当社では一部の部署を除き、個人のデスクにパソコンを配置していません。パソコンが必要な際は“パソコン島”と呼ばれる共有のパソコンスペースへ移動します。「パソコンの中にアイデアはない」との考えに基づき、デスクは考える仕事やコミュニケーションの場、パソコン島は集中して「作業」をする場と切り分け、メリハリをつけています。
例えば資料作成をするときには、デスクで内容を考えた上でパソコン島へ移動。パソコンの画面を見ながら考えるということはしません。使用時間についても連続45分を上限とし、45分経過したら15分はパソコンを離れて仕事をする、というルールを運用しています。
これらの取り組みは「脳トレ」の開発者でもある東北大学・川島隆太教授のアドバイスを参考に、2007年からスタートしました。企画力や作業効率が向上し、新商品開発が活発化。2007年の売上高に占める新商品(※)の比率は40%弱でしたが、3年後の2010年には57%に。以降50%台後半を維持しています。(※)発売3年以内の商品
スペースは2倍必要となりますが、広々としたオフィス空間を持てる地方企業の利点を活かし、取組みを着実に実績に繋げています。
一番の目的は仕事のスピードアップ。会議室を用意すると、メンバーの予定を調整したり必要以上の資料を作ったりと、何かと余計な時間をかけてしまいがちです。当社では、毎朝のミーティングはもちろん、何か相談事がある時には、すぐに上司や同僚、関係部署のメンバーがこの丸テーブルを囲みます。
ミーティング用のテーブルは社長の大山が考案して発注した特注品。高さは約1mで、立ったままメモなどを取るのにちょうどいい高さです。なぜ丸いのか?それは、丸型なら席次や人数で悩むことなく、すぐに議論に入れるからです。
毎週月曜日に行われる新商品に関する議論の場。1つの案件につき5〜10分で社員が次々とプレゼンテーションすることから、社内では」「プレゼン会議」と呼ばれています。開発担当者から新商品のアイデアと販売計画を提出し、それらを関係者全員で議論。その場で社長が決裁するため「根回し」や「部門間調整」不要で一気に走り出せるのです。
この「プレゼン会議」を活かし、当社は関係者が一斉に業務をスタートし、同時進行で進める「伴走方式」を導入しています。多くのメーカーでは関係部署が「リレー」のように順番に動きますが、当社では企画の段階からあらゆる関係者が情報を共有。開発担当が製品仕様を検討している間にも、品質管理担当による安全性の検討、知的財産担当による商標チェックなどを進めていきます。
開発が中止になった時のロスは大きいものの、必要なムダと割り切りました。世の中や生活者のニーズの変化に素早く対応することの方が重要と考え、成功したときに最もスピードが出せる方法を採用したのです。
毎週月曜日に行われる「全体朝礼」では、社長ならびに取締役/執行役員のうち1名から直近の経営や部門の状況について5〜10分程度にまとめて話します。
全体朝礼は本部機能のある角田I.T.Pで行われ、全員が参加しています。その内容はこれまでも、文書化しイントラ配信することで他拠点の社員に共有してきました。これに加えて2015年からは、全国の主要拠点へのTV中継を開始。リアルタイムで情報を共有する場に生まれ変わりました。
また、すべての話の内容を年末に一冊の本にまとめて社員に配布。経営者の想いや考えを社員一人一人にしっかりと届けることに、力を注いでいます。
本部機能を担う角田I.T.Pの事業所コンセプトは「よく働き、よく学び、よく遊ぶ」。約10万坪の広大な敷地にはオフィス・工場に加えて寮やスポーツセンター等の福利厚生施設が併設されています。社員やその家族が自由に使うことができ、仕事の後に体育館やテニスコート、ジムやプールで体を動かし、心身をリフレッシュしています。
また、仙台駅前に拠点を構えるアイリス青葉ビル9階にはラウンジがあり、昼食時にはサラダバーやドリンクバー、スープバーが無料で使えます。終業後は500円でドリンクが飲み放題。社員同士の交流や懇親会、日々のリフレッシュに活用しています。