スーパーマーケットの電気代を削減する方法。使用量の平均や内訳も紹介

スーパーで買い物する女性
コラム

スーパーマーケットの経営では、電気代は大きな固定費のひとつです。近年ではエネルギー価格の上昇や電力不足の懸念により、電気代の負担がさらに増大しています。本記事では、スーパーマーケットの電気使用量の平均や内訳を解説しながら、具体的な削減方法を紹介します。電気代を効率的に削減するための参考にしてください。

スーパーマーケットの平均的な電気代

電球とコイン

環境省の資料によると、延べ床面積1万㎡程度のスーパーマーケットにおいて、年間の電気料金が7千万円程度(従量料金のみで基本料金は含まない)という事例があります。1世帯の平均電気代を年間10万円だと想定すると、スーパーマーケット1店舗の電気代は約700家庭分に相当します。

※出典: 環境庁「民生(業務)分野における温暖化対策技術導入マニュアル」

スーパーマーケットの電気使用量の内訳

スーパーの精肉コーナー

季節によって電気使用量の内訳は異なります。時間帯では夏季9時~17時頃、冬季8時~20時頃の電気使用量が多い傾向で、店舗の営業時間とほとんど同じです。

スーパーマーケットにおける夏季と冬季の電気使用量の内訳は、以下の通りです。

設備 夏季(%) 冬季(%)
空調 24.3 10.7
照明 18.3 21.4
パソコン 0.2 0.3
複合機 0.5 0.6
冷凍・冷蔵庫 9.9 10.7
ショーケース 37.3 40.3
その他 10.9 15.4

スーパーマーケットでは冷蔵や冷凍の食品を多く取り扱うため、一年を通して冷凍・冷蔵庫、ショーケースの電気使用量が多い傾向です。

※出典:

資源エネルギー庁「夏季の省エネ節電メニュー」
資源エネルギー庁「冬季の省エネ節電メニュー」

スーパーマーケットの電気使用量削減の必要性

ガラスの地球を持つ手

スーパーマーケットで電気使用量を削減することは、電気代の高騰に備えるだけではなく、電力不足や地球温暖化対策としても必要です。それぞれのポイントをみていきましょう。

電気代が高騰しているため

近年、世界的なエネルギー需要の増加と記録的な円安により、電気料金が高騰しています。日本の電力の多くは、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料による火力発電によるもの。化石燃料のほとんどは輸入に頼っているため、国際的な燃料価格の上昇や円安が発電コストの増加につながります。電気代の上昇は中長期的な課題です。

電力不足が懸念されているため

日本の電力供給には、老朽化した火力発電といった構造的な課題があり、予断を許さない状況です。2021年の冬や2022年の夏には電力不足が危惧され、政府から節電が要請されました。

電力の安定供給には、電力需要の3%以上を確保する余力が必要で、この割合を予備率と呼びます。現状では3%以上の供給は確保されていますが、気象変動による需要や設備トラブルといったリスクを考慮すると、常に電力を安定供給するには8〜10%の予備率が必要です。突然の節電要請にも対応できるよう、普段から電気使用量を削減しておくことが大切です。


※出典:経済産業省「今夏の電力需給及び今冬以降の需給見通し・運用について」

地球温暖化対策のため

日本の電力の大半は、石油や石炭といった化石燃料を燃焼することで得ています。しかし化石燃料の燃焼は、大気中に二酸化炭素(CO2)を排出。電力を大量消費すると大気中のCO2濃度が上昇し、地球温暖化が進みます。温暖化対策として、電気使用量を抑える努力が必要です。


また温暖化対策は、燃料の消費に伴う大気汚染物質の排出抑制など、より広い意味での環境保全や環境への配慮につながります。事業活動を通じて環境保全・環境配慮に取り組むことは、社会貢献する姿勢を消費者にアピールし、企業イメージの向上にもつながるでしょう。

スーパーマーケットの電気代を削減する方法

野菜室を管理する人

今すぐにでも取り組める、スーパーマーケットの電気代削減方法を紹介します。電気使用量の多い空調機、照明、冷蔵・冷凍設備(ショーケース)に分けて解説します。

空調機

店舗の規模が大きいほど、空調機が占める電気代は大きくなります。空調機の節電は電気代削減に効果的です。

 

<空調機器の主な節電方法>

  • 設定温度を見直す:夏季28度、冬季20度を目安に設定し、こまめに調整する
  • 建物内の予冷・予熱時に外気を入れない:自動ドア付近の商品陳列を避けるなど、無駄な自動ドアの開放時間を減らす
  • 冷暖房の使用時間を短縮する:運転開始は開店後、運転停止は閉店30分前(冷房)から60分前(暖房時)にするなど
  • フィルターやダクト内の清掃、空気漏れの点検・修理といったメンテナンスをこまめに行うなど

