オフィスの清掃は、専門業者に依頼することが可能です。業者による清掃には、スポット清掃・定期清掃・日常清掃・巡回清掃といった種類があり、それぞれ作業内容や頻度などが異なります。
オフィスの清掃を業者に依頼する際には、目的に応じて適切な清掃方法を選択することが重要です。例えば、特に専門的な作業や大掛かりな清掃が必要な場合は、スポット清掃が適しています。
本記事では、スポット清掃の基本的な作業内容や定期清掃・日常清掃・巡回清掃との違いなどを解説します。オフィスの清掃を業者に任せるメリットや業者の選び方も併せて解説するので、自社で依頼を検討する際に役立ててください。
スポット清掃とは?
スポット清掃とはオフィス清掃の一つで、特定の場所を重点的にきれいにする清掃方法です。
通常、オフィスの清掃は定期的に行われ、長期間契約するケースがほとんどです。一方、スポット清掃は単発で依頼できるため、長期契約が必要ありません。特に汚れた箇所を重点的に掃除したいなど必要なときに利用され、「臨時清掃」とも呼ばれます。
また、スポット清掃は、業者の選定にも役立ちます。最初にスポット清掃を利用して業者の仕事ぶりを確かめることで、その後の定期清掃や日常清掃を安心して依頼できるでしょう。
スポット清掃の基本的な作業内容
スポット清掃では、主に次のような作業が行われます。
- カーペットのクリーニング
- 床のワックスがけ
- トイレの尿石除去
- シンクの水垢除去
- 照明器具の清掃
- 窓ガラスの清掃
- エアコンの分解洗浄
- バルコニーの鳥の糞除去
- 防鳥ネットの取り付け など
スポット清掃は定期清掃や日常清掃とは異なり、定期的に同じ場所を清掃するのではなく、汚れた場所に重点的に対処します。そのため、通常は日常的に清掃する必要の少ない作業内容が含まれます。
定期清掃・日常清掃・巡回清掃との違い
業者に依頼できるオフィス清掃にはスポット清掃のほか、定期清掃や日常清掃、巡回清掃があります。それぞれを解説します。
■定期清掃とは?
定期清掃とは、日常清掃ではカバーしきれない特別な清掃を指します。定期清掃の基本的な作業内容は、次のとおりです。
- カーペットのクリーニング
- 床の洗浄
- 床のワックスがけ
- ガラス清掃 など
作業内容によっては、フロアの家具や什器を移動させる必要があります。また、作業時に清掃機材による騒音が発生することもあるため、オフィスが休みの日に実施されるケースがほとんどです。
定期清掃の頻度は業者のプランや契約によって異なりますが、1~3カ月に1回程度が目安です。
■日常清掃とは?
日常清掃とは、日常的な汚れを取り除くことを目的とした清掃です。基本的な作業内容は、次のとおりです。
- 床の掃除機がけ
- 床のモップがけ
- カーペットのシミ取り
- オフィス家具の拭き掃除
- オフィス家具や備品の除菌
- ゴミの回収と廃棄
- トイレと手洗い場の清掃
- トイレの消耗品の補充
- 給湯室の清掃
- シンクの洗浄
- 窓サッシのほこり取り など
■巡回清掃とは?
巡回清掃は、建物の共有部分を業者のスタッフが定期的に巡回して行う清掃方法です。基本的な作業内容は次のとおりです。
- 床の掃除機がけ
- トイレと手洗い場の清掃
- トイレの消耗品の補充
- 給湯室の清掃
- ガラス戸の拭き掃除
- 照明器具の拭き掃除
- 電球切れのチェック及び交換
- エントランス付近の掃き掃除
- 植込みの剪定 など
基本的な作業内容は定期清掃ほど大がかりなものではなく、日常清掃に似ています。決まった箇所を定期的に巡回し、清掃の必要に応じて簡易的な掃除をします。巡回清掃は建物の共有部分を対象とするため、多くの場合、オフィスビルのオーナーや管理会社が依頼するものです。
清掃の頻度は通常、1週間に1〜2回程度が目安とされています。
オフィスの清掃を業者に依頼するメリット
オフィス清掃を業者に依頼すると、企業や従業員に多くのメリットをもたらします。
■従業員の負担を軽減できる
従業員がオフィス清掃を行う場合、時間とエネルギーを割かれ、本来の業務に悪影響を及ぼすことがあります。
清掃は時間を取られるだけでなく、タスクの割り振りや清掃用具の手配なども必要になります。
近年は働き方改革や働き方の多様化により、清掃時間が労働時間に含まれるかどうかについての論点が注目されています。
従業員が清掃を自主的に行う場合、その時間は労働時間には含まれません。これにより、精神的な負担を感じる従業員が出る可能性もあります。
一方で、業者に清掃を委託すると、従業員は本来の業務に集中でき、心身の負担が軽減され、業務効率の向上が期待できます。
■従業員が清掃するよりもきれいになる
オフィスの清掃を業者に依頼すると、従業員が行うよりもきれいな状態に仕上げられます。
従業員が清掃を担当する場合、すべての汚れを取り除くのは難しく、細かい部分や隅々まで行き届かないことがあります。そのため、完璧な清潔さを保つのは難しいのが現状です。
オフィスの清潔さは従業員だけでなく、社外から訪れる取引先や顧客の印象を左右します。ステークホルダーに不潔なオフィスという印象を与えれば、企業イメージの低下につながるおそれもあるでしょう。
