大学DXの成功事例|導入メリット、課題と解決のポイントも紹介

DXのイメージ
コラム

デジタル技術の進化に伴い、大学でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目を集めています。大学内でDXを推進する際には、他の大学の成功事例を参考にするとイメージがわきやすいでしょう。この記事では、大学DXの導入メリットや成功事例、さらに直面しやすい課題と解決のポイントを説明します。

大学DXとは

パソコンで授業を受ける学生

大学DXとは、大学の業務や教育にデジタル技術を取り入れて効率化・革新する取り組みのことです。そもそもDXとは何か、なぜ大学においてDXが必要とされるのかを解説します。

 

そもそもDXとは

DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略で、直訳すると「デジタル変革」という意味。デジタル技術を用いて、社会や生活スタイルを変化させることを指します。日本では、2018年に経済産業省が発表したレポートにより広まりました。

 

参考:経済産業省「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」

 

大学DXが必要とされる背景

大学DXが求められる背景には、日本の少子化による大学進学志願者の減少に伴い、大学間の競争が激化していることが挙げられます。

 

競争力を高めるためには、コスト削減や進学志願者の確保、優秀な学生の輩出などが必要で、DX推進により経営の効率化を目指す大学が増えているのです。また新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、遠隔授業の必要性が高まったことも背景にあります。

文部科学省ではDXを通じて教育の機会均等を実現し、すべての学習者に質の高い教育を提供することを目標に「大学教育のデジタライゼーション・イニシアティブ(Scheem-D)」を推進しています。

 

参考:文部科学省「大学教育のデジタライゼーション・イニシアティブ(Scheem-D)」

 

大学DXの導入メリット

パソコンを見ながらディスカッションする大学生

大学DXを導入すれば、教育の質の向上、業務・コストの削減、遠隔授業の実現といったメリットが期待できます。それぞれのポイントをみていきましょう。

 

1. 教育の質を向上できる

デジタルツールや授業の特性に適したシステムの活用により、教育の質を向上できます。

 

例えばARやVRを活用すれば、学生は実際に体験しているような没入感を得られ、学習の理解や定着率が向上します。また学生の学習進捗や成果をデータに可視化することで、教員はきめ細やかな個別指導やサポートを提供しやすくなるでしょう。学生一人ひとりに最適な指導やサポートが可能になります。

 

2. 業務の効率化やコスト削減ができる

DXを推進することで、大学職員や教職員の業務効率化やコスト削減につながります。

 

従来、紙ベースで行っていた業務では、入力やファイリングといった手作業が発生していました。ITツールなどのシステムを導入して一元管理すれば、ペーパーレス化が実現でき、事務手続きの負担を軽減できます。

 

学生対応にチャットやアプリを利用することで、窓口対応の負担も減らせます。必要最低限の人数で事務手続きが可能なので、人件費の削減に。またペーパーレス化により、紙・インク代などのコスト削減が可能です。

 

3. 遠隔授業を実現できる

オンライン授業やウェビナーの導入により、リモートでの講義が可能になり、遠方に住む学生や障がいなどにより通学が難しい学生にも対応可能です。

 

さらにAIによる多言語翻訳や字幕機能を導入すれば、言語の壁も超えられ、海外からの学生も集められます。遠隔授業の実現により、教育機会の拡大とグローバルな授業展開が目指せるでしょう。

 

大学DXの成功事例

大学の校舎

DXに積極的に取り組んでいる大学の事例をみていきましょう。ここでは、東北大学、香川大学、大阪大学の取り組みを紹介します。

 

東北大学

東北大学では、ニューノーマル時代に対応すべく教育、研究、業務の各分野でDXを推進しています。

 

教育分野 「入試のDX」「学びのDX」として、オンラインオープンキャンパスの開催、インターネット出願システムの導入、対面授業とオンライン授業を効果的に併用した授業の実施など
研究分野 研究環境DX推進方策検討タスクフォース、研究DXサービスセンター、コアファシリティ統括センターによる研究DXの体制整備の推進など
業務分野 2020年6月「東北大学オンライン事務化宣言」を実施
「窓口フリー」「印鑑フリー」「働き場所フリー」の3つのフリーを掲げ、学内公募でプロジェクトチームを結成し推進

参考:東北大学DXナビゲーション

 

 

