LED照明の導入で使える補助金とは?申請の手順や注意点も解説

2023.12.28
省エネ

社内の照明をLED化する際には、従来の蛍光灯や白熱電球からLEDへの切り替えに伴う工事費用がかさみ、コスト面で悩みとなるケースがあります。

本記事ではLED導入を検討する企業担当者の方に向け、現在利用できる補助金制度をご紹介します。各種申請手順や注意点も解説するため、ぜひ参考にしてください。

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LED照明の導入で、利用できる国の補助金・助成金の例

ここからはLED照明の導入で利用できる国の補助金・助成金の例をご紹介します。制度概要を確認して、利用できるものがないかを確認してください。

■中小企業経営強化税制

青色申告書を提出する中小企業等が、中小企業等が経営強化法の認定を受けた計画に基づく投資を行う際、法人税を即時償却または取得価額の10%の税額控除を選択適用できる制度です。

対象である「中小企業者等」は次の条件に当てはまる企業を指します。

  • 資本金・出資金の額が1億円以下
  • 資本金・出資金を有しない従業員が1,000人以下の法人
  • 従業員数が1,000人以下の個人事業主
  • 協同組合など
実施担当機関 中小企業庁
概要 中小企業が一定の設備投資を行った場合、税額控除または特別償却の適用を認める措置
対象企業
  • 中小企業者等(資本金額1億円以下の法人、農業協同組合、商店街振興組合等)
  • 従業員数1,000人以下の個人事業主
期限 2025年3月末まで

※参考:No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)|国税庁

■カーボンニュートラルに向けた投資促進税制

国が定めた2050年のカーボンニュートラルに向け、大きな脱炭素化効果を持つ生産設備導入を支援する制度です。

省エネ効果が高い照明や空調システムを導入する際、最大10%の税額控除または50%の特別償却を受けられます。

なお、計画の認定を希望する際は、計画の認定を予定している時点から約2カ月前に所管の省庁へ相談が必要になります。

実施担当機関 経済産業省
概要 大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備を導入する場合、最大10%の税額控除または50%の特別償却の適用を認める措置
対象企業 青色申告書を提出する法人で、認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応事業者
期限 2025年3月末まで

※参考:No.5925 カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(生産工程効率化等設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)|国税庁

LED照明の導入で利用できる自治体の補助金・助成金の例

LED照明導入に関連する、地方自治体の補助金・助成金を紹介します。ただし、これらはごく一部であり、各自治体ごとに利用可能な制度を確認してください。

また、当社では、LED照明の導入に関する補助金・助成金のご相談もお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。

〈「補助金・助成金のご案内」はこちら〉
補助金・助成金のご案内|法人のお客様|アイリスオーヤマ
設備の導入や更新をご検討されているお客さまへ。 導入コスト削減のチャンスとなる 補助金、助成金制度をご紹介させていただきます。

■(東京都)中小企業者向け省エネ促進税制

中小企業が地球温暖化対策の一環として、省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備を取得する場合、法人事業税や個人事業税を減免する制度です。

対象設備は東京都が導入推奨機器として指定するものに限られ、空調システム・照明・小型ボイラー・再生可能エネルギー設備などがあげられます。

条件が合えば、設備の取得価額(上限2,000万円)の2分の1を法人事業税または個人事業税から減免することが可能です。

実施担当機関 東京都主税局
概要 中小企業が一定の設備投資を行った場合、税額控除または特別償却の適用を認める措置
対象企業 (法人)
  • 資本金1億円以下
  • 地球温暖化対策報告書等を提出

