学校などの教育現場を始め、オフィスでも導入されている電子黒板。認知はしていても、実際に導入を迷っている企業や学校も多いのではないでしょうか。この記事では導入を検討している学校関係者に向け、電子黒板の基本的な概要と導入のメリットやデメリットを紹介します。また電子黒板を選ぶ際のポイントについても併せて解説します。
電子黒板とは?
電子黒板とは、デジタル技術を用いた黒板のこと。まずは電子黒板の基本的な概要と、黒板との違いについて解説します。
デジタル技術を用いた黒板のこと
電子黒板は「インタラクティブホワイトボード」とも言われ、デジタル技術を用いて画面を映し出した上で、直接操作や書き込みなどをおこなえる黒板のことです。ICT教育が推進されるのに伴い、導入した学校や導入を検討する学校が増加しています。
専用のタッチペンや指で操作や書き込みができる他、ワンタッチでの消去も可能。さまざまな種類があるので、授業の内容や進め方に合わせて型を選べます。
黒板との違い
黒板を使った授業は、直接書き込んで見せるアナログなやり方です。一方、電子黒板はデジタル機器のため、あらかじめ保存されたデータを映し出しながら授業ができます。
さらに、映し出したデータを専用のツールで操作可能。削除や拡大・縮小が容易で、その上データの共有をできる点も魅力です。
電子黒板の主な種類
電子黒板の種類は主に3タイプ。それぞれで特徴が異なるので、導入を検討している学校は現場での使用方法をイメージしながら選んでみてはいかがでしょうか。
タッチディスプレイ型
スマホやタブレットのように、画面に触れて操作できるタイプです。指や専用のタッチペンを使って、大きな画面を操作します。
多くのタッチディスプレイ型には、授業が円滑に進むような機能やアプリ、ブラウザ、カメラなどが備わっています。他の機器を用意せずこれ1台あれば良いので、スムーズに準備できるでしょう。
なお設置方法は以下の3つです。
- キャスターが付いているスタンドで設置する
- スライドできるよう黒板に設置する
- 壁掛けで設置する
複数の教室を移動して授業をおこなう場合は、キャスターが付いているスタンドがおすすめです。
プロジェクタ型
黒板や壁に画面を投影するタイプがプロジェクタ型です。映し出した画面に書き込むなど、タッチペンを使って操作します。
映し出すスクリーンや壁面の大きさに合わせて、投影するデータサイズが調整可能。これにより教室の設備に合わせた使い方ができるので、レイアウトを変更する手間が省けるでしょう。大きく投影すれば、教室の後方に座っている生徒でも見やすく、円滑に授業を進められます。授業スタイルに合わせて、既存の黒板との併用も可能です。
ディスプレイ不要で場所を選ばず使用でき、保管場所も取りません。
ただし明るい場所では見えにくいため、カーテンを閉めて映し出す空間を暗くするなどの工夫が必要です。
ユニット型
教室内にあるテレビやモニターに専用のユニット機器を接続し、電子黒板として使用するタイプです。本来タッチ操作ができないテレビやモニターが、タッチパネルとして使えます。もともと備え付けられている設備を使うので、コスト面を抑えられる点が最大の魅力です。
ただし設備によっては、ユニットが対応していないものがあるため、事前に確認が必要です。また、本来はタッチ操作が不可能な機器を使うことで、スムーズに操作できない場合も。本格的に電子黒板を導入する前に、ユニット型で試験的に取り入れてみるのもひとつです。
電子黒板のメリット
教育現場への電子黒板の導入は、先生・生徒どちらも得られるメリットがあります。授業のスムーズな進行や生徒の集中力維持などにつながるでしょう。
効率的に授業を進められる
電子黒板を導入すれば、これまで動作に時間がかかっていた「黒板に書く」「消す」「プリントを配る」といった業務をスムーズに行うことができます。ス板書の保存やデータの共有が簡単にできるようになるので、授業を効率的に進められるでしょう。またこれらの対応時間によって、生徒の集中力が奪われることもありません。
板書の内容を保存しておけば、別クラスの同じ授業でもデータを使い回せるので、教師の負担も軽減できます。
内容を分かりやすく見せられる
電子黒板は、視覚的な見やすさや分かりやすさが魅力。書き込みはもちろん、画面の拡大・縮小が可能なので、授業のねらいや重要なポイントなどを明確に示せます。その結果、生徒に伝わりやすく理解しやすい授業をおこなえるでしょう。
授業に映像を用いれば、生徒の興味関心を引き出せます。
先生と生徒の間での意見交換・共同作業がよりスムーズに
教師が書いた板書の内容はもちろん、生徒達が考えた答えや作った資料・作品の共有もできます。他の生徒の意見を見て「気づき」を得られ、他の生徒と意見交換がしやすくなるでしょう。結果、生徒達の考え方の幅が自然に広がります。
共有方法は、全員分のノートや作品を順に映す、見比べられるように並べて映すなどさまざまです。また生徒の手元にあるタブレットと接続すれば、生徒と教師とが共同で作業することも可能。生徒達だけではなく教師同士でも共有できるので、意見交換に役立ちます。
電子黒板のデメリット
電子黒板には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。導入を検討する際は、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
