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アイリス物語

2018年は、アイリスオーヤマがプラスチック製品の下請け町工場として創業してから60年。
「アイリス物語」では、アイリスグループの歴史を連載でお届けします。

第十五話中国工場の発展 「デパートメントファクトリー」への進化

大連愛麗思生活用品外観 大連愛麗思生活用品外観

1990年代終盤、プラスチックメインの商品開発では成長性に陰りが見えていました。
健太郎は、プラスチック以外の商品の品揃えや競争力を強化し、生活シーンや売り場に基づくトータル提案をすることが今後の重要な経営戦略になると考え、中国工場への設備投資を積極的に行っていきました。
1997年には大連愛麗思木業有限公司(現:大連愛麗思木製品金州)を設立し、ガーデニング用のラティス、そしてその廃材を生かした木製猫砂の生産を始めました。また同じころ、先に稼働していた大連愛麗思工貿有限公司でもペットサークルやプランタースタンドといったワイヤー製品およびその塗装ラインが立ち上げられました。

2000年には新たに大連愛麗思生活用品有限公司を設立し、木製組立家具の生産をスタート。その後も各工場にペットフードやペットシーツ、培養土やマスク、家電などといったように様々な製品の製造ラインを加えていきました。

生産技術部・小野(右)/桑島(左) 生産技術部・桑島(左)/小野(右)

工場内の生産設備・ラインの立ち上げを担うのが生産技術部のスタッフたちです。一般的な考え方に基づけば、全く別の業種のラインを立ち上げるのですから、常に手探り状態での挑戦でした。苦労話、失敗談には事欠かないと当時のメンバーは苦笑いします。
猫砂のラインを立ち上げた時には、研究所でのシミュレーション通りに粒が固まりませんでした。結果、多額を投じて作られた第一号機は「失敗作」として解体されてしまいました。ワイヤー製品の加工を始めたころには曲げ加工に大苦戦。金属の反発現象に苦しめられました。ペットシーツのラインを立上げた際には接着の不良が出て、お客様からコンテナ数十本の返品をお受けしたこともありました。設備の設置認可を受けるための行政とのやりとりなど、設備そのもの以外の苦労も多かったといいます。

数多くのライン立ち上げに関わってきた桑島・小野(いずれも生産技術部)は、経営陣のバックアップがあったからこそ、様々なチャレンジができたと異口同音に語ります。
「技術担当役員の常務が『知らないことをなくしなさい』と数多くの展示会を回らせてくれました。日本はもちろん、中国、韓国、ドイツなどいろんな国を回らせてもらい、新しい技術を仕入れることができました。」(桑島)
「社長から大目玉を食らうような失敗も度々でしたが、多額の投資をフイにしてもクビになることはありませんでした。社長が何度もチャンスをくれ、チャレンジさせてくれたのが一番です。」(小野)

大連アイリス物流センター・自動倉庫 大連アイリス物流センター・自動倉庫

彼らは経営陣の支援を受けながら、幾多の困難や失敗を乗り越え、中国工場を様々な素材、分野の製品を手掛ける「デパートメントファクトリー」へと導いていきました。今では、製品だけでなくパッケージの製袋や印刷なども自前で行っています。

実現のための技術育成やその後の管理は大変なものですが、様々な素材の加工技術を蓄えることが製品の内製化率を高め、また既存事業の技術や部品を新事業に応用できるという強みを生み出しました。「ペットシーツの案件で学んだことが、マスクのラインに活かせたりと、近年は何か新しいことを始めるとなった時にも、社内の誰かが何かしらの活かせる経験・ノウハウを持っていることがほとんどです。」(桑島)

また、デパートメントファクトリーはものづくりだけでなく物流にもイノベーションをもたらしました。中国アイリスグループで生産した製品は「大連アイリス物流センター」の自動倉庫に集められています。自動倉庫は50,000パレットの収容能力を持ち、12,000種類の製品を管理しているため、コンテナには必要なアイテムを必要な量だけ混載することが可能です。適正な在庫と納期を両立しながら、日本の自社工場や得意先様へ効率よく輸送するこの仕組みは「コンテナミキシング」と呼ばれ、その効果的運用がアイリスオーヤマグループの重要戦略に位置づけられています。

(第十六話に続く)

政府からも認められた大連市への貢献
大連市への多大な貢献が認められ、健太郎は2004年に大連市より「栄誉公民」を授与されました。「栄誉公民」が授与される条件は以下の3項目です。
1. 長期的に中国と友好を維持し、積極的に中国、大連市との友好交流を推進した
2. 大連市の経済、社会発展に著しい貢献があった
3. 本国または大連地区において高い名誉と影響力があるもの