香川大学

香川大学では、DXの推進に向けた「デジタルONE戦略」を展開。教育・研究・業務の各領域でDXを推進し、分散したキャンパスをデジタルで統合する「デジタルキャンパス構想」を目指します。それに伴い、学生中心のDX推進チーム「DXラボ」を組織し、教職員との協働により業務システムの開発を行っています。

 

さらに2022年から「デジタルONEアンバサダー」を任命する活動を開始し、職員による業務システムの内製開発を推進。非情報部門の職員がノーコード・ローコードツールによる開発に取り組むようになり、2年間で179件もの業務システムを開発しました。

 

参考:香川大学DXラボ

 

大阪大学

大阪大学では、いち早く2006年に授業支援システム(LMS)を全学導入しました。その後もLMSとの連携を目指し、講義映像収録配信システム、双方向リアルタイム会議システム、SaaS対応プログラミング教育環境などを整備。コロナ禍でも、メディア授業へ短期間でスムーズに移行しています。

 

業務面では、全構成員の統合ID基盤「OUID(Osaka University IDentity)システム」を構築し、顔認証入場管理システムを導入しました。また生成AIサービス「Knowledge Stack」を全学事務部門に導入し、学内規定や通知文書をデータソースに事務文書の英語化や議事録作成、資料要約といったさまざま業務を効率化しました。

 

参考:大阪大学サイバーメディアセンター

 

大学DXの課題と解決のポイント


課題を検討し合う人達

多くのメリットが期待できる大学DXですが、課題も残されています。ここからは、大学でDXを導入する際に考えられる課題と解決のポイントについて解説します。

 

課題1. 導入や運用のコストが大きい

大学でDXを導入するにはシステム開発や設備投資が伴い、それに見合う人材の確保も必要なため、初期投資や運用コストが大きくなりやすいのは課題のひとつです。

 

最初から大規模に始めるのではなく、時間や費用対効果を考慮しながら、段階的に進めるのが大切。予算内で効果的に進めるため、計画的なアプローチが必要です。国や地方自治体の補助金制度が活用できないかなど、早めにDX化のための資金調達を始めておきましょう。

 

課題2. 教職員のデジタルリテラシーの向上

新システムやツールの導入に伴い、教職員のデジタルリテラシーの向上が不可欠なのも課題に挙げられます。デジタルリテラシーとは、デジタル技術を理解して適切に活用するスキルのことです。デジタルリテラシーが低い教職員にとっては、新しい技術の導入が負担に感じられる場合も。

 

教員向けの研修やサポート体制の整備が不可欠です。外部から講師を招くなど定期的な研修プログラムを実施し、教職員が新しい技術に慣れるための時間を確保しましょう。

 

課題3. セキュリティの強化

大学DXの導入には、個人情報や研究データなどの管理に強固なセキュリティ対策が必要です。デジタル化とともにサイバー攻撃や情報漏洩のリスクも高まります。多要素認証や暗号化技術といった高度なセキュリティシステムと、定期的なセキュリティ監査などが求められます。  

大学DXの推進におすすめ!アイリスオーヤマの電子黒板

アイリスオーヤマの電子黒板

大学DXの推進に役立つアイテムとして、アイリスオーヤマの教育施設向け電子黒板を紹介します。

 

アイリスオーヤマの電子黒板はシンプルで分かりやすい機能で、誰でも直感的に操作ができるのが特徴です。教職員のデジタル機器から資料を投影できるタイプで、資料の投影によって板書の時間を削減でき、学生のグループワークやディスカッションの時間を増やせます。

電子黒板の画面には、手書きで直接書き込むことが可能なので、教職員は学生に話しながらポイントの強調や追加説明、マーキングが可能です。もちろんリモート授業にも対応しています。

 

他に画面の拡大・縮小やスクリーンショット機能、タイマー機能、クリーンアップ機能といった多彩な機能を搭載。画面には特殊コーティングガラスを採用しており、耐久性にも優れているのも魅力です。

 

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電子黒板 | アイリスオーヤマ
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大学DXの成功事例や課題を踏まえて導入を検討しよう

大学DXは、大学の業務や教育にデジタル技術を活用する取り組みのことです。DXを推進することで、教育の質の向上や業務効率化、遠隔教育が実現できます。DX推進には時間や費用対効果を考慮しながら、段階的に進めるのが大切。またセキュリティの強化やデジタルリテラシーを向上するための研修も必要です。成功事例や課題解決のポイントを踏まえて、未来の教育を支える大学DXの導入を検討してみてください。

 

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