LED照明の寿命は?寿命サインや長持ちさせる方法、メンテナンス方法を解説!

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LEDは長寿命の照明として一般的に浸透していますが、使用環境によって具体的な寿命が曖昧になりがちです。ただオフィスに導入したい場合などは、照明環境を保つため、適切な交換ルーティンを把握しなければいけません。

本記事では自社オフィスでLED照明を導入し始めた、または導入を検討している経営者に向け、LEDの寿命について解説します。また、LEDを長持ちさせる方法やメンテナンス方法まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。

LEDの寿命と扱い方を把握して、快適なオフィスを維持していきましょう。

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◆この資料でわかること
・LED照明へ切り替えの際に工事が必要なケース
・工事業者選定のポイント
・蛍光灯生産終了に対応するためのアクションプラン

LED照明の寿命とは?

LED照明の寿命が具体的にどれくらいなのか知るには、LED照明の寿命の定義から知る必要があります。一口に寿命といっても白熱電球と考え方が異なるため、LED照明の性質を知っておかなければ交換するタイミングがわかりません。

まずは基本の知識として定義を見ていきましょう。

■LED照明の寿命の定義

照明のイメージとしては、寿命を迎える=点灯しなくなるという認識が一般的です。しかしLED照明の場合は、寿命を迎えることで照明が点灯しなくなるとは限りません。

そもそもLED照明は、LEDチップという箇所が光源となり点灯します。白熱電球のフィラメントは断線により寿命を迎えますが、LEDチップは断線することがありません。

しかし経年劣化によってLEDチップは光束が徐々に滅光するので、いわゆる”寿命”に近づくほど光量が少なくなります。ただ複合的な故障が起きない限り完全に光が消えるまでにはかなり長い時間を要します。

そのため、日本照明器具工業会はLED照明の寿命を、完全に点灯しなくなるまでの総点灯時間、または経年劣化によって光束の維持率が一定値に達したタイミングを寿命と定義しました。値は一般的なLED照明で70%、カラーLED照明なら50%が寿命の目安となっています。

ただしこの寿命の定義はあくまでも設計寿命を示すもので、寿命そのものを保証するものではないという点に注意しましょう。

※参考:日本照明器具工業会「JIS C 8105-3 照明器具 – 第3部:性能要求事項通則

■LED照明の寿命

LEDが点灯しなくなる、もしくは光束速維持率が70%に滅衰する寿命は40,000時間が一般的です。

40,000時間というのは白熱電球の40倍、蛍光灯の4~5倍の寿命になります。年単位に換算すると、約8~10年と、かなり長い寿命だということがわかります。

ただし前述したように、LED照明は劣化すると光量が少なくなってしまうので、点灯していても、ある程度光量の減速したタイミングで交換が必要です。

日本照明器具工業会でも、LED照明は30,000時間を過ぎると劣化が始まることを踏まえ、10年を目安にLEDの交換を推奨しています。もし自社オフィスなどにLED照明を取り付けるなら、8~10年で交換するルーティンが必要になると想定しておきましょう。

LED照明の寿命が近いときのサイン

LED照明はかなり使い込んで故障が起きない限り、長期に渡って使い続けられます。しかし特定の不調が増えてくると、LED照明の寿命が近い可能性が高いです。

ここからはLED照明の寿命が近いときに見られる、代表的な症状と原因を解説します。取り付けた照明を交換するときの目安としても覚えておきましょう。

■点灯しても以前より暗く感じる

もしLED照明をつけたときに以前より光量が暗く感じる・明るくならない場合は、寿命が近い可能性が高いです。LEDはチップの劣化で光量が減衰する性質なため、明るさの変化はわかりやすいサインの一つです。

なんとなく以前より暗い気がしたら、LEDを取り付けてから何年経過しているか確認してみてください。8~10年経過しているなら、交換を検討する必要があります。

■LED照明が点滅する

LED照明は寿命が近いと、勝手に照明が点滅することもあります。

ただし照明の点滅は、照明器具と照明制御装置のアンマッチのでも起こることがあります。そのため、まずは照明の仕様を確認してみましょう。それでも直る気配がなければ、交換を検討しましょう。

■スイッチをONにしても点灯しなくなる

スイッチをつけようとして点灯しなくなった場合も、LED照明の寿命のサインかもしれません。この場合は、照明器具というより基板が原因である可能性が高いです。

基板も長年の使用で熱を持つことがあるため、破損してしまうことがあります。ただ、この場合も接触不良の可能性も捨てきれません。何度かスイッチをつけて直らないようだったら、交換のサインです。

