オフィスの蛍光灯が古くなってきて交換を考えている方がいるかもしれません。しかし、現在蛍光灯の生産が行われていないため、オフィスの蛍光灯を使っている場合は、いずれは移行が必要となるでしょう。
本記事では、オフィスの蛍光灯をLEDに変えることを検討している企業や担当者向けに、LED化のメリット・デメリットについて解説します。
LED化について知っておくと、蛍光灯からの切り替えがスムーズに行えるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
オフィスの蛍光灯はLED照明に交換が必要
蛍光灯に含まれる水銀が環境に悪影響を及ぼすことが懸念され、2013年に「水銀に関する水俣条約」にて規制を定める国際協定が採択されました。また、2024年11月3日に行われた「水銀に関する水俣条約」にて、直管蛍光灯製造と輸出入を2027年末までに禁止することが決まりました。
なお、2019年から蛍光灯器具の生産は中止されており、すでに過去に生産した分しか流通していません。つまりオフィスに設置された蛍光灯は、遠くない将来に交換ができなくなることが予想されます。老朽化で交換するのなら、今後はLED照明への交換を検討しなければなりません。
LED照明とは?
Light Emitting Diode(発光ダイオード)の略で、その名のとおり発光ダイオードを用いた照明器具です。発光ダイオードに電圧を加えることで光を発する構造となっています。
LED照明は、2010年代に蝋燭や白熱電球、蛍光灯に続く第4の照明として登場しました。それまで日本では蛍光灯や白熱電球が一般的でしたが、2011年の東北地方太平洋沖地震後、節電の必要性から急速に普及しました。
LED照明は環境問題や節電の観点から注目を集めており、今では多くの企業や一般家庭で使用される照明器具となっています。
オフィスの蛍光灯をLED化するメリット
オフィスの蛍光灯をLED化するメリットは、大きく分けて4つあります。
節電効果
LED照明はエネルギーの変換効率が高く、ほかの照明と比較すると消費電力が少ないのが特徴です。そのため、節電効果が期待できます。
また、LED照明は発熱しにくいため、オフィス内の温度にほとんど影響を与えず、冷暖房の電力消費も低減できます。
オフィスのすべての照明をLEDに交換すれば、節電効果が大きくなる可能性があります。
環境経営につながる
LED照明は省電力かつ長寿命です。蛍光灯からLEDに交換することで照明の交換頻度が低下し、照明器具の寿命も延びます。長期間使用されることで、廃棄サイクルが長くなり、結果として廃棄物の量が減少し、CO2排出量の削減に寄与します。
SDGsの流れもあるなかで、企業として環境に配慮した経営ができることは大きなメリットと言えるでしょう。
メンテナンスの手間がほとんどかからない
LED照明は白熱電球や蛍光灯に比べて寿命が長いため、メンテナンスの手間も少ないです。
白熱電球の寿命は1,000~2,000時間、蛍光灯の寿命は6,000~12,000時間程度と言われています。一方でLED照明の平均寿命は約40,000時間です。長寿命のため、メンテナンスや交換の頻度はかなり少なく済むでしょう。
紫外線が含まれていない
蛍光灯には人体への影響はないものの、紫外線の放出により物品にわずかな影響があります。たとえば、蛍光灯の光によって印刷物や展示物の色褪せが起こることがあります。また、虫は紫外線を感知するため、光源の近くに集まったり死骸が増えたりすることがあります。
一方、LED照明には紫外線が含まれていません。LED化することでオフィス内の展示物や印刷物の劣化が抑えられ、色褪せを防げます。また、LED照明は虫が寄り付きにくくなるため、清潔感を維持するのに役立ちます。
オフィスの蛍光灯をLED化するデメリット
蛍光灯を交換するにあたって、デメリットもあります。
導入コスト
LED照明は蛍光灯より1つ当たりの価格が高めであり、オフィスへの導入には一定のコストがかかります。
ただし、長寿命や省電力性を踏まえると、LED照明のランニングコストはかなり低くなります。
多くの箇所で交換が必要な場合は、予算を十分に確保することが重要です。
工事が必要になる
オフィスで安定器付きの照明器具に蛍光灯を使用している場合、LEDに交換するには工事が必要です。蛍光灯では必要な安定器ですが、LEDには必要のない電流が流れる可能性があり、劣化や火災のリスクがあるため不要です。
安定器付きの照明器具に対しては「バイパス工事」を行います。バイパス工事で電気配線を変えることで、蛍光灯をつけていた照明器具で安全にLED照明を使うことが可能です。
