空調設備とは、温度や湿度、空気清浄、気流などの空気の調整を行う設備のこと。オフィスで人が快適に過ごし、商品や機器などを維持・管理するために必要不可欠な設備です。本記事では、空調設備の意味やエアコン・換気設備との違い、種類、空調設備の課題などについて解説します。あわせて省エネ・除菌にまでアプローチできる設備も紹介します。

空調設備とは

空調設備とは、空間に合わせて空気を調和する設備のことです。建築物衛生法における空気調和設備とは、外から取り入れた空気をフィルターなどで浄化(清浄)し、温度・湿度・空気清浄・気流(流量)を調整して供給・排出する設備を指します。空調設備を使用することで人が快適に過ごせて、商品や機器の維持・管理が可能になります。
エアコン・換気設備との違い

空調設備・エアコン・換気設備はいずれも快適な室内環境を保つための装置ですが、それぞれ役割や機能が異なります。ここでは、それぞれの目的や仕組みの違いをわかりやすく解説します。
空調設備とエアコンとの違い
空調設備とは、室内の「温度・湿度・気流・浄化」の4つを総合的にコントロールするシステムのことです。
一方で、一般的なエアコンは「温度・湿度・気流」の調整に特化した冷暖房機器であり、空気の浄化や換気までは行えません。このため、法的にもエアコン単体は空調設備とは区別されます。ただし、換気設備を併用すれば、エアコンも空調設備として必要な機能を満たすことができます。
空調設備と換気設備の違い
空調設備が温度・湿度・気流・浄化を総合的に管理するのに対し、換気設備は室内の空気を入れ換えることを目的とした装置です。換気設備は、汚れた空気を排出して新鮮な外気を取り入れる役割を持ち、建築基準法によって設置が義務付けられています。
ただし、温度や湿度を調整する機能は備えていないため、単体では空調設備とはみなされません。エアコンと換気設備を組み合わせることで、快適な温度管理と清浄な空気環境のどちらも実現できます。
空調設備の種類
空調設備には保健用空調(対人空調)と産業用空調があります。どちらも空気を調節する役割は同じですが、対象とするものが異なります。空調設備の種類を解説します。
人が快適に過ごすことを目的とした「保健用空調(対人空調)」

保健用空調(対人空調)とは、オフィスビル・商業施設・ホテル・病院・学校などの建物の空調のことです。建物の中で働いたり、生活したりしている人が健康・快適でいられるよう維持するのが目的で設置されます。
動植物の育成・物品の品質維持・管理を目的とした「産業用空調」

産業用空調とは、工場・貯蔵庫の物品、農園施設の動植物の生育環境、データセンターの機械の機能などの維持・管理をするものです。そこで働く人の労働環境を維持することも目的に含まれます。年間を通して同じ温度を保っているのが保健空調と異なる点です。
空調設備システムの種類
空調設備システムは、大きく分けて2種類あります。使い方によってパッケージ方式とセントラル空調方式に分けられます。
部屋ごとに設置できる「パッケージ方式(個別空調方式)」

空調が必要な階や部屋ごとに設置される方式で、「個別空調方式」とも呼ばれます。冷風や温風を作る熱源機器と空調機が接続または一体化されている小型の空調システムです。個別で温度調整ができるため、使用する時間・温度が階や部屋ごとに変えられます。
テナントビルなどの中小規模の建物に適しています。
建物内を一元管理できる「セントラル空調方式(中央空調方式)」

熱源機器(冷凍機・ボイラーなど)や空気調和機を中央機械室または管理室に設置して、必要な部屋へ空気を搬送する方式です。熱源機・空調機・熱搬送機器などで構成されています。
セントラル空調方式には、建物内のすべて部屋の温度・湿度を同じように制御する「定風量単一ダクト方式」と、部屋ごとの風量を変えられる「変風量単一ダクト方式」の2種類の送風方法があります。
空調設備を構成するシステム機器

空調設備は、建物全体の温度・湿度・気流を制御するために複数の機器で構成されています。主に「熱源設備」「空調設備」「熱搬送設備」の3つに分類され、これらが連携することで、室内環境を快適に保つ仕組みです。
| 区分 | 役割・概要 | 主な機器 |
|---|---|---|
| 熱源設備 | 冷媒や水を冷却・加熱し、空調機に送るための冷温水を作る装置。 | 冷凍機、ボイラー、冷却塔など |
| 空調設備 | 室内に送る空気を浄化・冷却・加熱・調湿し、快適な状態に整える装置。 | 空調機(AHU)、冷却コイル、加熱コイル、加湿器、エアフィルターなど |
| 熱搬送設備 | 熱源設備と空調機をつなぎ、冷温水や空気を循環・搬送する装置。 | ポンプ、配管、送風機、ダクト類など |
このように、各機器が連動して働くことで、空調システム全体が効率的に機能します。
空調設備の熱交換器(流体別)による分類

