電力需給の逼迫やエネルギー価格の高騰により、企業には一般家庭以上に高い節電意識と具体的な対策が求められています。会社の消費電力を抑えるにはオフィスでの節電対策が欠かせません。そこで本記事では、オフィスで即実践可能な照明・空調・OA機器周りの節電方法を紹介します。また節電をするときの注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

オフィスの電力消費量は空調・照明・OA機器で8割

資源エネルギー庁によると、オフィスビルの電力消費は、空調、照明、OA機器で全体の8割を占めています。特に、電力消費量は9時~18時の間に高くなる傾向があります。
また、夏は空調の電力消費量が高く、冬になると日が短くなるため照明の消費量が増え、季節によっても異なるのが特徴です。
これらを考慮すると、空調、照明、OA機器の節電対策を行うことで、電力消費量の大幅削減が期待できます。
企業がオフィスの節電をするべき2つの理由
オフィスの節電をすると、企業として多くのメリットがあります。まずは、なぜ節電をすべきなのかその理由を見ていきましょう。
経費を削減できる
オフィスの節電をすることで、経費削減できるというのが一つ目の理由です。特に、オフィスの運営には空調や照明、設備など、多くの電力が必要であり、空調は電気代のほぼ半分を占めており、高額な経費がかかります。
効果的な節電方法を実践することで、経費負担を減少させ、実質的な利益を増やすことが可能です。
自社のイメージアップにつながる
オフィスの節電は企業のイメージ向上にも寄与します。近年では、SDGs(持続可能な開発目標)などにより、エネルギーの無駄な消費を抑え、環境への配慮を重視することが求められています。
企業が節電を実践することは、環境への貢献と社会的な評価を高める手段となるでしょう。
【照明編】オフィスの節電方法4選

まずはオフィスの照明の節電に有効な方法を紹介します。
1. 使用していない照明は消灯する
節電の基本と言えば、不要な照明をこまめに消すことです。時間帯や部屋、滞在人数に応じて消灯ルールを設けると効果的。昼休みの完全消灯は、資源エネルギー庁も推奨している節電アクションです。
トイレや給湯室は使用時だけ照明をつけることで無駄を減らせます。手元が見えにくくならないよう、夜間は必要な場合のみ照明を使用しましょう。
2. 人感センサー付きの照明を導入する
人感センサー付き照明なら人の動きを感知して、自動的に照明を点灯してくれます。
特に常時人が滞在しない場所や使用頻度が低い場所、照明の消し忘れが起きやすい場所の節電に有効です。具体的には以下の個所に設置すると良いでしょう。
- 階段
- トイレ
- 会議室
- 応接室
- コピー室
- 保管室
- 駐車場
- ゴミ捨て場
- 自動販売機コーナー(休憩スペース)
当社では、人感センサー付き照明を多く取り扱っています。ぜひチェックしてみてください。
3. 新しいLED照明に変える
オフィスの照明が古い場合、新しいLED照明に切り替えるだけでも節電が可能です。導入コストはかかりますが、長期的なランニングコストを考えると大きな経費削減になることを期待できます。
当社では、ご要望に合わせて最適な照明プランをご提案しています。照明変更をご検討の方はぜひお問い合わせください。
アイリスオーヤマ|アイリスオーヤマが提案できる確実な節電策