(個人事業者)
  • 地球温暖化対策報告書等を提出
適用期間
  • 法人事業税:2026年3月末まで
  • 個人事業税:2025年12月末まで

※参考:環境に関する都税の軽減制度について〈HTT関連〉 | 東京都主税局

■(東京都)LED照明等節電促進助成金

製造業を営む中小製造業者が節電の計画を立て、自社工場にLED照明器具やデマンド監視装置などを設置する際、その導入経費の一部を助成してもらえる制度です。

申請の際は、次のいずれかの診断を受けなければなりません。

  • 公社が実施する節電診断
  • クール・ネット東京が実施する省エネ診断
  • クール・ネット東京が実施する「地域の多様な主体と連携した中小規模事業所省エネ支援事業」において、省エネサポート事業者が交付決定を受けて実施した省エネコンサルティング
実施担当機関 公益財団法人 東京都中小企業振興公社
概要 節電計画に必要な設備を自社の工場に設置する際の導入経費の一部を助成
対象企業 東京都内で製造業を営む中小企業及び中小企業団体
適用期間 2024年7月まで

※参考:LED照明等節電促進助成金 | 設備助成 | 東京都中小企業振興公社

■(埼玉県)埼玉県環境みらい資金融資

埼玉県環境みらい資金融資は、地球温暖化対策や公害防止対策に使用できる融資です。

省エネ設備の新設・増設は、地球温暖化対策として温室効果ガス排出削減対策枠で融資を受けることができます。

また、再生可能エネルギーの利用設備も融資の対象です。

実施担当機関 埼玉県 環境部 温暖化対策課
概要 温室効果ガス排出量の削減対策や公害防止対策の環境問題に取り組むための必要な設備等資金を、低金利かつ長期固定により支援
対象企業 埼玉県内で事業活動を営んでいる法人及び個人事業主
融資期間 7年または10年以内

※参考:埼玉県 埼玉県環境みらい資金融資のご案内

■(名古屋市)名古屋市環境保全・省エネルギー設備資金融資

名古屋市環境保全・省エネルギー設備資金融資は、名古屋市内で公害防止や省エネルギー推進の設備導入を行う企業に向けた融資です。

利率1.3%(5,000万円超は1.5%)の融資を受けられます。

融資限度額の範囲内で、必要経費の全額を融資することを原則としているのが特徴です。なお、中小企業者は5,000万円、中小企業団体は一律6,000万円を融資限度額としています。

実施担当機関 名古屋市環境局大気環境対策課
概要 公害防止や省エネルギー推進などの環境保全対策を実施するための資金を長期かつ低金利で融資
対象企業 市内で事業を営んでいる、次のいずれかに該当する中小企業者、中小企業団体
  • 資本の額又は出資の総額が3億円(卸売業では1億円、サービス業・小売業では5,000万円)以下の会社
  • 常時使用する従業員が300人(卸売業・サービス業では100人、小売業では50人)以下の会社又は個人
  • 中小企業団体の組織に関する法律で定める事業協同組合・事業協同小組合・協同組合連合会・企業組合・協業組合・商工組合・商工組合連合会
融資期間 7年または10年以内

※参考:名古屋市環境保全・省エネルギー設備資金融資について(事業向け情報)

■(福岡県)エネルギー対策特別融資制度

福岡県のエネルギー対策特別融資制度は、省エネ対策、再生可能エネルギー設備・コージェネレーション・水素ステーションなどの導入に使える制度です。

対象の設備導入・建築物の改修をする企業は、利率年1.1%の融資を受けられます。

実施担当機関 福岡県
概要 省エネルギー対策、再生可能エネルギー設備・コージェネレーション・水素ステーション等の導入等を支援
対象企業 福岡県内に事業所がある中小企業など
融資期間 10年以内※措置期間は2年以内

※参考:中小企業者向けの「エネルギー対策特別融資制度」の御案内 – 福岡県庁ホームページ

LED照明の導入で利用できる補助金・助成金の分類

LED照明導入に関連する補助金・助成金の制度は、大まかに3つの分類に分けられます。それぞれを詳しく見ていきましょう。

■先着順

あらかじめ決められた予算に達すると募集を終了する制度です。国や自治体、民間団体で使われています。

なお、補助金や助成金は、導入工事が終了してから支払われるのが一般的です。

■審査

設定した期間で募集をし、受け付けた企業を審査する制度です。制度の条件を満たしていることが確認されると、補助金や助成金が支給されます。国や自治体、外郭団体などで採用されています。