LED照明を長持ちさせる使い方・選び方のポイント

ここからはLED照明を長持ちさせる使い方・選び方のポイントを解説します。

LED照明は従来の照明より長い寿命を持ちますが、弱点である熱や湿気を防ぐことで、さらに長持ちさせられる可能性があります。

オフィスでは十分な照明の光量が業務のしやすさにも影響するので、適切な管理が必要です。照明の導入前に確認しておきましょう。

■こまめにON・OFFをする

LED照明を長持ちさせるには、まずはこまめに照明をON・OFFをするように心がけてください。こまめにOFFにすることで、LEDチップや基板が熱を持つ時間を短くできるため、結果的に劣化スピードを遅くさせることができます。

照明は「頻繁にON・OFFさせると寿命が短くなる」という考えもあります。しかし、それは蛍光灯の場合だけで、LED照明は電源の点灯は寿命に影響しません。

短い時間でも、不使用時には必ず消すことで節電にもつながります。

■照明器具に適したLED照明を使う

照明器具を選んだら、取り付けるLED照明も適切なものを選ぶよう意識しましょう。取り付けるLEDのスペック以上の用途・環境で使用されると、LEDが熱を帯びやすくなり、早く傷んでしまいます。

そのため、取り付けたい照明器具に対し、適したLEDを使うことが重要です。なお、取り付けるとき注意したい照明器具の種類は、以下のものがあげられます。

  • 調光機能つきの照明器具
  • センサーつきの照明器具
  • 密閉型の照明器具

いずれの照明器具も、専用のLEDがあります。「調光器対応LED」という表記が目印です。もし該当する照明器具をオフィスなどで導入する予定があるのなら、LEDも必ず適切なものを使用しましょう。

■高温多湿な環境では特殊環境用LED照明を使う

高温多湿な場所に照明を取り付ける場合は、特殊環境用のLEDを使いましょう。

LEDは高温多湿な環境との相性が悪いものです。熱・湿気・オイルミストなどがあるとLEDが劣化しやすいため、普通のLED照明では早く寿命を迎えてしまう恐れがあります。

特殊環境用のLED照明なら専用の加工を施しているため、影響が強い場所でも劣化が進みにくいのが特徴です。湿気や熱気といった外気の影響をしっかり防いでいるので、長く使い続けることができます。

■メンテナンスをおこなう

LED照明の寿命を長くするためには、適度に掃除などのメンテナンスをおこなうことも大切です。汚れが溜まりすぎると照明の明るさが滅衰してしまうほか、LEDが必要以上に熱を帯びる原因にもなります。

ただし掃除は設置場所や部品にあわせた方法、かつ適切な頻度でおこなうことが重要です。適切ではない道具や洗浄剤を使用すると、かえって故障の原因となるので注意しましょう。

部品・設置個所による適切なお手入れ方法を以下の表にまとめました。メンテナンスの知識として参考にしてください。

なお、掃除をする際は、感電防止のために必ず電源を切る・抜くようにしましょう。

部品・設置個所 道具 掃除方法
照明(ランプ部分)
  • 柔らかい布
  • 中性洗剤
  1. 薄めた中性洗剤を作る
  2. 布につけて固く絞る
  3. 口金以外を拭く
金属・プラスチック
  • 柔らかい布
  • 中性洗剤
  1. 薄めた中性洗剤を作る
  2. 布につけて固く絞る
  3. 汚れが気になるところを拭く
  4. 洗剤が残らないよう水で拭き上げる
ガラス
  • ゴム手袋
  1. ゴム手袋を装着する
  2. 器具から外せれば外す
  3. 水で洗い流す
  4. 乾かして元に戻す
メッキ
  • 柔らかい布(濡れ拭き用と乾拭き用)
  1. 柔らかい布で拭き上げる
  2. 汚れが気になるなら濡れ拭きする
  3. 乾拭きをして仕上げる
木・竹・和紙など
  • 柔らかいブラシ・ハケ
  • 柔らかい布
  1. ブラシ・ハケでほこりをはらう
  2. 布でやさしく拭く

水や洗剤を使う場合は、器具を傷めないためにも、水気を含みすぎないことが大切です。水を染みこませた布は、必ず固く絞ってから使用してください。

なお、これらの掃除方法はあくまでも一例です。お手入れがしにくいものや開けられない器具を無理に掃除するとケガや故障の原因になってしまうことも。掃除が難しいものは無理に手をつけないようにしましょう。

LED照明についてよくあるQ&A

LED照明についてよくある質問を集めました。

まだ疑問が多くある方は下記の情報も参考に、疑問・不安を解消してください。

■蛍光灯からLED照明への交換は工事が必要?

