近年、SDGsへの関心の高まりや電気代の高騰などから節電が求められています。節電効果の高い空調機も販売されていますが、導入コストから買い替えを躊躇する場合があるでしょう。本記事では、買い替え不要で実践できる空調機の節電方法を解説します。併せて節電対策におすすめの空調制御システムも紹介します。

空調機の節電効果はどれくらいある?
一般家庭やオフィスをはじめ、工場や店舗など大型施設の消費電力において空調機の占める割合は大きく、経済産業省によれば、夏季のオフィスでは空調機が消費電力の約49%を占めています。空調機を節電することで全体の消費電力を抑えられます。
空調機の温度設定を見直すだけで節電効果が期待できます。設定温度を1℃緩和した場合の消費電力は、冷房時約13%、暖房時約10%の削減が可能です。環境省では快適性を損なわない範囲での省エネルギーを目指し、室温を夏季28℃、冬季20℃を推奨しています。
夏の冷房の空調節電方法
空調機の温度設定を調節する以外にも、節電効果を高める方法があります。ここからは、空調機の節電方法について、夏の冷房と冬の暖房に分けて見ていきましょう。冷房使用時は少しの工夫で効果的に室温を下げると、節電だけではなく快適さも手に入ります。
1. 風量を自動設定にする
空調機の風量を「自動設定」にすると、余分な電力を消費せずに節電に効果的です。空調機は電源を入れた直後や設定温度にまで温度を下げる時に電力を消費します。微風や弱風では室内がなかなか冷えず、設定温度に達するまでに時間を要し、結果として電力を消費します。
自動設定にすれば、室内が冷えるまでは強風、設定温度に達してからは微風というように効率良く風量を調節してくれます。
2. こまめにフィルターを清掃する
空調機のフィルターを清掃すると空気の流れがスムーズになり、節電効果が期待できます。フィルターにホコリが詰まった状態では空気の循環が悪く、運転効率が落ちます。余分に電力を消費するため、電気代がかかります。
環境省によると、フィルターの掃除をすることで冷房時に約4%消費電力の削減に。フィルター掃除頻度の理想は2週間に1回です。
3. 室外機をメンテナンスする
室外機をメンテナンスすることも大切です。室外機は冷媒ガスを介して室内機から吸い込んだ熱い空気を冷却し、熱を屋外に放出する役割を担っています。室外機にゴミが溜まっていたり、吹き出し口付近に物があったりすると熱を放出できません。そのため熱が溜まり、運転効率が下がって余分な電力を消費し、最悪の場合、故障につながることも。
季節に合わせて、すだれで室外機に直射日光が当たらないようにする、まわりに物がないかを確認するなどメンテナンスをしましょう。
4. サーキュレーターを活用する
冷房使用時にサーキュレーターを併用するのもおすすめです。冷たい空気は下に溜まりやすい性質があります。サーキュレーターにより空気を循環させれば、室内の温度ムラがなくなり冷房効果を高められ、空調機の設定温度を下げなくても涼しくできます。
5. カーテンやブラインドを利用する
カーテンやブラインドで日差しを遮るのも効果的です。日差しを遮ることで日光の熱を遮り、室内の温度が上がるのを防げます。カーテンやブラインドのカラーは、光を反射する白や淡い色がおすすめ。黒や濃い色は熱を吸収してかえって、暑くなる場合があるので注意しましょう。
エアコンの冷房×サーキュレーターの節電効果は?併用で電気代を節約しよう
暖房×サーキュレーターで効率よく電気代節約!併用するメリットや置き方
冬の暖房の空調節電方法
続いて、冬の暖房の節電方法を紹介します。暖房機能は消費電力が大きく、夏に比べると電気代が高くなる傾向に。室内の温度ムラを抑えたり、風向きを設定したりして対策しましょう。
1. 風向きを設定する
暖房の風向きを下向き(水平に対して60度以上)にして床から暖めましょう。暖かい空気は上に向かい、天井付近に溜まりやすい性質があります。下向きにすることで、暖房から出た空気は下から上へと循環し、すばやく部屋全体を暖められます。
2. サーキュレーターを活用する
サーキュレーターを活用し、室内の温度ムラを抑えるのも効果的です。冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まりやすい性質があります。空気を循環させることで、温度ムラが解消され、暖房の設定温度を上げなくても、室内が暖かくなるので節電に効果的です。
