電子黒板は、今や教育現場に欠かせないツールとなりつつあります。普及率は年々高まり、日本国内では約80%以上の学校が導入。しかし、導入する際のコストや運用の課題から、まだ電子黒板を導入していない現場も存在します。本記事では、電子黒板の概要と普及率、メリットやデメリットなどを解説します。
電子黒板とは?
教育現場において、ICT活用が進む中で注目されているのが電子黒板です。従来の黒板やホワイトボードに代わるこのツールは、授業の効率化や双方向型の学びを可能にする革新的な技術を搭載しています。ここでは、電子黒板の基本的な特徴と、種類ごとの特長を詳しく解説します。
電子黒板は黒板やホワイトボードのデジタル版
電子黒板は、従来の黒板やホワイトボードにデジタル技術を取り入れた教育用ツールです。板書や教材の投影だけではなく、タッチ操作やデジタルペンを使って直感的に書き込むことが可能です。また、授業内容をデータとして保存・共有できるため、復習や遠隔授業でも効果的に活用できます。
このような機能により、電子黒板は教育現場の効率化を図り、生徒の学習理解をサポートします。さらに、ICT教育を推進する重要な役割を担っていて、教室内での視覚的な教材表示だけではなく、デジタル技術を活用した双方向授業やオンライン教育の実現も可能です。
電子黒板の種類
電子黒板には主に以下のような種類があります。
タッチディスプレイ型 |
・専用ペンや指で直感的な操作が可能 ・起動が速く、可搬スタンドで教室間の移動がしやすい ・鮮明な画像表示で視覚的にわかりやすい授業が可能 |
プロジェクター型 |
・プロジェクターで映像を投影し、専用ペンや指で操作 ・投影サイズを柔軟に調整することが可能 ・壁掛けや天吊り設置で教室スペースを有効活用できる ・LEDやレーザー光源採用モデルでは明るさや起動時間が短縮される |
ユニット型 |
・専用ユニットを装着するだけで、既存のホワイトボードや黒板を電子黒板として使用できる ・導入コストを抑えられる |
電子黒板の国内外の普及率
文部科学省の「令和3年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」によると、日本国内の公立学校における電子黒板の普及率は令和3年度時点で約8割に達しています。ICT教育を推進する中で、電子黒板は教育現場に欠かせないツールとして広がりを見せていることがわかります。
海外の電子黒板普及状況は国や地域によってさまざま。韓国では、教育科学技術部と韓国教育学術情報院(KERIS)が主導となり、デジタル教科書の開発やICT環境の整備が進められ、教育現場でのICT活用が積極的に推進されています。
欧米諸国でも電子黒板の導入が進んでいて、特にイギリスやアメリカでは多くの学校で電子黒板が活用されています。
出典:文部科学省「令和3年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」
電子黒板を導入するメリット
電子黒板は、教育現場に新しい可能性をもたらすツールです。その導入によって、授業がどのように進化し、生徒の学びにどのような効果をもたらすのかを具体的に見ていきましょう。
授業の効率化と視覚的理解の向上ができる
電子黒板は、デジタル教材や図表を簡単に表示することで、生徒の理解をサポートします。特に、複雑な内容を視覚的に示すことで情報の整理がしやすくなり、授業を効率的に進めることが可能です。電子黒板の拡大表示機能やリアルタイムでの書き込み機能を活用すれば、重要なポイントを強調できます。
双方向型授業で生徒の主体性を引き出せる
電子黒板のタッチ操作や書き込み機能を活用して、生徒が授業に積極的に参加する機会を増やせます。例えば、生徒が電子黒板を使って意見を発表したり、問題の答えを書き込んだりすることで、主体的な学習を促進します。グループ活動においても電子黒板を使って、アイディアをその場で共有し、議論を活性化させることが可能です。
授業内容の保存と復習がしやすくなる
電子黒板は、授業で使用した内容をそのままデータとして保存することが可能です。これにより、生徒は授業後に学習内容を簡単に復習できる環境が整います。また、欠席した生徒にも保存データを共有することで、学習の遅れを最小限に抑えることができます。また、教員にとっても、過去の授業内容を簡単に呼び出して再利用できるため、授業準備の手間を大幅に軽減できるでしょう。
遠隔授業やオンライン教育に対応できる
電子黒板は、インターネット接続機能を備えているため、遠隔授業やオンライン教育にも対応可能です。画面共有や資料の表示が簡単にでき、対面授業に近い学習環境を実現できます。特にリモート環境での学習が求められる状況において、電子黒板は生徒と教員をつなぐ重要なツールとして活躍します。
教員の負担を軽減できる
電子黒板は、授業準備における紙資料の用意を省き、デジタル教材を効率的に管理・使用できる点が大きなメリットです。一度保存したデータをそのまま再利用できるため、毎回ゼロから準備を行う必要がありません。これにより、教員の負担が大幅に軽減され、生徒と向き合う時間をより多く確保することが可能になります。
電子黒板を導入するデメリット
電子黒板は教育現場に多くのメリットをもたらしますが、一方で導入にあたっていくつかの課題も存在します。ここでは電子黒板を導入する際のデメリットを解説します。
初期コストがかかる
電子黒板の導入には、高額な初期費用が必要です。機器の購入や設置工事、さらにネットワーク環境の整備など、初期投資が教育機関の予算を圧迫する可能性があります。導入後も保守や修理、ソフトウェアのアップデートなど、運用維持費が必要です。特に予算に限りがある学校では、これらの費用負担が大きな課題となる場合があります。
操作や運用に慣れるまで時間がかかる
電子黒板を導入した際には、教員や生徒が操作方法を覚える必要があります。特に、教員のICTリテラシーが高くない場合、電子黒板の機能を使いこなせるようになるまでに時間がかかることがあります。初期研修の実施やサポート体制の構築も必要になるため、スムーズな導入を目指す教育機関にとっては、負担が増える場合もあるでしょう。
システムトラブルが起きる可能性がある
電子黒板は、電源トラブルやソフトウェアの不具合が発生する可能性があり、これらの問題が授業の進行を妨げるリスクがあります。特に、機器の故障やネットワーク接続の問題が発生した場合、修理や対応に時間がかかることがあります。そのため、トラブル発生時に迅速に対応できるサポート体制を整えることが重要です。
教育現場での電子黒板の活用例
電子黒板は、授業の効率化や生徒の学習意欲向上に寄与する多彩な活用方法を持っています。ここでは、具体的な事例を紹介します。
1.和歌山市立芦原小学校
和歌山市立芦原小学校では、アイリスオーヤマの65インチ電子黒板を導入。図形や表の表示が容易になり、授業準備の時間短縮に貢献しています。また、電子黒板上での書き込み機能を活用することで、教師が考えをリアルタイムで伝えることが可能となり、生徒の理解度向上につながりました。

