なぜ、私が任されたのか。30代社員と上司が語る、挑戦が広げたキャリア

なぜ、私が任されたのか。30代社員と上司が語る、挑戦が広げたキャリア

30代になると、自身のキャリアについて考える機会が増えるもの。アイリスオーヤマ株式会社には、年齢やこれまでの経験にとらわれず、新たな役割を任されたり、未知の領域に挑戦しながらキャリアを切り拓く社員が数多くいます。今回は、そんな挑戦を経験した30代社員とそれぞれの上司にも同席してもらい、挑戦の転機とその経験が現在の仕事にどうつながっているのかを、2組の対談形式で語ってもらいました。

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なぜ、私が任されたのか。30代社員と上司が語る、挑戦が広げたキャリア

+1 Day 編集部

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▼お話を聞いたのは…
木村晴伸(BtoC事業グループメーカー管理本部副部長)

木村晴伸(BtoC事業グループメーカー管理本部副部長)

2018年入社。入社後はBtoB営業で施設向けLED照明などを担当。2019年から家電事業部で販促企画・商品企画を経験し、2022年にBtoC事業グループメーカー管理本部へ。2025年9月にリーダーから副部長に就任し、BtoC事業の各事業部を横断して管理する部門を率いる。
國米雄介(BtoC事業グループ統括本部長)

國米雄介(BtoC事業グループ統括本部長)

2000年入社。営業を経験後、ベンダー営業部門、ハードオフィス事業部、資材事業部などでマネジメントを歴任。BtoC事業グループの統括事業部長やアイリスプラザ商品本部本部長、アイリスHD経営企画本部事業戦略部部長などを経て、2026年よりBtoC事業グループ統括本部長を務める。
大竹真璃奈(ヘルスケア事業統括部販促企画・営業支援チームリーダー)

大竹真璃奈(ヘルスケア事業統括部販促企画・営業支援チームリーダー)

2018年入社。アイリスオーヤマ公式通販サイト「アイリスプラザ」の営業部を経て、アイリスホールディングスグローバル経営企画で中国のネット通販事業を担当。2023年1月に中国愛麗思グループ 大連発展に異動し、大連に駐在。2025年10月にヘルスケア事業統括部に異動し、赤ちゃん用紙おむつなど日用消耗品の販促企画を担当する。
加度圭悟(BtoC事業グループメーカー事業本部ヘルスケア事業統括部統括事業部長)

加度圭悟(BtoC事業グループメーカー事業本部ヘルスケア事業統括部統括事業部長)

2010年に入社し、関東支店に配属されリテール営業を担当。2013年に収納・インテリア事業部に異動。2015年には株式会社アイリスプラザに異動し、商品企画を担当。2020年には同社で購買本部統括マネージャーを務め、2022年にアイリスオーヤマ株式会社マスク事業部の事業部長に着任。2023年から現在のヘルスケア事業統括部の統括事業部長を務める。
<1組目>木村晴伸さん×國米雄介さん
木村晴伸さん×國米雄介さんインタビュー

入社9年目、副部長への抜擢

——木村さんは入社9年目で、BtoC事業グループメーカー管理本部の部門長に当たる副部長に抜擢されたそうですね。

木村:部門長を務めていた部長が異動し、ポストが空いたタイミングでした。

國米:他部署から部長級の人材を充てる案もありました。ただ、BtoC事業グループメーカー管理本部は食品、ヘルスケア、家電、ホームの各事業部に横串を刺して、利益率を管理する「BtoC事業の要」となる部署です。業務に精通している木村さんが部門長のバトンを受けるのは、自然な流れだったと思います。

もちろん、業務知識だけで任せられるポストではありません。仕事のスピードや正確性といった基本スキルの高さに加え、自分の意見をはっきり言える強さも評価して彼を抜擢しました。

——31歳で副部長という肩書は、他社と比較してもかなり早いのではないですか。

木村:確かにそうかもしれません。ただ当社には、私より若くても事業部長や副部長に就いている社員が少なからずいます。若手を積極的に抜擢してくれる環境だと思っています。

指示を出す側になって感じた「伝える」ことの難しさ

インタビューに答える木村さん

――抜擢人事とはいえ、役職が変わって苦労することも多いのでは?

木村:苦労の連続です(笑)。以前は上司の指示を受けて自分の担当する範囲の業務を進めればよかった。今は、会議で決定したことを自分の言葉で各事業部に伝え、動かすところまで責任を持つ立場です。これまでは上司を見ていて「大変そうだな」と思っていたのが、いざその立場になってみて、その大変さを当事者として痛感しています。

國米:副部長に就いた直後は、私のところにもよく相談に来ていましたね。木村さんは、実務能力が高い反面、「自分でやったほうが速い」と抱えがちなところもあります。まさに今、個人の業務量ではなくチームの生産性を上げるための割り振りや、どこまで任せるべきかを、試行錯誤しているところだと思います。

また、各事業部とのコミュニケーションは、事業部長の大半が年上だし、性格もさまざまだから、彼らに対して決定事項を伝えたり指示したりするのも難しいんじゃないかな?

