インタビュー

高校で気付きを与え、大学で深く学ぶ
AIインタラクティブホワイトボードがその一助に

学校法人 朴沢学園 仙台大学附属明成高等学校 様(宮城県)

2023.9.6

左から順に:学校法人 朴沢学園 常務理事 佐野 仁 様

仙台大学 川平アスレティックトレー二ングルーム GM 白坂 広子 様

仙台大学 スポーツ情報マスメディア学科 新助手 吉村 広樹 様

学校法人 朴沢学園 法人事務局 企画室 板橋 幸一 様

(左から順に)学校法人 朴沢学園 常務理事 佐野 仁 様

仙台大学 川平アスレティックトレー二ングルーム GM 白坂 広子 様

仙台大学 スポーツ情報マスメディア学科 新助手 吉村 広樹 様

学校法人 朴沢学園 法人事務局 企画室 板橋 幸一 様

明成高校

仙台大学附属明成高等学校(以下、明成高校)は、東北・北海道地区唯一の体育系の総合大学である仙台大学の附属高校で、スポーツ科学とデータサイエンスを融合した教育に力を入れています。
2019年に創立140周年を迎え、その記念事業として4年間かけて新校舎、新体育館の建て替えを実施。新校舎にはICT教育に対応するために通信環境を整備したほか、仙台大学のサテライト・キャンパスを整備し、より大学との連携を強化しました。
新校舎の建設中に出会ったのがアイリスオーヤマの「AIインタラクティブホワイトボード」(以下、IWB)。明成高校ではどのようなシーンでIWBを活用し、どんな可能性を感じているのかを伺いました。

[お話を伺った方](左から順に)学校法人 朴沢学園 法人事務局 企画室 板橋 幸一 様 仙台大学 スポーツ情報マスメディア学科 新助手 吉村 広樹 様 学校法人 朴沢学園 常務理事 佐野 仁 様  仙台大学 川平アスレティックトレー二ングルーム GM 白坂 広子 様
[お話を伺った方]
(左から順に)学校法人 朴沢学園 法人事務局 企画室 板橋 幸一 様
仙台大学 スポーツ情報マスメディア学科 新助手 吉村 広樹 様
学校法人 朴沢学園 常務理事 佐野 仁 様
仙台大学 川平アスレティックトレー二ングルーム GM 白坂 広子 様

高校生の時から仙台大学ならではの
スポーツ科学×データサイエンスに触れる機会を

―明成高校の特色について教えてください。

学校法人 朴沢学園 常務理事 佐野 仁 様

佐野様

明成高校・仙台大学を経営する学校法人 朴沢学園の建学の精神は「実学と創意工夫」です。それもあり、明成高校は「スポーツ創志科」「福祉未来創志科」「食文化創志科」「普通科」の4つの科があり、普通科以外、実学というテーマに沿っています。特にデータサイエンス×スポーツ科学の勉強ができる「スポーツ創志科」は、姉妹校の仙台大学と高大合わせて7年の一貫教育が行えるのが強み。仙台大学の教員たちにも協力してもらい、高校に通いながら大学で学ぶような専門的な知識、技術に触れられる機会を増やしていけたらと考えています。
また、明成高校は八村塁選手を輩出した男子バスケットボール部に代表されるようにスポーツ系の部活動が有名です。そんな背景もあり、スポーツを頑張りたいという生徒たちの入学希望も多い。今まではとにかく一所懸命頑張るといった体育会系の風潮は少なからずありましたが、新しい設備も導入した今の本校であれば自分の体の各パーツについての数値などを客観的に観察し、ロジカルに競技と向き合うことができます。

―IWBはどのような活用をされていますか?

白坂様

多目的教室やサテライト・キャンパスでもある大教室に合計8台導入しました。IWBを使った授業は5月20日から開始するのですが(※取材日は5月6日)、現在2つの授業での活用を予定しています。

一つ目はスポーツ科学の授業です。IWBを体組成測定器とさまざまなトレーニング機器がある健康増進研究実践室(プラクティカルラボ)という場所にあるカメラとつなぐことで、生徒たちは運動者の様子とリアルタイムで数値化された運動時の呼吸や筋肉の様子を別室で見ることが可能になります。この授業は大学レベルの専門的な学びを高校生たちに体験してもらうのが狙いです。もちろん大学生とは目指すゴールが違うので、まずは高校生たちにはスポーツ学科に興味を持ってもらう入口になってもらえたらと考えています。

多目的教室。
多目的教室。
健康増進研究実践室と中継
健康増進研究実践室と中継をつなぎ、運動中の姿や呼吸・筋肉の様子を別室からリアルタイムに見ることができる。

「Hudl Focs」で撮影した映像を見ながら試合を分析
「Hudl Focs」で撮影した映像を見ながら試合を分析。IWBは電子ペンで書き込みができるので、具体的な戦略を考える場面でも活用できる。
明成高校の新設アリーナ
明成高校の新設アリーナ。