照明

スーパーマーケットでは、商品を良く見せるために照明を明るく設定する傾向にあります。照明機器の使い方を見直すことで、電気代削減が期待できます。


<照明機器の主な節電方法>

  • 外の光が入る時間帯・場所では、できるだけ消灯する
  • 店内照明やショーウィンドウ、ネオンなどの照明時間を短縮する
  • 事務所、バックヤードなど使用しない時は消灯する
  • 店内の照度を定期的に測定し、明るすぎる時は不要な照明を消す
  • 定期的に照明器具を清掃する など

冷蔵・冷凍設備(ショーケース)

冷蔵・冷凍設備は食品の鮮度や品質を保つために24時間稼働します。効率的に冷やし続けることが大切です。


<冷蔵・冷凍設備の主な節電方法>

  • 閉店後はショーケースへのナイトカバーを取り付け、冷気の漏れを防ぐ
  • ショーケースの照明の点灯は開店以降、消灯は閉店時に行う
  • ショーケースを定期的に清掃する
  • 冷凍機の冷水設定温度を上げる

必要な冷却温度に合わせて設備を使い分けるのも効果的です。

 

スーパーマーケットの電気代削減におすすめ「エナジーセーバー」

アイリスオーヤマのエナジーセーバー

スーパーマーケットの電気代を削減するなら、電気使用量の中で大きな割合を占める空調機の対策が有効です。空調機の買い替えなしで節電が叶う、アイリスオーヤマの空調管理システム「エナジーセーバー」を紹介します。

既存の空調機に取り付け可能

エナジーセーバーは既存の空調機に取り付けて省エネを実現可能です。一般に空調機の入れ替え作業は大規模な工事が必要ですが、エナジーセーバーなら空調機の吸気口と給気口の2ヵ所に高性能な温度センサーを取り付け、本体を空調機の横に設置するだけで完了です。


空調機メーカー各社に対応。メーカーを問わずに取り付け可能なので導入費用を抑えられるのが魅力です。


自治体によっては省エネルギー設備等導入支援事業補助金など補助金や助成金の対象ですので、確認してみてください。

AIが空調機の運転を最適化

AIが空調の運転を最適化します。空調の吸気口と給気口に取り付けた2つの温度センサーで室温を保ちながら、AIが温度の上下変動を最適化。温度ムラを無くし、コンプレッサーの無駄な稼動も防げます。

 

空調機に負担をかけず、快適な空間を保ったまま消費電力の無駄を削減し、最大40%の節電効果を実現※します。
※アイリスオーヤマ調べ

導入までの流れ

エナジーセーバー導入の流れは以下の通りです。

  1. 資料請求・お問い合わせ
  2. 削減効果のご案内(状況をヒアリングし、導入でどれくらいの削減効果が見込めるのか試算の上、最適な設置案をご提案します)
  3. 設置・工程確認の打ち合わせ
  4. 設置工事・初期設定(導入施設にて設置工事を行い、初期設定後、お引き渡しです)

多彩な利用プラン

利用については、一括購入・リース・「あんしん空調省エネパック」を用意しています。


「あんしん空調省エネパック」は年1回の定期・空調点検や毎年夏冬1回ずつの運用設定・サポートを受けられます。保証期間や無料訪問サポートは、利用期間の7年間の間ずっと。手厚いサポートを希望するなら「あんしん空調省エネパック」がおすすめです。


<エナジーセーバーの詳細はこちら>
https://www.irisohyama.co.jp/b2b/air/products/energy-saver/

 

その他、アイリスオーヤマでは電力エネルギー利用を最適化するEMSソリューション・ENEVERSE(エネバース) や 電力モニタリングサービスも提供しています。

 

消費電力の多いショーケースの更なる節電には、 HACCPサービスがおすすめです。

 

継続的な見直しで、スーパーマーケットの電気代を削減しよう

買い物客に対応する店員

スーパーマーケットの電気代削減は、経営の安定化と環境保全の両面で重要な取り組みです。空調機や照明、冷凍・冷蔵設備の使い方を工夫するだけではなく、空調管理システムを導入することで、さらなるコスト削減が期待できます。電気代削減は、一度の取り組みではなく継続的な見直しと改善が必要です。今日からできる節電方法を始め、電気代削減につなげてみてはいかがでしょうか。

 

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