木村:まさにそうですね。伝える内容によっては相手に負担を強いることもありますし、利害が対立する場面もある。相手の立場に立って伝えることの難しさを、日々実感しています。

意識しているのは、分かったふりをせず、自分が腹落ちした上で伝えること。相手に対して言いにくいことも「押さえるべき点はここだと思うので、こうしてみませんか」と正面から向き合うと、ちゃんと分かってもらえるんですよね。

——前任の部長の後任という立場で、プレッシャーもあったのでは。

木村:前の上司はキャリア20年ほどのベテランだったので、周囲への説得力もありました。私はまだ社歴や経験が十分とは言えないため、真似をしたくてもできないので、自分なりのスタイルでやるしかないなと。

國米:それが大事だよね。就任当初は「部門長としてこうあらねば」と肩肘を張っていたように見えました。最近はフランクに接するときと、カチッとスイッチを入れるときとのメリハリがもっとあって、その力の抜きどころがようやく分かってきたのかな、と思います。

管理職は大変。だけど「成長スピード」が違う!

インタビューに答える國米さん

――國米さんが上長の立場から、木村さんに求めるものは何ですか。

國米:プレーヤーからマネージャーに立場が変わると、そもそも指示が与えられないこともある。状況を察知しながら「次はこれをやるべきだ」と考え、先回りして動いてもらう。そこを求めるようになりました。

たとえば各事業部の数字の取りまとめも、上がってきたものをただ合算するなら、それは作業なんですよ。そうではなく、数字に潜む違和感を発見し、各事業部に確認しながらその違和感をあらかじめ消していく。単なる中継役では駄目だよ、ということですね。

木村:求めるハードルが上がったことは、明確に伝えてもらっているし、ひしひしと感じています。求められる水準と今の自分とのギャップを、少しずつ埋めている最中です。

たとえば毎週月曜日に行われる新商品開発会議(プレゼン会議)は、全体の運営に関わる部分を私たちの部署で対応しているのですが、その会議に提出するフォーマットや管理ツールを思い切って見直しました。以前は与えられたフォーマットを指示された通りに整理していたものを、「必要な要素は何だろう?」と自分で組み立て直したんです。

國米:まさにその違和感への気づきと、「もっとこうすればいいのでは?」と改善する意識が、今の立場に求められること。案件が次々に発生する中で大変だと思うけど、それをこなしていくうちにマネージャーとしての幅は広がっていくと思います。

——管理職にネガティブなイメージを持つ人もいますが、実際になってみてどうですか?

談笑する木村晴伸さんと國米雄介さん
木村:確かに大変です。でも、実際になってみて思うのは、プレーヤーだったときと比べて圧倒的に得るものが多い。物事を俯瞰して捉え、物事の本質を見極めて解像度を高める。これらは管理職になって初めて意識したことで、成長のスピードが全然違うと感じます。若いうちからこのポジションを任せてもらえるのは誰でもできる経験ではないので、チャンスがあれば一度は挑戦してみるべきだと思います。

國米:管理職にステージが上がると、視座が上がってプレーヤーのポジションでは見えなかったものが見えるようになります。その経験値は何ものにも代えがたい。でも、大事なのは「考えてチャレンジする」こと。あえて「考えて」を付けたのは、きちんと仮説を立て、成功率を極限まで高めた上でチャレンジする、という意味です。

仮説があれば失敗しても検証できますし、プロセスの再現性も高まります。それができる人は、私たちから見ていても成長が早いですし、抜擢したくなりますね。
<2組目>大竹真璃奈さん×加度圭悟さん
インタビューに答える大竹さんと加度さん

アイリスオーヤマが近年注力するヘルスケア事業へ「チャンスだと思った」

――大竹さんは、ヘルスケア事業統括部に来る前は中国に駐在していたそうですね。

中国勤務時の「中国グループ・アイリス祭」の様子。左端が大竹さん。

中国勤務時の「中国グループ・アイリス祭」の様子。左端が大竹さん。

大竹:はい、中国のネット通販事業のサポートを担当することになり、2023年1月から3年間、中国・大連に駐在しました。学生時代に中国語を勉強していたこともあって、自ら異動希望を出したんです。

ただ実際に行ってみると、ビジネスシーンで飛び交う中国語は理解できないし、日本人のスタッフも数名しかいない。さらに、日本の職場で一般的とされるルールや仕組みが、そのまま運用されるとは限らず、現地の文化や慣習に即した運用が行われている。そんな環境で日々、「うわ、そう来たか」と想定外の連続でした。

ただ、そのおかげで「目的さえ決まっていれば、やり方は自分で見つければいいんだ」と考えられるようになりました。自分で言うのもなんですが、たくましくなりましたね(笑)。

――帰国後、近年注力するヘルスケア事業統括部に異動します。

大竹:異動の内示を受けたとき、「これはチャンスだな」と思ったんです。これまでのキャリアはECが中心で、メーカーにいながらモノづくりの側にはあまり関わってこなかった。「また新しいことができるチャンスだ」とワクワクしました。

加度:アイリスオーヤマにとってヘルスケアはこれからさらに成長させていく事業で、その成長を支える仕組みを確立するのが私たちのミッションです。そんな中で彼女のように中国のタフな環境で揉まれて、自立心とチャレンジ精神がある人材は、ヘルスケア事業統括部の戦力としてピッタリだと思いました。

「牧場の柵」だけ囲って自由に〝放牧〟?

