産業用ロボットは導入コストが大きいため、できるだけ長く使いたいと考える人も多いのではないでしょうか。実際の寿命は使用環境やメンテナンスの有無によって大きく変わります。本記事では、産業用ロボットの寿命や業種別の法定耐用年数、寿命を延ばすために押さえておきたい保守管理のポイントについてわかりやすく紹介します。
産業用ロボットの寿命はどれくらい?
産業用ロボットの寿命の目安として、メーカーによる部品供給期間(多くは生産終了後10年)が参考にされることが一般的です。多くのメーカーでは、生産終了後もおおむね10年間は部品供給を続けるため、「生産終了後10年程度」がひとつの寿命の目安とされています。
ただし、産業用ロボットは種類や機能、使用環境により寿命や耐用年数が異なります。一般的には、内蔵モーターの規定稼働時間が目安。部品の交換や定期的な調整を行うことで、より長く使用できる可能性もあります。
産業用ロボットの耐用年数は?
産業用ロボットの寿命を判断する際には、減価償却の観点は欠かせません。産業用ロボットの法定耐用年数は、ロボットの種類ではなく、実際の用途や作業内容によって異なります。ただし、耐用年数を過ぎたからといって即座に使えなくなるわけではなく、実際の寿命とは異なる場合もあります。
以下に、税法上での使用用途と耐用年数について、一部抜粋して紹介します。
設備の種類 | 法定耐用年数(年) |
業務用ロボット掃除機 | 6 |
食料品製造業用設備 | 10 |
繊維工業用設備 | 7 |
家具・装備品製造業用設備 | 11 |
電子部品・デバイス・電子回路製造業用設備(光ディスク) | 6 |
電子部品・デバイス・電子回路製造業用設備(半導体・FDP) | 5 |
電子部品・デバイス・電子回路製造業用設備(その他) | 8 |
印刷業・印刷関連業用設備(モノタイプ等) | 3 |
印刷業・印刷関連業用設備(製本業) | 7 |
印刷業・印刷関連業用設備(その他) | 10 |
木材・木製品製造業用設備(家具除く) | 8 |
引用:「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第二 機械及び装置の耐用年数表
業務用ロボット掃除機
業務用のロボット掃除機は、減価償却資産として一般的な掃除機と同様に6年の法定耐用年数が定められています。実際の本体の使用可能期間もおおむね5〜6年とされていますが、長期間安定して使い続けるためには定期的な部品交換が欠かせません。
業務用ロボット掃除機の詳しい寿命やメンテナンスについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▼内部リンク
同月記事「業務用ロボット掃除機 寿命」
食料品製造業用設備
減価償却資産として、産業用ロボットが食品製造業用設備に分類される場合、法定耐用年数は10年と定められています。この耐用年数は、食品製造の現場で使用される産業用ロボット全般に適用されます。ロボットの種類や機能にかかわらず、個別の仕様による限定はありません。
繊維工業用設備
繊維工業で使用される産業用ロボットは、用途や設備の種類によって法定耐用年数が異なります。例えば、炭素繊維の製造に使われる設備のうち、「黒鉛化炉」は耐用年数が3年に設定されています。一方、黒鉛化炉以外の炭素繊維製造設備は7年に分類されており、その他の繊維製造関連設備も原則として7年とされるのが一般的です。
用途や機器ごとの違いを踏まえ、設備ごとに適切な管理が求められます。
家具・装備品製造業用設備
家具や装備品の製造工場で使われる産業用ロボットには、減価償却上「11年」の耐用年数が設定されています。
この分類には、木材を使った家具や装備品も含まれており、素材が木製であっても同じ枠に該当するのが特徴です。ただし、木材・木製品製造業として区分される設備については、別の耐用年数が適用されるため、業種ごとの違いを事前に確認しておくことが大切です。
電子部品、デバイス又は電子回路製造業用設備
電子部品や電子回路の製造に使われる産業用ロボットは、設備の種類によって耐用年数が異なります。
光ディスク(追記型・書換え型)の製造設備に該当するものは6年と設定されており、半導体やフラットパネルディスプレイなどの製造設備は5年と、他の分類と比べてやや短めです。それ以外の電子部品関連設備については、原則として8年の耐用年数に分類されています。
印刷業または印刷関連業用設備
印刷業やその関連分野で使用される設備は、用途や方式によって法定耐用年数が異なります。例えば、モノタイプ印刷機や写真製版機、通信設備などは3年と比較的短く設定されています。
一方、製本業用設備には7年の耐用年数が適用されます。新聞業やデジタル印刷システムを除いたその他の一般的な印刷設備については、原則として10年とされているのが特徴です。
木材または木製品製造業用設備(家具は除く)
木材や木製品の製造業で使用される産業用ロボットの耐用年数は8年に設定されています。ただし、この分類には木製家具の製造は含まれていません。
例えば、椅子やテーブルなどの家具製造設備は別の区分が適用されます。同じ木材を扱う場合でも、製品の種類によって耐用年数の適用範囲が異なります。
産業用ロボットの寿命を伸ばすには?
産業用ロボットは、適切な保守管理を行うことで、法定耐用年数を超えて長く使い続けることが可能です。ここでは、寿命を延ばすために有効な2つのアプローチを紹介します。
異常が出たらすぐ対応する(事後保全)
トラブルや不具合が発生した際の事後対応も、ロボットの寿命を左右する重要なポイントです。日々の運用中に違和感や軽微なエラーに気づいた場合は、すぐに使用を中止して点検を行うことが求められます。小さな異常を見逃さず、早めに対処することで、大きな故障や深刻なトラブルを未然に防げます。
定期的に点検・メンテナンスを行う(予防保全)
異常が出ていなくても、定期的な整備を行うことはトラブル予防につながります。例えば、「時間基準保全」では一定の間隔で点検を実施し、「状態基準保全」では機器のわずかな変化を察知して早めに対応することが必要です。
特にロボット導入初期は、状態基準保全が適しているケースもあります。メーカーが推奨する点検スケジュールを参考に、維持管理の体制をしっかり整えることが大切です。
アイリスオーヤマの業務用清掃ロボット
アイリスオーヤマの業務用清掃ロボットは、清掃現場の人手不足やコスト削減に対応する頼れる存在です。直感的な操作と高い清掃力で、オフィスや店舗、公共施設など幅広い現場で活躍。清掃の効率化と品質向上を同時に叶えます。
Whiz i アイリスエディション
オフィスや工場、店舗、公共施設など、さまざまな現場で活躍する業務用清掃ロボット。スタートボタンを押すだけで自動的に清掃を開始できるシンプルな操作性が特徴です。
障害物を自動で検知・回避し、変化する環境にも柔軟に対応します。最大3.6時間の連続稼働で、約1,800㎡もの広さをカバーできるため、広範囲の清掃にも適しています。
また、遠隔管理ツール「Whiz Connect」を使えば、清掃状況の把握や管理も簡単です。人手不足の解消や清掃コストの削減、業務効率化にも効果的なソリューションとなっています。
<「Whiz i アイリスエディション」の詳細はこちら>