吉村様

もう一つ計画している授業が「スポーツ情報戦略」です。スポーツを映像やデータを用いて、戦術の分析をしたり、戦法を考えたりするというもので、スポーツを科学的な根拠、数字に基づいてプレーしようという勉強になります。これは高校生にも“気付き教育”という形で触れてもらう計画なのですが、そういった授業でこのIWBがとても重宝すると考えています。
当高校では「Hudl Focus」というバスケットボールやバレーボールに特化した自動撮影のAIカメラを新体育館に2台導入し、IWBと映像をつないでいます。

リアルタイムのボールトラッキングと180度のパノラマ高画質映像が見られるのはもちろんですが、例えばシュートが入った時には該当するボタンを押して、どこからシュートを放ったのかというのを記録していけば、どのエリアからシュートが何本成功したのかといったデータを数値として確認できます。それを実際に体育館でプレーする生徒と、同時並行でデータ分析するクラスを分けて授業を行う計画です。その際にIWBに映像を映して授業を行うことで、わかりやすさは格段にアップしますし、理解度もぐっと深まると思います。

教員の手間をなくし、授業を効率化。
生徒たちにも大きなメリットが

―IWBを導入したきっかけを教えてください。

佐野様

新校舎は時流に合わせてICT化に対応した校舎にする計画を進めていましたが、実は計画段階ではIWBの導入は予定していませんでした。多目的教室や大教室も、一般教室と同じように黒板とプロジェクターを備える予定だったんです。ただ偶然、アイリスオーヤマさんからホワイトボードのように手書きができ、PCやタブレットとワイヤレスでミラーリング共有可能、そしてオンライン会議アプリに対応できるIWBという製品があると知り、導入を検討しました。
決め手となったのは教員がPC内に授業に関するデータさえ保有しておけば、板書する必要はなく、教員たちの手間も格段に減ると考えたこと。効率的な教育が実現すれば、生徒たちにとっても有益ですし、なにより気軽にそういった最新機器を使える環境が当たり前になれば積極的に授業にも活用してもらえるだろう、と考えました。生徒たちに配布しているiPadもそうですが、導入したのはいいものの、しまい込んであまり活用しないというのだけは避けなければいけません。教育のICT化はどんどん授業などに取り入れることで進んでいくものですから。そういった意味でアイリスオーヤマさんのIWBは、別の教室等に移動させることができるというのも大きなメリットですよね。

現場で学ぶことが多い実用学も
教育のICT化で世界はもっと広く、深く

―授業以外での活用方法を検討されていたら教えていただけますか?

白坂様

まだまだIWBの機能をすべて使いこなせていないですし、勉強中ではありますが、例えば仙台大学の本校と明成高校は地理的に距離が相当あるので、大学本校にいる先生や生徒と明成高校の生徒たちをつなぐという使い方は現実的に考えられると思います。また仙台大学は国際交流大学もハワイ大学をはじめ世界各国に点在しているので、そういった大学とIWBのオンライン会議アプリを活用して直接つながったりも比較的容易にできそうですね。

仙台大学 川平アスレティックトレー二ングルーム GM 白坂 広子 様
サテライトキャンパスにある大教室。
サテライトキャンパスの大教室。

佐野様

今後は仙台大学の公開講座をサテライト・キャンパスで行う予定です。公開講座受講の対象者は地域の方など、幅広い方々を想定しています。そういった意味でも地域連携の中でのIWBの活用は考えられますね。
また、企業との連携も朴沢学園では力を入れていまして、例えばスポーツ科学の知見を活かしてケガの予防につなげられないかといった取り組みを開始しています。建設業などケガのリスクがある現場で労働災害ができるだけ起きないようになど、大学と企業による共同研究も少しずつですが動き出しています。そういう時にIWBがあるとみんなで一緒に会議ができますよね。そういう意味でもいろんな使い方が存在する製品だと感じています。

―最後に今後の展望などがあればお聞かせください

佐野様

教員たちもIWBの機能に精通しているわけじゃないと思うので、これから教員同士で活用事例をシェアして、より便利に使用していくシーンを増やしていけたらと考えています。
スポーツという分野ではIWBを活用した授業計画の話題が上がりましたが、では食文化や福祉の分野だとリアルな現場でしか学びがないのかというと、必ずしもそうではないと思っています。例えば食文化なら海外の国際交流校とその国の食べ物についてディスカッションしたり、リアルタイムでレシピ動画を視聴したり、IWBがあることで広がる可能性はきっとあります。これから他の学科の授業にも活用していきたいです。
技術の進歩が著しい今、とにかく手元にある便利な機器をどんどん使っていくこと。そしてその変化に学校側も対応していくことが求められると思います。

―ありがとうございました。

学校法人船橋学園 東葉高等学校
■学校法人 朴沢学園 仙台大学附属明成高等学校 様
仙台大学附属明成高等学校 様は、1879年に裁縫学校「松操私塾」として創立された、宮城県最古の歴史を持つ学校です。2020年より体育大学である仙台大学の附属高校になり、高大7年の一貫教育で新しい時代に必要な資質・能力を育成する教育を目指しています。建学の精神は「実学と創意工夫」。

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