サービスロボットとは、人の業務や生活を支援するロボットのことです。配膳・接客・清掃などの業務を担い、小売や飲食を始めとする幅広い業界で活用されています。企業が導入すると、労働力不足の解消や顧客体験の向上といったメリットが期待できるでしょう。サービスロボットの種類や導入メリット、選び方、導入事例について解説します。

サービスロボットとは?
サービスロボットとは、人に対して役立つサービスを提供するロボットのことです。接客や料理の配膳、警備などのサービスを担当します。
小売・飲食を始め、医療や介護、物流倉庫や教育現場など、さまざまなシーンで活用され、人手不足などの課題を解決すると言われています。
サービスロボットの種類と産業用ロボットとの違い
サービスロボットは、屋内用ロボットと屋外用ロボットに分類が可能です。それぞれのロボットの種類に加えて、産業用ロボットとサービスロボットの違いについても解説します。
屋内用ロボット
屋内用ロボットとは、名前の通り室内で使われるロボットのことです。主に以下のような種類に分けられます。
・配膳・運搬ロボット…食事の配膳や屋内での荷物の運搬
・コミュニケーションロボット…受付や接客
・清掃ロボット…床掃除や洗浄
・警備ロボット…巡回警備
・医療ロボット…手術支援、検査分析
・介護・福祉ロボット…移乗支援や入浴支援、見守り
屋外用ロボット(フィールドロボット)
屋外用ロボット(フィールドロボット)とは、屋外での業務をサポートするロボットのことです。以下のような種類に分類されます。
・運搬ロボット…屋外での荷物の搬送
・農業用ロボット…農薬散布、自動収穫
・移動用ロボット…無人搬送車、自律走行搬送
・災害対応ロボット…レスキュー、状況調査
・建機ロボット…自律型ショベル、ダンプトラック
産業用ロボットとサービスロボットの違い
産業用ロボットとサービスロボットの違いは、用途の範囲です。サービスロボットがサービス提供のためのロボット全般を指すのに対し、産業用ロボットは主に工場などで、製造に利用されるものを指します。
産業用ロボット | ・工場で製造のために利用 ・主に作業レーンの工程の一部を担う ・プログラムで動作 |
サービスロボット | ・産業用ロボット以外のロボット全般 ・屋内用・屋外用、業務用・個人用で分類される |
サービスロボットを導入する企業が増えている背景
サービスロボットを導入する企業が増加している理由には、人手不足や感染症の影響があります。特にサービス産業は近年労働力不足が深刻化しており、サービスロボットによる人手不足解消が期待されています。
加えて、コロナ禍では感染症対策として、非接触・非対面のためにサービスロボットの需要が高まりました。また、政府がサービスロボットの導入に対し、「中小企業省力化投資補助金」「業務改善助成金」などの補助金を出しているのも、関心が高まっている理由のひとつです。
サービスロボットを導入するメリット
サービスロボットを企業が導入するメリットは、人手不足の解消、業務効率化などが挙げられます。業種によっては顧客満足度や生活の質、安全性の向上も期待できるでしょう。
人手不足の解消
サービスロボットを導入するメリットのひとつは、人手不足の解消です。受付・警備・清掃など、それまで人が担っていた仕事を任せれば、少ない人手で業務が回せます。人が不足しがちな深夜や休日でも、休まずにサービスを提供することが可能です。
業務の効率化
サービスロボットの導入により、業務を効率化できるのもメリットです。重い荷物の運搬や介護補助など、人の負担が大きい業務でも、効率的かつ安定したサポートができます。担当者によって業務の質が異なる受付や清掃でも、常に一定のサービス品質が保てるのも強みです。
顧客満足度の向上
サービスロボットならではのメリットとして、顧客に新鮮な体験を提供することで、満足度を高められます。愛嬌のあるデザインのロボットで配膳をしたり、自立走行ロボで施設内を案内したりすると、これまでにない体験の提供が可能です。
また、サービスロボットの導入により企業の話題性が高まり、ブランディングや集客にもつながります。
生活の質の向上
サービスロボットの導入で期待されているのが、生活の質(QOL)の向上です。介護ロボットによる入浴支援や排せつ支援、セラピーロボットによるメンタルケアなどにより、利用者の生活の質を向上させられます。
安全性の向上
危険な業務をサービスロボットに任せれば、従業員の労災リスクの低減にもつながります。建設現場での作業や、夜間警備での使用などが想定されます。
サービスロボットの選び方
サービスロボットを選ぶ際は、まず業務に必要な機能を備えているか確認するのがポイントです。次に、ロボットのサイズや連続稼働時間、情報処理能力もチェックしておきましょう。
機能で選ぶ
