IRIS OHYAMA アイリスオーヤマ

検 索
MENU
  1. ホーム
  2. 企業情報
  3. ニュース
  4. 2013年
  5. 岩本亜希子選手 現役引退記者会見 一問一答

岩本亜希子選手 現役引退記者会見 一問一答

2013年8月12日、アイリス青葉ビル(仙台市)において、9月の国体で現役引退を表明した岩本亜希子選手の引退記者会見をおこないました。

質疑応答内容についてまとめたものをご紹介します。

■引退を決断した最大の理由は?
北京オリンピックの後とロンドンオリンピックの後とで一番違う点は、若い選手が台頭してきたことです。
ナショナルチームには15年いたので、ボート界には自分がいないといけないと思っていました。また、体力的にも限界を感じておらずまだ続けられるとも思っていました。しかし、今シーズン、ナショナルチームを離れた時、自分がいなくても動いていくチームを外からみて、ほっとした気持ちと少し寂しい気持ちが湧いてきて、引退の時期がきたのかなと感じ始めました。

■引退を決断したきっかけについて教えてください
今年の5月に諏訪湖レガッタに出場し、久々の地元でのレースに嬉しさは感じながらも、もう一度頑張ろうという気持ちになれませんでした。ナショナルチームにいた頃と比べ今シーズンは練習量が減っており、今まで感じなかったレースに対する不安を感じ、そんな自分が許せませんでした。一方で準備をする気力も沸いてこず、心と体が一致しませんでした。これまでそんな気持ちになったことはなかったので、諏訪湖でのレースをきっかけに引退を決断しました。
■過去4回のオリンピックの思い出を教えてください
シドニーオリンピックとアテネオリンピックに関しては先輩と一緒に乗っていたこともありとにかく自由にやらせてもらいました。今になって先輩方の心の広さに感謝しています。
悔しい思いが非常に強かったのはアテネでした。その悔しさを晴らしたいという思いで臨んだ北京オリンピックは一番世界と戦えたという手ごたえを掴めた大会だったと思います。北京からロンドンに向けての4年間が一番つらかった思い出です。自分を磨くだけでなく、若手を育てなければいけないという課題がありました。追い上げてきた後輩を見て望んでいた状況にもかかわらず複雑な心境になりました。当時は苦しさを共有できる人もいなかったので孤独で、涙をたくさん流した4年間でした。
■一番印象に残ったレースを教えてください
一番印象に残っている『レース』は北京オリンピックの順位決定戦です。競技者としてピークにあったと思います。
会場の雰囲気や『大会』の素晴らしさを感じたのはロンドンオリンピックです。ボートの母国で開催されたオリンピックに出場できたというのはボート人生においてとても幸せなことで、ボートという競技に誇りを持てた大会でした。ボートの神様に呼んでもらったのかなと思いました。ロンドンがあったからボート人生を締めくくれたのかもしれません。
■今後のボートとの関わりについて
指導者になる考えはありません。しかし、私だからこそわかる競技者の気持ちや日本代表選手の気持ちがあると思うので、何かサポートができたら良いなと思っています。現時点で決まっているのは、アイリスオーヤマのボート部のマネージャーになるということです。まずは須田選手と大元選手がリオオリンピックに出場できるように全力でサポートしていきたいと思っています。
あと1ヶ月競技者として走り抜けて、その後は自分にできることをやっていきたいと思います。

■被災地の子供たちへの活動予定は?
JOC主催の震災復興イベントにできる範囲で参加してきました。9月のレース後も参加する予定です。
子供が元気な地域は活性化して元気だと感じます。子供たちと一緒に地域を元気にしていきたいと思います。
■やりきったこと、やり残したことはありますか?
世界のトップで戦いたいと思いボートを続けてきましたが、オリンピックで決勝に残ることができず悔しさは残っています。
■今の率直な気持ちは?
2013年のシーズンはもやもやした気持ちをたくさん抱えたシーズンでもありました。「まだできるのではないか」という思いと「もうそろそろ引退か」という思いをずっと抱えていました。しかし、今ここで皆さんに引退をお伝えして非常にスッキリとした気持ちです。
「悔しい」気持ちは残っていますが、総じて幸せな競技人生だったと思います。

■後輩たちに一言お願いします
「苦しい時はやめ時ではない」ということです。
私はいつも壁を乗り越えてからやめようと思ってやってきました。壁を乗り越えた時、その壁の先にはいつも何か新しいものが見えてもう少し続けてみようと思えました。
競技をしているときは結果がすべてです。ただ、引退を決めてから思うことは目標や夢に向かう過程、自分の中に宿る情熱こそが尊かったということです。今は振り返る必要はないですが、今を充実させることが出来たらいつかそれを評価できる時が来ると思います。
(今後の自分へのメッセージも含めてですが…)
■自身にとってボートとは?
人生の半分以上ボートを漕いできたので、私にとってボートは人生そのものです。
中学生の頃までは自分の人生に大きな夢を描いたことはありませんでした。ごくごく普通の14歳がボートと出会い、夢を描くことの素晴らしさ、尊さを学びました。ボートから生き方を教わりました。ボートを通してたくさんの人と出会い、仲間に恵まれ、ボートがあったからこそ今の人生があるのだと思います。

(更新日:2013/08/24)