会議では、議事録を作成するのが一般的です。しかし、議事録の作成には手間がかかるため、従業員の負担が増える側面があります。従業員の業務負担を軽減するためには、議事録自動作成ツールを活用するのも一つの手です。
本記事では、議事録自動作成ツールの概要や主な機能、メリット、デメリットを解説します。議事録自動作成ツールを利用する際には、メリットだけでなく、デメリットを把握しておくことも大切です。ぜひ参考にしてください。
議事録自動作成ツールとは?
議事録自動作成ツールは、音声自動認識機能で議事録の作成をサポートしてくれるツールです。具体的には、AIを活用して、会議での会話を解析し、自動でテキストに変換します。
また、ツールによっては、発信者ごとに会話をまとめる機能や外国語の翻訳機能など、さまざまな機能が備わっています。
近年は、人手不足を課題に抱える企業も少なくありません。議事録自動作成ツールを使用すると自動で議事録を作成できるため、業務効率化を図る目的で多くの企業が注目しています。
議事録自動作成ツールの主な機能
自社で議事録自動作成ツールの導入を検討する際には、どのような機能があるかを確認しておくことが大切です。議事録自動作成ツールの主な機能を紹介します。
音声自動認識機能
議事録自動作成ツールは、音声を自動でテキストに変換する音声自動認識機能を搭載しています。またツールによっては、無音区間で句読点を打ったり、イントネーションを解析して方言を認識したりすることも可能です。
従来、音声自動認識機能の精度は決して高くありませんでした。しかし、近年は精度が向上し、正確かつ迅速な変換が可能になっています。
音声自動認識機能は、議事録の作成だけでなく、電話での問い合わせ内容や録音データを文字に変換するなど、さまざまな用途で活用できます。
翻訳機能
多くの議事録自動作成ツールには、翻訳機能が備わっています。翻訳機能は、異なる言語を自動で翻訳する機能で、たとえば日本語で行われた会議の内容を英語に翻訳することが可能です。
通常、日本で行った会議の議事録を海外の支社と共有する際、まずは文字に起こしてから翻訳します。しかし、翻訳機能を活用すれば、文字起こしと同時に翻訳を行うため、担当者の手間を大幅に軽減できます。
また、議事録自動作成ツールは、社内に異なる言語を使用する従業員がいる場合に言葉の壁を超えたコミュニケーションを促進するツールとしても活用可能です。
話者識別機能
議事録自動作成ツールの多くに、話者識別機能が搭載されています。この機能は発言者の声を識別し、テキストにそれぞれの発言者を自動で割り振る役割を果たします。特に重要な会議では、誰がどのように発言したのかを明確にする必要があるでしょう。
通常、文字起こしで発言者を区別できない場合、録音データや録画データを確認する手間がかかります。しかし、話者識別機能を搭載した議事録作成ツールを活用すると、誰がどのような発言をしたのかを一目で把握できます。
発言者を特定する手間が省けるため、担当者の業務負担の軽減につながるでしょう。
議事録自動作成ツールを導入するメリット
議事録自動作成ツールを導入すると、業務効率化やスムーズな情報共有など、さまざまな効果が期待できます。
議事録作成業務を効率化できる
従来、議事録を作成する際は録音した音声データを聞き、文字起こしをするのが一般的でした。
しかし、この方法は時間がかかるだけでなく、聞き取りにくかったり、誰が発言しているのかわかりにくいケースがありました。担当する従業員は議事録の作成に負担を感じ、本来の業務に集中できないおそれもあります。
議事録自動作成ツールを導入すれば、議事録を迅速に効率良く作成できます。
議事録作成後には間違いがないか、人によるチェックが必要であるものの、議事録の作成にかかる全体の作業時間は大幅に削減できるため、担当者の業務負担軽減につながるでしょう。
スムーズに情報共有できる
会議の議事録は、関係者に速やかに共有するのが理想です。しかし、議事録を作成する担当者は、自身の業務も進めなければならず、会議から数日経過してから共有されるケースもあります。
会議の内容によっては、議事録作成の遅れが重要な決定を遅らせるおそれもあるでしょう。
議事録自動作成ツールを導入すると、関係者に会議の内容をスムーズに共有できます。
多言語の会議にも対応できる
議事録自動作成ツールの多くは、多言語の翻訳機能が搭載されており、なかには最大70の言語に対応しているものもあります。
従来、多言語の会議では、通訳を挟むのが一般的でした。しかし、翻訳機能を活用すると、会議の内容をリアルタイムにテキスト化できるため、通訳が不要となり、多言語の会議にも対応できるようになります。
議事録自動作成ツールを導入するデメリット
自社で議事録自動作成ツールを導入すると、議事録作成業務の効率化やスムーズな情報共有など、さまざまな効果が期待できます。一方でいくつかのデメリットもあるため、導入前に何らかの対策を検討しておく必要があります。
確認や修正が必要になる
AI技術の発展により、テキストへの変換機能の精度は向上しているものの、文字起こしの内容が必ずしも正確とは限りません。
たとえば発言者の音声が聞き取りにくい場合、誤った内容でテキスト化される可能性もあります。そのため、議事録自動作成ツールで会議の内容をテキスト化したあとは、人による確認や修正が必要です。
ただし、人による最終チェックが必要であるとはいえ、ゼロから文字起こしを行う手間は軽減されます。議事録自動作成ツールの精度が気になる場合は、試用版を利用するのもよいでしょう。