サービスロボットを選ぶ際は、最初に使用したい機能をチェックしましょう。
機能 | 活用シーン | 期待できる効果 | |
---|---|---|---|
配膳ロボット | 飲食物の運搬 障害物回避 |
飲食店、食堂 | 従業員の負担軽減 顧客満足度向上 |
運搬ロボット | 床の吸引清掃・洗浄 | オフィス、飲食店、スーパーマーケット、宿泊施設、病院、工場 | 従業員の負担軽減 業務効率化 |
清掃ロボット | 床の吸引清掃・洗浄 | オフィス、飲食店、スーパーマーケット、宿泊施設、病院、工場 | 従業員の負担軽減 業務効率化 |
受付ロボット | 対面接客 予約確認 |
ホテル、商業施設、オフィス、観光施設 | 従業員の負担軽減 業務効率化 顧客満足度向上 |
警備ロボット | 自律巡回 カメラ監視 |
オフィス、工場、病院、商業施設 | 従業員の負担軽減 安全性向上 |
介護・福祉ロボット | 移乗支援 排せつ支援 モニタリング |
介護施設、老人ホーム、個人宅 | 介護者の負担軽減 生活の質の向上 |
医療ロボット | 手術支援 診療補助 薬剤搬送 |
病院、介護施設 | 医療従事者の負担軽減 安全性向上 |
サイズで選ぶ
導入前に、サービスロボットのサイズも確認しておきましょう。サイズが大きいと、より重い荷物の運搬や複雑な業務が可能となります。
サイズが小さいと、狭いスペースでも通行できる、価格が手ごろ、バッテリー寿命が比較的長いなどのメリットがあります。
稼働時間で選ぶ
サービスロボットを選ぶ際は、稼働時間も重要な項目です。連続運転時間が長いほど効率的に運用でき、生産性が向上します。
一方で、稼働時間が短いと低コストで導入しやすい、バッテリーが長持ちしやすいなどのメリットもあります。
情報処理能力で選ぶ
情報処理能力にも注目し、サービスロボットを選びましょう。情報処理能力が高く、マルチタスクができるロボットほど、生産性の面で優れています。一方で、処理能力が控えめなロボットは運用コストを抑えられ、取り扱いや保守が簡単というメリットがあります。
また、遠隔操作を前提にする場合は、通信機能の有無や対応距離、データの送受信量もチェックが必要です。
サービスロボットの導入事例
商業施設やオフィス、スーパーマーケットでのサービスロボットの導入事例を紹介します。
警備ロボット
来客数の多い大型商業施設にて、自動で巡回警備するロボットを導入した事例です。高性能センサーを備えた自律移動型の警備ロボットを導入し、施設内を巡回しながら異常を感知させました。導入後は警備員の負担が軽減され、施設内の安全性の向上にもつながりました。
受付ロボット
受付ロボットの導入で、従業員の負担を軽減した事例もあります。ある企業では来客者の予約情報管理や検温、内線電話呼び出し機能を備えた受付ロボットを導入。その結果、受付業務の負担軽減、感染症対策、ブランドイメージの向上などの効果が見られました。
清掃ロボット
スーパーマーケットに清掃ロボットを導入し、業務効率化に成功した事例もあります。慢性的な人手不足に悩まされる中、補助金を利用して業務効率の改善のために導入しました。
これまでは朝と夕方に店内清掃の時間を設けていましたが、清掃ロボットに任せることで、その時間を品出しや売り場の整理に充てられるようになりました。
サービスロボットの課題
サービスロボットの課題として、現場のリテラシー不足が考えられます。現場担当者がロボット操作に慣れていないと、高性能なサービスロボットを導入しても使いこなせません。ロボットの導入前後に、取り扱いに関する研修を設けるなどの対策が有効です。
また、運用中にロボットでは対応しきれない問題も発生します。例えば清掃ロボットが障害物にぶつかったら、従業員がサポートするなどの対応が必要です。
他に考えられるリスクとして、ネットワークで操作するロボットの場合、通信が途切れると稼働に支障をきたす可能性もあります。通信環境を強化するとともに、サイバー攻撃や盗難などのリスクも把握し、セキュリティ対策をしておく必要があるでしょう。
アイリスオーヤマの清掃ロボット
高い機能と使い勝手の良さで従業員の負担を軽減できる、アイリスオーヤマの清掃ロボットを紹介します。施設の規模や用途に合わせて、最適なモデルを選んでみてください。
Whiz iアイリスエディション
清掃コストを最大77%削減※できる清掃ロボットです。最初にルートを設定すれば、以降はボタンを押すだけで清掃でき、従業員の負担を軽減することが可能です。
これまで従業員が清掃に割いていた時間を、別の業務に充てられるため、生産性が高まります。全面清掃で施設の隅々までキレイにできるので、ブランドイメージや顧客満足度の向上にも貢献するでしょう。
〈Whiz iアイリスエディションの詳細はこちら〉

