スーパーマーケットは食品を取り扱うため、より一層衛生面に気をつけなければなりません。カビの発生が原因で食品事故が起きた場合、店舗や企業に大きなダメージを及ぼすリスクがあります。
どれだけ衛生面に気をつけていても店舗の天井にカビが発生し、早めに対処したいと考える企業や担当者も多いのではないでしょうか。店舗の天井にカビが発生した場合は、早めの対処が必要です。
本記事では、スーパーマーケットの天井にカビが発生する主な原因や具体的な対処法を解説します。店舗の天井の発生するカビの予防策も解説するので、ぜひ参考にしてください。
スーパーマーケットの天井にカビが発生する主な原因
食品を取り扱っていない店舗に比べると、スーパーマーケットは天井にカビが発生しやすい側面があります。その背景には、スーパーマーケットならではの特徴が大きく関係しています。
■結露が発生しやすいため
スーパーマーケットの冷蔵ケースは、生鮮食品を冷やしながら保管するためのもので、常に冷気を放っています。これが、スーパーマーケットの天井にカビが生えやすい原因の一つです。
冷蔵ケースから出る冷気が天井に当たることで、温度差が生じ、そこで結露が発生します。結露がたまりやすい湿度の高い状態になり、これがカビの発生につながるのです。
スーパーマーケットでは、平型オープン型や横型など、異なる形状の冷蔵ケースが使われています。平型オープン型は蓋がないため冷気が直接外部に放出され、その分、天井への冷気の影響が大きくなり、結露が発生しやすい傾向にあります。
■天井の清掃が行き届いていないため
店舗の天井は通常床よりも汚れにくく、手の届きにくいことがあります。このため、掃除が十分に行き届かず、スーパーマーケットの天井にカビが生えやすくなるケースがあります。
天井は静電気によってホコリを引き寄せる性質があり、そこにカビの発生リスクが高まります。カビはわずかなエサでも増殖するため、天井の清掃が大切です。
カビのリスクを減らすために、1〜2週間に1回程度の頻度でこまめに天井を掃除しておきましょう。
■店内の換気が不十分なため
スーパーマーケットの天井にカビが生えやすい理由の一つは、適切な換気が行われていないことです。
店内は出入口から離れた場所ほど換気がしにくく、湿気がこもりやすくなります。
カビは、温度20℃〜30℃で湿度80%以上の環境を好みます。暖かい空気は上にたまりやすい性質があり、十分に換気しないと天井がカビの繁殖に適した条件となりやすくなります。
さらに、季節の変化や急激な温度変化もカビの発生に影響を与えます。換気によるカビ対策は、高温多湿な夏だけでなく、結露が発生しやすい秋や冬も重要です。
スーパーマーケットの天井に発生したカビは早めに対処が必要
一度発生したカビは放置すると増殖するおそれがあります。天井のカビは広がりやすいため、気づいたら早めに対処しましょう。ここからは、カビを放置するリスクを解説します。
■利用者に悪い印象を与える
店舗の天井にカビが発生したまま営業を続けると、利用者に「不衛生」という印象を与えてしまうおそれがあるので注意しましょう。
スーパーマーケットでは食品を取り扱うため、清潔感が重視されます。調理場が清潔であっても天井にカビが生えていると、利用者の購買意欲に影響を与える可能性があります。
特に、広範囲にわたってカビが生えている場合は、利用者からクレームを受ける可能性もあります。利用者の購買意欲を損なわず、良い印象を持ってもらうためには、早めのカビ対策が必要です。
■利用者の健康被害を誘発するおそれがある
天井に発生したカビは、従業員や顧客の健康に悪影響を及ぼす危険性がありますので、放置しないようにしましょう。
カビはアレルギー肺炎などの健康被害を引き起こす可能性があります。特に従業員は長時間店内に滞在するため、アレルギー反応が出るリスクが高まります。
従業員の健康を守ることは企業にとって義務であり、労働契約法や労働安全衛生法で規定されています。
カビによる健康被害が労働事故と見なされ、安全管理の怠慢が問われた場合、従業員からの損害賠償を求められる可能性があります。
■保健所の指導対象になる
スーパーマーケットの営業には、食品衛生法に基づく営業許可が必要です。
保健所は店内の衛生管理状況を点検し、換気状況や害虫対策、手洗い設備などをチェックします。チェック項目のなかには、店内や天井のカビも含まれています。
保健所が調査した際、天井にカビがあれば、行政指導による改善が求められることもあります。