■競争審査

競争審査は審査と同じく、決められた期間内で募集を行う制度です。ただし、通常の審査と異なり、応募された企業のなかから優位性の高い企業から優先的に選びます。 LED化においては、たとえば費用対効果や省エネ効果の高い企業が優先的に採用される場合があります。主に国や自治体で採用される方法です。

LED化の補助金・助成金申請から実施までの主な手順

LED化に補助金・助成金を活用するには、申請が必要です。そこで、ここからは一般的な補助金・助成金の申請手順を解説します。

制度利用を見越して、申請の手順を予習しましょう。

1.申請するLED化への補助金・助成金制度を選定

まずは自社で申請可能な補助金制度を選定しましょう。制度は国や地方自治体の公式サイトなどから確認できます。

制度を選定する際は、まず申請期限や適用期限から確認してください。期限を過ぎていると利用できません。

なお、事前に診断や申請エントリーが必要な制度もあるため、要件はよく目を通し取りこぼしのないようにしてください。あらかじめ診断が必要な制度は、その期間を見越して早めに申請を行いましょう。

また、基本的に補助金や助成金はすぐ受け取れません。募集の受け付け終了から審査を経て3カ月ほどかかるケースもあります。

2.申請書・添付書類の作成

活用したい補助金・助成金制度が決まったら、申請書と添付書類を準備します。省エネ診断が必要な場合は、診断書の提出も忘れずに計画しましょう。

申請書の書式は制度ごとに異なるため、申請する制度の公式サイトなどを確認してください。必要な書類は制度によって異なるため、要件を把握した上で準備を進めることが大切です。

3.審査・交付決定通知の受け取り

申請後は審査が行われます。審査が終了し、承認されると、交付通知書が届くので受け取りましょう。

LED化の工事は交付通知書を受け取ったあとに進めます。工事を先に始めると、交付を受けられないおそれがあるので注意してください。

4.LED化の実施・報告書提出

LEDの照明設備を購入、設置工事を実施します。申請した内容と同様の設備・形態で導入を進めましょう。

なお、設置後は、完了検査が必要な制度もあります。指定の検査報告を提出し手続きを進めましょう。

5.金額決定後に指定口座へ振込

報告書の内容が最終審査されると、補助金や助成金が交付されます。審査には現地調査が含まれる場合もあり、導入した設備の写真撮影などが求められることがあります。

審査を通過すると、交付金額に関する通知が届きます。制度や審査状況にもよりますが、通知から約2カ月前後で補助金や助成金が振り込まれるので、金額に誤りがないかを確認してください。

LED照明の導入で補助金を利用する際の注意点

補助金・助成金が利用できれば、LED照明の導入コストを大きく削減できます。ただし利用に関してはいくつかの注意点があります。

■受給までに手間や時間がかかるケースがある

補助金・助成金を受けるには、手続きや準備が必要です。特に、担当者の時間が限られていることや、LED照明の急な導入を望む場合には、この手続きがネックになるケースもあるでしょう。

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■LED照明が一般的に普及し終了する制度も多い

近年、LED照明の普及により補助金・助成金の制度が減少していることに留意すべきです。LED照明の導入に補助金・助成金を利用したい場合でも、該当する制度がない可能性もあります。

さらに、今後も支援制度が少なくなる可能性もあります。そのため、利用可能な支援策が残っている間にLED化を迅速に進めることをおすすめします。

補助金・助成金を活用して社内のLED化を計画的に

施設やオフィスのLED化には初期費用がかかるため、補助金・助成金の活用は有益な選択肢です。

ただし、補助金・助成金は制度ごとに要件が異なり、手順を踏まなければいけません。申請期限を考慮し、可能な限り早めに準備を進めておくことが重要です。

また、補助金・助成金の情報は変更される可能性があるため、最新情報を公式サイトで確認しておきましょう。

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