録音環境を整備する必要がある
議事録自動作成ツールを導入する際は、録音環境を整備しておくことが大切です。
議事録自動作成ツールの精度は、録音環境に左右されやすい側面があります。たとえば雑音が入る環境では、AIが音声を正しく認識できない可能性があります。また発言者の声が小さい場合も、テキスト化の精度が低下しやすくなるでしょう。
AIが正しく音声を認識できなければ、最終的なチェック作業の負担が増加する可能性もあります。
多くの議事録自動作成ツールは、雑音に一定の耐性を持っています。ただし、耐性はツールによって異なるため、事前に試したり、口コミを確認したりして確認したりすることが重要です。
議事録自動作成ツールの選び方
近年、さまざまな議事録自動作成ツールが登場しています。音声認識の精度やセキュリティなどはツールによって異なるため、自社が求めるツールを選ぶことが大切です。
ここからは議事録自動作成ツールの選び方を紹介します。
音声認識の精度
議事録自動作成ツールを選ぶ際に、まず確認すべきは音声認識の精度です。精度が低いと無駄な作業が増え、期待する効果が得られない可能性があります。
音声認識の精度はツールによって異なり、メーカーの公式サイトで確認可能です。
一般的には7~9割程度だとされていますが、使用する環境によっても異なり、実際に使ってみないとわからないこともあるでしょう。また、なかには、音声のテキスト化を繰り返し学習するツールも存在します。
導入を検討する際は、試用版を利用して精度を確認するのもよいでしょう。
操作性
議事録自動作成ツールは、使いやすさを重視することが大切です。操作性が悪いと、従業員がツールを使用せず、従来の方法で議事録を作成する可能性があります。
一方で操作性が良ければ利用頻度が上がり、業務効率化を実現できるでしょう。
議事録自動作成ツールを導入する際には、まずは試用版を従業員に実際に試してもらうなど、現場の意見も取り入れてみるとよいでしょう。
セキュリティレベル
議事録自動作成ツールで作成した議事録は、クラウド上で共有することが可能です。ただし、インターネットを介する以上、情報漏洩に注意しなければなりません。
議事録の内容が外部に流出してしまうと、企業は大きなダメージを受けることになるでしょう。
議事録自動作成ツールを導入する際には、セキュリティレベルをきちんと確認する必要があります。セキュリティレベルはツールによって異なるため、メーカーの担当者に確認するようにしましょう。
議事録自動作成ツールを上手く活用するポイント
自社で議事録自動作成ツールを導入後、その効果を高めるためには、上手く活用することが重要です。ここからは議事録自動作成ツールを上手く活用するポイントを紹介するので、自社で導入する際の参考にしてください。
適切な環境を整備する
議事録自動作成ツールを利用する際には、音声認識の精度を高める環境作りも大切です。議事録自動作成ツールは雑音に一定の耐性があるものの、完全ではありません。
たとえばフリーアドレス制のようなオープンスペースでは、従業員同士の会話をAIが拾うことも考えられます。
雑音が入ると音声を正しく認識できない可能性もあるため、議事録自動作成ツールはできるだけ雑音の入らない場所で利用しましょう。
音声認識の精度を高めるためには、指向性マイクが有効です。指向性マイクとは、特定の方向からの音を収音しやすいマイクのことです。指向性マイクを使用すると周囲の音を拾いにくくなるため、音声認識の精度を高められます。
サブのツールも準備しておく
議事録自動作成ツールを使用中に、何らかのトラブルが発生する可能性があります。すぐにトラブルを解決できない場合、会議の進行だけでなく、議事録の作成にも支障を来してしまいます。
特に重要な会議で使用する際は、万が一のトラブルに備え、スマホやICレコーダーなど別の録音手段を用意しておくと安心です。
スマホには、ボイスメモや音声レコーダーと呼ばれる音声録音機能が標準搭載されています。近年は、議事録作成用のICレコーダーも登場しています。自社の予算に応じて、適切なサブツールを用意しましょう。
会議の文字起こしにはAIインタラクティブホワイトボードがおすすめ
議事録自動作成ツールの導入を検討する際は、当社のAIインタラクティブホワイトボードの導入がおすすめです。AIインタラクティブホワイトボードは、カメラやマイク、スピーカーが内蔵された電子ホワイトボードです。
ビームフォーミング技術とAIアルゴリズムを用いることで、集音範囲の内側の音だけを拾い、外側の音を遮断することが可能です。オフィスのオープンスペースでも、周囲の雑音を気にせず快適なWeb会議がおこなえます。
また、文字起こし機能が搭載されたzoomアプリと連携できるため、会議の内容をテキスト化して議事録を作成できます。
議事録自動作成ツールを活用して業務効率化を図ろう
近年はAI技術の発展により、業務を効率化できるツールが数多く登場しています。議事録自動作成ツールもその一つで、導入すると議事録作成の担当者の業務負担を軽減できます。
ツールによって、機能や音声認識の精度、セキュリティなどが異なるため、複数ツールを比較して自社に適しているかを十分に検討しましょう。
当社のAIインタラクティブホワイトボードは、AIオートクローズアップ機能や、AI自動ノイズキャンセリングを搭載し、Web会議におすすめです。
全国のアイリスオーヤマ営業所で実際に触ってお試しいただけます。導入をご検討の際は、ぜひこちらからお問い合わせください。