4. 明るさセンサーを活用する
明るさセンサーは、周囲の光量を検知するセンサーです。明るさセンサー付き照明は、自動的に照度を調整し、常に快適な照明環境を保つことができます。
当社のLiCONEX(ライコネックス)は、人感・明るさセンサーと連携できる無線制御システムです。タブレットやスイッチなどから、状況や用途に合わせて照明の明るさや光色を調節できます。常に最適な明るさに設定することで、快適性を保ちつつ消費電力を削減します。
配線工事が不要なため施工が簡単で工期も短縮可能。無線方式によりレイアウト変更にも柔軟に対応できます。ぜひ導入を検討してみてください。
アイリスオーヤマ|無線制御システムLiCONEX(ライコネックス)
https://www.irisohyama.co.jp/led/houjin/liconex/
【空調編】オフィスの節電方法7選
次はオフィスの空調の節電方法を見ていきましょう。
1. エアコンを適正温度に設定する
エアコンの設定温度を適正に保つことが重要です。エアコンの設定温度を極端に高く、または低く設定すると、室温を設定温度に合わせるためにエアコンが余計に動作し、不必要な電力消費が発生します。そのため、エアコンの設定温度は適正に設定するのが良いでしょう。
しかし適正温度は状況によって異なり、判断が難しいケースがあります。
当社の「エナジーセーバー」は既存の空調システムに取り付けるだけで、AIが自動的に温度を最適化してくれます。空調機メーカー各社に対応しているため空調設備を交換することなく、節電を実現できるため、設備の入れ替えが難しい企業におすすめのソリューションです。
アイリスオーヤマ|空調最適化エネソリューション エナジーセーバー
https://www.irisohyama.co.jp/b2b/air/products/energy-saver/
2.空調フィルターの掃除を定期的に行う
オフィスの空調フィルターを定期的に掃除しましょう。空調フィルターが汚れたままだと空調システムの効率が低下し、余計な電力消費が発生する可能性があります。空調フィルターを定期的に清掃し、効率の良い状態を保つことで、節電を実現できます。
3. 扇風機やサーキュレーターを導入する
節電効果を高めるために、扇風機やサーキュレーターの導入も検討してみましょう。扇風機やサーキュレーターを使用して空気を循環させることで、オフィス内にエアコンの空気が行き届きやすくなります。結果としてオフィス内の温度差が緩和され、快適な環境を維持できます。
なお、広いスペースでは、空気をより広範囲に供給できるサーキュレーターの使用がおすすめです。
4. 季節ごとに就業時間を変える
季節ごとに就業時間を変えるのも、節電につながります。空調は室内温度と外気温の差が大きいほど、室内の快適な温度を保つために多くの電力を消費します。つまり、気温が極端に高い(夏)または低い(冬)ときに電力消費が増加するということです。
そのため、季節ごとに電力消費が少ない時間帯に就業時間を調整することで、節電効果を得られます。夏には就業時間を早めにし、冬には遅めにするなど、工夫を凝らして節電を検討してみましょう。
5. 遮熱カーテンやブラインドを閉める
遮熱カーテンやブラインドを使用すると、空調効率を高め、節電につながります。夏は外気の熱気を遮断することで、室内の温度上昇を抑えることが可能です。冬は室内の暖かい空気を逃さず、保温効果を発揮します。
特に窓が多いオフィスではエアコンの負担を軽減でき、より効率的に空調が行えます。また、こまめに空調をON・OFFするのではなく、人が少ない場合は弱めるなど調整することも、節電には効果的です。
6. 省エネ性能のエアコンに買い替える
最新の省エネ性能を備えたエアコンに買い替えるのも、節電の一つの方法です。近年のエネルギー消費機器は、効率が大幅に向上しています。エアコンの使用年数が10年を過ぎている場合は、買い替えを検討してみても良いでしょう。エアコンの入れ替えが難しい場合は、当社の「エナジーセーバー」を活用するのもおすすめです。
7. 外気の温度差が小さい時間帯にスイッチを入れる
夏は涼しい時間からエアコンを入れ、冬場は暖かい時間帯にスイッチを入れることで、消費電力を抑えられます。エアコンは起動時に最も電力を消費するため、適切なタイミングで使用することが重要です。
また、設定温度と気温の差が大きいほど、電力を多く消費します。気温との差が大きくならないよう、適切に温度を設定することが大切です。
【OA機器編】オフィスの節電方法4選