行政指導に従わなかった場合は、企業名や所在地、指導内容などが公表されるため、企業や店舗に大きなダメージを与えかねません。
スーパーマーケットの天井に発生したカビの対処法
天井のカビを発見したら放置せず、早めに対処しましょう。特に梅雨や秋雨の時期は、カビが繁殖しやすいため、早期の対応が肝心です。
ペンキを使ってカビを覆うのはおすすめできません。カビはペンキの下でも増え続ける可能性があるため、後から取り除くのが難しくなります。ペンキさえもカビのエサになってしまうため、カビを隠すような対策は避けた方が良いでしょう。
また、スーパーマーケットには天井ファンがある場合がありますが、湿度が高いときに使用すると、店内と天井の温度差がカビの増殖を助長することがあります。
天井のカビに気づいた場合、まずは専門業者に依頼しましょう。専門業者は市販のカビ取り剤よりも高濃度の薬剤を使用するため、黒くなったカビでも除去できる可能性があります。
スーパーマーケットの天井に発生するカビの予防策
スーパーマーケットの天井はカビが発生しやすいため、何らかの予防策を講じておくことも重要です。ここからは店舗の天井に発生するカビの予防策を紹介します。
■営業終了後は冷ケースに蓋をする
冷ケースには平型オープン型や横型など、さまざまな形状があります。オープンタイプの冷ケースは常に冷気が出ているため、天井にカビが発生する原因となりやすいです。
天井にカビの発生を予防するためには、冷ケースに蓋をして冷気が出さないようにするのも一つの手です。特に店舗が閉店する際には、冷ケースの蓋を閉める習慣を従業員全員に徹底させましょう。
また、オープンタイプの冷ケースのフィルターにはカビが溜まりやすいので、頻繁に清掃するよう心がけます。
■除湿器を設置する
冷ケースからは常に冷気が出ており、周辺の湿度が高くなりやすいため、除湿器を設置してカビを予防しましょう。
除湿器を冷ケースごとに設置することで結露を防止できますが、複数の除湿器を設置すると、初期費用や電気代がかさみます。
初期費用が負担になる場合はレンタルを検討するのも良いでしょう。湿度が高くなる梅雨や夏などの特定の時期にだけレンタルすれば、ランニングコストを抑えつつ、効果的なカビ対策が可能です。
■温度・湿度管理を徹底する
カビは暖かく湿った環境を好むため、店内の温度と湿度を適切に管理することで、カビの発生を抑えることができます。
カビは湿度が60%を超えると繁殖しやすくなるので、店内の湿度を40〜60%の範囲内に保つように心掛けましょう。特に梅雨や秋雨など湿度が高まりやすい時期は、エアコンの除湿機能を使って湿度をコントロールすると効果的です。
■防カビ塗装を施す
防カビ効果のある塗料を使ってカビを予防するのも一つの方法です。発生したカビの上から直接塗装するので綺麗にすることができます。また、カビの再発を予防できるのもメリットです。
ただし、定期的な塗り直しが必要で、費用面の負担が大きい点がデメリットとしてあげられます。
カビの発生を抑えるならプラズマガードがおすすめ
天井のカビの発生を予防する際には、当社のプラズマガードの活用をご検討ください。プラズマガードは独自の除菌技術により、長寿命イオンが空間全体を循環し、高温多湿な場所のカビの繁殖を抑制します。
また、空気中に舞っているカビだけでなく、カビの発生や拡大を抑制する効果も期待できます。
プラズマガードは既設ダクトに設置できるため、空調設備の入れ替えが不要です。また、業務用エアコンのように天井に吊るし、天井面にイオンが行きわたるような天吊りプラズマガードという製品があります。
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天井のカビを発見したら早めの対処が必要
スーパーマーケットには、食品を陳列するための冷ケースが設置されており、冷気の影響で天井にカビが発生しやすくなっています。
カビは見つけ次第迅速に対処しなければ増殖します。ただし、初心者がカビを完全に除去するのは難しく、逆に増殖させてしまうおそれがあるため、ペンキで上塗りしないようにしましょう。
カビを発見したらすぐに専門業者に依頼し、完全に除去することが重要です。
また、一度除去してもカビが好む環境が整えば、再度発生する可能性もあります。カビを除去したあとも、湿度管理の徹底や除湿器の使用などで対策を講じておきましょう。