食品を取り扱う食品工場においては、カビ対策が必須です。カビが食品に混入するなどのトラブルが発生すれば、食中毒事故が起こるだけではなく、企業の信頼度や存続にも影響しかねません。そこで本記事では、食品工場でカビが発生する原因や効果的なカビ対策について紹介します。
食品工場でカビが発生した場合の影響とは
食品工場でカビが発生すると、さまざまな影響をもたらします。
例えば、製造している食品にカビが混入すれば食中毒や死亡事故を起こしかねません。万が一食品事故が起こると、各メディアで大きく報道され、企業の信頼やイメージが落ちてしまうでしょう。
食品事故の影響で、事業継続が困難になるケースもあります。
またカビが発生すると、建物の老朽化や悪臭といった問題が発生する可能性があり、監査評価で品質管理基準の評価が下がることがあります。
食品工場でカビが発生する原因
食品工場でカビが発生する原因として挙げられるのが、カビ発生の条件がそろうことと、カビが外部から持ち込まれることです。以下で詳しく見ていきましょう。
1.食品工場内でカビが発生する条件がそろう
カビは、温度が25〜30℃、湿度が70%以上の環境に加え、カビの栄養となる食べ物のカスや汚れがある条件下で発生しやすくなるのが特徴です。食品工場内には、これらの条件を満たす場所が多く存在するため、カビの発生リスクが高まります。
工場内で結露や水漏れが発生している場合も、湿度が高くなりカビの繁殖を促す要因です。
食品工場内の衛生管理も、カビの発生や繁殖に影響します。特に、食品のカスや油分はカビの栄養源となりやすいため、工場内の衛生管理を徹底することが重要です。
カビの繁殖や生存にはpH値も深く関わっています。特にpH4〜4.5の弱酸性の環境下では、カビの成長が活発です。さらに、カビが生存できるのがpH2〜8.5の間なので、強酸性から弱アルカリ性までの幅広い環境で存在する可能性があるといえます。
2.カビが外部から持ち込まれる
カビは工場内で発生するだけではありません。風にのって工場の窓からカビが入ってきたり、作業員の服や、原材料・梱包材などに付着したカビが工場内に持ち込まれたりなど、工場の外から侵入してくることも。
外部から持ち込まれたカビが工場内で拡散されることもあります。
食品工場でカビが発生しやすい場所
食品工場内でカビが発生しやすい場所を解説します。あらかじめ発生しやすい場所を知っておけば、カビ対策のヒントになるでしょう。
冷蔵・冷凍エリア
食品を新鮮に保つ冷蔵庫や冷凍庫がある場所は、外気温との差が大きく結露が発生しやすくなります。結露が発生すると湿度が上がるため、カビの発生原因といえます。
湿度管理が徹底されていないと、そこからカビがどんどん広がる可能性があるでしょう。
製造ライン
製造ラインには食材や調味料が残りやすく、これらの残骸がカビのエサとなり繁殖を促します。例えば、醤油をはじめとする発酵食品は「麹菌」などの微生物で作られているため、それが原因となってカビが繁殖することもあります。
また、製造ラインで使用している調理器具にも注意が必要です。食品に直接触れるものなので、カビが発生しやすいでしょう。
水回り
水回りはカビが発生しやすい場所のひとつです。特に食品工場の場合は大量の水を使うため湿度が高くなり、その分カビが発生しやすくなります。
食品のカスが溜まりやすい排水口も、カビの栄養が豊富な場所です。さらに排水口内部の状況にも要注意。水漏れしている箇所があると、カビの発生源となる場合があります。
天井
食品の製造工程で出た水蒸気は、天井へ上昇します。さらに温かい空気も上に溜まりやすいため、天井部分は高温多湿の状態になりカビが生えやすい条件が整います。
もし天井にカビが生えてしまうと、その下で働く従業員にカビが降り注いでしまう他、作っている製品にもカビが付着する恐れがあるでしょう。
食品工場のカビを調べる方法
食品工場内のカビの存在や量は、「落下菌測定法」と「浮遊菌測定法」のいずれかの方法で調べられます。
「落下菌測定法」は、寒天培地を入れたシャーレを測定場所に蓋を開けた状態で一定時間静置することで、落下した菌数を測定する方法です。簡単に測定できる一方、工場の空気中に浮遊している菌までは測定できず、菌を集めるのにも時間がかかってしまいます。
「浮遊菌測定法」は、集めた空気を寒天培地に吹き付けることによって、空気中に浮遊している微生物の数を測定する方法です。短時間で測定できますが、空気を集めるための専用機器「エアーサンブラー」をそろえる必要があり、操作が煩雑になってしまいます。
