アルコールチェッカーの寿命とは?買い替え時期とメンテナンス方法も解説

更新日:2025年10月09日
コラム

アルコールチェックの義務化により、多くの企業でアルコールチェッカーの導入が進んでいます。アルコールチェッカーには年数や使用回数に応じた寿命があり、メンテナンスや適切な買い替えが不可欠です。本記事では、アルコールチェッカーの寿命の目安や見極めるポイント、買い替え時期の判断基準、点検・メンテナンスの方法を解説します。

 

アルコールチェックの法的リスクについて詳しく知りたい方はこちら
◆この資料でわかること
・アルコールチェック義務化について
・最適なアルコールチェッカー導入のポイント
・クラウド管理可能なアルコールチェッカーについて

アルコールチェッカーの寿命の目安

 

アルコールチェッカーは、使用年数による期限(耐用年数)や使用回数に上限が設けられており、どちらかが上限を超えた時点で寿命と判断されます。それぞれの目安を解説します。

 

使用期限(耐用年数)の目安

一般的なアルコールチェッカーは、購入後1年から1年半程度の使用期限が定められています。使用期限が設けられている理由は、アルコールチェッカーのセンサーや内部の電子部品が劣化し、アルコールを検知する精度が落ちることを防ぐためです。アルコールチェッカーの使用開始日やセンサーの交換日を正確に記録して、使用期限の目安を把握しておきましょう。

使用回数の目安

アルコールチェッカーにはハンディタイプ(持ち運び型)と業務用の据え置きタイプがあり、使用回数の目安は異なります。ハンディタイプの目安が1,000回~10,000回に対し、業務用の据え置きタイプでは50,000回以上の使用が想定されている製品も。一般にハンディタイプのアルコールチェッカーに比べ、据え置きタイプの方が寿命は長い傾向にあります。

 

アルコールチェッカーの種類

 

アルコールチェッカーには半導体式ガスセンサー、電気化学式(燃料電池式)センサーの2種類に分けられ、仕組みや特徴が異なります。

2つの違いを下記にまとめました。

 

種類 仕組み 主なメリット 主なデメリット 適している用途
半導体式ガスセンサー 酸素とアルコールの反応による電気抵抗値の変化で測定 ・価格が安い・結果がすぐ出る ・センサー交換不可・誤反応の可能性・耐久性が低め 手軽に導入したい場合使用頻度が低い場合
電気化学式(燃料電池式)センサー アルコールを燃料に電気を発生させて測定 ・検知精度が高い・耐久性に優れる ・価格が高い・結果が出るまで時間がかかる 精度重視の場合頻繁に使用する場合

 

アルコールチェッカーの有効保持義務とは

 

2023年12月施行の道路交通法改正により、安全運転管理者を置く事業所は、運転者の酒気帯び有無をアルコールチェッカーで確認し、その結果を記録・1年間保存する義務が課せられました。またアルコールチェッカーは「常時有効な状態」で保持する必要があり、正確な測定ができるよう適切な管理・点検・交換を行うことが求められます。

「常時有効な状態」とは、アルコールチェッカーが正しく測定できるよう管理・点検し、必要に応じて交換・買い替えすることを指します。取扱説明書に従った保守が必要です。

<対象となる事業所>
11人以上乗車の車両を1台以上、または5台以上の自家用車(バイクは0.5台換算)を使用する事業所

<実施義務>

  • 運転前後に目視とアルコールチェッカーで酒気帯び確認
  • 確認結果を記録・1年間保存
  • チェッカーを常時正しく使えるよう管理・交換

 

寿命が切れたアルコールチェッカーのリスク

 

寿命が切れたアルコールチェッカーは正常に機能しなくなる恐れがあり、さまざまなリスクを伴います。ここでは代表的な4つのリスクを説明します。

リスク1. 正確な測定ができなくなる

使用期限や回数を超えるとセンサーが劣化している恐れがあり、そのまま使用しつづけると正確な測定ができなくなります。

 

センサーの不具合により、呼気にアルコールが含まれていなくても高いアルコール数値が出てしまったり、逆にアルコールが含まれているのに数値が出なくなってしまったりすることも。アルコールチェッカーを用いたチェックの安全性・信頼性が確保できなくなります。正確な測定ができずに、運転業務中の事故や過失につながってしまう可能性があります。

リスク2. 測定した数値が記録できなくなる

業務用のアルコールチェッカーには測定した数値の記録機能がついたものがありますが、寿命が来てしまうと数値を正しく記録できなくなることがあります。正しく記録できずに管理できなくなり、検査結果を報告する際に正しい報告ができません。

 

また点呼時に記録する点呼記録簿は1年間の保存義務があります。寿命がきたアルコールチェッカーでは虚偽の結果を残すことにつながります。

リスク3. 業務に支障が出る

寿命を迎えたアルコールチェッカーは、突然使えなくなることがあります。急に替わりの調達が必要となり、余分な費用がかかったり、調達できるまで業務に支障が出てしまったりする可能性も。

リスク4. 法令違反になる

アルコールチェッカーが正常に使えない状態では、法令違反になります。2022年10月の道路交通法の改正に伴い、安全運転管理者を設置している事業所にはアルコールチェッカーを用いたアルコールチェックが義務化されています。

