近年、エネルギーコストが高騰する中で、工場の電気代削減に頭を悩ませている方も多いでしょう。工場の電気代削減が必要な理由、電気代が高い原因と電気代削減方法について解説します。あわせて電気代削減に効果的な空調制御システムや無線調光LED照明を紹介しますので参考にしてください。

※本記事は資源エネルギー庁の資料を基に記載しています。
資源エネルギー庁「夏季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)」
https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230609003/20230609003-6.pdf
資源エネルギー庁「冬季の省エネ・節電メニュー(事業者の皆様)」
https://www.meti.go.jp/press/2023/10/20231031006/20231031006-5.pdf
工場が電気代を削減するべき理由
工場では電気消費量が多く、工場のランニングコストの中で電気代は大きな割合を占めています。
特に2021年以降、世界的に原油などのエネルギー価格が高騰しています。高騰の要因は、新型コロナウイルス感染症からの経済回復によるエネルギー需要の増加や、天候不順、災害、ロシアによるウクライナ侵攻など。今後も予断を許さない状況が続くでしょう。
電気代削減は、工場の経営効率を改善する上で重要な課題です。
工場の電気代が高い原因
続いて、工場の電気代が高い原因についてみていきましょう。電気代が高くなる原因は、工場における生産設備や空調設備、照明機器の消費電力が高いことが挙げられます。
生産設備の消費電力が大きい
工場では、製品を生産するために数多くの設備機器(生産設備)を稼働させるため、使用電力が多くなります。資源エネルギー庁によると、工場の消費電力のうち83%が生産設備によるものです。生産設備は工場の中でも中核となる設備であるため、工場における節電対策の中でも対応が難しいとされています。
空調設備や照明器具の消費電力が大きい
工場の生産性を高めるために、空調設備や照明器具も必要です。
空調設備は工場の温度や湿度を一定に保つために不可欠ですが、大きな工場や特に夏場で冷房が必要な場合は消費電力が大きくなります。
工場の作業や安全のためには照明設備も重要ですが、白熱灯や蛍光灯といった従来の照明は省エネ効果が低いので、電気代が高騰する原因になります。
工場の電気代削減方法7選
ここからは、工場の電気代を削減するための具体的な方法を解説します。空調の温度設定の見直しやメンテナンスなど、今すぐ実践できるものもありますので参考にしてください。
1. 照明機器をLEDに交換する
資源エネルギー庁によると、白熱灯をLED照明に交換した場合、85%の節電効果が期待できます。照明機器そのものはLEDの方が高価ですが、寿命が長く長期にわたって使用可能です。
2. 空調設備の買い替えや温度設定を見直す
古い空調設備は省エネ性能が悪く、電気代が高くなる傾向に。空調設備の買い替えによって、電気代の削減が見込めます。また、無理のない範囲で温度設定を見直すのも効果的です。温度設定を夏季28℃、冬季19℃にすることで、約6%(夏季)と27%(冬季)の節電効果が期待できるとされています。
3. 空調設備や周辺のメンテナンスをする
空調設備や周辺をメンテナンスすることで冷暖房効果が高まり、電気代削減につながります。夏季は室外機の周辺にある障害物をどかし、直射日光を避けることで10%の節電効果が期待できます。他にも以下が有効です。
- フィルター清掃など設備を定期的にメンテナンスする
- サーキュレーターを使用して空気を巡回させる
- ビニールカーテンを設置して冷暖房を使用する区画を決める など
4. 生産設備を効率化する
生産設備は電気使用量の約80%を占めるので、効率化により大幅な電気代削減が期待できます。例えば、以下のようなことが効果的です。
- 不必要又は待機状態にある電気設備の電源をオフにする
- モーターなどの回転機の空転防止を行う
- 電気炉、電気加熱装置の断熱を強化する など
生産設備の断熱強化といった、電気代削減に向けて省エネ設備へ更新を行う場合は、資源エネルギー庁などが実施する補助金制度(2024年度版)を利用すると良いでしょう。
5. ユーティリティ設備を効率化する
生産設備の稼働に不可欠なユーティリティ設備の効率化も、省エネ、節電効果が高いポイント。ユーティリティ設備とは、工場の生産設備を稼働させるために必要な電力、水、圧縮空気、燃料、窒素といったエネルギーを供給する設備のことです。節電に効果的な取り組みとして以下が挙げられます。
