5Sとは?整理・整頓・清掃・清潔・しつけで実現する職場環境の改善

整頓されたオフィス
コラム

5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」のことで、職場環境を改善し、生産性と効率を向上させるための活動を指します。この記事では5Sの概要、その目的やメリット・デメリット、導入の進め方について解説。さらに5Sを超えた取り組みとして3Q6Sと7Sといった活動も紹介します。

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5Sとは

5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字のSからきた言葉です。職場環境の改善や維持活動のスローガンとして、主に製造業などで広く用いられています。

整理 必要なものと不必要なものを区別し、不要なものを処分すること
整頓 必要なものを使いやすい場所に配置すること
清掃 作業空間をきれいにすること
清潔 清潔
「整理」「整頓」「清潔」を実践し、きれいな状態を維持すること
しつけ 決められたルールを守り、習慣づけること

基本の「整理」「整頓」「清潔」の3つは、まとめて「3S」と呼ばれます。
 
「3S」についてはこちらで詳しく紹介しています。

5Sの目的とは

 

PCのある作業台

5Sの目的は職場のムダを徹底的に除き、職場の課題解決につなげることです。単なる整理整頓や美化活動ではなく、生産性の向上や安全性の確保、従業員の意識改革を通じたモラル向上を目指すものです。5Sを導入することで作業効率が高まり、リードタイムの短縮や生産性の向上が期待できます。

 

また職場環境の整備が安全性の向上につながり、従業員のモラル向上のきっかけに。5Sは職場環境の継続的な改善のみならず、人材育成も実現する活動です。

5Sのメリット・デメリット

書類を片付ける人

5Sは作業効率や生産性を向上させるなど、職場環境にさまざまなメリットをもたらします。ただし、実行することだけに目を向けるとかえって生産性を損なうことも。効率的に5Sを実施するため、デメリットも確認してください。5Sを実施するメリットとデメリットを詳しくみていきましょう。

5Sのメリット

作業の効率化・生産性の向上     

大きなメリットは、5S活動により整理・整頓を徹底することでムダを排除できる点です。一つの作業にかかる時間が短縮され、その結果、全体の効率化や生産性の向上が期待できます。また作業時間の短縮により残業時間の削減ができ、ワークライフバランスも整えられます。    

安全性の向上

職場環境を整理・整頓することで事故やケガのリスクを減らし、安全性を向上できるのもメリットです。

 

資材や工具、機械などが乱雑に置かれていたり、適切なメンテナンスがされていなかったりすると、劣化によるトラブルや思わぬ事故を招くリスクがあります。5Sにより作業環境が整い、より安全に作業が行えるようになります。

 

従業員のモラル向上

5S活動を通して職場改善に参加することで、従業員のモチベーションや責任感が高まり、モラルの向上が期待できるのもメリットの一つです。

 

ゴミが落ちていても当たり前では、作業環境が荒れて大きな事故につながりやすいでしょう。従業員のモチベーションも下がり、作業効率にも悪影響を及ぼすことに。5Sを徹底して職場や身の回りをきれいに維持することで、従業員の仕事に対する意識を改善でき、満足度も高められます。

 

また5Sを推進するためのルールづくりや改善案を話し合えば、従業員同士のコミュニケーションも増やせます。

 

QCDの向上

5Sは品質(Quality)・原価(Cost)・納期(Delivery)の向上に効果的です。5Sにより作業環境が整うことで、従業員が安全に集中して作業できるため、製品の品質向上や不良品の発生率低下が期待できます。作業のムダが減ることで単価あたりの作業時間や人件費を減らせ、コスト削減や納期の短縮につながります。     

 

5Sのデメリット

コストや労力の負担

5S活動の導入には準備や教育、設備の整備が必要なのが大きなデメリットです。5S活動の準備や教育、設備の整備には時間やコストがかかり、現場の負担になりがちです。特に導入当初は整理・整頓や清掃作業が習慣づけできていなくて時間がかかるでしょう。従業員に過剰な負担がかかり、かえってストレスや反発が生じることもあり得ます。

 

長期的な維持や管理が必要

5Sは効果が表れるまで時間がかかるため、長期的な維持や管理が必要なのもデメリットです。長期にわたって習慣づけることで、徐々に作業効率や生産性が向上します。短期間では目に見える効果は表れにくいため、途中で5S活動をやめる企業も少なくありません。従業員へ5Sを定着させるには時間がかかります。長期的な視点での取り組みが必要です。