また、電気工事は専門的なスキルと知識が必要であり、間違った工事は漏電や火災の原因になる可能性があります。必ず業者に依頼しましょう。
オフィスの蛍光灯をLED化する3つの方法
オフィスの蛍光灯をLED化するには、次の3つの方法があります。
- LED交換キット:照明器具を活かし内部をリニューアルする方法
- ランプ交換:照明器具を活かしランプを交換する方法
- 照明器具交換:照明器具ごとリニューアルする方法
設置する場所やニーズによっておすすめの方法が異なるため、どれが自社オフィスに適しているか検討してください。それぞれの方法を紹介します。
参考:https://www.irisohyama.co.jp/led/houjin/products/straight-pipe-led/
LED交換キット
LED交換キットを使用する方法では、既設の照明器具の本体や反射笠を活かし、ランプ(光源)と内部のソケット・端子台・リード線を交換します。
照明器具自体は交換せずにLED化を行い、同時に内部の劣化した部品もリニューアルすることが可能です。
「既設器具を活かしたい」「内部端子に劣化がある」「システム天井や電気用品安全法の技術基準に適合している」場合におすすめの方法です。
なお、当社のLED交換キットは、約65%の既設器具を再利用します。既設器具を流用することで省コスト・省廃材・省施工を実現しています。
ランプ交換
既存の照明器具の本体を活かし、蛍光灯からLED照明へランプのみ交換する方法です。照明器具をそのまま活かせるため、コストも削減できます。簡単な配線工事のみが必要なので、作業時間も短く済みます。
「既設器具が新しく、そのまま器具を活かしたい」「費用を抑えてLED化したい」といった場合におすすめの方法です。
当社では既設器具を活かして設置できるLED照明として、「直管LEDランプ」を展開しています。直管LEDランプは一般的な蛍光灯と比較し、消費電力は最大約76%カットを実現している商品です。LED制御装置を標準搭載し、日本照明工業会規格の安全規格もクリアしています。
〈アイリスオーヤマの「直管LEDランプ」を詳しく知りたい方はこちら〉
照明器具ごと交換
照明器具ごとの交換では、既設の照明器具を外し、新しいLED照明器具と交換します。器具ごと一新するため、長期間使用可能な点が魅力です。また、照明器具には交換目安があり、法定耐用年数は15年ですが、(一社)日本照明器具工業会ガイド111では、照明器具の適正交換時期を10年としています。そのため、「照明器具を10年以上使っている」「照明器具ごと変えたい」といった場合におすすめの方法です。
当社では、既存の照明器具や蛍光灯を取り外し、お客様の要望に合わせた新しいLED照明器具への交換サービスを提供しています。
オフィスにおけるLED照明の導入事例
ここからは当社のLED照明の導入事例をご紹介します。LED化の参考の一つとしてぜひ参考にしてください。
株式会社テクノル 八戸支店 様
施設名称 | 株式会社テクノル 八戸支店 様 | ||
所在地 | 〒039-1114 青森県八戸市北白山台2-2-14 |
||
採用商品 |
|
豊田通商株式会社 豊田支店 様
施設名称 | 豊田通商株式会社 豊田支店 様 | ||
所在地 | 〒471-0834 愛知県豊田市寿町7-66 |
||
採用商品 |
|
極東開発工業株式会社 東京本部 様
施設名称 | 極東開発工業株式会社 東京本部 様 | ||
所在地 | 〒140-0002 東京都品川区東品川3丁目15-10 |
||
採用商品 |
|
オフィスのLED化には無線制御システムの導入もおすすめ
オフィスのLED化には、省エネ効果を高める無線制御システムの導入もおすすめです。当社の「LiCONEX(ライコネックス)」は照明1台から、エリアや時間ごとに自動制御できます。消灯や日中の自動調光などを精細にコントロールできるのが魅力です。
〈アイリスオーヤマの「LiCONEX」を詳しく知りたい方はこちら〉
早めにオフィスの蛍光灯のLED化を進めよう
まだオフィスで蛍光灯を使用しているケースもあるでしょう。しかし、将来的に蛍光灯や安定器を手に入れるのが困難になり、交換や廃棄にも手間がかかることを考えると早めにLEDへ交換するのがおすすめです。
LED化は環境にも貢献し、電気代の節約にもつながります。経費削減を望む企業にもぴったりの対策です。
ただし、LED化には一定の工事が伴うことが予想されます。工事の方法によっては、一時的にオフィスでの業務が難しくなる可能性もあるため、注意が必要です。業務に支障が出る時期を避け、余裕のあるタイミングで進めましょう。