清掃ロボット BROIT
水拭き対応の業務用清掃ロボットは、高い洗浄力と優れた操作性を兼ね備えています。日本の清潔志向に応える3つの清掃モードを搭載しており、床材や汚れの種類に応じて最適な洗浄が可能です。
直感的な操作画面により、誰でも簡単に清掃をスタートできます。また、バッテリーと水タンクは交換式で、連続稼働にも柔軟に対応。障害物や人を検知するセンサーを備えているため、安全に走行できるのも特徴です。
メンテナンスがしやすい構造やクラウド監視による安心サポートも完備しています。
< 「BROIT」の詳細はこちら >

Phantas アイリスエディション
吸引や掃き掃除、水洗浄、モップ掃除など多彩な機能を備えた清掃ロボットです。コンパクトなサイズで取り回しがしやすく、自動充電機能も搭載。
アプリを使えば、スマートフォンから清掃タスクのスケジューリングや実績データの確認も可能です。障害物に対して0cmまで接近して清掃できるほか、障害物回避能力に優れているため、リアルタイムで障害物を察知してスマートに走行できるのも特徴です。
<「Phantas アイリスエディション」の詳細はこちら>

Scrubber 50 Pro アイリスエディション
大規模施設に最適な清掃ロボットが、「Scrubber 50 Pro アイリスエディション」。1回の充電で900㎡の範囲を清掃できます。
オート充電と循環機能を組み合わせることで、最大4,000㎡もの広さに対応可能です。6種類のパッドやブラシを使い分けることで、用途や床材に合わせて最適な清掃コンディションを実現できます。
<「Scrubber 50 Pro アイリスエディション」の詳細はこちら>

産業用ロボットの寿命は管理と運用で変わる
産業用ロボットの寿命は、法定耐用年数だけでなく、使用環境や保守体制によっても大きく左右されます。異常があれば早めに対応し、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、寿命を延ばすことも可能です。導入コストを無駄にしないためにも、適切な管理と運用をするようにしましょう。
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