インタビューに答える大竹さんと加度さん

――前例のない役割で、どんなことに取り組んできたのですか。

大竹:赤ちゃん用紙おむつなどの日用消耗品を通じて、お客様との継続的な接点を生み出し、長期的な関係を築くビジネスモデルの構築です。

これまでは家電など、購入時点を中心にお客様との関係を築く商品カテゴリーが中心でした。でも、赤ちゃん用紙おむつのように毎日使うものは、次回も買っていただく「理由」をつくらないといけない。新規顧客獲得やリピート率、離脱率について、より戦略的に事業成長へつなげるため、KPI設計と運用フローの整備を推進しました。

加度:お客様が広告を見て、検討し、購入し、また戻ってくるまでの一連の行動の流れに合わせて、広告を管轄する部署やアイリスオーヤマ公式通販サイト「アイリスプラザ」の関連部署と一緒に販促施策を進めるのが彼女の役割です。短期的な成果だけでなく、中長期的な事業成長も見据えて投資判断ができるよう、投資効果を可視化する仕組みを整備してくれました。

これまでの販促業務は、営業活動のフォローやPOP制作など、店頭での商品訴求や販売支援に注力してきました。そこに、彼女が数字で追える仕組みをつくり、私のビジョンを完璧に具現化してくれたんです。

大竹:引き継ぎも前例もないので大変でしたが、私はもともと新しいことをやるのが好きなんです。その点では、何もかも手探りだった中国での経験も生きていると感じます。

――加度さんは、大竹さんにどのように業務を任せていったのですか。

インタビューに答える加度さん
加度:たとえるなら、牧場の柵だけ囲って、あとは自由に〝放牧〟するイメージ(笑)。管理は最小限にして、あとのやり方は彼女に任せる。私は彼女の進捗に合わせて「順調だね。この調子で」「ちょっと遅いかな」とアクセルとブレーキを踏むだけです。

大竹:「目的さえ明確なら、進め方は自由でいい」という加度さんの方針が性に合っていて。一定の裁量をもって仕事をさせてくれたのは、私にとってもありがたかったです。

大きな失敗も糧に、評価会で最優秀賞に

インタビューに答える大竹さん

――自由に挑戦させてもらえる中で、試行錯誤した経験はありますか。

大竹:赤ちゃん用紙おむつのある販促施策では、試行錯誤を通じて得られた大きな学びがありました。小規模な検証で一定の成果を確認したので、思い切って「段階的に施策の規模を拡大させてください」と加度さんにお願いしたことがありました。その過程で、規模に応じて施策の内容や投資配分を調整することの重要性が見えてきました。

そこで、得られたデータをもとに検証方法や施策設計を見直し、改善を重ねた結果、広告の費用対効果と売上の双方を高めることができました。この経験を通じて、成果を確認しながら段階的に施策を展開し、継続的に最適化していくことの大切さを学びました。

加度:大竹さんが整えた検証と改善の仕組みにより、施策の効果を数値で継続的に確認し、必要に応じて速やかに軌道修正できる体制になりました。だからこそ、成果を上げることができたんです。

この一連の仕組みづくりが評価されて、彼女は半期ごとに部門別の業務実績を発表する評価会(商品企画・販促企画部門)で最優秀賞を受賞。その先の全部門合同のグランプリ大会にも進み、社長や役員の前でも発表しました。上司の私としてもとても誇らしいですね。

――今後は、管理職にも挑戦してみたいですか?

談笑する加度さんと大竹さん
大竹:挑戦してみたい気持ちはあります! 「私にできるかな?」と不安もありますが、これまでも未知のこと、未経験の領域には率先して飛び込んでいったので。

加度:自分の人生は自分で決めるものなので、最終的には大竹さんが決断すればいい。ただ、私としてはぜひ管理職にチャレンジしてほしいですね。というのは、彼女は自分で考え、創意工夫して結果を出せる人材だからです。

AIが発展・普及する中で、言われた仕事をこなしているだけでは生き残れません。自ら創意工夫ができる人が、年齢に関係なく活躍できるようになる。大竹さんは、そのロールモデルになれる人なので、これからもアイリスオーヤマという会社で、自分の思い描くキャリアをどんどん形にしていってほしいですね。
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