2.唐津市立鏡山小学校
唐津市立鏡山小学校では、アイリスオーヤマの65インチ電子黒板を導入しています。電子黒板に教材を大きく表示することで、生徒全員が内容を視覚的に確認しやすくなり、授業の理解度が向上しました。また、画像やクイズ形式の質問を映し出せる機能を活用し、生徒の興味を引きつけることで、より魅力的な授業の展開が可能となっています。

3.函館白百合学園高等学校
函館白百合学園高等学校では、電子黒板に投影されたデジタル教材を活用し、教員がペンツールを使って重要な部分を強調したり、追加説明を手書きで書き込んだりして授業を行っています。これにより、生徒は視覚的に学習内容を理解しやすくなり、授業の効果がさらに高まっています。

ICT教育を支える!アイリスオーヤマの電子黒板
アイリスオーヤマの電子黒板は、教育現場のICT化を促進するために設計された、多機能かつ使いやすいツールです。シンプルなインターフェースにより、特別なトレーニングが不要で、導入後すぐに活用できます。
Google モバイル サービスを標準搭載していて、スムーズな授業運営や生徒との双方向コミュニケーションを実現します。また、タッチ操作やデジタルペンに対応していて、従来の黒板の感覚で直感的に利用できるのも特徴です。
PC、タブレット、スマートフォンなどとのワイヤレス接続も可能で、ミラーリングや専用アプリを使用して簡単に画面共有が行えます。カメラとマイクを内蔵したオールインワンモデルのため、オンライン授業を迅速に開始できる利便性も備えています。
これらの特長により、アイリスオーヤマの電子黒板は、ICT教育の現場を力強くサポートするツールとして選ばれています。
<アイリスオーヤマの電子黒板の詳細はこちら>

電子黒板の普及率を知り、導入の一歩を踏み出そう
これからの教育現場では、電子黒板の普及が加速すると予想されています。視覚的にわかりやすい授業や双方向型授業、オンライン教育への対応力を高める電子黒板は、教育の質を向上させる重要なツールです。政府や自治体の支援を活用し、生徒により良い学びを提供・教員の負担軽減を実現するために電子黒板の導入を検討してみませんか。
※こちらに掲載されている商品情報・価格・キャンペーンは掲載日時点での情報です。
※価格は変動することがございますのであらかじめご了承ください。