オフィス内のOA機器も工夫することで節電できます。実行しやすい節電方法を詳しく解説していきます。
1. スリープモードを活用する
OA機器を節電するために、効果的な方法はスリープモードを活用することです。通常の稼働状態よりも消費電力を抑えられます。
デスクトップパソコンやノートパソコンはもちろん、プリンターなどの周辺機器にもスリープモードの設定が可能です。機器によっては、スリープモードに切り替えることで消費電力を90%削減できる場合もあります。
2. モニターの明るさを暗くする
PCモニターの明るさを40%下げることで、消費電力を10~20%削減できます。ただし、明るさを下げ過ぎると作業効率が低下するおそれがあるため、注意が必要です。
適切な明るさを維持するために、センサー機能付きPCの導入を検討するのも有効です。センサー機能は周囲の明るさを自動で感知し、最適な明るさに調整してくれます。無理に暗くせず、業務に支障がない範囲で調整することが重要です。
3. 省エネ機能付きのOA機器に買い替える
省エネ機能付きのOA機器に買い替えるのも一つの方法です。古いOA機器は消費電力が高く、節電が難しい場合があります。しかし省エネ機能付きのOA機器を導入すれば、無理なく節電が叶うでしょう。
4. コンセントをこまめに抜く
多くの機器はコンセントにさすだけでも、待機電力として電力を消費しています。つまり、電源を入れていない状態でも、常に電力を消費しているのです。
使用頻度の低いOA機器は、コンセントを抜いておくと無駄な電力消費を防げます。また、節電タップを導入するのも良いでしょう。節電タップをかませてコンセントをさすと、スイッチ一つで待機電力を遮断できます。
【トイレ編】オフィスの節電方法3選
社内で温水洗浄便座を取り入れている場合は、トイレの節電方法も確認しておきましょう。
1. 節電機能を活用する
タイマーや「節電モード」が付いている場合は、活用して消費電力を抑えましょう。温水洗浄便座は、いつでも使えるように洗浄水や便座を温め続けていますが、機種によっては、使わない時間帯に便座の温度を自動で下げる機能があるものもあります。こうした機能を活用することで、無駄な電力消費を減らせます。
2. 使用しないときは便座のふたを閉める
便座を温めるには電力を使いますが、ふたが開いているのと閉まっているのとでは消費電力が異なります。使用しないときには、ふたを閉める習慣をつけることが大切です。また、便座カバーをつけると保温力が高まり、節電につながります。
3. 便座と洗浄水の温度は低めに設定する
便座と洗浄水の温度設定を下げるだけでも、消費電力を抑えられます。冬は温度を「高」から「中」に、春秋は「中」から「低」に設定を変更することで、効率的に節電できます。また、通年つけっぱなしにせず、夏場や使わないときには電源をオフにしておくと良いでしょう。
【その他】オフィスの節電方法3選

上記で説明した以外にも、オフィスでの節電方法はいくつかあります。発電システムや電力会社のプランを見直すのもおすすめです。また節電の大切さを社内で共有することも大切です。
1.太陽光発電を導入する
初期費用はかかりますが、太陽光発電設備を導入する方法もあります。自家消費型システムでは、屋根や敷地にパネルを設置することで、自社の電力を賄うことが可能です。
また、蓄電池を追加すれば、災害時の停電対策にも役立ちます。資金に余裕がない場合は、国や自治体の補助金や税制優遇を活用すれば、導入コストを抑えられます。特に中小企業の場合は、税制優遇も定められているため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
2. 電力プランを見直し電力会社を替える
オフィスの電気料金を抑えるためには、電力プランの見直しや電力会社の切り替えを検討する方法もあります。電力代は「使用量×単価」で計算されますが、節電には限界があります。
市場連動型プランでは、電力量料金が市場価格に応じて変動するため、安い時間帯に使用することで節約が可能です。また、オフィスの契約プランは、契約電力や供給電圧を見直すことで、経費削減につながります。自社に合った最適な電力プランを選ぶことが重要です。
3. 業務効率を改善する
業務効率を改善し、従業員の意識を変えることが節電につながります。たとえば、ノー残業デーを設け、休日出勤を減らすことで、照明や空調の使用時間を短縮できます。また、会議は電気使用のピークタイムを避け、朝や夕方に行うと効果的です。さらに、クールビズやウォームビズを導入することで、空調負担を軽減できるでしょう。
アイリスオーヤマでは電力エネルギー利用を最適化するEMSソリューション・ENEVERSE(エネバース)を提供しています。
ENEVERSEの電力モニタリングサービスでは、使用電力を設備単位で見える化して、電力値の動向を通知。積極的な省エネを促します。また、省エネを実現できるよう専門スタッフがサポートしている点も特徴です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<ENEVERSEの詳細はこちら>
https://www.irisohyama.co.jp/b2b/energy-saving/
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https://www.irisohyama.co.jp/b2b/energy-saving/service/power-monitoring/