【2024年】工場の省エネ対策最前線│改善事例から学ぶヒント4選

コラム

国際的な社会課題となっているエネルギー問題の対策として、省エネへの関心が非常に高まっています。工場においても省エネに取り組むことは重要ですが、具体的にどのようなアクションを起こせば良いのか悩む企業もみられます。そこで工場が省エネに取り組む必要性や、工場の省エネ改善事例を解説。省エネに役立つ空調管理システムも紹介します。

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工場が省エネに取り組む必要性

まずはなぜ工場が省エネ対策に取り組むべきなのか、その必要性について解説します。近年の社会情勢や経済状態により、エネルギーの価格・供給は不安定さを増しています。企業はこうした状況の中、コスト面や社会課題へのかかわり方など、さまざまな角度からエネルギーにアプローチしていくことが求められます。

 

値上がりが続くエネルギー価格によるコスト圧迫の打開策になる

工場の省エネ化の必要性について、避けて通れないのが昨今のエネルギー価格高騰です。省エネはエネルギー価格高騰によるコスト高を打開する方法のひとつ。製造業にとって稼働の源となるエネルギーはなくてはならないものですが、近年はその価格上昇が顕著です。化石燃料や天然ガス、電力などが軒並み値上がりし続けています。

 

エネルギー価格は社会情勢や経済の状態に大きく影響を受けるため、値上がりがいつまで続くのか、この先どうなるのかはっきり見通すのは難しいでしょう。特に日本は国内のエネルギー資源が少なく、輸入に頼っている部分が大きいため、今後もエネルギー価格が不安定な状態になる可能性は高いとみられます。

 

エネルギー価格の高騰によってコストが増え、経営が圧迫されている企業は少なくありません。これらの状況を鑑み、省エネに取り組んでエネルギー消費を削減することにより、コスト削減につながります。

 

エネルギー供給を安定させリスクを軽減する

エネルギーは安定供給を確保できるかという点もポイントです。エネルギー供給が不安定になると、工場の稼働状態も不安定になり、事業に大きな損失が発生する可能性も。消費するエネルギーが多いほど、多くのエネルギーを確保しなければならず、安定性を守るのは難しくなります。

 

そこで省エネに取り組み消費エネルギーを削減できれば、エネルギーの安定供給を維持しやすくなり、リスク対策につながるでしょう。

 

地球環境保護の機運が高まる社会においての企業姿勢を示せる

企業には利益追求だけではなく、社会や環境に対しての役割を果たす責任があります。エネルギー問題は国際的な社会課題であり、さまざまな国が現在進行形で解決のため取り組んでいるものです。

 

例えば、地球温暖化が深刻化するなか、CO2の排出量を削減することは避けて通れない課題です。工場はエネルギー消費量が非常に多く、CO2排出量の大きな要因の一つとなっています。工場が省エネに取り組んでCO2排出量を削減することは、地球環境保全への貢献につながります。

 

省エネによってCO2削減に取り組めば、地球規模の課題に主体的に取り組む企業姿勢を示せるでしょう。なお省エネは「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)」によって法的規則が定められています。近年は法改正などにより、さらに規制が厳格化。法令遵守という観点からも省エネをより意識していく必要があります。

 

工場の省エネ改善事例

 

ここからは、実際に省エネ対策に取り組んでいる工場の改善事例を紹介します。さまざまな対策を実施中の企業、すでに改善結果が得られ成功している企業など、多様な事例をピックアップしました。自社の省エネを考えるヒントにしてください。

 

事例①株式会社青海製作所

株式会社青海製作所は、輸送用機械器具の製造を行う企業です。製造の8割は購入電力をエネルギーとしていました。そこで省エネルギーセンターの省エネ診断に基づき、省エネ対策を実施。具体的には製造していない時間における待機電力の削減です。

 

製造に使用している機器の中には、待機中も製造中と同程度の電力を消費しているものがありました。また機器の設定が省エネを意識していないモードになっているものもあったようです。省エネ診断で提案された内容をもとに、各機器の設定変更や未使用時の完全停止などを行い、さらに太陽光発電も導入しています。これらの対策により、購入電力をほぼゼロにすることに成功しました。

 

事例②株式会社資生堂

日本有数の化粧品メーカー・資生堂は、掛川工場における省エネ対策が認められ、「2022年度省エネ大賞(省エネ事例部門)」の資源エネルギー庁長官賞を受賞しています。掛川工場は長年省エネへの取り組みを高く評価されていますが、近年製造量の増加に伴い消費エネルギー量も増加傾向に。そこで2020年に「省エネプロジェクト」を立ち上げ、改めて省エネ体制を見直すことになったのです。

 

エネルギー監視システムや生産・エネルギーのバランス予測システムなどを導入。エネルギー使用量の最適化を図り、また省エネへの意識改革を実施し、省エネへのモチベーションアップや積極的に参加しやすい仕組みづくりなどにも力を入れました。その結果CO2排出量を2021年と2019年で比較して1,585t(9.5%)削減することに成功しています。

 

事例③光洋精機株式会社

光洋精機株式会社は、生産用機械器具を製造する企業です。山形工場において、資源エネルギーセンターのエネルギー診断を受け、幅広い省エネ対策を実施しています。空調設備に関して、製品の品質管理に問題のない範囲で設定温度を緩和。空調室内機の定期清掃を増やす、省エネ向きの高効率空調機に切り替えるなども行いました。

 

また空気配管の修繕や変圧器の統合、油圧器のインバータ化などでも電力使用量の削減を意識しています。その他、デマンド管理や太陽光発電導入などにも着手しました。これらの対策を行うことで、エネルギー使用量は年34kL削減(原油換算)、エネルギーコストは年間280万4000円削減できると見込まれています。今後さらに取り組みを強化していく模様です。

 

空調設備で工場の省エネを目指すならエナジーセーバーがおすすめ

工場や倉庫における省エネ対策では、空調設備の改善も大きな効果が見込める部分です。工場は規模が大きいだけに、空調設備の消費エネルギー量も多くなります。実際に省エネに取り組む工場の中には、空調設備の見直しや改善を実施するところも多数みられます。

 

そこでおすすめしたいのが、既存のエアコンにそのまま設置できる空調管理システム、エナジーセーバーです。設定温度と室温の温度ムラを少なくし、エアコンでの冷やしすぎ、暖めすぎ等のムダな稼働を減らし、省エネ効果を発揮します。

 

設定温度自体は変更しないので、暑い・寒いを我慢することなく、快適に省エネを実現できるでしょう。実際にエナジーセーバーを導入した工場で、夏季の消費電力を30%前後削減できた事例もあります。興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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工場の省エネで大きくコスト削減を!自社に合った対策を進めよう

工場における省エネ対策の重要性は、今後もっと高くなっていくことが見込まれます。企業のコスト削減や社会的な役割などさまざまな背景はありますが、大切なのは具体的にアクションを起こすことです。省エネに取り組む工場の改善事例も参考にしながら、自社の工場にはどのような改善点があるのか、省エネを実現するにはどのような対策が必要なのか、じっくり考え実施していきましょう。

 

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