの心理的負担も軽減するうえ、保健所対策やトラブル予防にもつながります。
ロボット掃除機を活用する
床は範囲が広く、清掃の作業負担が大きい場所です。ロボット掃除機を使えば、アイドルタイムや営業時間外に稼働できて効率的です。設定したルートを自動走行して清掃でき、掃除のやり忘れ、ばらつきも防げます。
ロボット掃除機による清掃は人がやる掃除に比べて作業にムラがなく、品質を一定に保つことが可能です。飲食店に多い油汚れ・食べこぼしなどにも対応したモデルもあり、想像以上に実用的といえます。
また近年のモデルはセンサーやマッピング機能が搭載され、障害物を避けながら効率的に清掃可能です。コンパクトなモデルなら、小さな店舗でも導入しやすいでしょう。導入コストはかかるものの、長期的には人件費・時間の節約になると考えられます。
アイリスオーヤマのロボット掃除機
アイリスオーヤマの床拭きロボット掃除機の特長を紹介します。施設の規模や用途に合わせて最適なモデルを選べ、導入から運用定着までを一貫サポートするサービスがあります。ロボットと人の最適なシフト作成、マニュアル作成など運用の定着化を支援するなどアフターフォローも万全です。
Whiz i アイリスエディション
吸引タイプのロボット掃除機です。オプションのサイドモップを取り付ければ、死角となりやすい壁際や什器の下を同時に清掃でき、最大3.6時間の長時間運転で約1,800㎡をカバーします。清掃後の菌量は半減され、高性能なフィルターで空気中の浮遊菌量を1/5まで削減することも実験により実証済みです。こちらも専用ツール「WhizConnect」で簡単に遠隔管理できます。
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飲食店の掃除を効率化しよう
飲食店の掃除は、日々の積み重ねと効率化の工夫が大切です。場所別の掃除方法や適切な頻度を押さえ、手間がかかる部分には外注やロボット掃除機の活用も検討しながら、自社に合った方法で効率化を実現しましょう。ぜひ、清潔で快適な店づくりに役立ててください。
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