「ホームソリューション」から「ジャパン・ソリューション」へ。アイリスオーヤマが日本の社会課題の解決に取り組む理由

「ホームソリューション」から「ジャパン・ソリューション」へ。アイリスオーヤマが日本の社会課題の解決に取り組む理由

家庭での困りごとや悩みを「なるほど!」と思わせるアイデアで解決する、ユニークな商品を数多く生み出してきたアイリスオーヤマ。そのアイデアや技術は、日本全体が抱えるさまざまな「困りごと」の解決にも活かせるはず――その思いから、アイリスオーヤマが経営理念の柱のひとつに掲げているのが「ジャパン・ソリューション」です。これまで培ってきた製造・販売の両方の強みやノウハウを生かして、日本に元気を取り戻すための「ソリューション」を提供する。その「ジャパン・ソリューション」の取り組みをご紹介します。

「ホームソリューション」から「ジャパン・ソリューション」へ。アイリスオーヤマが日本の社会課題の解決に取り組む理由

+1 Day 編集部

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「ジャパン・ソリューション」の3つの柱

アイリスオーヤマの掲げる「ジャパン・ソリューション」とは何か?それは次の3つの事業が大きな柱となっています。

【ジャパン・ソリューション➀】家電事業

なるほど家電の写真
アイリスオーヤマの代名詞ともいえる「なるほど家電®」。「超軽量スティッククリーナー」「ふとん乾燥機カラリエ」などヒット商品は数えきれませんが、それらは徹底した「ユーザーイン」の発想から生まれています。掃除、洗濯、料理などのわずらわしさを少しでも解消したいとの思いで、生活者の悩みに寄り添いながら、「これがほしかった!」と思っていただける家電を提供し続けています。
2013年にはアイリスオーヤマ創業の地・大阪に「大阪R&Dセンター」を開設。大手家電メーカー出身の技術者を積極的に採用し、開発を強化していきました。そこには確かな技術と経験を持つスペシャリストを採用することで「日本のものづくりの技術を守りたい」との思いも込められています。
※消費者のニーズを見つけ不満を解決し、需要を創造するモノづくりの考え方
大阪R&Dセンターの様子

【ジャパン・ソリューション➁】LED事業

アイリスオーヤマのLED
2009年、鳩山由紀夫首相(当時)がニューヨークの国連本部で開かれた国連気候変動サミットにおいて「2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減する」ことを宣言しました。「節電がより重要な課題になる」と考えたアイリスオーヤマは、本格的にLED照明の開発に着手します。
当時、白熱球が100円の時代に当時のLED電球は6,000円程度。素材から徹底的に見直し、業界初のプラスチックボディの採用など創意工夫を重ね、3分の1の1,980円で販売できるLED電球の開発に成功。白熱球からLED電球への切り替えを急速に浸透させることができました。
また、2011年に発生した東日本大震災により、福島県の原子力発電所事故をはじめとする電力不足は、被災地を越え全国に広がりました。アイリスオーヤマは「今後節電は東北地方だけでなく、日本にとって大きなテーマになる」と考えました。すぐに中国・大連工場の設備を増設、照明器具の生産能力を3倍に増やし、LED製品のラインアップを大幅に広げました。2011年4月にはLED照明の受注量が前年の同じ月に比べて倍増し、5月には3~5倍に跳ね上がりました。
大連工場
以来、日本におけるLED照明市場を牽引し続け、今日ではオフィスや商業施設、スポーツ施設、公共施設など法人向けの節電対策の支援を展開しています。
アイリスオーヤマのLEDが使用されている施設

