水銀灯に比べてLED照明は高い省エネ効果が見込める他、安全性や性能などでも多くのメリットがあります。また今後は交換用の水銀灯が入手困難になるため、早めの交換がおすすめです。この記事ではLED化するメリット、水銀灯からLEDへの交換方法、LED導入時に使える補助金や交換時の注意を紹介します。併せておすすめのLED商品も参考にしてください。

水銀灯をLED化するメリット【コスト面】
水銀灯からLEDへ交換する最大のメリットは、省エネ効果です。水銀灯と比較すると、消費電力を大幅に抑えられます。
高い節電効果が見込める
LED照明は水銀灯に比べて消費電力が1/4程度のため、約75%の節電効果※が期待できます。水銀灯は、電流を一定の値に安定させるための安定器が必要です。そのためランプ本体に加えて、安定器の消費電力もかかります。一方、LED照明は安定器が必要なく、発光効率が高いため消費電力が少なく済みます。
水銀灯の4~10倍寿命が長い
LEDの寿命は、水銀灯より4~10倍長い40,000時間です。仮に1日8時間点灯した場合、13年ほど使える計算になります。ランプを交換する頻度が低く、大幅なコスト削減につながります。
放熱が少なく空調効率がアップする
水銀灯の点灯時の温度は、300度以上になります。対してLED照明は放熱が少なく、点灯時の温度が80~90度ほど。水銀灯に比べて周りの空間が熱くならないため、空調機器の負担を軽減でき、冷房効率が上がります。
水銀灯をLED化するメリット【安全面】
LED照明は安全面にもすぐれています。落下しても破損しにくいなどのメリットがあります。
落下しても割れにくい
LED照明はカバーにポリカーボネート素材を使用しているため、落下しても割れにくく、飛散によるケガのリスクを減らせるのもメリット。水銀灯のカバーはガラス製のため、落下すると割れてしまいがちです。ガラス片だけでなく、ランプ内の水銀が飛散し、けがだけではない被害が出る場合もあります。
水銀灯をLED化するメリット【性能面】
点灯してすぐに明るくなり、発光効率が良いのもLED照明のメリットです。紫外線をほとんど含まないため、日焼けや虫も気になりません。
瞬時に明かりがつく
LED照明は、スイッチを押してからの点灯速度が早いのが特徴です。蛍光灯や水銀灯は、スイッチを押してから完全に明るくなるまでに5~10分ほどかかります。LEDならスイッチを押すと瞬時に明るくなり、センサーと連動させた照明との相性も良いため、防犯用の照明にもおすすめです。
発光効率が高い
LEDは水銀灯よりも発光効率が高いため、明るくなります。発光効率とは、1Wの電力でどれだけ明るくできるかを表す値のこと。LEDは発光効率が高いため、水銀灯の400WよりもLEDの60Wのほうが明るくなります。
紫外線による日焼けを防ぎ、虫が集まりにくくなる
LED照明は、紫外線や赤外線をほとんど含みません。そのため光が当たっても、品物が日焼けして傷んだり色落ちしたりすることがありません。また、虫は紫外線に集まりやすい性質がありますが、LED照明にはあまり寄り付つかず、虫対策にもなります。虫の死骸で照明器具が汚れることも減るでしょう。
工事は必要?水銀灯からLEDへの交換方法
水銀灯からLED照明に切り替える際、基本的には電気工事が必要です。工事はどのように行うのか、工事が不要な水銀灯の種類についても紹介します。
水銀灯からLEDへの切替工事は2種類
切替工事を行う場合、以下の方法があります。
- 安定器を取り外し、照明器具全体を交換する方法
- 安定器に電気が通らないように、バイパス工事をする方法
どちらの工事をするかは使用するLED照明によって異なりますが、いずれの工事にも電気工事士の資格が必要です。