- 弁の閉め忘れや継手・ホースからの空気漏れを無くす
- 使用側の圧力を見直し、コンプレッサの供給圧力を低減する
- コンプレッサの吸気温度を下げる
- 負荷に応じてコンプレッサ・ポンプ・ファンの台数制御を行う
- インバータ機能を持つポンプ・ファンの運転方法を見直す
- 冷凍機の冷水出口温度を高めに設定し、ターボ冷凍機・ヒートポンプ等の動力を削減する など
6. 電力会社やプランを見直す
電力会社やプランを見直すことで、電気代削減につながる可能性があります。電力の小売自由化により、従来の電力会社以外の新電力会社からも購入できるようになりました。電力会社によりサービスは異なり、電気料金についてもそれぞれで差があります。
ただし、新電力会社への乗り換えは料金が安くなる可能性もありますが、燃料価格高騰の際に事業撤退・倒産するといったリスクもあるので慎重な検討が必要です。
7. 太陽光発電を導入する
工場に太陽光発電を導入し、発電した電気を工場で消費すれば効率的に電気代を削減可能です。
電力会社の電気代は「基本料金」「電力量料金」「再エネ賦課金」の3つに大別されます。「基本料金」は、過去1年間の最大使用電力に基づいて算定されます。「電力量料金」や「再エネ賦課金」は、電力会社からの購入電力量に比例して料金が加算され、なかでも電力使用のピークタイムは、電気代が高くなる傾向に。
ピークタイムの電気を自家消費で供給できれば、契約電力を下げられて電気代削減につながります。
工場で効果的な電気代削減をするポイント
工場で効果的に電気代を削減するには、電気使用量を「見える化」して現状を分析し、さらに現場の従業員の節電意識を高めることがポイントです。それぞれについて解説します。
電気の使用量を「見える化」する
工場で使用している電気量を「見える化」し、現状を把握しましょう。見える化を行うことで無駄に消費している電力がないか、削減できる箇所や時間帯などがないかを見直し、効率的なエネルギー管理やコスト削減計画を立てられます。
従業員の意識を高める
節電には、現場で働く従業員の協力が不可欠です。従業員に節電を理解し高い意識を持って行動してもらうために呼びかけましょう。生産工程の効率化や節電アイディアの議論を行い、従業員に当事者意識を持たせるなどが有効です。
工場の電気代削減に効果的!アイリスオーヤマの空調・照明設備
アイリスオーヤマの省エネソリューションは、節電しながら空調や照明による快適な空間作りが可能です。ここでは、空調管理システム「エナジーセーバー」と無線調光LED照明「LiCONEX」を紹介します。
空調機に取り付けるだけ最大40%節電「エナジーセーバー」
エナジーセーバーは、空調機に取り付けるだけでAIが空調を最適化するシステムです。設定温度による室温の上下変動を減らし、コンプレッサの無駄な稼働を抑えて消費電力を削減。快適さはそのままに省エネでき、最大40%の節電を実現します。さまざまなメーカーの製品に対応するのも特長です。
<エナジーセーバーの詳細はこちら>

無線制御で節電を実現「LiCONEX」
LiCONEXは無線で照明をコントロールできるシステムです。電力を見える化でき、時間帯によって最適な明るさに調光したり、人感センサーや明るさセンサーと連携して人の動きや周囲の明るさを感知しながら調光したりなど、状況にあわせた照明環境を整えられます。快適さを損なわずに大幅な省エネが可能に。
パソコンやタブレットを使い、調光・調色やシーンごとの照明の切り替え、自動調節が可能です。独自のメッシュリンク通信方式と、高速で安定したオリジナル通信「メッシュリンクプロトコル」で、安定した通信状態を実現します。
<LiCONEXの詳細はこちら>

工場の電気代削減に効率良く取り組もう
電気代を削減するためのポイントは、現在の電力使用状況を把握し、効率良く管理していくこと。また現場の従業員に当事者意識を持ってもらうことも大切です。
近年、電気代そのものが高騰していることから、消費電力の大きい工場の電気代削減は重要な課題です。節電効果の高い空調管理システムや無線調光LED照明システムなどの導入も検討しながら、効率的に工場の電気代削減に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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