省エネ補助金とは、事業者の省エネ化を推進するために国が設けている補助金制度です。この制度を利用することで、資金不足で省エネ化が進められていない企業も、課題解決の糸口を見つけやすくなります。今回は、省エネ補助金に関して、制定された理由・背景や得られるメリット、種類・申請方法などを解説します。

省エネ補助金とは
省エネ補助金とは、省エネ設備の導入や更新にかかる費用をサポートする制度です。国が主体になって、さまざまな省エネ補助金の制度を展開しています。費用の補助額は一部または全額で、制度によって異なります。また、対象となる企業・業種・事業なども制度によってさまざまです。
省エネ補助金が制定された理由・背景
省エネ補助金の制定と大きく関わるのは省エネ法です。省エネ法は正式名称を「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」といいます。一定規模のエネルギーを使用する企業に対し、定期的な報告や省エネ化への見直し・計画策定などを行ってもらう目的でつくられました。
この省エネ法が成立するきっかけとなったのが、1970年代に発生したオイルショックです。産油国が原油価格を大幅に引き上げたため、急激なインフレや景気の悪化が深刻に。エネルギー資源が少なく、特に化石燃料は輸出に頼っていた日本にとって、オイルショックのダメージはすさまじく、産業界が大打撃をこうむりました。
そこで国は資源エネルギー庁を設置し、1979年に省エネ法を制定。省エネによって安定したエネルギー供給を実現し、資源が少ない日本のエネルギー問題の解決を目指しています。省エネ法を推進するための支援策としてつくられたのが、省エネ補助金です。
省エネ補助金を活用するメリット
省エネ補助金を活用することで、企業は多くのメリットを享受できます。特に資金面で省エネ化が進まない企業や、投資費用の回収に不安を抱える企業にとって、補助金は重要な支援となります。
初期費用を抑えられる
省エネ補助金によって、省エネ設備導入にかかるさまざまな費用を抑えられます。省エネ設備の導入は初期費用の高さによって足踏みしている企業も少なくありません。補助金を利用すれば、この負担を軽減できます。
省エネのための設備導入・改修計画が速やかに進む
省エネ設備の導入・改修計画の速やかな進捗にも省エネ補助金が役立ちます。省エネ設備を1つ導入すればそれですべての省エネが叶うわけではありません。また設備を半永久的に使えるわけでもありません。計画を立てて順番に省エネ設備を導入し、定期的なメンテナンスや改修を行うことが必要です。補助金の活用により、計画的な設備導入や維持管理をスムーズに行えます。
初期投資の回収年数を短縮できる
省エネ補助金の利用は、省エネ設備に投資した費用の回収にかかる年数短縮にもつながります。株主や出資者がいる会社の場合、高額な初期費用が企業の投資意欲を抑制することも。補助金によりコストが軽減されることで、回収期間を短縮し、投資のリスクを低減できるでしょう。
ランニングコストの削減を期待できる
補助金を活用すれば、より効率的な省エネ設備を導入でき、ランニングコストの削減が見込まれます。高性能な設備を導入することで、運転コストの削減も可能です。企業の長期的な運営においても経済的な効果が期待できます。
先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金とは
省エネ補助金にはさまざまな種類がありますが、工場・事業場における省エネ設備の導入・更新・改修を支援するのが「先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金」です。こちらの省エネ補助金は、先進事業・オーダーメイド型事業・指定設備導入事業・エネマネ事業という大きく4つの事業区分で支援を行っています。ここでは各事業区分の支援内容をみていきましょう。
なお、先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、各年度の予算の確保状況によって新規申請の有無が変わるので注意してください。
先進事業
高い技術力・省エネ性能によって、導入ポテンシャルの拡大等が見込まれる先進的な省エネ投資を支援するものです。対象となるのは、次のいずれかを満たす事業です。
- 計画省エネルギー率が30%以上
- 計画省エネルギー量が1,000kl以上
- 計画エネルギー消費原単位の改善率が15%以上
「先進的な省エネ技術等に係る技術評価委員会」の審査項目に則り、外部審査委員会の審査を経て採択されます。
オーダーメイド型事業
オーダーメイド型事業は、特注設備の導入や更新、プロセス改修など、個別設計が必要な省エネプロジェクトを支援します。複数の事業者が連携して取り組むプロジェクトも支援対象です。対象要件は、次のいずれかを満たすことです。
- 計画省エネルギー率が10%以上
- 計画省エネルギー量が700kl以上
- 計画エネルギー消費原単位の改善率が7%以上
指定設備導入事業
省エネ性能の高い指定のユーティリティ設備・生産設備などへの更新を支援するものです。具体的な指定設備の例は、高効率空調・産業ヒートポンプ・高性能ボイラ・冷凍冷蔵設備などが挙げられます。
エネマネ事業
エネマネ事業者とエネルギー管理支援サービスを締結し、省エネ化がより効率的・効果的な取り組みとなるよう支援するものです。エネマネ事業者とは、SII(一般財団法人 省エネルギーセンター)の指定要件を満たすエネルギーマネジメントシステムを用いて、エネルギー管理支援サービスを提供する登録事業者のことをいいます。

省エネ補助金の申請方法
省エネ補助金の基本的な申請の流れは次の通りです。ただし、補助金によって細かい申請方法は異なるので、申請の要領をしっかり確認しましょう。
①公募情報を確認する | ・公募の有無は年度により異なる ・公募が行われる場合は、補助金の対象に自社が該当するか確認し、申請に必要な書類や公募期間を把握する |
②申請書類の準備・提出 | ・申請に必要な書類を準備する ・作成に時間を要する書類もある。また、説明会や面談に参加する必要がある場合も ・時間に余裕をもって書類の準備を進める |
③審査・採択の可否の通知 | ・審査が行われ、採択の可否が通知される ・なお、補助金の実際の交付は事業を行った後。先払いではないので注意が必要 |
アイリスオーヤマの省エネソリューションの紹介
最後に、アイリスオーヤマを代表する省エネソリューションを紹介します。空調・照明・清掃の面から省エネを推進できるサービスをピックアップ。これらの製品は、補助金の使用も可能です。省エネ設備の導入を検討の方はぜひチェックしてみてください。
エナジーセーバー
エナジーセーバーは、空調機に取り付けるだけでAIが空調を最適化するシステムです。既存の空調を入れ替えることなく省エネ化が実現できます。
また、エナジーセーバーは設定温度をやみくもに抑えるものではなく、過剰な冷暖房を抑制する仕組みになっています。そのため、快適さはそのままに省エネできる点もポイントです。
<エナジーセーバーの詳細はこちら>

LiCONEX
LiCONEXは無線で照明をコントロールできるシステムです。調光・調色やシーンごとの照明の切り替え、自動調節などが可能。離れた場所からの遠隔操作もできます。また電力の見える化により使用状況を詳細に把握できるため、より効率的な省エネ対策を講じる際にも役立ちます。
<LiCONEXの詳細はこちら>

省エネ補助金は事業者の省エネ化の強い味方.
省エネ補助金を活用すれば、自社の省エネ対策を効率よく進められます。省エネ補助金にはさまざまな種類があるため、自社に適した補助金の公募状況や対象条件をしっかりと確認することが重要です。申請を検討する際には、省エネに役立つ設備の選定も併せて行うと効果的です。補助金を賢く活用し、コスト削減や省エネ推進の実績を示すことで、企業イメージの向上にもつなげましょう。
設備の導入や更新に補助金・助成金を検討しているならこちらを参考に

※こちらに掲載されている商品情報・価格・キャンペーンは掲載日時点での情報です。
※価格は変動することがございますのであらかじめご了承ください。