バラストレス水銀ランプのみ工事不要
切替工事が必要ないのは、バラストレス水銀ランプを使用している場合です。このランプは安定器の働きをする部品を内蔵し、安定器を必要としないため、ランプの交換だけで済みます。バラストレス水銀灯は、主に屋外の看板照明で使われています。
水銀灯からLEDへ交換する際に使える補助金制度
省エネや再エネ設備に使える補助金制度には、LED化に使えるものがあります。以下に紹介する他に、各自治体で独自の補助金制度が使える場合もあります。いずれも申請の条件や公募期間など、最新情報をチェックしましょう。
省エネルギー投資促進支援事業費補助金
省エネ設備や機器を導入し、省エネ対策に取り組む企業や個人事業主を支援する制度です。制御機能付きLED照明器具が補助対象で、照明機器本体のほかリモコンや制御装置なども対象に含まれます。
項目 | 詳細 |
補助対象経費 | 設備費 |
補助率 | 1/3以内 |
補助限度額 | 【下限額】30万円/事業全体 【上限額】1億円/事業全体 |
公募期間 | 2024年は3次公募まで終了 |
現在のところ公募は終了しているので、次のアナウンスを待ちましょう。
既存建築物省エネ化推進事業
既存建築物の省エネ改修工事や、それに付随するバリアフリー改修工事の一部費用を国が支援する事業です。
項目 | 詳細 |
補助率 | 省エネ工事費(天井・外壁・窓等)と既定の設備費等の合計の1/3以内 |
補助限度額 | 5,000万円/件(設備改修にかかる補助限度額は2,500万円まで) |
公募期間 | 令和6年度の公募は終了 |
令和6年度の公募は終了していますが、7年度にも実施される可能性があります。 新しい情報は国土交通省HPの支援事業で確認してください。
水銀灯をLEDへ交換する際の注意点

水銀灯をLEDへ交換する際には、口金や電球のサイズを確認するのはもちろん、照射範囲などの水銀灯との違いも考慮する必要があります。
口金のサイズ・タイプを確認する
電球の口金は2種類あり、タイプによってサイズが変わります。
<口金のサイズとタイプ>
口金タイプ | 種類 | サイズ |
ねじ込みタイプ | LED電球 | E+口金の直径(E26なら直径26㎜) |
差し込みタイプ | LED蛍光灯 | G+ピンとピンの間の長さ(G13なら13㎜) |
LEDのほうが照射範囲が狭い
LEDは水銀灯と異なり、ストレートに光を発する力が強いのが特徴です。最近は全方向に広がる全般配光・下方向に広がる準全般配光・ダウンライトなどにおすすめの集光タイプなど、光の広がりが異なるタイプも発売されていますので、使う場所に合わせて選びましょう。
適切な光色を選ぶ
LEDの光色には、電球色・昼白色・昼光色の3種類があります。色によって見え方や印象が変わるため、目的や場所に合った光色を選びましょう。
色 | 特徴 |
電球色 | 温かみのあるオレンジがかった色合い |
昼白色 | 太陽光に近い色合い |
昼光色 | 昼白色よりも青みがかったさわやかな色合い |
水銀灯からLEDへの交換におすすめ!アイリスオーヤマのLED照明
アイリスオーヤマはさまざまなLED照明を通して、省エネをサポート。初期費用を抑えたい、節電効果をより高めたい、というリクエストにも応えます。
初期費用ゼロで導入できる「LEDレンタルプラン」
アイリスオーヤマのLEDレンタルプランは、初期費用をかけずにLEDへの交換が可能です。コストをかけないように…と故障した箇所から順次LEDへ交換していくと、かえって総コストが高くなりがちです。LEDレンタルプランなら、一度にすべての照明を交換しても初期費用がかからず、5~7年のリース・レンタルから選べます。
アフターサービスも充実しているため、レンタル期間中は保守期間として安全に長期間使用できます。初期費用を抑えたい、用途に合った照明を選びたいなど、幅広い希望にも対応しています。
条件や要望に合った照明が見つかる「LED」
アイリスオーヤマには豊富なLED照明が揃っています。施設や店舗、屋外など使用する場所や環境、用途に合わせて最適な商品を選ぶことが可能です。気になる商品はアイリスオーヤマのショールームで体験できます。
無線制御でより節電効果が高まる「LiCONEX」
アイリスオーヤマの「LiCONEX」は、LED照明の無線制御システムです。オリジナル通信「メッシュリンクプロトコル」を採用し、高速で安定した通信状態を可能に。パソコンやタブレットから明るさや光の色、レイアウトの変更など柔軟に調整できます。
照明器具の交換とベースモジュールを設置するだけで工事が完了。用途や時間帯など、さまざまな状況に合わせて照明環境を変えれば、LED導入以上の節電効果につながるでしょう。気になるLiCONEXの機能は、アイリスオーヤマのショールームで体感してください。
〈LED・LiCONEXに関するお問い合わせはこちら〉

水銀灯からLEDへ交換して長期的なコスト削減を図ろう
省エネやコスト削減など、LED化には多くのメリットがあります。スケールメリットを最大化するには一括導入がおすすめです。導入時のネックとなる初期費用を抑えるために、各種助成金や「LEDレンタルプラン」などを活用し、賢く省エネを実現しましょう。
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※価格は変動することがございますのであらかじめご了承ください。