【ジャパン・ソリューション➂】精米事業

アイリスオーヤマのパック米
2011年の東日本大震災で、東北地方の農業は壊滅的な被害を受けました。特に、被災後の風評被害によって「作っても売れない」状況に多くの農家が陥っていたのです。アイリスオーヤマでは、被災地支援と東北の農業振興のため、農商工連携で「簡単・おいしい・便利」をコンセプトに米の生産・販売をすべく、株式会社舞台ファームと共同出資で「舞台アグリイノベーション」を設立しました。宮城県亘理郡亘理町に日本最大級・24時間稼働で年間10万トンを精米可能な工場を建設しました。
アイリスオーヤマのパック米
また、宮城県をはじめとする米農家と契約し、収穫した米を全て買い取る「全量買い取り制度」を通して安定した農業経営を支援しています。
ただ届けるだけでなく、15℃以下の低温製法で精米した米を小分けパックにして鮮度を維持する技術を独自開発し、美味しさを長持ちさせる工夫をしています。こうした米は精米・パック米・餅などの形でスーパーだけでなく、インターネット通販やホームセンターなどアイリスオーヤマの豊富な販売チャネルを活かして販売しています。
食糧自給率を引き上げるためにも、東北の米農家に安心して美味しい米を作り続けてほしい。そのための取り組みも「ジャパン・ソリューション」のひとつです。

困りごとを解決する「ソリューション」を生み出してきた歴史

アイリスオーヤマの企業年表
なぜ、アイリスオーヤマでは「ジャパン・ソリューション」という、日本の社会課題の解決をテーマに掲げているのでしょうか? それは創業以来、常に「ソリューション」を提供し続けてきたことが関係しています。
1958年、「大山ブロー工業」として東大阪に創業。最初のヒットとなったのは魚の養殖に用いる「ブイ」でした。当時の主流はガラス製のブイで、輸送途中で割れてしまうことも少なくありませんでした。そこにプラスチック製の養殖ブイを開発したことで、安定して輸送でき、カタチも自由自在に作れるようになりました。養殖業や輸送に携わる人の困りごとを解決する「ソリューション」の原点はここにあります。
アイリスオーヤマのブイ
その後もプラスチック加工・成型の技術を活かして、プラスチック製のプランターや植木鉢、収納ケースなどを次々と開発。今では見慣れた透明な収納ケースですが、元々は色がついていて透明なものはほとんどなく、「服を探しづらい」という不満がありました。それを解消するため、「探す収納」をキーワードに、アイリスオーヤマが透明なプラスチックを開発したのです。
クリア収納ケース
このように、プラスチック成型から家庭用の園芸、ペット用品、さらにはLED、家電へと事業を拡大していったアイリスオーヤマの歴史は、常に困りごとを見つけ、解決する「ソリューション」を積み重ねてきた歴史でもあります。そんなアイリスオーヤマだからこそ、家庭の困りごとを解決する「ホームソリューション」から、日本の社会課題を解決する「ジャパン・ソリューション」に目を向けることはきわめて自然なことなのです。

アイリスオーヤマならではの強みを活かして

アイリスオーヤはなぜここまで、ユーザーの生活に密着する商品を生み出し、販売できるのか。大きくわけて3つの強みがあります。
1つ目は「多種多様な事業領域」
カテゴリーと素材の図
販売商品は園芸、ペット用品、内装からLED、家電と多岐にわたり、プラスチックだけでなく金属、木材などさまざまな加工技術を持っています。業種にこだわらずにものづくりに取り組んできたからこそ、過去の経験にとらわれず自由に発想で経験やノウハウを掛け合わせ、「なるほど!」と思わせるアイデアを生み出すことができるのです。前述したLED電球も、プラスチック加工の技術があったからこそ、当時の市場価格の3分の1という価格で提供することができました。
2つ目は「メーカーベンダーであること」
メーカーベンダーシステムの図
商品の企画・開発、生産だけでなく、生産、物流まで、中間の事業者に頼らず自社グループで一貫して手がけています。そのことで中間コストを削減し、通常よりもお求めやすい価格で商品をお届けすることを可能にしてきました。
3つめは「豊富な販売チャネル」
どんなに優れた商品も、売る先がなければ届けることができません。アイリスオーヤマではあらゆる事業を手がけていることや、「メーカーベンダー」として製造から物流まで手がけていることで、ホームセンター、スーパー、ドラッグストア、コンビニエンスストアなど多様な販売先との接点を持っています。だからさまざまなお客様のもとに商品をお届けできるのです。
これまで培ってきたアイリスオーヤマ独自の強みが、「ジャパン・ソリューション」を展開する上でも、大きな推進力となっているのです。