サーキュレーターで空気を循環させるなら置き方がポイントです。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
3. 部屋にいる時は付けっぱなしにする
部屋にいる時は空調機を付けっぱなしにし、スイッチのオン・オフをひかえましょう。空調機は寒い部屋を一気に暖める際に電力を多く使用します。設定温度まで温めた後、温度を維持する際の電力は少ないのです。
部屋が暖かくなったら空調機を止め、寒くなったら再度スイッチを入れるというように、こまめな温度調節をすると電力の無駄遣いに。温度調節は、空調機の自動調節機能に任せる方が節電につながります。
4. カーテンを工夫する
カーテンを工夫すると外気温の影響を軽減して室内の温度を保てるため、空調機の節電に効果的です。上下部分の隙間なくカーテンを垂らせば、冷気の侵入を防げます。保温効果が高くなり、室内の暖かさを保てます。遮熱シートをカーテンに利用するのもおすすめです。
工場のような広い施設であれば、ビニールカーテンを使用するのも良いでしょう。範囲を絞ることで空調機が効率的に稼働し、保温や節電につながります。
空調機の節電におすすめ!アイリスオーヤマ「エナジーセーバー」
工場や倉庫、大型店舗で効率良く空調機の節電をするのにおすすめなのが、今ある空調機に取り付けてAIで管理する、アイリスオーヤマの空調管理システム「エナジーセーバー」です。エナジーセーバーについて詳しく紹介します。
既存の空調機に取り付け可能
エナジーセーバーは既存の空調機に取り付けるだけで、省エネを実現できます。一般的に空調機の入れ替え作業は大規模な工事が必要です。エナジーセーバーなら空調機の吸気口と給気口の2ヵ所に高性能な温度センサーを取り付け、本体を空調機の横に設置するだけで完了です。
空調機メーカーの各社に対応し、メーカーを問わずに取り付け可能なので導入費用を抑えられます。自治体によっては省エネルギー設備等導入支援事業補助金など、補助金や助成金の対象です。
AIが空調機の運転を最適化
空調機の吸気口と給気口に取り付けた2つの温度センサーで室温を保ちながら、AIが温度の上下変動を最適化します。温度ムラをなくし、コンプレッサーの無駄な稼働を防げます。空調機に負担をかけず、快適な空間を保ったまま消費電力の無駄を削減。最大40%の省エネを実現※します。
※アイリスオーヤマ調べ。冷房時の最大削減率。暖房時の場合15~20%削減。
導入までの流れ
エナジーセーバー導入の流れは以下の通りです。
- 資料請求・お問い合わせ
- 削減効果のご案内(状況をヒアリングして、導入でどれくらいの削減効果が見込めるのか試算した上、最適な設置案をご提案)
- 設置・工程確認の打ち合わせ
- 設置工事・初期設定
導入施設にて設置工事を行い、初期設定した後、引き渡します。
多彩な利用プラン
利用については、機器の一括購入・リースとアフターサービス等を含めた「あんしん空調得要エネパック」を用意しています。
「あんしん空調得要エネパック」では、年1回の定期・空調点検や毎年夏冬1回ずつの運用設定・サポートを受けられます。保証期間や無料訪問サポートは、利用期間の7年の間ずっと。手厚いサポートを希望する方におすすめです。
カスタマーサクセスチームが、土日も対応のサポートコールでアフターフォローを行っているので緊急時でも安心です。サポートコール対応では難しい場合は、現場へ伺います。
<エナジーセーバーの詳細はこちら>

空調機を節電して省エネ対策につなげよう
空調機の設定温度を1℃抑えるだけでも、約10%から約13%の消費電力を削減できます。また室内の温度ムラを抑えたり、こまめにフィルターを清掃したりといった工夫が大切です。さらに、サーキュレーターやカーテンを活用すると快適な室温が保てるだけではなく、節電効果も期待できます。季節に合わせて空調機の節電を行い、省エネ対策につなげてみませんか。
※こちらに掲載されている商品情報・価格・キャンペーンは掲載日時点での情報です。
※価格は変動することがございますのであらかじめご了承ください。