食品工場にカビが発生した時にやるべきこと
食品工場でカビが発生した場合、カビ発生源の特定や量の調査、エリアの洗浄など、いくつかやるべきことがあります。詳しく見ていきましょう。
カビの発生源を特定する
カビが発生しやすい高温多湿の場所や、掃除が行き届いていない場所などを調査し、発生源を特定することが必要です。特定することで、カビの広がりを防止するための策を出しやすい他、カビ発生の再発防止にもつながります。
食品工場内におけるカビの量を調査する
食品へのカビ混入の対策を講じるためには、工場内にどれくらいのカビが存在しているかの調査が必要です。調査方法は前項でも触れた通り、落下菌測定法と浮遊菌測定法の2つ。
日本の食品工場での衛生管理においては、落下菌測定法による測定値をもとに調査が行われています。
カビが発生したエリアの隔離と洗浄
カビが発生した場合は、カビの胞子を表面から除去する必要があります。そのためには、他の場所にカビの胞子が拡散しないよう、該当エリアを隔離するのがおすすめです。
70〜80%ほどの濃度のエタノールをカビに吹きかけ、10分程度放置した後に拭き取って胞子を除去します。その後、次亜塩素酸ナトリウムを吹きかけたペーパータオルなどをあてて、殺菌します。
最後に洗い流して乾燥させれば洗浄完了です。なお、このカビの除去作業の際は、マスクや防護服を必ず着用しましょう。
食品工場のカビを予防するための対策
次に、食品工場のカビを予防するための対策について解説します。湿度管理や清掃、防カビや殺菌処置といった対策が効果的です。
湿度管理を徹底する
湿度管理はカビ予防に効果的です。湿度の高い冷蔵庫周辺や水回りは、除湿機を設置して湿度を調整しましょう。その他、定期的な換気や結露防止のためのビニールシートの使用もおすすめです。
ただし、工場が稼働している間は湿度を下げるのが難しいこともあります。工場が稼働していない時間帯や、稼働終了から稼働開始までの間に湿度を落とす工夫をしてみると良いでしょう。
こまめに清掃をする
定期的な清掃も大切です。清掃を怠ってホコリを溜めてしまうと、ホコリが湿気を吸収しカビ発生の原因になることもあります。定期的に清掃していれば、カビが発生してしまった場合でも、繁殖前にすばやく除去できるでしょう。
湿気が溜まりやすい場所の清掃は、特に重点的に行うのが理想。清掃で水を使った後は、しっかりと乾燥させることも忘れないようにしてください。
壁や天井、設備に防カビ・殺菌処置を施す
食品工場の設備や壁、天井などに、防カビ効果が期待できる素材を使用したりコーティングを施したりしておくと安心です。カビを防止するだけではなく、汚れが付きにくいというメリットも得られます。
また壁や天井に、二酸化チタンや銀粉末が入った材料などを塗布するのも効果的です。
食品工場のカビ対策におすすめ!「プラズマガードProアイリスエディション」
食品工場のカビ対策として、空間除菌システムを導入するのも方法のひとつ。アイリスオーヤマでおすすめしているのが、「プラズマガードProアイリスエディション」です。
空間ダクトに設置するシステムで、約850立方メートルもの広い空間でも空気や物体の表面を除菌します。対応可能な広さは業界最大です。
アイリスオーヤマの独自技術により、99.9%のウイルス除去を実現しているのも特徴です。低温プラズマを放電し、活性酸素や活性窒素を発生させ、それらがウイルスや菌に触れて分解することで除菌します。
また、除菌技術による長寿命イオンが空間を巡回することで、高温多湿な場所のカビの増殖を抑えられる点も魅力です。
設置した空間の空気の状態をPMセンサーで可視化できる他、クラウド上で共有されるので、スマホやパソコンなどからアクセスすればいつでも確認できます。
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食品工場の安全確保のため、カビ対策を徹底しよう
食品を取り扱う工場は、カビが発生・繁殖しやすい環境下にあります。食品を扱っている以上、カビ対策はマストです。なぜカビが発生してしまうのか、どこで発生しやすいのかなどを踏まえた上で適切に対処すれば、カビ予防につながります。アイリスオーヤマのプラズマガードProアイリスエディションのような、空間除菌システムの導入も視野に入れ、カビ対策を講じましょう。
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