蛍光灯からLED照明への交換は、工事が必要なケース・必要でないケースの両方があります。たとえば一般的な細長い蛍光灯などは、多くのケースで配線のバイパス工事が必要です。

配線のバイパス工事とは、蛍光灯に取り付けられている安定器という部品を取り除く、もしくは機能しないようにするための工事です。安定器は蛍光灯に電気を安定的に送るためのものですが、LEDの場合は火災の原因になる可能性もあるため、取り除かなければなりません。

一方で、丸いシーリングライトや天井に専用の配線器具がついているケースでは、一般的には工事を必要としません。LED照明を差し込む、もしくははめ込むことで簡単に交換できます。

蛍光灯からLEDの交換において、どのようなケースで工事が必要なのかを紹介しているのでぜひご覧ください。

蛍光灯からLEDの交換に工事が不要なケースとは?|法人向けLED照明|LED電球 ECOHiLUX(エコハイルクス)|アイリスオーヤマ
蛍光灯からLEDへの交換には工事が必要かどうか、仮に必要な場合どれくらいの費用が掛かるのかなど、蛍光灯からLED交換を行うに際して、よくある疑問への答えをまとめました。

■LED照明に交換する場合のコストはいくらかかる?

アイリスオーヤマのLED照明のラインナップを参考にすると、1本当たりの金額は次のとおりです。なお、ルーメン(lm)数によっても価格が変動するので、あくまでも参考値としてください。

商品 1本当たりの金額
LXラインルクス 直付型
LEDユニットのみ
10,000円~75,500円
LXラインルクス 直付型
LEDユニット+器具セット
12,600円~91,700円
直管LED HE190Sシリーズ:40形 14,700円~27,300円
直管LED HE190Sシリーズ:110形 29,400円~39,900円

※交換工事費用は別途

LED照明は、白熱電球や蛍光灯に比べると寿命が長く、消費電力をおさえられるため電気代を大幅に削減できる可能性があります。初期投資はかかりますが、長期的な視点で見ればコストダウンにつながる点は導入によるメリットのひとつです。

ただ、前述したように、設置場所によってはLED照明があまり向かないということも考えられます。設置したい場所にあわせ、適切な照明を選択するとよいでしょう。

なお、LED照明をつけるために配線のバイパス工事が必要な場合、LEDランプとセットで依頼するとお得に交換できることがあります。交換を前向きに考えているのであれば、一緒に依頼することも検討してみてください。

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蛍光灯・水銀灯からLED照明へ交換工事がまだの方必見!蛍光灯のLED化・直管蛍光灯のLED化・LED電灯の交換などのLED工事実績多数、LED補助金やLED助成金の活用も支援しています...

■LED照明のメーカーはどう選んだらよい?

LED照明は、メーカー保証の充実度を起点に選んでみてください。

保証が充実していれば、不具合・不調があったときに対応してもらえます。

LED照明は1年保証が一般的ですが、アイリスオーヤマは通常を5年間としており、他社メーカーと比較して保証期間が手厚いのが特徴です。

修理・交換やメンテナンスなどのサポートが受けられれば、導入に対する不安も軽減するのではないでしょうか。

アイリスオーヤマ「アフターサービスのご案内」
アフターサービスのご案内|法人向けLED照明|LED電球 ECOHiLUX(エコハイルクス)|アイリスオーヤマ
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LEDを適切に管理して長持ちさせよう

LED照明は取り付けてから、約8~10年で寿命を迎えます。大きく劣化して故障しない限りは、完全に点灯しなくなることは少ないですが、一定期間で交換するのがおすすめです。

LEDの寿命が近いサインに、光量が減る、勝手に点滅するといった症状があるので、年数が経ってきたら意識してみてください。

また、LED照明は取り付ける照明器具や設置する場所に適切なものを選ぶことで、長く使うことができます。取り扱いもこまめにON・OFFをし、適切に手入れをすると劣化を遅くすることが可能です。

使い方に注意を払い、適切なメンテナンスでLEDはより長持ちするので、長寿命の強みを存分に活かすことができるだけでなく、ランニングコストも最小限におさえることができます。