 

5S導入の進め方とポイント

5S活動方針を話し合う人々

5S活動の導入は段階的に分けて進めましょう。目標設定や現状を可視化し、ルールを作成して実施していきます。実施後は定期的に見直すことも大切。それぞれのポイントについて説明します。

1. 目標を設定する

5S活動の目的や意義を全員が共有できるよう、目標を設定します。5S活動により、どのような問題点を改善するのか、どのような効果を得たいのかを洗い出します。「作業時間を〇時間減らす」「売上を〇%UPさせる」というように具体的に数値化した目標設定が大切です。

 

2. 現状を可視化する

次に現状の業務プロセスを可視化し、流れを把握できるようにします。職場を整理、整頓するには、何が必要で何が不要かを明確にすることが必要です。業務プロセスを把握できると、ムダや課題を洗い出してどこに改善する余地があるかを明確にできます。

 

3. ルールを作成する

5S活動のルールを設定し、マニュアルを作成します。ルールを決める際は、活動の当事者である従業員全員の意見を組み込むことが大切です。トップダウン式で現場に即せず、知識だけでルールを決めると作業が進みにくく、定着しにくいでしょう。  

 

4. 定期的に見直し、改善する

5S活動をスタートした後は定期的に見直し、改善を続けていきます。活動のレポートを作成し、現状を共有すると良いでしょう。見直しと改善を繰り返すことが、5S活動を運用する上で特に重要です。

5Sを超えた取り組み

製造管理をする人

5Sに独自の項目を加えて進化させている企業や業界もあります。5Sを超えた取り組み例として、ニデック株式会社(旧日本電産株式会社)の3Q6S、食品衛生7Sや物流業界の7Sを紹介します。

ニデック株式会社(旧日本電産株式会社)の3Q6S

3Q6Sとは「良い社員(Quality Worker)」「良い会社(Quality Company)」「良い製品(Quality Products)」の3つのQと5Sに「作法」を加えて6Sにしたものです。日本の電気機器製造会社であるニデック株式会社の社員の行動規範として、ニデックグループ全社で推進しています。

食品衛生7S

食品業界で提唱されている食品衛生7Sとは、5Sに食品を扱う際に不可欠な「洗浄」と「殺菌」の2つのSを加えたものです。「整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌」を「しつけ(習慣)」として行い、「清潔」な状態を目指します。食品の安全・安心を守る仕組みづくりの基本となる考え方です。

 

物流業界の7S

物流業界における7Sとは、5Sに「しつこく」「しっかり」の2つのSを加えたものです。この7Sは東芝グループでも取り入れられ、業務効率化と品質向上のための基盤になっています。

 

一部の企業では、「しつこく」「しっかり」の代わりに「安全(Safety)」「安心(Smile)」の2つを加えて7Sとしています。       

5Sに活用できるアイリスオーヤマのおすすめDX清掃ロボット「Whiz i アイリスエディション」

Whiz i アイリスエディションの商品画像

清掃ロボットを活用すれば5Sの品質向上が可能です。アイリスオーヤマのDX清掃ロボット「Whiz i アイリスエディション」を紹介します。

 

「Whiz i アイリスエディション」なら、舞い上がるほこりを大幅に削減しながら、確実に汚れを取り除くことが可能。1回目に手押しで清掃ルートを登録しておくと2回目以降はスタートボタンを押すだけで自動走行でき、人員不足の解消や人的コストの削減が叶います。最大77%の清掃コストが削減可能※です。

※1,800㎡での清掃を想定した比較。日本ビル新聞社『ビルメンテナンスの積算&見積カーペットの作業能率』を参照し当社にて試算

 

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5Sで安全性が高く、効率的で快適な職場を実現しよう

快適なオフィスで会話する従業員

5Sとは整理・整頓・清掃・清潔・しつけを通じて、職場環境を整えて作業を効率化し、生産性や安全性を向上させるものです。そのメリットは効率的な作業環境の整備にとどまらず、従業員のモラルの向上やQCD(品質、コスト、納期)の向上にもつながります。職場環境を改善し、従業員の意識を向上させるためにも、5Sの導入を検討してはいかがでしょうか。

 

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