※1.800㎡での清掃を想定した比較。日本ビル新聞社「『ビルメンテナンスの積算&見積』カーペットの作業能率」を参照し当社にて試算。
BROIT
高い清掃品質で床掃除の負担を軽減する清掃ロボットです。強力な床洗浄力で、床に付着した汚れやゴミを効果的に取り除きます。3つの清掃モードを搭載しており、床材や汚れに合わせて使い分けが可能です。
直感的に操作できるタッチパネルで、誰でも簡単に操作できます。小回りが利くため、さまざまな規模の施設に対応可能です。バッテリーと水タンクは着脱式で、交換すれば清掃を止めずに連続稼働できます。
< BROITの詳細はこちら >

Scrubber 50 Proアイリスエディション
大規模施設の清掃に適した床洗浄ロボットです。オート充電と水循環機能を併用した場合、最大4,000㎡まで清掃が可能です。角度200°、距離10mの障害物を検知でき、安全に稼働できます。
4.6度の傾斜まで対応可能で、スロープのある施設でも安心。25kgのブラシ圧で頑固な汚れを除去し、清掃品質も向上します。6種類のパッドとブラシから、床材や汚れに合ったものを選択できます。
〈Scrubber 50 Proアイリスエディションの詳細はこちら〉

Phantasアイリスエディション
吸引・掃き掃除・水洗浄・モップの4つの機能を搭載した清掃ロボットです。狭い通路も通れるコンパクトなサイズと、壁際まで清掃できる高精度センサーで、施設の隅々まで清掃できます。AIを搭載し、自身でマップを生成するため清掃ルートの設定が簡単です。
複数のセンサーでリアルタイムに障害物を検知し、回避する能力を備えています。充電ステーションにより人手を介さず、自動で充電が可能。スマートフォンアプリでスケジュール設定や清掃データの確認をする機能もあります。
〈Phantasアイリスエディションの詳細はこちら〉

サービスロボットの種類や選び方を把握し、導入を検討しよう
企業がサービスロボットを導入すると、人手不足の解消や業務効率化、顧客体験向上といったメリットがあります。選ぶ際は機能に加えて、サイズや稼働時間、情報処理能力といったポイントをチェックしましょう。記事で紹介した選び方や事例も参考に、自社の業務を効率化できるサービスロボットの導入を検討してみてください。
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