業者は清掃に関する知識やスキルを持ち合わせているため、頑固な汚れや細かい部分の汚れを落とすことが可能です。
■計画的な清掃を実現できる
常にきれいなオフィスを維持するためには、計画的なアプローチが重要です。計画的な清掃を実施することで、日常清掃では手の届かない箇所や汚れもきれいにできます。
業者に清掃を依頼すると、自社に適した清掃プランを提案してもらえます。たとえば汚れが目立つ場所を集中的に清掃してもらったり、汚れやすい場所を汚れにくくしてもらったりすることも可能です。
日常清掃や定期清掃にプラスし、ほかの清掃方法を組み合わせるのも良いでしょう。業者はプロならではの視点で無駄のない清掃プランを立ててくれるため、常にきれいなオフィス環境を維持できるでしょう。
オフィスの清掃を業者に依頼するデメリット
企業がオフィスの清掃を業者に依頼すると、従業員の負担軽減や計画的な清掃の実現などのさまざまなメリットが期待できます。ただし、予算やセキュリティ、業者の選定など、いくつかのデメリットも検討すべきポイントです。
■コストがかかる
オフィスの清掃を業者に依頼する場合、コストがかかる点がデメリットの一つです。料金は清掃場所や範囲、頻度などによって異なります。
たとえば日常清掃の場合、週に依頼する清掃の頻度が多いほど料金が高くなります。料金相場は、週1回で15,000円~、週3回で35,000円~、週5回で50,000円~が目安です。
コストを抑えるには、清掃箇所や頻度を見直すという方法もあります。
■セキュリティ対策が必要になる
業者に清掃を依頼する際には社外の人がオフィスに入るため、万が一に備えてセキュリティ対策を万全にしておかなければなりません。
多くの業者は、従業員教育を通じてセキュリティ意識を高めていますが、社外からの侵入は一定のリスクを伴います。
もし業者のスタッフに問題があれば、盗難や情報漏洩のリスクが発生するかもしれません。情報漏洩は企業の評判に深刻な影響を与えることも考えられます。
自社の従業員には、私物や貴重品の管理を徹底するよう呼びかけるほか、重要な書類は机上に置かないようにするといった注意喚起が必要です。
■業者によって質が異なるケースもある
オフィスの清掃を業者に任せたからと言って、必ず満足な仕上がりになるとは限りません。業者には得意・不得意の分野があるため、不得意な分野を依頼するときれいに仕上がらない可能性もあります。
また、清掃を担当するスタッフも業者によって異なります。正社員ではなく、アルバイトやパートが清掃を行うこともあり、適切な教育を受けていないケースもあるでしょう。
教育やスキル不足のスタッフが担当すると、清掃の品質が低下する可能性があります。業者を選ぶ際には、得意な分野やスタッフの質を確認するのも重要です。
オフィスの清掃業者の選び方
オフィスの清掃に満足な仕上がりを求めるなら、業者選びが重要です。ここからは業者選びのポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
■損害賠償保険に加入しているか
企業が清掃業者を選ぶ際には、損害賠償保険への加入状況を確認することも重要です。
業者は清掃のプロではあるものの、作業中に備品の破損や怪我などのトラブルが発生するリスクがあります。損害賠償保険に加入している業者は、万が一のトラブルに備えているため、心強いでしょう。
また、同時に保証内容も把握しておくことも重要です。保証内容は、業者の保険会社や契約次第で異なり、内容が充実していれば、万が一のときも適切な補償を受けられます。
多くの業者は、公式ウェブサイトで損害賠償保険の加入状況や保証内容を公開しています。ぜひ確認してみましょう。
■スタッフへの教育が行き届いているか
業者によるスタッフに対する教育体制は、サービス品質に直結します。オフィス清掃を依頼する際には、スタッフの教育を確認することが重要です。
確認すべきポイントは、県知事登録の有無です。県知事登録業者は、定期的な技術研修を受ける必要があり、高品質なサービスが期待できます。
さらに、業者がどのような教育を実施しているかも確認しましょう。一部の業者は、公式サイトに教育内容を掲載しています。掲載がない場合は、直接業者に問い合わせるのも一つの方法です。
■国家資格の有資格者が在籍しているか
国家資格を持つスタッフが在籍しているかどうかも、質の高い業者を見極めるポイントです。
清掃関連の国家資格には、ビルクリーニング技能士や建築物環境衛生管理技術者、清掃作業監督者などがあります。
国家資格を持つスタッフがいる業者は、高い専門知識と技術を持っており、オフィスの清掃を安心して任せることができるでしょう。
資格取得に積極的な業者なら、高い水準の清掃品質を提供する傾向があります。業者を選ぶ際には、国家資格を持つスタッフが在籍しているかどうかだけでなく、資格取得を支援する取り組みも確認してみましょう。
■見積書が詳細に記載されているか