空調設備は、熱をどのように運ぶかによって4つの方式に分類されます。使用する媒体や仕組みが異なるため、建物の用途や目的に合わせて最適な方式を選ぶことが大切です。ここでは、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
全空気方式
全空気方式は、空気を熱の運搬媒体として利用する空調方式です。外気と還気を混合し、冷却または加熱した空気をダクトを通して室内へ送風します。温度調節と換気を同時に行える点が特徴で、広い空間の空調に適しています。
部屋ごとに細かく温度を調整しにくく、ダクトスペースが大きくなるといった欠点もあります。
全水方式
全水方式は、水(冷水・温水)を熱の運搬媒体として利用する空調方式です。空気を使わないためダクトスペースが不要で、省スペース設計に適している点が大きな特徴です。一方で、空気の鮮度を保つためには換気設備や外気取入れ口が別途必要になります。また、配管が破損した際には水漏れのリスクがあるため、適切な点検と管理が欠かせません。
空気・水併用方式
空気・水併用方式は、空気と水の両方を使って熱を運ぶ空調方式です。外気を取り入れるためのダクトは必要ですが、全空気方式と比べると省スペースで設置できるのが利点です。温度調節はファンコイルユニットなどの熱交換器で行われ、効率よく熱を移動できます。ただし水を使用するため、配管の管理や点検を適切に行うことが求められます。
冷媒方式
冷媒方式は、冷媒(主にフロンガス)を用いて熱を移動させる空調方式です。家庭用エアコンやヒートポンプなどに採用されており、一般家庭から小規模オフィスまで幅広く利用されています。省エネ性やコスト面に優れている一方で、外気を取り入れるための換気設備を別途設置する必要があります。
空調設備を導入する際の課題

快適な空間に調整してくれる空調設備にもさまざまな課題があります。特にコストは、企業にとって大きな悩みでしょう。空調設備を導入する上で考えられる課題を紹介します。
①空調コストがかかる
空調設備を使用すると消費電力が高くなり、空調コストがかかります。消費電力のうち空調設備が占める割合は高い傾向にあります。季節別の空調設備が占める消費電力の割合は以下のとおりです。
| 空調設備が占める消費電力の割合:夏季の点灯帯(17時頃) | 空調設備が占める消費電力の割合:冬季の点灯帯(1日) | |
|---|---|---|
| オフィスビル | 48.6% | 33.5% |
| 卸・⼩売店 | 26.2% | 22.2% |
| ⾷品スーパー | 24.3% | 10.7% |
| 医療機関 | 34.7% | 34.9% |
消費電力が高いと電気代も高くなります。近年、電気代が高騰したことで、空調コストを削減したいと考える企業はより多くなっているのが現状です。
参考:
②定期的なメンテナンスが必要
空調設備の不具合や故障を防ぎ、長く使用するには定期的なメンテナンスが必要です。空調設備を長く使用していると、経年劣化により部品の摩耗・破損などが発生する可能性が高まります。また、不具合や故障が起きていなくても性能が低下したり、カビの発生につながったりすることも。
建物環境衛生管理基準では、病原体によって空間内の空気が汚染されないよう、冷却塔・冷却水・加湿装置は月1回の点検、年1回の清掃をすることを定められています。室内を適切な環境にするためにも、空調設備を定期的にメンテナンスする必要があります。
参考:厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」
③耐用年数がある
空調設備には、正常に稼働する期間の目安として耐用年数が設定されています。耐用年数は3種類あります。
<耐用年数の種類>
法的耐用年数:減価償却費などの会計処理のために法律で定められている価値の年数
経済的耐用年数:使用する上で必要な修理などの費用がかかる年数
物理的耐用年数:経年劣化により空調設備が機能を低下する年数
経済的・物理的耐用年数を経過すると空調設備の修理や買い替えが必要になってきます。
④除菌率が低い
一般的な全館空調設備では、空気中のウイルスや菌の10~30%しか除去できません。新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行した後も、室内のウイルスや菌を除去し、適切な環境にしたいと考える企業が増えています。
室内外問わず、空気には見えない汚れが漂っているため、多くの人が集まるオフィスやお店では清潔で過ごしやすい環境を整えることを目指しましょう。
省エネ・除菌までアプローチできるアイリスオーヤマの空調設備
前述した空調設備の課題を解決するための手段として省エネ・除菌にアプローチできる設備を紹介します。今ある空調機器に取り付けるだけで、全体の空調コストを削減できます。
今ある空調機器のまま省エネを実現「エナジーセーバー」

現在使っている空調機器で省エネ化したいなら各社の空調機に対応可能な「エナジーセーバー」がおすすめです。設置するだけで空調にかかる電力を最大40%も削減できます。
パッケージエアコンに取り付ければ、設定温度に対する温度の上下変動を減らし、温度ムラを少なくするため、室内温度を変えずに消費電力を抑制。AIが空調設備に負担をかけずに過剰な冷暖房を抑えてくれます。
〈エナジーセーバーの詳細はこちら〉

取り付けるだけで空間を丸ごと除菌「プラズマガード」

「プラズマガード」は空調ダクトに取り付けて、空気や机・椅子などの物の表面まで除菌できる設備です。エアハン、全熱交換器(ロスナイ)、ダクトエアコン等など、さまざまな設備で利用できます感染症対策が継続しているなか、除菌対策で業務にかかる時間を割かれている企業も多いのではないでしょうか。
「プラズマガード」なら、独自の技術でイオン空気中に分散させ、空気中や床などの表面に堆積している菌やウイルスにアプローチできます。また、「プラズマガード」にはカビの発生を抑制する効果もあり、梅雨時期や高温多湿な場所のカビ対策にも効果的です。
〈プラズマガードの詳細はこちら〉

必要な空調設備を設置して効率的に環境を整えよう

空調設備は、人や物品に適した空間に調整してくれる重要な設備です。空間の規模に合わせて設備やシステムの種類を選択することで、快適な空間を実現できます。あわせて空調設備の課題を解決するための手段も講じるのがおすすめ。オフィスや小売店など、空間に合わせて必要な空間設備を導入しましょう。
※こちらに掲載されている商品情報・価格・キャンペーンは掲載日時点での情報です。
※価格は変動することがございますのであらかじめご了承ください。
