事例レポート

ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts 様(京都府)

洛北の自然と伝統美が織りなす至高のラグジュアリーリゾート

2022.5.13

ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts 静謐な空気が漂うアライバル棟。
静謐な空気が漂うアライバル棟。和の伝統的な陰影を活かした間接照明と行灯風照明がゲストをもてなします。

雄大な自然に深く潜り悠久の京都に出会う

京都市郊外に2021年9月に開業した「ROKU KYOTO, LXR Hotels &Resorts」様は、ヒルトングループ最上級ブランド「LXR Hotels & Resorts」の名を冠するアジア初のラグジュアリーホテルです。琳派の創設者・本阿弥光悦が弟子や職人とともに創作活動を行い、芸術村を築き上げたとされる鷹峯三山の麓に建てられています。「Dive into Kyoto」をコンセプトに、国内外のゲストにこの土地ならではの自然や歴史、文化に触れながら、まだ知られていない京都の奥深い魅力を発見し、ゆったりとくつろいでいただけるような工夫がふんだんに設えられています。

周囲の山々に溶け込むような外観を持ち、インテリアは芸術村から着想を得た「アーティスト レジデンス」というコンセプトで建てられました。漆や竹など京都で培われた伝統工芸を取り入れ、自然をイメージした現代アートワークも随所に展示されており、この土地の芸術性に浸ることができます。

ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts
ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts 様
[所在地] 京都市北区衣笠鏡石町44-1
[建築主] 東急不動産株式会社
[設計・監理]株式会社東急設計コンサルタント
[施工] 株式会社竹中工務店

■建築概要
[敷地面積] 40,360.72m?(既存施設敷地を含む)
[延床面積] 12,378.02m?
[構造規模] RC造一部木造及びS造地下1階、地上4階

建築やアート、景観に調和する光の演出

浮島が配された水盤とレストラン棟。水の揺らぎによる癒しの狙いもあり、ゲストはのびのびと滞在を楽しむことができます。
浮島が配された水盤とレストラン棟。水の揺らぎによる癒しの狙いもあり、ゲストはのびのびと滞在を楽しむことができます。

まず、ホテルに到着したゲストを迎えるのはアライバル棟です。照明は和の雰囲気を引き立てるよう行灯や間接照明など、伝統的な素材を組み合わせた間接光を用い、和の独特な陰影を活かした光の演出を採用。日本の文化を彷彿させ、滞在への期待が膨らみます。レセプション、ティーハウスには建築意匠に使用されている木の香りが漂い、到着した安心感も相まって心が安らぎます。また、窓から見える周囲の山々の景色をそのままに取り込んだ中庭空間が、館内にいながらこの土地の自然を体感させてくれます。室内には雲や稲妻、水面の揺らぎなど自然の美を漆の技法で表現したインテリアや調度品が展示されています。作品に合わせて配灯されたスポットライトやピクチャーライトが作品の存在感と質感を際立たせ、空間全体に彩りを添えます。ゲストは京都の伝統や文化に知識を深めながら、ゆったりとくつろぎの時間を過ごせます。

アライバル棟と客室棟の間に広がる水盤はホテルを代表する空間の一つで、灯篭や北山杉が配された浮島と周辺の鷹峯の風景を写し込みます。周囲の自然とホテルとをゆるやかにつなぎ、屋内外の境界をなくす役割を担います。夜には建物や灯篭から漏れる照明が重なる水鏡となり、幽玄な雰囲気を演出。非日常の世界観と静寂に包まれます。

施設全体の照明の明るさは時間帯に合わせて調光され、日の移ろいとともに表情を変える景観と優雅な滞在を楽しめるよう配慮されています。

木材と切妻天井で構成されたアライバル棟のレセプションエリア
木材と切妻天井で構成されたアライバル棟のレセプションエリア。
この地に培われた歴史を漆を用いて現代的に解釈した作品群が、優しい木の香りとともに深く心に刻まれます。

伝統の継承と進化を照らし見守る

和傘をモチーフにした照明が象徴的なレストラン「TENJIN」
和傘をモチーフにした照明が象徴的なレストラン「TENJIN」。
「琳派リフレクション」をテーマに、地元の食材や器、盛り付けにもこだわったフレンチを堪能できます。
Photo:Jimmy Cohrssen

レストラン「TENJIN」では、「自然・芸術・料理」をモチーフに、本阿弥光悦の琳派から着想を得た独自の盛付技法と、自家栽培したハーブや地元の食材を活かしたフレンチ料理を堪能できます。店内は竹細工をテーマに、竹の持つしなやかさや繊細さを活かしたアートワークや空間意匠が配され、軽やかな気持ちで食事を楽しむことができます。

空間の中でひときわ目を引くのが、オープンキッチンの天井に吊るされた和傘照明です。実際の和傘を模した繊細な構造に、貼り合わされた和紙から漏れる温かみのある光を感じながら、創造性に富む料理を楽しむことができます。和傘照明の最下部には小口径のダウンライトを取り付けており、シェフの手元の明るさを確保します。店内全体には間接照明が採用されており、天井をやわらかく灯す光のラインが奥行を感じさせ、開放的な空間を演出します。

敷地内を流れる天神川のせせらぎが聴こえる落ち着いた雰囲気の中、鷹峯の土地ならではのストーリーが刻まれたドラマチックな料理の味わいとともに五感が刺激され、充実した時間を過ごせます。

くつろぎの空間をしずかに灯し出す

アイリスオーヤマはベース照明や間接照明のほか、ヘッドボード照明やベッドサイド照明の開発も担当。
1. アイリスオーヤマはベース照明や間接照明のほか、ヘッドボード照明やベッドサイド照明の開発も担当。
2. 洗面台のミラー照明は身支度に合わせて光の方向を調整できる角度可変式に。
3. ホテル北側に位置する「THE ROKU SPA」の屋外サーマルプール。夜には周辺の景観と照明が織りなす雰囲気により、リラックスした気持ちに。

5タイプ・全114室からなるゲストルームはひろびろとスペースが取られており、心地良く羽を伸ばすことができます。大窓から鷹峯の景色を一望でき、窓際のソファで思い思いのひとときを過ごせます。

室内でゆっくりとくつろいだり、景色を楽しんだりすることの妨げとならないよう、照明には光源のまぶしさ(グレア)と器具の存在感を最小限に抑えたピンホールユニバーサルダウンライトが採用されました。

客室棟のインテリアのテーマは唐紙。共用部とゲストルームの壁面には同じ柄の唐紙文様が使われており、一体感のある雰囲気が居心地の良さを感じさせます。室内の随所に飾られた西陣織の作品や陶器などの調度品を間接照明が照らし、日本の素材が持つ魅力と職人技の巧妙さを引き立てています。客室でも日本の文化や伝統に触れることができ、このホテルでの滞在をより特別なものにしてくれます。

アイリスオーヤマではそれぞれの空間意匠に沿ってLED照明器具を開発・納入しました。日本の文化や京都の伝統工芸を現代風に解釈したインテリアと鷹峯の自然に調和し、静けさのなか過ごせることを考えた照明を通じて「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」様の開設に携わりました。

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