<実施すべき項目>

  • 運転前後に運転者の状態を目視等で確認すると共に、アルコールチェッカーを使用して酒気帯びの有無を確認すること
  • 酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること
  • アルコールチェッカーを常時有効な状態※で保持すること

 

※「常時有効な状態で保持する」とは、常に正確に測定できる状態を保つことを意味します。メーカー提供の取扱説明書に従った適切な使用や管理、メンテナンスが必要です。

 

アルコールチェッカーの買い替え・センサー交換のタイミング

 

アルコールチェッカーは寿命が来たり、故障や不具合が出たりしたら買い替えのタイミングです。センサー交換ができるタイプは、交換の告知が届いたタイミングで交換を依頼します。

寿命が来たタイミング

センサー交換ができないアルコールチェッカーは、寿命が来たタイミングで本体ごと買い替えます。寿命が来た場合、いつ不具合が出てもおかしくない状態です。突然、使えなくなるかもしれません。取扱説明書で定められた使用期限や回数を確認し、余裕を持って買い替えましょう。

製品によっては、買い替え時期をメールで通知するサービスや使用回数が上限に近づくと本体が音やライトで通知する機能を備えたものもあります。

故障、不具合が出たタイミング

寿命が来ていなくても、故障や不具合が出たら買い替えるタイミングです。

使用期限や使用回数に達していなくても、反応速度が低下した、測定値が安定しない、ボタンが反応しづらいといった不具合が発生することがあります。正確な測定ができないアルコールチェッカーは安全管理上のリスクとなるため、速やかに買い替えましょう。メーカーによっては、保証期間内であれば無償で修理や交換に応じてもらえる場合もあります。

センサー交換の告知が届いたタイミング

センサー交換の告知が届いたら、そのタイミングで交換します。センサーの交換可能なアルコールチェッカーには、センサーの交換時期をランプなどで自動的に告知が届くものがあります。使用した回数や使用期限に応じて、アルコールチェッカー本体から通知されたり、製造元から郵送で届いたりすることも。告知が届いた場合は、たとえ不具合が出ていなくても、速やかな交換が必要です。

 

アルコールチェッカーのセンサー交換方法

 

寿命が来たアルコールチェッカーは、センサー交換が必要です。事前に寿命が来ている旨をメーカーに連絡し、依頼しましょう。

手順は以下の通りです。

  1. メーカー(または製造元)に依頼する
  2. アルコールチェッカーを送付する
  3. メーカーで新しいセンサーに交換してもらう
  4. メーカーからセンサー交換済みのアルコールチェッカーが返送される

 

不具合や故障による修理や交換も同様の手順で行うのが一般的です。アルコールチェッカーは精密な機器のため、専門知識があっても自身で交換しないようにしてください。

 

アルコールチェッカーの点検・メンテナンス方法

 

アルコールチェッカーを正確に測定できるように保つため、点検や定期的なメンテナンスが不可欠です。国土交通省や警察庁は、日常点検や週1回以上の確認を推奨しています。

日常点検①毎日

運転前にアルコールチェックを実施する際や外出先にアルコールチェッカーを持ち出す場合は、持ち出す前にアルコールチェッカーの状態を確認します。

<持ち出す前に確認すべき項目>

  • 電源が入るかどうか
  • 本体が損傷していないかどうか

日常点検②週に1回

週に1度以上、正確に測定できるかを確認します。

<確認すべき項目>

  • アルコールを含んでいない呼気で反応が出ないか(測定値が0か)
  • アルコールを含んだ呼気で反応があるか

<確認手順>

  1. アルコールを含んでいない人がアルコールチェッカーを吹く
  2. 測定値が0になることを確認する
  3. アルコール成分を含むマウススプレーなどを使用し、再度アルコールチェッカーを吹く
  4. アルコールが検知されることを確認する

メーカーによるメンテナンス

アルコールチェッカーは精密機器です。寿命が来たタイミング以外でも、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスはメーカーに依頼して行ってもらいましょう。メンテナンスの主な内容は、正しいタイミングでのセンサー交換です。

 

メンテナンスを怠った場合の罰則

 

アルコールチェッカーは、ただ設置するだけではなく、常に正常に使える状態に保つことが求められています。これを守らなかった場合、事業者には次のような罰則が科される可能性があります。

◆アルコールチェッカーを準備していなかった場合(緑ナンバー)
初違反:車両使用停止 60日
再違反:車両使用停止 120日

※白ナンバーには直接的な罰則はありませんが、是正措置命令が出される可能性があります。

◆アルコールチェッカーのメンテナンスを怠り、正常に使用できなかった場合(緑ナンバー)
初違反:車両使用停止 20日
再違反:車両使用停止 40日

※白ナンバーの場合も、重大な業務違反と判断されれば、是正措置命令や安全運転管理者の解任命令が下されることがあります。

 

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アルコールチェッカーの寿命を知り安全運転管理を徹底しよう

 

アルコールチェッカーには使用期限や使用回数に上限があり、どちらかを超えると寿命です。寿命を迎えたままで使用していると、測定精度の低下や故障のリスクが高まります。アルコールチェッカーの寿命を知ることで、安全運転管理やアルコールチェックの数値の記録義務を守ることにつながります。寿命を確認し自社に合ったアルコールチェッカーを選び、飲酒運転の防止を徹底しましょう。

▼内部リンク
https://www.irisohyama.co.jp/b2b/itrends/articles/1621/

 

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