東日本大震災が大きな転機に

アイリスオーヤマの社員
アイリスオーヤマが「ジャパン・ソリューション」へと企業経営の舵を大きく切った「転機」があります。それが、2011年の東日本大震災です。
宮城県内に本社と工場を持つアイリスオーヤマ自身も大きな被害を受けました。同時に、周囲を見渡すと、これまで取引などでつながりのあった企業や店舗、農家、さらに住民の方々が未曽有の災害に直面し、困っている状況がありました。被災した当事者としても、この状況を見過ごすわけにはいきません。
ダイシン店内での様子
グループが運営するホームセンター「ダイシン」ではライフラインがストップし、レジも動かない状況の中、店舗を開け、地元の人々に地元の人々に電池や毛布、カセットコンロなどの商品を提供し続けました。気仙沼店では寒さの中に並ぶお客様へ暖房用に、一人当たり10リットルの灯油を無償で提供しました。精米事業もこの時にスタートし、復興支援の想いから地元の農業生産法人との取り組みを決断しました。
復興支援事業の一環として、被災した地域の産業振興と雇用にも取り組んでいます。
2014年、宮城県亘理郡亘理町に精米工場を設立。さらに、2022年には福島県南相馬市の復興工業団地内に「アイリスプロダクト南相馬工場」を設立。パックごはん用トレーや脱酸素剤などを自社製造する拠点を確立しました。
南相馬工場

「ジャパン・ソリューション」にうまれた新たな社会課題

近年、さらに「ジャパン・ソリューション」の事業領域は広がっています。代表されるのが「ロボティクス事業」と「エアソリューション事業」です。

【ジャパン・ソリューション➃】ロボティクス事業

ロボット製品
少子高齢化による労働者不足は、年々深刻さを増しています。その労働力不足をロボット技術による省人化で補うことが、新たな社会課題として求められています。
そこで、2020年にソフトバンクグループの「ソフトバンクロボティクス株式会社」とDX清掃ロボット「Whiz i  アイリスエディション」を共同開発。同社との業務提携によって、商業施設など企業向けのロボット開発を進めています。
業務用のサービスロボット分野は、今後の日本経済を牽引する成長分野の一つでもあります。DX(デジタル・トランスフォーメーション)への対応という観点からも、新たな「ジャパン・ソリューション」として、ロボティクスに力を入れています。

【ジャパン・ソリューション➄】エアソリューション事業

アイリスオーヤマのエアソリューション技術
新型コロナウイルスも一時期の感染拡大期から、徐々に人手も回復しつつあります。その中で、新たな感染症への備えとともに、健康や防疫に対する人々の関心が高まっています。
PlasmaGuard PRO
そこで、「空気の質を高める」ことを新たな社会課題ととらえ、2022年に「エアソリューション事業」に参入。独自の大規模空気清浄化技術を持つ米プラズマガードLLCと提携し、「Plasma Guard PRO™ アイリスエディション」の日本での販売を手がけています。

新たな社会課題を加えた日本のニーズに応える「ジャパン・ソリューション」

アイリスオーヤマ角田工場
家電、LED、精米の3事業に、新たな社会課題であるロボティクス、エアソリューションを加えた「ジャパン・ソリューション」を推進しています。
少子高齢化に直面している日本は、「課題先進国」でもあります。その日本国内の社会課題を解決できるアイデアは、国外の課題をも解決することができるはず。アイリスオーヤマの「ジャパン・ソリューション」で日本のものづくりをもう一度元気にし、国際競争力を取り戻すきっかけにもなると考えています。「ジャパン・ソリューション」の取り組みについて、「+1 Day」でも順次ご紹介していくのでぜひご覧ください。

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