導入に費用がかかる
電子黒板の導入に費用がかかることがデメリットのひとつです。主に以下のような項目で費用がかかります。
- 機器代
- 設置・セットアップ費用
- 維持費
- 故障した際の対応費用
- 定期的なメンテナンス費用
電子黒板の価格は、内蔵されている機能やディスプレイのサイズによって変わります。予算を検討しながら導入を考えてみてください。
トラブルが発生すると授業が止まる
電子黒板は電子機器である以上、エラーなどのトラブルが起きてしまうことも考えられます。主なトラブルは以下の通りです。
- 画面がフリーズする
- タッチペンが機能しない
- 動かない
- 画面が真っ暗になる
エラーが起きると授業が途中で中断され、生徒の集中を妨げてしまう恐れがあります。そのため、教師はトラブル発生時の対応策をあらかじめ考えておかなければいけません。
授業がストップしないようにサポート体制を整えておくことが大切です。正常な状態で使い続けられるよう、ソフトウェアのアップデートやウィルスチェックなど、機器の管理を徹底するなどして、万が一のトラブルに備えましょう。
選び方や操作が難しい
電子黒板のサイズや性能、接続の仕方、操作方法がまちまちなため、選ぶ際に迷いがちです。また操作が難しいものを選んでしまうと、操作に慣れるまでに時間がかかる場合もあるでしょう。
電子黒板の選び方のポイント
電子黒板の導入で失敗しないためには、使用人数や操作性の良さなどを考慮して、慎重に選ぶことが大切です。電子黒板の選び方のポイントを見ていきましょう。
教室の大きさ・生徒の人数に合う投影サイズ
電子黒板を選ぶ際のポイントのひとつは、教室の大きさや生徒の人数に合わせて投影できるかどうかです。例えばディスプレイタイプであれば、サイズを検討する必要があります。目安となる人数とサイズは以下の通りです。
人数 | サイズ |
20~30人 | 65型 |
30~40人 | 75~86型 |
ただしディスプレイ型の場合、ディスプレイの大きさによっては、教室にスペースを確保できない場合があります。大きく投影したい場合は、90インチが主流のプロジェクタ型を検討してみるのも良いでしょう。
授業の進め方との相性
授業の進め方やスタイルに合わせて選ぶことも大切です。電子黒板は、機種ごとに内蔵されている機能が異なります。タッチパネルやデータ保存など、授業に必要な機能をあらかじめリストアップしておくと良いでしょう。
また授業の進め方が板書と映像のどちらの比率が高いかによっても、選ぶ電子黒板が変わります。映像メインでデジタル教科書として使う比率が高ければディスプレイタイプ、板書が多ければプロジェクタタイプなど、進め方に合わせて選んでみてください。
操作や接続のスムーズさ
電子黒板をせっかく導入するのであれば、使いやすさが非常に重要です。備え付けの機能が多ければ多いほど、操作が複雑になる傾向にあります。使いにくければ利用頻度が減ることにもつながるでしょう。
授業をおこなう教師達はもちろん、授業内容によっては生徒が使うこともあるので、誰もが使いやすいものを選ぶのが理想です。また接続方法が分かりやすいかどうかもチェック。すばやく接続・起動できれば、スムーズに授業をスタートさせられます。
費用と機能・耐久性などのバランス感
導入には費用がかかるため、どれくらいの費用がかかるかも選ぶ際のポイントです。高機能な電子黒板であるほど、費用は高くなる傾向にあります。高機能のものを導入したにもかかわらず結局使わなければ、コストパフォーマンスも良くありません。
しかし安さを重視しすぎると、機能がなさすぎたり耐久性が低く壊れやすかったりすることがあるため、それぞれのバランスが良いものを検討しましょう。
電子黒板の導入ならアイリスオーヤマがおすすめ

電子黒板を導入するなら、アイリスオーヤマのアイテムはいかがでしょうか。
アイリスオーヤマの電子黒板は、Google Workspace for Education と連携可能で、PCレスで授業できるのが特徴です。直観的な操作ができ、基本的な書き込みはもちろん、書き込んだ文字を自動でテキスト変換します。2〜4人での複数同時書き込みも可能です。
サイズは65型と75型の2種類で、カメラとマイクが内蔵されているため、高画質での描写が叶います。さらに、ワイヤレスでタブレットやPCとの画面共有や操作が可能。専用投影アプリやオプションの「ミラーリングドングル」を使えば、画面共有がワンタッチで済みます。
タイマーやスクリーンショットの機能も、授業の中で活用できるでしょう。
<アイリスオーヤマの電子黒板の詳細はこちら>
https://www.irisohyama.co.jp/b2b/eizou/products/electronic-blackboard/
電子黒板のメリットデメリットを理解し、導入を成功させよう

電子黒板の導入は、授業を進める教師・学ぶ生徒の双方にとってメリットがあります。ただし、費用やトラブル時の対応方法など、事前にしっかり把握しておくことも大切です。授業スタイルとの相性や操作性、価格などさまざまな観点から電子黒板をチェックし、ぴったりの1台を選んでみてください。
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