オフィスの清掃を業者に依頼する際、通常は正式な契約前に見積書が提示されます。業者選びの際には、見積書の内容をしっかり確認することが大切です。
見積書の記載内容は、業者によってさまざまです。記載内容が曖昧だと、金銭トラブルに発展するリスクもあります。特に「一式」と記載されている場合は、本来必要となる作業が含まれていない可能性もあるので注意してください。
誠実な業者は、見積書に詳細な作業内容を記載しています。見積書の内容に疑問があるときは、すぐに業者に確認しましょう。見積書は業者の信頼性を示すため、手間がかかっても丁寧に確認することが重要です。
オフィスの清掃を業者に依頼する際の基本的な流れ
業者にオフィスの清掃を依頼する際には、問い合わせしてすぐに作業に移るわけではありません。どのような流れになるのかを確認しておきましょう。
■1.業者へ問い合わせ
オフィスの清掃を業者に依頼する場合、まずは業者に問い合わせることからスタートします。問い合わせの方法は業者によって異なりますが、ほとんどの場合、公式サイトの専用フォームや電話などに対応しています。
専用フォームの場合は、サイト上に記載されている案内に従って必要事項を入力し、データを送信します。電話での問い合わせは対応時間に注意しましょう。
清掃を開始する前には、業者が現地調査を行います。問い合わせ時に現地調査を希望する日程を伝えることが大切です。
■2.現地調査・打合せ
現地調査では、オフィスの間取りや状況から必要な清掃を確認します。その後、業者と清掃の詳細を話し合います。
打ち合わせでは、主に次の項目の確認が行われます。
- 清掃の頻度
- 清掃の範囲
- 清掃場所
- 清掃時間帯 など
営業時間外や従業員の退社後の作業を希望する場合は、打ち合わせの際に伝えましょう。日常清掃や定期清掃は、業者が清掃を実施する頻度を決める必要があります。
■3.見積確認・契約
清掃の頻度や範囲などを確認した後、業者から見積書が提示されます。見積書には具体的な料金が明記されているため、内容を丁寧に確認することが大切です。もし内容に不明な点があれば、すぐに問い合わせて解消しておきましょう。
見積書の内容に納得したら、正式な契約に進みます。
ただし作業開始後に、清掃やスタッフの質に満足できないケースも考えられます。そのため、契約を正式に結ぶ前に、途中解約の規定も確認しておくことが重要です。
オフィスの清掃はロボットの活用もおすすめ
オフィスの清掃を業者に依頼すると、一定のコストが発生します。清掃頻度が多く、範囲が広い場合は、コストの増加が懸念されます。コストを抑えつつ、清潔なオフィス環境を実現するためには、清掃ロボットの活用も効果的です。
■Whiz i アイリスエディション
Whiz i アイリスエディションは、指定した場所を均一に全面清掃するため、きれいなオフィス環境を実現できます。一度手押しで清掃ルートを登録しておけば、次回からはスタートボタンを押すだけでルートを自走走行するため、ほとんど手間がかかりません。
本体には高性能のセンサーが搭載されており、障害物や動作を検知して自動で回避するため、オフィスの営業中でも稼働させることが可能です。
多くの施設でWhiz i アイリスエディションが導入されており、清掃コストを最大77%削減できたところもあります。
〈Whiz i アイリスエディションの詳細はこちら〉
■Scrubber 50 Pro アイリスエディション
Scrubber 50 Proアイリスエディションは、業務用全自動床洗浄ロボットです。事前に設定したスケジュール通りに清掃するため、開始時の操作が不要です。清掃後は自動で定位置に戻って充電を開始するため、ほとんど手間がかかりません。
ゾーン別クリーニング機能を搭載しており、選択したエリアのみを清掃することも可能です。契約後は、当社で定期的なメンテナンスも実施させていただきます。専用ヘルプデスクを設置しているため、困ったときにはいつでもご連絡いただけます。
〈Scrubber 50 Proアイリスエディションの詳細はこちら〉
■BROIT
BROITは、性能やメンテナンス性、操作性、安全性を追求した水拭きロボットです。床洗浄と小回りの利く運転性能により、床の清潔度を向上させることが可能です。
3つの清掃モードがあり、床材や汚れの種類によって使い分けられます。誰でも使用できるようシンプルな操作にこだわっているため、高いユーザビリティを実現できます。
〈BROITの詳細はこちら〉
業者やロボットを活用して従業員の負担を軽減しよう
オフィスの清掃を従業員が担当すると、清掃に時間をとられるため、本来の業務に集中できない可能性があります。また、従業員による清掃では、落とせない汚れがあったり、細かい場所まで行き届かなかったりするケースがあります。
オフィスを常に清潔な状態に保つためには、清掃業者に依頼するのも手段の一つです。ただし、業者に清掃を依頼する場合は、一定のコストが発生し、清掃品質にも差が出てくることもあります。
清掃ロボットを活用すると、コストを抑えつつ高品質な清掃が期待できます。ぜひ、当社の清掃ロボットの活用をご検討ください。